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28.★ずっと君しか見えない
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可憐な口端から垂れた唾液が顎から首へとまとわりついて、熱い舌がゆっくりとその跡をなぞらえる。
「僕を引き留めるために、こんな可愛い格好で来てくれたの?」
すっかり蕩けたジゼルの頬を撫で、リュートは吐息の触れる距離で囁く。
その声は抗えないほど甘く、ぞくりと背筋を震えさせた。
改めて指摘されると少し恥ずかしくもあるけど、隠す意味もない。
こくりと頷き、
「何がなんでも、私を離したくないと思って欲しいの……」
と囁き返せば、またくちびるを軽く吸われる。
「一度抱いたらそれで満足するかもしれないのに?」
聞こえた言葉は予想もしていないものだった。
ぼうっと見つめたジゼルの髪を撫でたリュートの発言が一瞬理解できず、一拍置いて赤い目を零れそうなほど大きく見開く。
「え、そ、それは、私のことは遊びなの……? からかっていたの?」
そんなこと欠片も想像していなかった。一瞬で頭が冷えたジゼルはさあっと青ざめる。
父もリュートとの仲を取り持ってくれているし、将来を共に過ごしたい、そう望んでいたのに。
まさか一夜で終わってしまうなんて、考えもしなかった。
運命の相手と思いたかったのは自分だけなのかもしれない。
浅はかな行動がとてつもなく愚かに思えて、今すぐ泣きだしてしまいそうだ。
彼は自分を大事にしなかったり、妙に自信がなかったり。
ジゼルが心配になる面もあるけれど、陽だまりのように優しくて、笑うと無防備になる。
穏やかなリュートしか知らなかったジゼルにとって、まさかの展開である。
しかし慌てふためく彼女を見たリュートは瞳を瞬き、小さく笑う。
それからもう一度軽くキスをして、ジゼルよりずっと大きな手がするりと無防備な太ももを撫でた。
「ひゃあ……っ」
「もちろん本気だよ。ずっとジゼルしか見えない。でも僕が悪い男だったらどうするの? 君って本当に純粋で優しくて……」
何度も撫で上げられる手によってびくびくと腰が跳ねる。
自分で足を触ってもこんな感覚にはならないのに。
触れられた箇所だけじゃなく、全身に広がる熱のせいで、催促するような声を抑えることが出来なかった。
特にお腹の奥がきゅんと疼いて、むずむず動くつま先を止められない。
「だから僕なんかにつけ込まれるんだ」
ぎゅっと目をつむり、小さな喘ぎ声を上げ続けるジゼルの耳に届いた声は、よく聞き取れなかった。
だけど軽く瞼を開けると間近に青い瞳があって、またすぐに熱いキスで疑問は封じ込められた。
幾度も啄んでは離される。
ジゼルの反応を見つめるまなざしはじっとりと熱を帯びていて、視線だけで囚われてしまいそうだった。
珠のような白い肌はうっすら赤く色づき、どこもかしこも潤いを増している。
顎から首へと舌を這わせ、リュートはほっそりした丸い肩に口付けて軽く吸い付いた。
ちりっとした小さな痛みを植え付けたくちびるで細い肩紐が躊躇なく落とされる。
ビスチェは着けずに来たので、豊かな胸がふるりと簡単にこぼれ出た。
とっさに込み上げた羞恥も、ひやりとした空気も、感じたのは一瞬だった。
すくうように揉みしだく熱い手のひらは、しっとり汗ばんでいる。
リュートのくちびるが肩から鎖骨を辿り、柔らかな乳房に軽く歯を立てた。
少しの痛みに思わず視線を合わせると彼は悪戯っぽく右の目を緩ませる。
それから赤く色づいた乳嘴の周りをぐるりと舐め、焦らさず口に含む。
「ひゃんっ! や、やだぁ……」
熱くやわらかな粘膜の感触に腰が大きく跳ねた。
与えられる快感はどれも初めてのものだ。
軽く噛まれるたびに、喉からは催促するような甘い喘ぎ声が上がった。
緩く吸い付いては気まぐれに舌で弾かれ、左の尖りは指で摘んで擦り上げられる。
