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50.★私だけのご主人様
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ぎゅっと締め付ける中と同じく、蒼真の腰に足を強く絡めた。
焦ったような呻く声と同時に、どくんと感じる熱い劣情は温かく全身を満たしてくれる。
より強く抱きしめる腕、ぐったりと感じる体の重み。
それに荒い吐息。
全てが幸せ過ぎていっそ胸が苦しい。
「うあー……。ダメだって、出ちゃったじゃん。もしかして、声でイったの? ほんっと、かわいーね」
「ん……、だって嬉しいんだもん♡ 」
ずっと蒼真だけのもの。
それを彼が同じように望んでくれていることが嬉しくてたまらない。
こくんと頷くミルカの頬に蒼真が顔を合わせる。
ぺとりとした感触を楽しむよう、むにむに寄せられる頬。
珍しく素直に甘える蒼真にキュンと体が締まった。
再度腰を奥に押し付ける雄芯はさっきと変わりなく、トンと突かれる感覚に甘い声が嬉しく漏れる。
尻尾が解放されたおかげで、慣れた心地よい快感だけが訪れる。
蕩ける瞳を向けるミルカに笑った蒼真も幸せそうに微笑んで、その穏やかな表情に泣きたくなった。
だけど再度の強烈な快感にミルカの腰が大きく跳ねる。
「ひゃああっ……っ?! あっ、ぅえ? え?」
「俺って健全な男子高校生だからさ。一回で終わるわけないじゃん。まだいけるよね、ミルカ」
「い、けるけど……っ! それ、や……っ」
強い刺激に声を上げたミルカの目は、ひくひく震える尻尾を握った指を捉えた。
ゆっくり擦る仕草はやたらと卑猥さを強調しているようだ。
蒼真の声も顔も無邪気さを感じさせるのに、どこか凶悪に見えるのはなぜだろう。
「うん、その顔いいね。めっちゃそそる。可愛いからついじめたくなっちゃうんだよね。それにミルカも喜んでるから問題ないし」
さっきの強烈な快感を思い出し、嫌な予感がひしひしと押し寄せる。
確かに気持ち良かった。
でも強過ぎた快楽に加え、獲物を狩るような目に底知れぬ恐怖を感じる。
長い間淫魔として生きているけど、精気を吸い尽くすことはあっても返り討ちにあったことなどない。性的なことならプロのはずだ。
それでもあらゆる意味で正直な体は後ずさりそうになった。
逃げたい腰はいつも通り強く抱かれている。
蒼真の腕は特別太いわけではないのに恐ろしいほどびくともしない。
「えっとぉ、ミルカね、尻尾はまだ慣れないし、優しくしてほしいな。意地悪しちゃやだ♡」
上目遣いの潤んだ瞳は計算づくだ。
得意の表情で懇願すると、蒼真はまさに天使の顔でにっこり微笑む。
そのらしくない笑みはなぜかひやりと背筋を震えさせた。
何言ってんの、と笑い、屈み込んだ蒼真の息が耳にかかる。
「ドMなミルカは俺にいじめられるの、好きでしょ?」
「ああんっ♡ すき♡ たくさんいじめてほしいですぅ♡」
耳元で囁かれる艶のある声は確信犯に違いない。
一瞬でころりと意見を変えたミルカの瞳は欲情に蕩けて、それを見た蒼真は楽しそうに笑う。
さっきとは違う素の笑顔に、きゅうっと胸が締めつけられる。
それと同時に彼を咥え込んでいる体内も収縮した。
そうすると蒼真の気持ちよさそうな声がして、更に体は潤んでひくひく震える。
「ソウマ様、好き♡ ミルカの全部好きにして♡」
「うん、好きに調教してく。まずは尻尾でしょ、ついでにツノも開発しちゃおっか。えっろいミルカならいけると思うんだよね」
「え……」
ツンと突かれたツノからぞくりと背中を伝うのは恐怖か快感か。
本能的な危機を感じ、思わず首を振るミルカに蒼真はまたにっこりと微笑みかける。
「俺に支配されたいんでしょ? 頑張ろうねミルカ。俺、理力よりも体力派だから……って、ミルカならもう知ってるか」
「し、知らない……かな?」
「謙遜しなくていいよ。俺のストーカーさんが知らないわけないじゃんね?」
魔力の量も質もミルカが上のはずだ。
なのに彼から感じる圧倒的な威圧感はいつもミルカを震え上がらせる。
(ソウマ様が落ちこぼれなんてあり得ないわ! ミルカを怖がらせるなんて魔王様だけなのに)
「あれ? 怖がっちゃった? 大丈夫、痛いことしないから。わけわかんないくらい気持ちよくしてあげる。ほら、いい子だね。ミルカ」
「ふあっ……♡」
すりすり撫でられるツノからじんわり心地良い感覚がして、ミルカはとろんと目を細める。
蒼真が触れるならきっと体中どこでも嬉しく震えてしまう。
そんなミルカに拒否という選択は存在しない。
ハロウィンのあの夜、一瞬で魅了された瞬間から心は雁字搦めに囚われている。
例え鎖を手放されても、逃げることを促されても、なにがあっても絶対に離れられない。
そして蒼真もきっとそれをわかっている。
この先まだまだ問題は出てくるのかもしれないけど、それはまたその時。
なんせ天使も悪魔も生きる時間は長いのだ。
(絶対に誰にも渡さないんだから。ソウマ様はミルカだけのご主人様なの♡)
譲れないことはそれだけ。
