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7.★あなたのものになりたいの

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「またイっちゃった? ふ……、これ、動いたらヤバいかも。お姉さん、さすが淫魔……っ、だね」

 しばらくそのままでいた蒼真は息を深く吐き、ずるりと動き出す。何度も達した体は過敏で苦しいくらいなのに、もっと彼を感じたくて仕方なかった。
 ゆっくりした動きからリズミカルにトントン奥を突かれ、ミルカは歓喜の嬌声を上げ続ける。
 抽送のたびに隘路は波打って、絡みつくように蒼真を離そうとしない。淫魔の体は潤いやすく柔軟だが、今日はいつもよりずっと蜜が溢れて腿を濡らしていく。
 体中が熱くて、肌には玉のような汗がいくつも浮かんだ。握り込むシーツはもうぐちゃぐちゃで、蒼真の汗が背中にぽたりと落ちる。
 
「奥、気持ちい? おねーさん、ほんと素直で可愛い」
「そぉまさま……っ、あっ、そこ、すきっ♡ あ、あ、あっ、だめぇ、壊れ、ちゃう……っ♡」

 強過ぎる快感に逃げようとする腰を更に強く押さえつけ、蒼真は執拗に中を押し上げた。
 しかも耳元で「まだ逃がさないよ」なんて言われてしまい、余計に体の力が抜けてしまった。
 こんなに溺れたことなんかなかった。蒼真に何度も「可愛い」と言われるたびに頭がくらくらするほどの幸せを感じる。
 
「おねーさん、締めすぎ……。持たないんだけど……っ」
「あ、そーまさまぁっ♡ あんっ、すごいぃっ、あっ……♡ ミルカの中にっ、たくさん、出して♡」

 わざと締め付けなくても、体の中心部が強く収縮する。中を行き来する速度が増して、蒼真の荒い息に耐える声が混じった。最奥をぐっと押し上げられてビリビリと電流のような快感が走る。深い絶頂感に息が止まりそうだ。痙攣するように小刻みに震える体。子宮を熱い体液が満たしていく。
 全身を巡る精気を本能は嬉しく受け止めた。
 腰を掴んでいた蒼真が背中にのしかかり、ぴたりと肌が触れ合う。荒く整わない息と、早い鼓動と、熱い体温。幸福感でミルカの顔はふにゃふにゃとだらしなく緩んだ。
 
「んあっ、はうぅ……、そーま様、すき♡ ミルカを、そーま様のものにして。んっ、一生側において……♡」
「一生ね。……そんなに、使い魔にしてほしい?」

 蕩けた頭と多幸感でぽやぽやしていたミルカだったが、冷静な声音につい後ろを振り返る。
 合わさった視線は見たことないくらい真剣だった。薄い月色の瞳をじっと見つめるミルカはこくりと頷く。
 それを見た蒼真は密着していた肌を離し、促されたミルカはころんと向きを変える。シーツを背中にしたら抱き寄せられて、横向きに見つめ合う体勢になった。
 きょとんと目を丸くして言葉を待つミルカに蒼真は苦笑する。
 
「お姉さん、悪魔のくせに悪意がないよね。それともそうやって相手を油断させるの?」
「好きな人に悪意なんか向けるわけないわ」

 心の底から不思議に思い、即答すると蒼真は小さく吹き出した。
 それから腰を抱いていた手を上へと滑らせた。質量を感じさせる谷間の少し上を指で撫でられ、期待の吐息を漏らすミルカに蒼真は目を細める。
 だけど愛撫を開始してはくれなかった。不満に思ったミルカが長い指の先を見れば、出会った日に刻まれた封印の魔法陣がある。今ではもう薄く頼りない淡い光を、かろうじて放つだけだ。
 
「もってあと二日、ってとこかな。また悪さをする前にもう一度封印しておこうか」

 薄く笑った蒼真はそんなことを提案してくる。
 だけど封印の魔法なんかいらない。ミルカが望むのは主従の刻印だ。なんだか悲しくなって、ふるふる首を振って否定する。

「そんなのいらない。ミルカを使い魔にしてくれるならなんでも言うことを聞くわ。ソウマ様が嫌なことは絶対にしない」
「……俺がお姉さんを使い魔にしないのは、可愛いと思ってるからだよ」
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