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盲目乙女は拗らせ剣士に愛されたい
15.★本当の気持ち
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慌てて首に絡んだ腕を緩めさせると、久しぶりにキアラがクロウを見ていた。いつも澄んだ真っ直ぐな瞳は少し赤みを差し、とろりとした春情を含んでいる。
好意を自覚してしまったクロウは、熱っぽく潤む若葉色の瞳を逸らすことが出来ない。今すぐ本能のままに抱きしめたい気持ちを、なんとか堪えた。
「にいさっ……ごめんなさい……いつも、迷惑かけて……」
「迷惑なんかじゃないから、謝るのは僕だ……」
「ううん……ごめんね……はあっ……にいさん……」
上半身を密着させているので、互いの熱と動悸がダイレクトに伝わってくる。クロウが少し動く度にキアラの声が上擦るが、シャツを握る手を離そうとはしない。
「おねがい……もう、わたし、だめぇ……おかしくなっちゃうっ……」
とろりと潤んだ目と喘ぐ声で告げられるお願いに、クロウの胸が大きく脈打つ。この意味がわからないほど子供ではない。
「ね、おねがい……抱いて……にいさんしか……クロウじゃなきゃ、いやなの……」
「キアラ……」
「ごめん、ね……やだよね……」
キアラの熱く潤む瞳から羞恥と情けなさで涙が溢れ出していくのを眺めながら、思わずごくりと喉が鳴ってしまった。クロウは恐る恐る、壊れそうに小さな体を抱きしめる。
軽く口付けて近い距離で見つめ合う。それでも瞳を逸らそうとするキアラの顔をクロウは優しく固定し、何度か啄むようなキスが繰り返される。小さく喘ぐ声に応えるように、好きだと呟いたクロウは今度は深く口付けた。隙間から差し込んだ舌で口内をじっくりと舐めて、震える舌に吸い付く。その囁きに目を開いたキアラだが、考える余裕をクロウは与えてくれない。
「ん……ふぅっ……。にいさんとキス、うれしい……」
一度触れてしまえば、タガが外れてしまった。小さな体を痛いくらいに強く抱き締めたクロウは、心なしか甘いキアラの匂いを堪能してから体を離した。
別に初めてなわけじゃない。なのに、やたらと緊張してしまう。そんなぎこちないクロウがゆっくりとキアラの身を覆うマントを開くと、きめ細やかな白い肌が露わになる。
窓から差込む明るい日差しの中で、じっくりと火照る体を眺められたキアラはマントを手繰り寄せようとするが、すぐに手を捕まれて引き寄せられた。
「あ……恥ずかしいよ……」
「なんで? 綺麗だ。それにマントは邪魔だから」
「き……?!」
戸惑うキアラに噛み付く様なキスを繰り返しながら、クロウは手早く、片手で自身のシャツのボタンを外していく。もどかしそうに脱ぎ捨て、華奢な体を隙間なく抱き寄せた。
密着する肌の熱さに、キアラはくらくらと幸せな目眩を感じて、逞しい背におずおずと腕を回す。ぴったりくっつけば、再び鼓動が直接響いてくる。
吸い付くような素肌の感覚にキアラの口から吐息が漏れて、ただくっついているだけなのに、蕩けそうなほど心地よい。
「気持ちいいな……離したくない」
「わ、私も…きもちい……あ……んっ……」
強く抱いたまま繰り返す口付けだけで、とろけそうなキアラの反応を見て、クロウの胸に愛しさが込み上げてくる。背中から胸へとなぞる様に滑る大きな手に、滑らかな肌が粟立つ。そのまま下から掬うように柔らかな膨らみを揉みしだくと、自分の口から出たとは思えない甘やかな声にキアラは戸惑っているようだ。
唇から舌を移動させたクロウは顎を軽く噛む。そのまま甘噛みを繰り返しながら、首から小刻みに震えるたわわな胸へと移動していく。徐々に下りていく感触にキアラが緊張していると、そのままぷくりと色付いた先端へ軽く歯を立てられて、一段と高い声が響いた。
「んあっ! やあぁっ……それ、だめぇ……」
漏れる声が恥ずかしくて咄嗟に口を押さえるが、顔を上げたクロウが優しく手を掴み、再び口付ける。
「可愛いから……もっと聞きたい。聞かせて」
耳元で囁かれたキアラの頭は、一瞬媚薬の効果を上回るときめきでパニックを起こしてしまう。咄嗟に何度も頷くことしか出来なかったが、再びもう片方の先端を白い柔肌ごと咥えられ、軽く立てる歯と舌で交互に味わい尽くされると、快感が勝って何も考えられなくなった。
