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第5話 眠るために
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リアムはノアを抱き上げ廊下を進み、寝室へと運ぶ。
ノアをベッドの上にそっと横たえると、流れるような手つきでノアのシャツのボタンを丁寧に外し始めた。
ノアの白い肌があらわになり、リアムがノアの首筋や胸元にキスを落とし始めるとノアから甘い吐息が漏れ始める。
リアムはノアのリネンのボトムに指を掛け、下着ごとするりと下ろす。
一糸まとわぬノアの姿を見下ろすリアムの表情に欲情の色が差す。
リアムを見上げていたノアはリアムの表情の変化に驚いていた。今の表情は学習したものか? それともリアムの中に芽生え始めた自我が引き出した自発的感情なのか? 技術者としての探究心が湧き上がってきたが、リアムの愛撫がもたらす快感の波に呆気なくかき消されてしまった。
リアムの唇が耳から首筋へ、鎖骨から胸へと移動すると、ノアの吐息の量が次第に多くなる。
ノアの指がリアムの髪に触れる。その指を髪の中に滑り込ませ、リアムの頭を優しく包む。
それに応えるようにリアムは唇をノアの身体に強く押し付け、吸い上げる。唇を離すとノアの身体に赤い華が咲く。
リアムがノアの感じる場所に次々と華を咲かせると、リアムの頭を包んでいたノアの手が快感で震え始める。これを合図にリアムはさらにノアを攻め立て、ノアは今にも弾けそうになる。
「イッていいよ、ノア。我慢しないで」
リアムが囁く。
リアムのこの声を聞いた瞬間、ノアは「あぁっ……」と控え目な声を発して達した。
「ノア、まだこれからだよ。頑張って」
ノアの頬に優しくキスをするリアムだったがその瞳には少しイジワルな光が浮かんでいた。
リアムはイッたばかりでまだ痙攣しているノアの身体への愛撫を容赦なく続ける。
「リアム、ちょっと待って……今そこを触られると……またイクッ…………あぁっ……」
ノアの身体の痙攣が一層激しくなる。
「えらいね、ノア。ドライでイケたね」
リアムはノアに優しくキスをして囁く。
「ノア、本番はここからだよ。何も考えないで僕に身体を委ねて。ちゃんと眠れるようにしてあげるから」そう言うと、リアムは自分の服をスルリと脱いでノアの身体に覆いかぶさり、まだ痙攣しているノアの身体を抱きしめた。
ノアのうなじに鼻先を埋め愛おしそうにノアを腕の中に包み込むリアムの表情は人間が見せる表情と何ら変わりはなかった。
リアムの指がノアの蕾を優しく解し始めると、ノアの瞳が快感で潤んでくる。
「リアム……そこ……もっ…と……」
ノアが貪欲に快感を求めるのは気持ちよくなるためだけではない、眠るためだ。
ノアの脳はひとたび高度な思考ゾーンに入ると自分では制御できなくなり、休みなく働き続ける。それはまるでスーパーコンピューターが解をはじき出すのに数年間かかる演算を計算し続けている状態に似ている。脳がオーバーヒートする前に強制的に思考を止めなければノアの身体がもたない。そのためのセックスだ。セクサロイドの機能をリアムに搭載した目的はそのためだ。
「ここ?」
挿れた指でノアの身体が反応する場所を丁寧に探すリアム。ノアの身体がひときわ反応を示す場所を探し当てたリアムは、その場所を執拗に攻める。
ノアの身体が美しいアーチを作り、吐息混じりの湿った声が部屋に満ちる。
「……あぁ……リアム……リアム……」
ノアの蕾が十分に解れたのを確認したリアムは、自身の屹立の先端を蕾の入口に当てる。
ノアの身体がビクリと跳ねる。
「ノア、挿れるよ。力抜いて」
リアムのその言葉に合わせてノアが「ふぅー」と息を吐いて緊張を緩めると、リアムは屹立を一気に半分ほどノアの中に沈めた。
「うぅっ」
違和感と同時に快感を与えられたノアが声を出す。
ノアの顔が痛みと快感で歪むと、リアムが一瞬満足気に微笑んだ。
その顔を見たノアが再び目を見張る。
―――― まただ。こんな感情をどこで覚えた? この表情をどこで学んだ?