蒼真がいれば、あとはどうとでもなる。
改めて決意したミルカは受け止める腕に体重を預け、ご機嫌に頬を擦り寄せた。
焦ったような呻く声と同時に、どくんと感じる熱い劣情は温かく全身を満たしてくれる。
より強く抱きしめる腕、ぐったりと感じる体の重み。
それに荒い吐息。
全てが幸せ過ぎていっそ胸が苦しい。
「うあー……。ダメだって、出ちゃったじゃん。もしかして、声でイったの? ほんっと、かわいーね」
「ん……、だって嬉しいんだもん♡ 」
ずっと蒼真だけのもの。
それを彼が同じように望んでくれていることが嬉しくてたまらない。
こくんと頷くミルカの頬に蒼真が顔を合わせる。
ぺとりとした感触を楽しむよう、むにむに寄せられる頬。
珍しく素直に甘える蒼真にキュンと体が締まった。
再度腰を奥に押し付ける雄芯はさっきと変わりなく、トンと突かれる感覚に甘い声が嬉しく漏れる。
尻尾が解放されたおかげで、慣れた心地よい快感だけが訪れる。
蕩ける瞳を向けるミルカに笑った蒼真も幸せそうに微笑んで、その穏やかな表情に泣きたくなった。
だけど再度の強烈な快感にミルカの腰が大きく跳ねる。
「ひゃああっ……っ?! あっ、ぅえ? え?」
「俺って健全な男子高校生だからさ。一回で終わるわけないじゃん。まだいけるよね、ミルカ」
「い、けるけど……っ! それ、や……っ」
強い刺激に声を上げたミルカの目は、ひくひく震える尻尾を握った指を捉えた。
ゆっくり擦る仕草はやたらと卑猥さを強調しているようだ。
蒼真の声も顔も無邪気さを感じさせるのに、どこか凶悪に見えるのはなぜだろう。
「うん、その顔いいね。めっちゃそそる。可愛いからついじめたくなっちゃうんだよね。それにミルカも喜んでるから問題ないし」
さっきの強烈な快感を思い出し、嫌な予感がひしひしと押し寄せる。
確かに気持ち良かった。
でも強過ぎた快楽に加え、獲物を狩るような目に底知れぬ恐怖を感じる。
長い間淫魔として生きているけど、精気を吸い尽くすことはあっても返り討ちにあったことなどない。性的なことならプロのはずだ。
それでもあらゆる意味で正直な体は後ずさりそうになった。
逃げたい腰はいつも通り強く抱かれている。
蒼真の腕は特別太いわけではないのに恐ろしいほどびくともしない。
「えっとぉ、ミルカね、尻尾はまだ慣れないし、優しくしてほしいな。意地悪しちゃやだ♡」
上目遣いの潤んだ瞳は計算づくだ。
得意の表情で懇願すると、蒼真はまさに天使の顔でにっこり微笑む。
そのらしくない笑みはなぜかひやりと背筋を震えさせた。
何言ってんの、と笑い、屈み込んだ蒼真の息が耳にかかる。
「ドMなミルカは俺にいじめられるの、好きでしょ?」
「ああんっ♡ すき♡ たくさんいじめてほしいですぅ♡」
耳元で囁かれる艶のある声は確信犯に違いない。
一瞬でころりと意見を変えたミルカの瞳は欲情に蕩けて、それを見た蒼真は楽しそうに笑う。
さっきとは違う素の笑顔に、きゅうっと胸が締めつけられる。
それと同時に彼を咥え込んでいる体内も収縮した。
そうすると蒼真の気持ちよさそうな声がして、更に体は潤んでひくひく震える。
「ソウマ様、好き♡ ミルカの全部好きにして♡」
「うん、好きに調教してく。まずは尻尾でしょ、ついでにツノも開発しちゃおっか。えっろいミルカならいけると思うんだよね」
「え……」
ツンと突かれたツノからぞくりと背中を伝うのは恐怖か快感か。
本能的な危機を感じ、思わず首を振るミルカに蒼真はまたにっこりと微笑みかける。
「俺に支配されたいんでしょ? 頑張ろうねミルカ。俺、理力よりも体力派だから……って、ミルカならもう知ってるか」
「し、知らない……かな?」
「謙遜しなくていいよ。俺のストーカーさんが知らないわけないじゃんね?」
魔力の量も質もミルカが上のはずだ。
なのに彼から感じる圧倒的な威圧感はいつもミルカを震え上がらせる。
(ソウマ様が落ちこぼれなんてあり得ないわ! ミルカを怖がらせるなんて魔王様だけなのに)
「あれ? 怖がっちゃった? 大丈夫、痛いことしないから。わけわかんないくらい気持ちよくしてあげる。ほら、いい子だね。ミルカ」
「ふあっ……♡」
すりすり撫でられるツノからじんわり心地良い感覚がして、ミルカはとろんと目を細める。
蒼真が触れるならきっと体中どこでも嬉しく震えてしまう。
そんなミルカに拒否という選択は存在しない。
ハロウィンのあの夜、一瞬で魅了された瞬間から心は雁字搦めに囚われている。
例え鎖を手放されても、逃げることを促されても、なにがあっても絶対に離れられない。
そして蒼真もきっとそれをわかっている。
この先まだまだ問題は出てくるのかもしれないけど、それはまたその時。
なんせ天使も悪魔も生きる時間は長いのだ。
(絶対に誰にも渡さないんだから。ソウマ様はミルカだけのご主人様なの♡)
譲れないことはそれだけ。
蒼真がいれば、あとはどうとでもなる。
改めて決意したミルカは受け止める腕に体重を預け、ご機嫌に頬を擦り寄せた。
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