「ふぁっ……あっ、にいさん…っ! あぁっ!」
「いいね、可愛い。堪らないな」
いつも甘く柔らかいキアラの声が、より甘く高く響いて、しかもおそらく彼女のこんな声を聞くのは自分が初めてだ。そう思うと、余計にクロウの気持ちが昂ってくる。
舌を離したクロウは素直に嬌声をあげて身を震わすキアラをじっと見つめた。その視線だけで、若葉色の瞳も、体も、更に潤んでしまう。
クロウの大きな手が、形を確かめるように強弱をつけて乳房を揺らし、キアラはついその指の動きを眺めてしまう。されるがままに反応しているキアラの片膝の裏に手が添えられて、しなやかな足が持ち上げた。
すっかりトロトロとはしたなく濡れる秘所に視線を感じる。キアラは何とか抵抗しようと試みるも、クロウは強く固定して離してくれない。
「すごいな……。どんどん溢れてる。……初めて、だよな?」
「あっ、当たり前じゃない!」
そうだよな、となんだか嬉しそうに呟いた声が聞こえて、キアラは戸惑いを覚えてしまう。
(どうして兄さんが嬉しそうなの? もしかして、さっきの告白は本当に、本当なの?)
今ここで確かめるのも少し怖い気がする。キアラが浮かんだ疑問を頭の隅に追いやると、足を掴まれている現状を思い出す。恥ずかしいのに熱っぽく見つめる視線にまた止めどなく蜜が湧いて、丁寧に掬うクロウの指の感触だけで体は敏感に反応してしまう。
「あっ……やだぁっ……恥ずかしい……。ん、見ないでっ……」
「嫌だ。見たい」
「あっ、そんなぁ……」
ぼそぼそとキアラは喘ぎながら呟くけども、クロウは少しも気に留めてくれない。抱えた足の内腿に何度か緩く噛み付いてから舌を這わせ、そのままキアラの敏感な場所の蜜を舐めとっていく。
「やあっ! そ、れダメぇっ……!」
べろりと大きな動作で何度も舐められて、その度に頼りない体は大きく跳ね上がる。初めての感覚が強すぎて、恥ずかしさとは裏腹に、一段と大きな声で鳴いてしまう。息も絶え絶えに喘いでいると、顔を上げたクロウにまた抱き締められて、噛み付くようなキスが降ってきた。
「本当はもっと長く時間をかけたいんだけど……出来ない。ごめん」
「へ……? あっ、あんっ……きゃうっ……」
蜜が溢れる場所にそっと押し当てたクロウの長い指がそのまま差し入れられ、水音が響く。それと共に慣れない快感が押し寄せて、きゅうっと体の内が締まるのを感じる。内壁を擦る様にゆっくりと何度も出し入れされる感覚に堪えきれないキアラは、目の前のクロウにしがみつく。あられもない声を上げていると生理的に浮かぶ涙を舐め取られ、耳元で熱い吐息と共に囁かれた。
「……痛い?」
「やっ、あっ、あぁーっ……」
大好きなクロウの声がいつもより少し掠れていて、それだけでまたキアラの下腹部はきゅんと収縮してしまう。差し込まれる指も、媚薬の効果なのかあまり痛みを感じない。頭を横に振って意思を伝えると、中を蠢く指が増やされた。
そうやって器用にキアラの中を確かめながらクロウは唇や頬、肩や胸に何度も甘噛みしては、舐めて吸い付く。強く吸い付く度にびくりと震えながらも、執拗に求めるクロウに何とか応えようとするキアラの中から指を引き抜き、大きく身震いして縋り付いくる華奢な体をしっかり抱き寄せる。
愛らしい唇にもどかしそうに噛み付きながら、焦るように片手でベルトを外し、張り詰めた自身を取り出した。
「ひえっ……こ、こんなの……むり……」
先ほどまで布越しに熱い塊を感じていたとはいえ、初めて見るそれを凝視しているキアラの様子に気付いたクロウが、困ったように珍しく少し眉を下げた。
「ごめ……ちょっと余裕ない」
荒い呼吸を乱したままクロウが華奢な肩に額を乗せると、くすぐったいような快感が背中を走る。それだけでまたキアラの体が小さく震えた。
足をクロウの肩に掛けられ、それとほぼ同時に質量のある熱が充分に滴った秘部を数回擦って、ゆっくりと埋め込まれていく。その感覚にキアラは震えながらも、クロウを信じて身を委ねた。少し怖いけれど、クロウを受け入れている痛みだと思うと、それだけで涙が溢れるほどに嬉しい。
