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人間の令嬢というのもは、奥ゆかしいものだと思っていた。
出会ってから交際に至るまで細かなマナーがあり、誰もがそれをきちんと守る。男だろうが女だろうがそれを破ろうものなら大顰蹙。へたすると社交界から締め出されてしまう。
だからベッドへたどり着くまで大変な労力がいる。
しかし例外もある。
今、ジークの前に横たわる彼女が、それである。流行のデザインのドレスを自ら脱ぎ捨て、下着も何もかもをベッドの下に落とした彼女は、しかし決して淫らな女ではない。
「熱いの……!」
ジークの軽率な吸血行為によって彼女の官能に火がついたとしか思えないが、それにしても落差が激しすぎる。
真っ黒のシーツに彼女の白い肌と艶やかな金髪が波打つ。ベッドのそばにある大きな窓から月明かりがさし込み、半開きのぷっくりした唇が艶めかしく光る。
「レディ、どこに触れてほしいのかな?」
「あ、あ、どこでもっ……はやくっ」
はやく、とはまた積極的であるが、積極的な女性も嫌いではない。
するりと腹部を撫でれば、たちまち恍惚の表情を見せる。が、物足りないのだろうか、ちょっと困った表情になった。それまた可愛らしい。
本来は表情豊かなタイプなのかもしれないな、と、ジークは思った。会場で声をかける前に見かけた彼女は、とても大人しく静かに人の群れを眺めていた。踊ることも飲み物を手にすることもなく、ただじっと。いわゆる壁の花だが、雪の中の水仙のような美しさがあった。
「ここは、どうだろう?」
今度は、行儀よく揃えられている太ももの内側を柔らかく撫でる。手に吸い付くような柔らかい肌。
「素敵っ……ああっ、痺れる……」
痺れる? と、ジークは思わず首をかしげてしまう。これまで多くの女性――種類問わず――を抱いてきたが、撫でただけで痺れると言われたのは初めてである。
「気持ちいいのかな?」
触り心地のいい脚を堪能しながら耳元で囁けば、ヴィオラはこくこくと頷く。
「あああ……」
ツンと上向いた両胸の突起が震えている。敢えて先端には触れずやわやわと周りから揉むと、小さい喘ぎが漏れる。その喘ぎがおもいのほか部屋に響き、ヴィオラは慌てて自分の口を手で塞いだ。
「どうした?」
「こんな……はしたないっ……」
「俺は気にしないよ……恥じらうレディも、男を煽ることになる……」
ぺろり、と、右胸の突起を舐める。びくっ、と白い身体が跳ねる。何度も舐めているうちに、ヴィオラの声が高くなってきた。
「やあ、そこっもう、だめぇ……」
「ソコ、とはコレかな?」
仕上げとばかりに指先できゅっと先端を摘み、反応を見ながら強く両胸を揉み込む。そして、パッとはなす。ぶるり、と大きく揺れる。その揺れさえ、官能に変換されるらしい。
「は、ああ……」
息を止めて身を捩るヴィオラは快楽の波に飲み込まれまいと耐えているようにも見える。
「我慢は禁物だよ」
再び両胸を掴む。手から溢れ出した先端をぱくりと咥え、舌先で転がす。
「や、だめ、ああっ……も、もう、だめ……」
「いい、の間違いだと思うけどねぇ……」
両足をゆっくり開かせて、薄い茂みを掻き分ける。
指先で擽れば、案の定、蜜が溢れている。
「わかるかい? ドロドロだよ」
「そんな……どうして……」
急いで身を起こすヴィオラは、心底慌てているようだった。
「ああ、心配はいらない。これはきみが、俺の愛撫を気持ちいいと感じた証だから」
「では……おかしくはないのですか?」
「大丈夫。安心して俺に任せて」
よかった、と微笑みヴィオラが妙に愛おしく、ジークはヴィオラの瞼や頬、唇にキスを落として回った。
