【R18】魔族の姫は隣国の王子に溺愛されたい！

74.★執着心を見せつけて

「え、や……っ、なに、それ、やだ、だめ、あっ……だめぇっ」

「だめ」と言うたび、リュートは花芯をくちびるで食んだり、緩く吸い付いたりして強い刺激を与えてくる。それに気づいたあとも、うまく回らない頭ではやっぱり同じ言葉しか出てこなかった。

　快感が強すぎて、もういっそわけがわからない。ジゼルは泣きじゃくりながら、びくびくと体を大きく震わせる。
　絶頂の波は、あっという間にジゼルを高みまで押し上げ、簡単に攫っていった。一瞬息が詰まり、熱い肌に汗が伝う。

　満足そうに目を細めるリュートは、いやらしく濡れた口元を雑に拭う。彼はいつも物腰が柔らかで、所作も丁寧だ。珍しく粗野な仕草は、ジゼルの胸を忙しなくときめかせた。

　中を探る指が増えると少しの違和感を覚えたけれど、それもすぐに新たな快感へと変わっていった。
　執拗な指と舌に翻弄されて、感じるままに喘ぎ続けるおかげで呼吸もままならない。

　顔を上げたリュートの瞳にいつもの穏やかさはなく、苛烈に宿る熱はまるで捕食者のようだ。切なく息を吐いた彼は、胸を上下させるジゼルの額に張り付いた髪を指で掬った。

「本当はもっと時間をかけて……と思ってたんだけど。ごめん、限界。もう挿れていい？」
「ん……」

　むしろ早く来て欲しい。返事の代わりにこくんと頷けば、割り開かれている両足がリュートの肩に掛けられる。何もかもさらけ出すような姿勢は恥ずかしい。羞恥に改めて頬を染めたジゼルだったが、押し当てられた熱の質量にびくりと腰が引けた。

　ゆっくり埋め込まれていく感触は体の奥底からぞわぞわとした快感を引き出していく。
　奥へと進むたび、高い声に混じる甘さが増した。ひくんと体内が悦び、雄芯を締め付ける。

　あんなに恋しかったリュートがここにいる。
　体温も匂いも感じる距離で、甘く囁きながら自分を求めてくれる。
　どうしようもなく胸がいっぱいで、更に快感がじわじわと増す気がした。

「あ、あっ……。どうしよう……、うれしい……」
「ん？」

　心の声が小さく漏れた。呂律の回らない声がうまく聞き取れなかったらしいリュートは蕩ける瞳を覗き込む。そんな仕草さえ、きゅんと胎内を締め付けた。

「うれしくて、すごく、きもちいいの……、あ、あっ！」

　瞳を合わせたまま微笑むと、じわじわ進んでいた腰が一気に穿たれた。ひときわ大きく走った快感と少しの痛み。思わず大きな目が開く。ぐっと押し付けられた箇所は深く、そこが体の最奥だと本能で感じ取った。

「君は……、どこまで僕を幸せにしてくれるんだ」

　独り言のような呟きのあと、ゆっくり引いた腰が再びねじ込まれる。僅かにあった違和感はあっという間になくなってしまった。

　気持ちよくて嬉しくて、ぽろぽろと流れる涙が止まらない。リュートの乱れた息遣いや、寄せられた眉が愛しい。指を伸ばせば、気付いた彼は快楽に震える体を愛おしそうに抱き寄せた。合わさったくちびるは汗の味がして、甘く胸の奥を締め付けた。

　もっと必死に求めて、執着心を見せつけて欲しい。
　一目惚れから始まった恋は、いつの間にか自分でも驚くほど大きくなっている。こんなにもリュートの全てが欲しくてたまらない。

「あっ、あ、リュート……！　好き……」

　緩やかな抽送が繰り返されるたび、ぐちゅぐちゅとぬかるんだ音がする。淫らな水音が更にジゼルの熱を引き上げて、呼吸をいっそう早くさせた。

　体を満たす熱杭は充足感すら与えてくれる。無防備な姿で全てを受け入れることが出来るのは、快楽を与えているのがリュートだからだ。他の男になんかもう二度と、指一本も触れられたくない。