キアラの様子を見ながらも先端に感じる圧迫と熱に、クロウの顔が切なく歪む。なるべく時間をかけて慣らすつもりだったが、早く繋がってしまいたい欲が強い。焦る自分を宥めながら少しきつい中を探っていく。初めて感じるような強い愛しさに、なるべく痛みは与えたくはない。
「にいさっ……! いっ……あっ、んぅっ! くぅ……んっ……」
「大丈夫?」
「んっ……いた……ぁ……」
指とは質量が全く違う。体を裂く熱い痛みを我慢するように、強く目を閉じて、苦しげに息をしているキアラの頬に口付ける。細い指をシーツに押し付けるように絡め取ったクロウは、そのまま落ち着かせるように優しく口付けながら、ゆるゆると押し進めてゆく。
「くぅっ……にいさ……ん……すきっ、すき……」
「うん、その声最高……。ごめん、止められない」
「んっ……止めなくて、いいの……っ!」
──片想いで良いとずっと思い込むようにしてきたけど、本当は初めからこんな風に、妹じゃなくて、女の子として受け止めてほしかった。
これは魔物の毒が招いたことで、クロウから求められたわけじゃない。そう自分に言い聞かせながらも、初めてが彼で嬉しい。
叶うなら、このまま恋人になれたらいいのに。
そんなことを思いながらクロウを見上げると、今まで見たことのない熱く切なげな視線で、じっと見つめられていることに気付いた。
「すき……」
また気持ちが溢れるキアラにクロウは優しく口付け、瑞々しい下唇を少し強く噛んで離す。ピリッとした痛みを感じたキアラだったが、それすら愛しく嬉しい。
様子を見ながら進んでは止め、止めては進んでを繰り返す。あと少しというところで、とろりと溶けそうな蜜に塗れる花芯を緩く押すと、甲高い声と共に、あえかな体が跳ね上がる。キアラの気がそっちへと向いた瞬間一気に貫くと彼女は押し殺したような悲鳴を上げ、絡んでいた指が痛いほどに握られた。
「はいっ……た……の?」
「ああ、全部入った」
「うれし……好き、ねぇ、大好き……」
「……いちいち可愛いの狡いな」
愛しさが伝わるように、痛みで涙を滲ませるキアラに甘く深く口付けて、今度は緩く下唇を甘噛みして舐めて離す。このまま早急に貪ってしまいたい気持ちを必死に抑える。クロウは痛みに喘ぐ様子をよく観察しながら、少しずつ角度を変えて反応の良い場所を探すことにした。
「いっ……あ、あっ、くぅっ……はぅっ……あっ」
ゆっくりと抽送しながらキスを繰り返していくと、辛そうな呼吸が少しずつまた可愛らしい喘ぎ声に変わってくる。繋がっている箇所から蜜が滴り落ちて、自然と動きが大きくなる。
細い腰を抱き寄せて密着させると、より高い声で応えてくるキアラが愛しくて、すぐに動きを抑制する事ができなくなってしまう。
「きゃうっ!あっ、あっ!……すきっ……あんっ!」
「うん……一生、僕しか知らなくていいから。絶対、離さない」
「あっ! やあっ! にぃ! だめぇっ、あっ、ああーっ!」
無意識にきゅうきゅうと締めつけてくるキアラの声が一番高くなる点を執拗に攻め立てると、一層高い声で達したのがわかった。びくびくと全身を震わせて締め上げるキアラに誘われるように、クロウも小さく呻いて精を吐き出し、華奢な体にゆっくりと体重を預けて、強く抱きしめた。
はあはあとクロウ同様に荒い呼吸を繰り返しているキアラをぎゅっと抱きしめる。余韻を楽しむように口付けてから唇を甘噛みし、細い首筋に顔を埋めた。
「好きだ」
しばらくキアラの感触を楽しみながら、体を休めていたクロウが何となくもう一度告げると、密着した小さな体がビクリと強張る。どうしたのかと顔を上げると、泣きそうな顔をして、見つめてくるキアラがいた。
「本当に……? 兄さんが……私を……?」
「冗談でこんな事言わない。もう離すつもりないから。覚悟して」
「私の目を見たから……?」
「それはないと思うけど……。ずっとごめん。勝手な事はわかってるけど……許してほしい。好きだ。キアラしかいない」
そのまま顔を近付けて口付けようとすると、猫のような大きな目から、これまた大粒の涙が溢れ出てきて、クロウはギョッとして思わず身を起こす。
「え、何? 違った?」
(もしかして媚薬の効果で言っただけで、本心じゃなかったのか……? まさか、もう僕には愛想が尽きたとか……言わない、よな?)