「くすぐったい……」
再び仰向けに寝かせて茂みを掻き分けさらに奥へ奥へと指を入れる。花弁はたっぷりと蜜を垂らし、ジークの指をあっさり受け入れた。
しかしいくら蜜が溢れていようとも未開発のそこは狭い。
「ほぐすよ……」
ゆっくり指を出し入れする。ヴィオラは痛がる素振りは見せていない。それどころか、どんどん蜜が溢れてジークの指が濡れる。
「もう一本、増やすよ」
「はい」
二本の指を揃えて押し込むと、ヴィオラが大きく身体を震わせた。
「痛むかい?」
「いいえ……埋まっていくのがわかるのです……」
「埋まった……? 何がだい?」
「物足りない穴が……満たされていく」
心の話なのか、物理的に穴が埋まったからか判別しかねるが、どうやら彼女は満足しているらしい。
「……自慢の俺のモノ、まだ挿入してないんだけどな」
指だけで満足されては困るのだ。だが、指を動かすだけでヴィオラは仰反るほどに快楽を貪っている。
「ちょっと……つまんないよね、ソレじゃ」
にやり、と笑ったジークは、手早く己の雄茎を取り出し、隘路の入り口にぴたりとあてがった。
「これを……入れるよ」
上半身を起こしたヴィオラは、屹立したそれを見るなり思わぬ行動をとった。
「え……」
ジークは、仰向けにベッドに押し倒されてしまった。
「どうしてこうなった……?」
慌てて身を起こそうとするが、素早くヴィオラがのしかかってくる。
「あ、の……?」
部屋の中が一瞬、静まり返る。
遠くで「紫蘇ジュースはやく!」と叫ぶエラの声がする。噂によると、不埒な真似をしたヴァンパイアは紫蘇ジュースをお仕置きとして飲まされるらしい。
「これがバレたら、俺も紫蘇ジュース飲まなきゃな……」
ヴィオラの血を吸い、挙句、こうして処女を頂こうとしている。バレたらただでは済まないだろう。
「大丈夫ですわ……」
ヴィオラが、嫣然と微笑んだ。
出会ってから交際に至るまで細かなマナーがあり、誰もがそれをきちんと守る。男だろうが女だろうがそれを破ろうものなら大顰蹙。へたすると社交界から締め出されてしまう。
だからベッドへたどり着くまで大変な労力がいる。
しかし例外もある。
今、ジークの前に横たわる彼女が、それである。流行のデザインのドレスを自ら脱ぎ捨て、下着も何もかもをベッドの下に落とした彼女は、しかし決して淫らな女ではない。
「熱いの……!」
ジークの軽率な吸血行為によって彼女の官能に火がついたとしか思えないが、それにしても落差が激しすぎる。
真っ黒のシーツに彼女の白い肌と艶やかな金髪が波打つ。ベッドのそばにある大きな窓から月明かりがさし込み、半開きのぷっくりした唇が艶めかしく光る。
「レディ、どこに触れてほしいのかな?」
「あ、あ、どこでもっ……はやくっ」
はやく、とはまた積極的であるが、積極的な女性も嫌いではない。
するりと腹部を撫でれば、たちまち恍惚の表情を見せる。が、物足りないのだろうか、ちょっと困った表情になった。それまた可愛らしい。
本来は表情豊かなタイプなのかもしれないな、と、ジークは思った。会場で声をかける前に見かけた彼女は、とても大人しく静かに人の群れを眺めていた。踊ることも飲み物を手にすることもなく、ただじっと。いわゆる壁の花だが、雪の中の水仙のような美しさがあった。
「ここは、どうだろう?」
今度は、行儀よく揃えられている太ももの内側を柔らかく撫でる。手に吸い付くような柔らかい肌。
「素敵っ……ああっ、痺れる……」
痺れる? と、ジークは思わず首をかしげてしまう。これまで多くの女性――種類問わず――を抱いてきたが、撫でただけで痺れると言われたのは初めてである。
「気持ちいいのかな?」