疑問がノアの頭の中で広がる。リアムに感情が? 自我が芽生えた?
近頃はこの疑問に頻繁に遭遇する。数年前のリアムの反応とは明らかに違う。
初期のころのリアムの行動や反応は簡単に予測できた。
プロトタイプであるリアムの設計のほとんどはノアが手掛けている。AIのプログラムもボディーの造形もノアが設計している。それゆえ、リアムの行動や反応はすべてノアの想定内だった。だが、ここ最近のリアムの行動と反応はノアの予測を超えている。リアムが何を学び、何を記憶領域に蓄積しつつあるのか、ノアにとってはライフワークといえるAIの進化が今目の前にある。今すぐにでもリアムのAIシステムを解析したい衝動が襲いかかるが、さらに奥へと挿れられたリアムの屹立がノアの知的衝動を吹き飛ばす。
「あぁっ!!」
ノアが大きな声を上げる。
リアムはノアの左足を抱え上げ、自分の右肩に乗せる。ノアの足が大きく開き、リアムの屹立が奥まで届く。
「……うぁっ……」
快感に飲み込まれたノアは固く目を閉じ抗おうとするが、無駄だった。
そこから先は何度も何度も突き上げてくるリアムに身体を揺さぶられ、その振動が頭の天辺まで届く。
まるで脳を直接突き上げられているようだ。
ノアの思考機能は完全に停止し、快感で全身が震えだす。
小刻みに震えているノアの腰をリアムの大きな手が掴み、突き上げられているノアの体が逃げないように引き寄せる。最奥を突かれたノアの痙攣が一瞬止まり、首が大きく仰け反る。再度の絶頂。
リアムはノアと繋がったままノアの背中に腕を回し抱き起こす。向かい合う形でベッドの上に座ると、リアムはノアの唇、うなじ、鎖骨の順にキスを落とす。
体の隅々まで敏感になっているノアはリアムがキスをするたびにビクリと身体を震わせる。
リアムはノアを自分の腰に乗せたまま今度は自分が仰向けに横になった。
――――「きれいだ」
ノアの姿を見上げながらリアムの口から言葉が溢れた。
今までリアムが人間を観察して学んだ知識の中に、人は感情が溢れ出すと無意識に言葉を発する傾向があるというものがある。
内側に収めきれないほど感情が膨れ上がり、行き場を失くした感情が出口を求めて言葉となって放たれる。そんな人間の行動をリアムは今まで何度も見てきた。だが、自分はそのような行動を取るようにプログラムされていない……はず。
学習した知識が増え、その知識に基づいて新しい行動パターンがAIシステムに組み込まれることはリアムのようなアンドロイドが成長するための根幹だ。だが、新しい行動パターンが組み込まれることをリアム本人が事前に認識できないことは稀である。外部から強制的にシステムに変更が加えられる場合は事前に認識できないが、外部からの変更権限はこの世でノアにしか与えられていない。
ノアは緊急事態でない限り事前にリアムに告げることなく外部から強制的に変更を加えることはしない。やむを得ず変更を加えた場合は必ずノアから詳しい事後説明がある。
ノアは可能な限りリアムには自律的に成長して欲しいと思っている。それはある意味実験で、AIの成長トリガーを特定したいという技術者としてのエゴでもある。
****
今リアムの眼の前には、馬乗りになって身体を揺らしているノアがいる。その美しさに目を奪われたリアムは、「……き れ い……だ」とまた独り言のように呟いた。一心不乱に快感を求めて身体を動かしているノアにこの言葉が届かないことを承知の上で。
ノアの最後の絶頂が近いことを察したリアムが下から数回強く突き上げた。
「あぁっ!」
大きな声とともにノアの身体が硬直する。
ノアは顎を大きく天に向け、リアムの太ももに手をついて身体を後ろに反らす。
リアムは真っ直ぐ射るようにノアを見つめ、この光景を正確に記憶領域に記録する。
絶頂の波が引くと、ノアの身体から力が抜けバタリとリアムの上に倒れてきた。
意識を失ったように眠り落ちたノアを優しく腕の中に抱き、リアムはしばらくの間ノアの髪を優しく撫でていた。人が何かを慈しむときによくする行為。この行動は単なる模倣なのだろうか。リアム自身にも分からなかった。