ショックで青褪めたクロウが情けない顔でおろおろと眺めていると、キアラは涙を拭う事もせずに頭を振る。
「違うの。嬉しくって……だって、ずっと好きだったの。全部全部、大好きなの」
寝転んだまま子どもみたいに泣きじゃくるキアラの頬を包み、ぐいと手のひらで拭っても後から後から流れ出るので、クロウは諦めて抱き締める事にした。
「よかった……」
心底ホッとした声でため息を漏らすクロウが珍しく、止まらない涙のままキアラが笑う。
「にいさ……」
「クロウ」
「へ?」
「兄じゃない」
ぽかんと止まったキアラを不思議に思ったクロウが眺めると、彼女はふるふると肩を震わせ笑い出した。
「兄さんがそれを言うなんて! 私みたい!」
声を上げて笑うキアラに何だか面白くない気分がして、クロウは再び小さな体をシーツに押し付けるように拘束して口付ける。
「兄妹はこんなことしない」
「……はい」
流れるような不意打ちのキスに、真っ赤になるキアラを上から覗き込むクロウはいつもの無表情。そのまま唇を指でなぞられて、動悸が最高潮に高鳴ってしまう。
ずっと追いかけてきたけども、こんなに風に見つめられるのは初めてで、キアラはもう意識を保つ自信がない
「ほら、呼んで」
「くっ……クロウ……」
よくできましたと言いたげに目を緩ませたクロウがもう一度優しくキスを送ると、完全にキャパオーバーしたキアラはくたりと意識を失ってしまった。
好意を自覚してしまったクロウは、熱っぽく潤む若葉色の瞳を逸らすことが出来ない。今すぐ本能のままに抱きしめたい気持ちを、なんとか堪えた。
「にいさっ……ごめんなさい……いつも、迷惑かけて……」
「迷惑なんかじゃないから、謝るのは僕だ……」
「ううん……ごめんね……はあっ……にいさん……」
上半身を密着させているので、互いの熱と動悸がダイレクトに伝わってくる。クロウが少し動く度にキアラの声が上擦るが、シャツを握る手を離そうとはしない。
「おねがい……もう、わたし、だめぇ……おかしくなっちゃうっ……」
とろりと潤んだ目と喘ぐ声で告げられるお願いに、クロウの胸が大きく脈打つ。この意味がわからないほど子供ではない。
「ね、おねがい……抱いて……にいさんしか……クロウじゃなきゃ、いやなの……」
「キアラ……」
「ごめん、ね……やだよね……」
キアラの熱く潤む瞳から羞恥と情けなさで涙が溢れ出していくのを眺めながら、思わずごくりと喉が鳴ってしまった。クロウは恐る恐る、壊れそうに小さな体を抱きしめる。
軽く口付けて近い距離で見つめ合う。それでも瞳を逸らそうとするキアラの顔をクロウは優しく固定し、何度か啄むようなキスが繰り返される。小さく喘ぐ声に応えるように、好きだと呟いたクロウは今度は深く口付けた。隙間から差し込んだ舌で口内をじっくりと舐めて、震える舌に吸い付く。その囁きに目を開いたキアラだが、考える余裕をクロウは与えてくれない。
「ん……ふぅっ……。にいさんとキス、うれしい……」
一度触れてしまえば、タガが外れてしまった。小さな体を痛いくらいに強く抱き締めたクロウは、心なしか甘いキアラの匂いを堪能してから体を離した。
