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【番外編】★月明かりと悪戯な指先②
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「ん……。ルゥを撫でる時と、違うわ……」
「うん、そうだね」
あっさり認めたリュートは軽く口づけ、強く抱き込んだままシーツへと押し倒す。
単純に、ルゥのように撫でてほしかったのは嘘じゃなかったのに。
簡単に組み敷かれる体は、抵抗する欠片も見当たらない。押し寄せる甘い期待でジゼルの赤い瞳が潤いを増した。
「ルゥじゃなくて、今僕が撫でてるのはジゼルだから」
しれっと言った彼は微笑み、くるりと簡単にジゼルをひっくり返す。
咄嗟のことでなにが起きたのかよくわからなかった。ただ、リュートの楽しそうな瞳だけが記憶に残る。
驚く間もなく、うつ伏せになったジゼルの腰を器用な指がやおらに撫で上げる。腰から背中、そして肩。じっくり何度も往復する手はじわじわと熱情を刺激していった。
「あっ、やだぁ……、撫でかた、いやらしい……」
「酷いな。僕はジゼルの希望通り、君を撫でているだけなのに」
手のひらが再び滑らかなヒップを弱い力で撫でる。繊細な強さは余計にタチが悪い。物足りない体の奥が疼いて、喉からは絶えず甘い声が出る。
「どうしたの? ジゼル」
くすりと笑い、ジゼルの名を呼ぶリュートの声は既に情事中のものだ。いつもより低い艶のある声はジゼルの思考を簡単に奪っていく。
元よりリュートに抱かれるのは嫌いじゃない。むしろ好き。とろっとろに身も心も蕩かされたい。
そんなジゼルに抗う気など起きるはずがなく、このまま流されることにした。
「いじわる……。焦らさないで」
振り向いたジゼルは拗ねながらも蕩けた目でリュートを見つめる。そうするとすぐにキスが重なって、悪戯な指は太ももに移動した。
やわらかなくちびるを堪能し、解放したリュートは肩に軽く噛みついた。
ぴくんと跳ねた途端、潜り込んだ指が足の付け根を撫で上げる。
「あ……っ」
同時に、うなじに吸い付かれて小さな痛みが走った。今のはきっと痕になっている。
独占欲は大歓迎だし、もっと主張してくれてかまわない。
太ももを往復する指から与えられる小さな刺激は、更なる快感を期待させた。おまけに背中に密着する体温と、背後で感じる息遣いが官能を駆り立てる。
「リュート……」
甘く名前を呼ぶと、肩を舐めた彼はショーツに指を押し当てた。
「ここも撫でてあげないとね」
「あっ……」
布地の上でゆっくり指が滑る。瞬間、大きく跳ねた体はのしかかる重みで押さえつけられてしまった。
先ほどより強い刺激はジゼルの華奢な体を震わせる。
自分でもあまり触れることのない場所だって、リュートの指が暴くのならなんの不安もない。
緩い力はもどかしく、甘い声で無意識に催促してしまう。
背中が反って、腰が上がる。そうすると、ぴたりと接触する彼の衣服越しに固い熱を感じた。
「腰、揺れてるよ。気持ちいいね、ジゼル」
「あ……っ。い、いい……」
「ん、可愛い」
肯定の言葉は喘ぎ声に混じるって溶ける。閨の時だってリュートはいつも「可愛い」を惜しまないから、それだけで心も体もふにゃふにゃに蕩けてしまう。
指が離れると同時に、硬くて熱い杭がショーツの上から押し当てられた。
ゆっくり擦りつけるような動きに声が漏れる。
だけど布を隔てているおかげで、彼を直に感じることができない。それがたまらなく歯がゆかった。
リュートを体内に感じるのが好き。ゼロどころかマイナスの距離でひとつになれるあの時間は、体だけじゃなく心も満たしてくれるから。
「あ、やだ……、それ、いや……」
今日のショーツはリボンで結ぶものではない。もどかしいジゼルは細い指をクロッチに引っ掛け、横にずらす。
そうすると淫蜜の潤む秘所があられもなく晒された。