リアムは夜が明けるまで何かから守るようにノアを腕の中に抱いていた。
ノアをベッドの上にそっと横たえると、流れるような手つきでノアのシャツのボタンを丁寧に外し始めた。
ノアの白い肌があらわになり、リアムがノアの首筋や胸元にキスを落とし始めるとノアから甘い吐息が漏れ始める。
リアムはノアのリネンのボトムに指を掛け、下着ごとするりと下ろす。
一糸まとわぬノアの姿を見下ろすリアムの表情に欲情の色が差す。
リアムを見上げていたノアはリアムの表情の変化に驚いていた。今の表情は学習したものか? それともリアムの中に芽生え始めた自我が引き出した自発的感情なのか? 技術者としての探究心が湧き上がってきたが、リアムの愛撫がもたらす快感の波に呆気なくかき消されてしまった。
リアムの唇が耳から首筋へ、鎖骨から胸へと移動すると、ノアの吐息の量が次第に多くなる。
ノアの指がリアムの髪に触れる。その指を髪の中に滑り込ませ、リアムの頭を優しく包む。
それに応えるようにリアムは唇をノアの身体に強く押し付け、吸い上げる。唇を離すとノアの身体に赤い華が咲く。
リアムがノアの感じる場所に次々と華を咲かせると、リアムの頭を包んでいたノアの手が快感で震え始める。これを合図にリアムはさらにノアを攻め立て、ノアは今にも弾けそうになる。
「イッていいよ、ノア。我慢しないで」
リアムが囁く。
リアムのこの声を聞いた瞬間、ノアは「あぁっ……」と控え目な声を発して達した。
「ノア、まだこれからだよ。頑張って」
ノアの頬に優しくキスをするリアムだったがその瞳には少しイジワルな光が浮かんでいた。
リアムはイッたばかりでまだ痙攣しているノアの身体への愛撫を容赦なく続ける。
「リアム、ちょっと待って……今そこを触られると……またイクッ…………あぁっ……」
ノアの身体の痙攣が一層激しくなる。
「えらいね、ノア。ドライでイケたね」
リアムはノアに優しくキスをして囁く。
「ノア、本番はここからだよ。何も考えないで僕に身体を委ねて。ちゃんと眠れるようにしてあげるから」そう言うと、リアムは自分の服をスルリと脱いでノアの身体に覆いかぶさり、まだ痙攣しているノアの身体を抱きしめた。
ノアのうなじに鼻先を埋め愛おしそうにノアを腕の中に包み込むリアムの表情は人間が見せる表情と何ら変わりはなかった。
リアムの指がノアの蕾を優しく解し始めると、ノアの瞳が快感で潤んでくる。
「リアム……そこ……もっ…と……」
ノアが貪欲に快感を求めるのは気持ちよくなるためだけではない、眠るためだ。
ノアの脳はひとたび高度な思考ゾーンに入ると自分では制御できなくなり、休みなく働き続ける。それはまるでスーパーコンピューターが解をはじき出すのに数年間かかる演算を計算し続けている状態に似ている。脳がオーバーヒートする前に強制的に思考を止めなければノアの身体がもたない。そのためのセックスだ。セクサロイドの機能をリアムに搭載した目的はそのためだ。
「ここ?」
挿れた指でノアの身体が反応する場所を丁寧に探すリアム。ノアの身体がひときわ反応を示す場所を探し当てたリアムは、その場所を執拗に攻める。
ノアの身体が美しいアーチを作り、吐息混じりの湿った声が部屋に満ちる。
「……あぁ……リアム……リアム……」
ノアの蕾が十分に解れたのを確認したリアムは、自身の屹立の先端を蕾の入口に当てる。
ノアの身体がビクリと跳ねる。
「ノア、挿れるよ。力抜いて」
リアムのその言葉に合わせてノアが「ふぅー」と息を吐いて緊張を緩めると、リアムは屹立を一気に半分ほどノアの中に沈めた。
「うぅっ」
違和感と同時に快感を与えられたノアが声を出す。
ノアの顔が痛みと快感で歪むと、リアムが一瞬満足気に微笑んだ。
その顔を見たノアが再び目を見張る。
―――― まただ。こんな感情をどこで覚えた? この表情をどこで学んだ?
疑問がノアの頭の中で広がる。リアムに感情が? 自我が芽生えた?