別に初めてなわけじゃない。なのに、やたらと緊張してしまう。そんなぎこちないクロウがゆっくりとキアラの身を覆うマントを開くと、きめ細やかな白い肌が露わになる。
窓から差込む明るい日差しの中で、じっくりと火照る体を眺められたキアラはマントを手繰り寄せようとするが、すぐに手を捕まれて引き寄せられた。
「あ……恥ずかしいよ……」
「なんで? 綺麗だ。それにマントは邪魔だから」
「き……?!」
戸惑うキアラに噛み付く様なキスを繰り返しながら、クロウは手早く、片手で自身のシャツのボタンを外していく。もどかしそうに脱ぎ捨て、華奢な体を隙間なく抱き寄せた。
密着する肌の熱さに、キアラはくらくらと幸せな目眩を感じて、逞しい背におずおずと腕を回す。ぴったりくっつけば、再び鼓動が直接響いてくる。
吸い付くような素肌の感覚にキアラの口から吐息が漏れて、ただくっついているだけなのに、蕩けそうなほど心地よい。
「気持ちいいな……離したくない」
「わ、私も…きもちい……あ……んっ……」
強く抱いたまま繰り返す口付けだけで、とろけそうなキアラの反応を見て、クロウの胸に愛しさが込み上げてくる。背中から胸へとなぞる様に滑る大きな手に、滑らかな肌が粟立つ。そのまま下から掬うように柔らかな膨らみを揉みしだくと、自分の口から出たとは思えない甘やかな声にキアラは戸惑っているようだ。
唇から舌を移動させたクロウは顎を軽く噛む。そのまま甘噛みを繰り返しながら、首から小刻みに震えるたわわな胸へと移動していく。徐々に下りていく感触にキアラが緊張していると、そのままぷくりと色付いた先端へ軽く歯を立てられて、一段と高い声が響いた。
「んあっ! やあぁっ……それ、だめぇ……」
漏れる声が恥ずかしくて咄嗟に口を押さえるが、顔を上げたクロウが優しく手を掴み、再び口付ける。
「可愛いから……もっと聞きたい。聞かせて」
耳元で囁かれたキアラの頭は、一瞬媚薬の効果を上回るときめきでパニックを起こしてしまう。咄嗟に何度も頷くことしか出来なかったが、再びもう片方の先端を白い柔肌ごと咥えられ、軽く立てる歯と舌で交互に味わい尽くされると、快感が勝って何も考えられなくなった。
「ふぁっ……あっ、にいさん…っ! あぁっ!」
「いいね、可愛い。堪らないな」
いつも甘く柔らかいキアラの声が、より甘く高く響いて、しかもおそらく彼女のこんな声を聞くのは自分が初めてだ。そう思うと、余計にクロウの気持ちが昂ってくる。
舌を離したクロウは素直に嬌声をあげて身を震わすキアラをじっと見つめた。その視線だけで、若葉色の瞳も、体も、更に潤んでしまう。
クロウの大きな手が、形を確かめるように強弱をつけて乳房を揺らし、キアラはついその指の動きを眺めてしまう。されるがままに反応しているキアラの片膝の裏に手が添えられて、しなやかな足が持ち上げた。
すっかりトロトロとはしたなく濡れる秘所に視線を感じる。キアラは何とか抵抗しようと試みるも、クロウは強く固定して離してくれない。
「すごいな……。どんどん溢れてる。……初めて、だよな?」
「あっ、当たり前じゃない!」
そうだよな、となんだか嬉しそうに呟いた声が聞こえて、キアラは戸惑いを覚えてしまう。
(どうして兄さんが嬉しそうなの? もしかして、さっきの告白は本当に、本当なの?)