羞恥はある。でもそれよりもっと、早く触れて、切ない体を満たしてほしかった。
「うん、そうだね」
あっさり認めたリュートは軽く口づけ、強く抱き込んだままシーツへと押し倒す。
単純に、ルゥのように撫でてほしかったのは嘘じゃなかったのに。
簡単に組み敷かれる体は、抵抗する欠片も見当たらない。押し寄せる甘い期待でジゼルの赤い瞳が潤いを増した。
「ルゥじゃなくて、今僕が撫でてるのはジゼルだから」
しれっと言った彼は微笑み、くるりと簡単にジゼルをひっくり返す。
咄嗟のことでなにが起きたのかよくわからなかった。ただ、リュートの楽しそうな瞳だけが記憶に残る。
驚く間もなく、うつ伏せになったジゼルの腰を器用な指がやおらに撫で上げる。腰から背中、そして肩。じっくり何度も往復する手はじわじわと熱情を刺激していった。
「あっ、やだぁ……、撫でかた、いやらしい……」
「酷いな。僕はジゼルの希望通り、君を撫でているだけなのに」
手のひらが再び滑らかなヒップを弱い力で撫でる。繊細な強さは余計にタチが悪い。物足りない体の奥が疼いて、喉からは絶えず甘い声が出る。
「どうしたの? ジゼル」
くすりと笑い、ジゼルの名を呼ぶリュートの声は既に情事中のものだ。いつもより低い艶のある声はジゼルの思考を簡単に奪っていく。
元よりリュートに抱かれるのは嫌いじゃない。むしろ好き。とろっとろに身も心も蕩かされたい。
そんなジゼルに抗う気など起きるはずがなく、このまま流されることにした。
「いじわる……。焦らさないで」
振り向いたジゼルは拗ねながらも蕩けた目でリュートを見つめる。そうするとすぐにキスが重なって、悪戯な指は太ももに移動した。
やわらかなくちびるを堪能し、解放したリュートは肩に軽く噛みついた。
ぴくんと跳ねた途端、潜り込んだ指が足の付け根を撫で上げる。
「あ……っ」
同時に、うなじに吸い付かれて小さな痛みが走った。今のはきっと痕になっている。
独占欲は大歓迎だし、もっと主張してくれてかまわない。
太ももを往復する指から与えられる小さな刺激は、更なる快感を期待させた。おまけに背中に密着する体温と、背後で感じる息遣いが官能を駆り立てる。
「リュート……」
甘く名前を呼ぶと、肩を舐めた彼はショーツに指を押し当てた。
「ここも撫でてあげないとね」
「あっ……」
布地の上でゆっくり指が滑る。瞬間、大きく跳ねた体はのしかかる重みで押さえつけられてしまった。
先ほどより強い刺激はジゼルの華奢な体を震わせる。
自分でもあまり触れることのない場所だって、リュートの指が暴くのならなんの不安もない。
緩い力はもどかしく、甘い声で無意識に催促してしまう。
背中が反って、腰が上がる。そうすると、ぴたりと接触する彼の衣服越しに固い熱を感じた。
「腰、揺れてるよ。気持ちいいね、ジゼル」
「あ……っ。い、いい……」
「ん、可愛い」
肯定の言葉は喘ぎ声に混じるって溶ける。閨の時だってリュートはいつも「可愛い」を惜しまないから、それだけで心も体もふにゃふにゃに蕩けてしまう。
指が離れると同時に、硬くて熱い杭がショーツの上から押し当てられた。
ゆっくり擦りつけるような動きに声が漏れる。
だけど布を隔てているおかげで、彼を直に感じることができない。それがたまらなく歯がゆかった。
リュートを体内に感じるのが好き。ゼロどころかマイナスの距離でひとつになれるあの時間は、体だけじゃなく心も満たしてくれるから。
「あ、やだ……、それ、いや……」
今日のショーツはリボンで結ぶものではない。もどかしいジゼルは細い指をクロッチに引っ掛け、横にずらす。
そうすると淫蜜の潤む秘所があられもなく晒された。
羞恥はある。でもそれよりもっと、早く触れて、切ない体を満たしてほしかった。
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