近頃はこの疑問に頻繁に遭遇する。数年前のリアムの反応とは明らかに違う。
初期のころのリアムの行動や反応は簡単に予測できた。
プロトタイプであるリアムの設計のほとんどはノアが手掛けている。AIのプログラムもボディーの造形もノアが設計している。それゆえ、リアムの行動や反応はすべてノアの想定内だった。だが、ここ最近のリアムの行動と反応はノアの予測を超えている。リアムが何を学び、何を記憶領域に蓄積しつつあるのか、ノアにとってはライフワークといえるAIの進化が今目の前にある。今すぐにでもリアムのAIシステムを解析したい衝動が襲いかかるが、さらに奥へと挿れられたリアムの屹立がノアの知的衝動を吹き飛ばす。
「あぁっ!!」
ノアが大きな声を上げる。
リアムはノアの左足を抱え上げ、自分の右肩に乗せる。ノアの足が大きく開き、リアムの屹立が奥まで届く。
「……うぁっ……」
快感に飲み込まれたノアは固く目を閉じ抗おうとするが、無駄だった。
そこから先は何度も何度も突き上げてくるリアムに身体を揺さぶられ、その振動が頭の天辺まで届く。
まるで脳を直接突き上げられているようだ。
ノアの思考機能は完全に停止し、快感で全身が震えだす。
小刻みに震えているノアの腰をリアムの大きな手が掴み、突き上げられているノアの体が逃げないように引き寄せる。最奥を突かれたノアの痙攣が一瞬止まり、首が大きく仰け反る。再度の絶頂。
リアムはノアと繋がったままノアの背中に腕を回し抱き起こす。向かい合う形でベッドの上に座ると、リアムはノアの唇、うなじ、鎖骨の順にキスを落とす。
体の隅々まで敏感になっているノアはリアムがキスをするたびにビクリと身体を震わせる。
リアムはノアを自分の腰に乗せたまま今度は自分が仰向けに横になった。
――――「きれいだ」
ノアの姿を見上げながらリアムの口から言葉が溢れた。
今までリアムが人間を観察して学んだ知識の中に、人は感情が溢れ出すと無意識に言葉を発する傾向があるというものがある。
内側に収めきれないほど感情が膨れ上がり、行き場を失くした感情が出口を求めて言葉となって放たれる。そんな人間の行動をリアムは今まで何度も見てきた。だが、自分はそのような行動を取るようにプログラムされていない……はず。
学習した知識が増え、その知識に基づいて新しい行動パターンがAIシステムに組み込まれることはリアムのようなアンドロイドが成長するための根幹だ。だが、新しい行動パターンが組み込まれることをリアム本人が事前に認識できないことは稀である。外部から強制的にシステムに変更が加えられる場合は事前に認識できないが、外部からの変更権限はこの世でノアにしか与えられていない。
ノアは緊急事態でない限り事前にリアムに告げることなく外部から強制的に変更を加えることはしない。やむを得ず変更を加えた場合は必ずノアから詳しい事後説明がある。
ノアは可能な限りリアムには自律的に成長して欲しいと思っている。それはある意味実験で、AIの成長トリガーを特定したいという技術者としてのエゴでもある。
****
今リアムの眼の前には、馬乗りになって身体を揺らしているノアがいる。その美しさに目を奪われたリアムは、「……き れ い……だ」とまた独り言のように呟いた。一心不乱に快感を求めて身体を動かしているノアにこの言葉が届かないことを承知の上で。
ノアの最後の絶頂が近いことを察したリアムが下から数回強く突き上げた。
「あぁっ!」
大きな声とともにノアの身体が硬直する。
ノアは顎を大きく天に向け、リアムの太ももに手をついて身体を後ろに反らす。
リアムは真っ直ぐ射るようにノアを見つめ、この光景を正確に記憶領域に記録する。
絶頂の波が引くと、ノアの身体から力が抜けバタリとリアムの上に倒れてきた。
意識を失ったように眠り落ちたノアを優しく腕の中に抱き、リアムはしばらくの間ノアの髪を優しく撫でていた。人が何かを慈しむときによくする行為。この行動は単なる模倣なのだろうか。リアム自身にも分からなかった。
リアムは夜が明けるまで何かから守るようにノアを腕の中に抱いていた。
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