触り心地のいい脚を堪能しながら耳元で囁けば、ヴィオラはこくこくと頷く。
「あああ……」
ツンと上向いた両胸の突起が震えている。敢えて先端には触れずやわやわと周りから揉むと、小さい喘ぎが漏れる。その喘ぎがおもいのほか部屋に響き、ヴィオラは慌てて自分の口を手で塞いだ。
「どうした?」
「こんな……はしたないっ……」
「俺は気にしないよ……恥じらうレディも、男を煽ることになる……」
ぺろり、と、右胸の突起を舐める。びくっ、と白い身体が跳ねる。何度も舐めているうちに、ヴィオラの声が高くなってきた。
「やあ、そこっもう、だめぇ……」
「ソコ、とはコレかな?」
仕上げとばかりに指先できゅっと先端を摘み、反応を見ながら強く両胸を揉み込む。そして、パッとはなす。ぶるり、と大きく揺れる。その揺れさえ、官能に変換されるらしい。
「は、ああ……」
息を止めて身を捩るヴィオラは快楽の波に飲み込まれまいと耐えているようにも見える。
「我慢は禁物だよ」
再び両胸を掴む。手から溢れ出した先端をぱくりと咥え、舌先で転がす。
「や、だめ、ああっ……も、もう、だめ……」
「いい、の間違いだと思うけどねぇ……」
両足をゆっくり開かせて、薄い茂みを掻き分ける。
指先で擽れば、案の定、蜜が溢れている。
「わかるかい? ドロドロだよ」
「そんな……どうして……」
急いで身を起こすヴィオラは、心底慌てているようだった。
「ああ、心配はいらない。これはきみが、俺の愛撫を気持ちいいと感じた証だから」
「では……おかしくはないのですか?」
「大丈夫。安心して俺に任せて」
よかった、と微笑みヴィオラが妙に愛おしく、ジークはヴィオラの瞼や頬、唇にキスを落として回った。
「くすぐったい……」
再び仰向けに寝かせて茂みを掻き分けさらに奥へ奥へと指を入れる。花弁はたっぷりと蜜を垂らし、ジークの指をあっさり受け入れた。
しかしいくら蜜が溢れていようとも未開発のそこは狭い。
「ほぐすよ……」
ゆっくり指を出し入れする。ヴィオラは痛がる素振りは見せていない。それどころか、どんどん蜜が溢れてジークの指が濡れる。
「もう一本、増やすよ」
「はい」
二本の指を揃えて押し込むと、ヴィオラが大きく身体を震わせた。
「痛むかい?」
「いいえ……埋まっていくのがわかるのです……」
「埋まった……? 何がだい?」
「物足りない穴が……満たされていく」
心の話なのか、物理的に穴が埋まったからか判別しかねるが、どうやら彼女は満足しているらしい。
「……自慢の俺のモノ、まだ挿入してないんだけどな」
指だけで満足されては困るのだ。だが、指を動かすだけでヴィオラは仰反るほどに快楽を貪っている。
「ちょっと……つまんないよね、ソレじゃ」
にやり、と笑ったジークは、手早く己の雄茎を取り出し、隘路の入り口にぴたりとあてがった。
「これを……入れるよ」
上半身を起こしたヴィオラは、屹立したそれを見るなり思わぬ行動をとった。
「え……」
ジークは、仰向けにベッドに押し倒されてしまった。
「どうしてこうなった……?」
慌てて身を起こそうとするが、素早くヴィオラがのしかかってくる。
「あ、の……?」
部屋の中が一瞬、静まり返る。
遠くで「紫蘇ジュースはやく!」と叫ぶエラの声がする。噂によると、不埒な真似をしたヴァンパイアは紫蘇ジュースをお仕置きとして飲まされるらしい。
「これがバレたら、俺も紫蘇ジュース飲まなきゃな……」
ヴィオラの血を吸い、挙句、こうして処女を頂こうとしている。バレたらただでは済まないだろう。
「大丈夫ですわ……」
ヴィオラが、嫣然と微笑んだ。
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