今ここで確かめるのも少し怖い気がする。キアラが浮かんだ疑問を頭の隅に追いやると、足を掴まれている現状を思い出す。恥ずかしいのに熱っぽく見つめる視線にまた止めどなく蜜が湧いて、丁寧に掬うクロウの指の感触だけで体は敏感に反応してしまう。
「あっ……やだぁっ……恥ずかしい……。ん、見ないでっ……」
「嫌だ。見たい」
「あっ、そんなぁ……」
ぼそぼそとキアラは喘ぎながら呟くけども、クロウは少しも気に留めてくれない。抱えた足の内腿に何度か緩く噛み付いてから舌を這わせ、そのままキアラの敏感な場所の蜜を舐めとっていく。
「やあっ! そ、れダメぇっ……!」
べろりと大きな動作で何度も舐められて、その度に頼りない体は大きく跳ね上がる。初めての感覚が強すぎて、恥ずかしさとは裏腹に、一段と大きな声で鳴いてしまう。息も絶え絶えに喘いでいると、顔を上げたクロウにまた抱き締められて、噛み付くようなキスが降ってきた。
「本当はもっと長く時間をかけたいんだけど……出来ない。ごめん」
「へ……? あっ、あんっ……きゃうっ……」
蜜が溢れる場所にそっと押し当てたクロウの長い指がそのまま差し入れられ、水音が響く。それと共に慣れない快感が押し寄せて、きゅうっと体の内が締まるのを感じる。内壁を擦る様にゆっくりと何度も出し入れされる感覚に堪えきれないキアラは、目の前のクロウにしがみつく。あられもない声を上げていると生理的に浮かぶ涙を舐め取られ、耳元で熱い吐息と共に囁かれた。
「……痛い?」
「やっ、あっ、あぁーっ……」
大好きなクロウの声がいつもより少し掠れていて、それだけでまたキアラの下腹部はきゅんと収縮してしまう。差し込まれる指も、媚薬の効果なのかあまり痛みを感じない。頭を横に振って意思を伝えると、中を蠢く指が増やされた。
そうやって器用にキアラの中を確かめながらクロウは唇や頬、肩や胸に何度も甘噛みしては、舐めて吸い付く。強く吸い付く度にびくりと震えながらも、執拗に求めるクロウに何とか応えようとするキアラの中から指を引き抜き、大きく身震いして縋り付いくる華奢な体をしっかり抱き寄せる。
愛らしい唇にもどかしそうに噛み付きながら、焦るように片手でベルトを外し、張り詰めた自身を取り出した。
「ひえっ……こ、こんなの……むり……」
先ほどまで布越しに熱い塊を感じていたとはいえ、初めて見るそれを凝視しているキアラの様子に気付いたクロウが、困ったように珍しく少し眉を下げた。
「ごめ……ちょっと余裕ない」
荒い呼吸を乱したままクロウが華奢な肩に額を乗せると、くすぐったいような快感が背中を走る。それだけでまたキアラの体が小さく震えた。
足をクロウの肩に掛けられ、それとほぼ同時に質量のある熱が充分に滴った秘部を数回擦って、ゆっくりと埋め込まれていく。その感覚にキアラは震えながらも、クロウを信じて身を委ねた。少し怖いけれど、クロウを受け入れている痛みだと思うと、それだけで涙が溢れるほどに嬉しい。
キアラの様子を見ながらも先端に感じる圧迫と熱に、クロウの顔が切なく歪む。なるべく時間をかけて慣らすつもりだったが、早く繋がってしまいたい欲が強い。焦る自分を宥めながら少しきつい中を探っていく。初めて感じるような強い愛しさに、なるべく痛みは与えたくはない。
「にいさっ……! いっ……あっ、んぅっ! くぅ……んっ……」
「大丈夫?」
「んっ……いた……ぁ……」
指とは質量が全く違う。体を裂く熱い痛みを我慢するように、強く目を閉じて、苦しげに息をしているキアラの頬に口付ける。細い指をシーツに押し付けるように絡め取ったクロウは、そのまま落ち着かせるように優しく口付けながら、ゆるゆると押し進めてゆく。
「くぅっ……にいさ……ん……すきっ、すき……」
「うん、その声最高……。ごめん、止められない」
「んっ……止めなくて、いいの……っ!」
──片想いで良いとずっと思い込むようにしてきたけど、本当は初めからこんな風に、妹じゃなくて、女の子として受け止めてほしかった。