経験したことのない感覚への戸惑いと、求められている歓喜が同時に押し寄せる。
あられもない声が上がって、ジゼルは喉を反らし、体を震わせた。
「僕を引き留めるために、こんな可愛い格好で来てくれたの?」
すっかり蕩けたジゼルの頬を撫で、リュートは吐息の触れる距離で囁く。
その声は抗えないほど甘く、ぞくりと背筋を震えさせた。
改めて指摘されると少し恥ずかしくもあるけど、隠す意味もない。
こくりと頷き、
「何がなんでも、私を離したくないと思って欲しいの……」
と囁き返せば、またくちびるを軽く吸われる。
「一度抱いたらそれで満足するかもしれないのに?」
聞こえた言葉は予想もしていないものだった。
ぼうっと見つめたジゼルの髪を撫でたリュートの発言が一瞬理解できず、一拍置いて赤い目を零れそうなほど大きく見開く。
「え、そ、それは、私のことは遊びなの……? からかっていたの?」
そんなこと欠片も想像していなかった。一瞬で頭が冷えたジゼルはさあっと青ざめる。
父もリュートとの仲を取り持ってくれているし、将来を共に過ごしたい、そう望んでいたのに。
まさか一夜で終わってしまうなんて、考えもしなかった。
運命の相手と思いたかったのは自分だけなのかもしれない。
浅はかな行動がとてつもなく愚かに思えて、今すぐ泣きだしてしまいそうだ。
彼は自分を大事にしなかったり、妙に自信がなかったり。
ジゼルが心配になる面もあるけれど、陽だまりのように優しくて、笑うと無防備になる。
穏やかなリュートしか知らなかったジゼルにとって、まさかの展開である。
しかし慌てふためく彼女を見たリュートは瞳を瞬き、小さく笑う。
それからもう一度軽くキスをして、ジゼルよりずっと大きな手がするりと無防備な太ももを撫でた。
「ひゃあ……っ」
「もちろん本気だよ。ずっとジゼルしか見えない。でも僕が悪い男だったらどうするの? 君って本当に純粋で優しくて……」
何度も撫で上げられる手によってびくびくと腰が跳ねる。
自分で足を触ってもこんな感覚にはならないのに。
触れられた箇所だけじゃなく、全身に広がる熱のせいで、催促するような声を抑えることが出来なかった。
特にお腹の奥がきゅんと疼いて、むずむず動くつま先を止められない。
「だから僕なんかにつけ込まれるんだ」
ぎゅっと目をつむり、小さな喘ぎ声を上げ続けるジゼルの耳に届いた声は、よく聞き取れなかった。
だけど軽く瞼を開けると間近に青い瞳があって、またすぐに熱いキスで疑問は封じ込められた。
幾度も啄んでは離される。
ジゼルの反応を見つめるまなざしはじっとりと熱を帯びていて、視線だけで囚われてしまいそうだった。
珠のような白い肌はうっすら赤く色づき、どこもかしこも潤いを増している。
顎から首へと舌を這わせ、リュートはほっそりした丸い肩に口付けて軽く吸い付いた。
ちりっとした小さな痛みを植え付けたくちびるで細い肩紐が躊躇なく落とされる。
ビスチェは着けずに来たので、豊かな胸がふるりと簡単にこぼれ出た。
とっさに込み上げた羞恥も、ひやりとした空気も、感じたのは一瞬だった。
すくうように揉みしだく熱い手のひらは、しっとり汗ばんでいる。
リュートのくちびるが肩から鎖骨を辿り、柔らかな乳房に軽く歯を立てた。
少しの痛みに思わず視線を合わせると彼は悪戯っぽく右の目を緩ませる。
それから赤く色づいた乳嘴の周りをぐるりと舐め、焦らさず口に含む。
「ひゃんっ! や、やだぁ……」
熱くやわらかな粘膜の感触に腰が大きく跳ねた。
与えられる快感はどれも初めてのものだ。
軽く噛まれるたびに、喉からは催促するような甘い喘ぎ声が上がった。
緩く吸い付いては気まぐれに舌で弾かれ、左の尖りは指で摘んで擦り上げられる。
経験したことのない感覚への戸惑いと、求められている歓喜が同時に押し寄せる。
あられもない声が上がって、ジゼルは喉を反らし、体を震わせた。
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