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第五章
第43話 Star-shaped Scar
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ミゲルはポケットから、柄の部分に美しい装飾が施されているバタフライナイフを取り出した。
慣れた手付きで刃を出し、洋介へと近づく。
ミゲルは、洋介のみぞおちにナイフの刃先をほんの少し触れさせ、その刃先を洋介の左の腰骨あたりまでゆっくりと滑らせる。
刃先が辿った道筋にはうっすらと血が滲んでいる。
洋介は、冷たい金属が肌に触れる感覚に恐怖を感じ、硬直する。
洋介が恐怖を感じていることを嗅ぎ取ると、ミゲルは満足気に微笑む。
刃先が腰骨の少し下、足の付け根近くに辿り着くと、ミゲルは刃先を少しめり込ませた。
「うっ!」
痛みで洋介の顔が歪む。
ミゲルは、刃先をめり込ませたままナイフをゆっくりと動かしていた。
皮膚が切り裂かれ、血が流れる。
「あぁっ……っつ……」
耐えきれず洋介の口から呻きが漏れる。
ナイフの動きが止まった。
――その傷口は星の形をしていた。
「これはね、僕からアイツへのプレゼントなんだ」
ミゲルは、また踊るように移動しながら楽しげに言う。
「アイツは喜んでくれるかな? きみの身体に僕の印を付けてあげたよ」
ベルガモットの香りが鼻先をかすめる。
「この印を見るたびに、アイツは僕を思い出す。きみを抱くたび僕の存在を意識する」
ミゲルは一呼吸置いて続ける。
「楽しいね。きみの身体に付けたこの印を見たとき、アイツはどんな顔をするかな? 僕は直接見ることができないから、今度会ったときに教えてよ。アイツがどんな顔をしたか……ふふっ……」
ミゲルは楽しげに笑いながら、また踊るように動き回る。
「今ここで、きみを殺すこともできるけど、ゲームが終わってしまうのはつまらない。僕はもう少しきみたちと遊びたい。だからアイツにきみを助けるヒントをあげるつもりだよ。きみの命が尽きる前に、アイツはきみを見つけることができるかな?」
出血と寒さで、洋介の意識がしだいに遠のいてゆく。
薄れる意識の中でミゲルの言葉が微かに聞こえたような気がした。
「……間に合うといいね…………またね……」
慣れた手付きで刃を出し、洋介へと近づく。
ミゲルは、洋介のみぞおちにナイフの刃先をほんの少し触れさせ、その刃先を洋介の左の腰骨あたりまでゆっくりと滑らせる。
刃先が辿った道筋にはうっすらと血が滲んでいる。
洋介は、冷たい金属が肌に触れる感覚に恐怖を感じ、硬直する。
洋介が恐怖を感じていることを嗅ぎ取ると、ミゲルは満足気に微笑む。
刃先が腰骨の少し下、足の付け根近くに辿り着くと、ミゲルは刃先を少しめり込ませた。
「うっ!」
痛みで洋介の顔が歪む。
ミゲルは、刃先をめり込ませたままナイフをゆっくりと動かしていた。
皮膚が切り裂かれ、血が流れる。
「あぁっ……っつ……」
耐えきれず洋介の口から呻きが漏れる。
ナイフの動きが止まった。
――その傷口は星の形をしていた。
「これはね、僕からアイツへのプレゼントなんだ」
ミゲルは、また踊るように移動しながら楽しげに言う。
「アイツは喜んでくれるかな? きみの身体に僕の印を付けてあげたよ」
ベルガモットの香りが鼻先をかすめる。
「この印を見るたびに、アイツは僕を思い出す。きみを抱くたび僕の存在を意識する」
ミゲルは一呼吸置いて続ける。
「楽しいね。きみの身体に付けたこの印を見たとき、アイツはどんな顔をするかな? 僕は直接見ることができないから、今度会ったときに教えてよ。アイツがどんな顔をしたか……ふふっ……」
ミゲルは楽しげに笑いながら、また踊るように動き回る。
「今ここで、きみを殺すこともできるけど、ゲームが終わってしまうのはつまらない。僕はもう少しきみたちと遊びたい。だからアイツにきみを助けるヒントをあげるつもりだよ。きみの命が尽きる前に、アイツはきみを見つけることができるかな?」
出血と寒さで、洋介の意識がしだいに遠のいてゆく。
薄れる意識の中でミゲルの言葉が微かに聞こえたような気がした。
「……間に合うといいね…………またね……」
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