これは魔物の毒が招いたことで、クロウから求められたわけじゃない。そう自分に言い聞かせながらも、初めてが彼で嬉しい。
叶うなら、このまま恋人になれたらいいのに。
そんなことを思いながらクロウを見上げると、今まで見たことのない熱く切なげな視線で、じっと見つめられていることに気付いた。
「すき……」
また気持ちが溢れるキアラにクロウは優しく口付け、瑞々しい下唇を少し強く噛んで離す。ピリッとした痛みを感じたキアラだったが、それすら愛しく嬉しい。
様子を見ながら進んでは止め、止めては進んでを繰り返す。あと少しというところで、とろりと溶けそうな蜜に塗れる花芯を緩く押すと、甲高い声と共に、あえかな体が跳ね上がる。キアラの気がそっちへと向いた瞬間一気に貫くと彼女は押し殺したような悲鳴を上げ、絡んでいた指が痛いほどに握られた。
「はいっ……た……の?」
「ああ、全部入った」
「うれし……好き、ねぇ、大好き……」
「……いちいち可愛いの狡いな」
愛しさが伝わるように、痛みで涙を滲ませるキアラに甘く深く口付けて、今度は緩く下唇を甘噛みして舐めて離す。このまま早急に貪ってしまいたい気持ちを必死に抑える。クロウは痛みに喘ぐ様子をよく観察しながら、少しずつ角度を変えて反応の良い場所を探すことにした。
「いっ……あ、あっ、くぅっ……はぅっ……あっ」
ゆっくりと抽送しながらキスを繰り返していくと、辛そうな呼吸が少しずつまた可愛らしい喘ぎ声に変わってくる。繋がっている箇所から蜜が滴り落ちて、自然と動きが大きくなる。
細い腰を抱き寄せて密着させると、より高い声で応えてくるキアラが愛しくて、すぐに動きを抑制する事ができなくなってしまう。
「きゃうっ!あっ、あっ!……すきっ……あんっ!」
「うん……一生、僕しか知らなくていいから。絶対、離さない」
「あっ! やあっ! にぃ! だめぇっ、あっ、ああーっ!」
無意識にきゅうきゅうと締めつけてくるキアラの声が一番高くなる点を執拗に攻め立てると、一層高い声で達したのがわかった。びくびくと全身を震わせて締め上げるキアラに誘われるように、クロウも小さく呻いて精を吐き出し、華奢な体にゆっくりと体重を預けて、強く抱きしめた。
はあはあとクロウ同様に荒い呼吸を繰り返しているキアラをぎゅっと抱きしめる。余韻を楽しむように口付けてから唇を甘噛みし、細い首筋に顔を埋めた。
「好きだ」
しばらくキアラの感触を楽しみながら、体を休めていたクロウが何となくもう一度告げると、密着した小さな体がビクリと強張る。どうしたのかと顔を上げると、泣きそうな顔をして、見つめてくるキアラがいた。
「本当に……? 兄さんが……私を……?」
「冗談でこんな事言わない。もう離すつもりないから。覚悟して」
「私の目を見たから……?」
「それはないと思うけど……。ずっとごめん。勝手な事はわかってるけど……許してほしい。好きだ。キアラしかいない」
そのまま顔を近付けて口付けようとすると、猫のような大きな目から、これまた大粒の涙が溢れ出てきて、クロウはギョッとして思わず身を起こす。
「え、何? 違った?」
(もしかして媚薬の効果で言っただけで、本心じゃなかったのか……? まさか、もう僕には愛想が尽きたとか……言わない、よな?)
ショックで青褪めたクロウが情けない顔でおろおろと眺めていると、キアラは涙を拭う事もせずに頭を振る。
「違うの。嬉しくって……だって、ずっと好きだったの。全部全部、大好きなの」
寝転んだまま子どもみたいに泣きじゃくるキアラの頬を包み、ぐいと手のひらで拭っても後から後から流れ出るので、クロウは諦めて抱き締める事にした。
「よかった……」
心底ホッとした声でため息を漏らすクロウが珍しく、止まらない涙のままキアラが笑う。
「にいさ……」
「クロウ」
「へ?」
「兄じゃない」
ぽかんと止まったキアラを不思議に思ったクロウが眺めると、彼女はふるふると肩を震わせ笑い出した。
「兄さんがそれを言うなんて! 私みたい!」
声を上げて笑うキアラに何だか面白くない気分がして、クロウは再び小さな体をシーツに押し付けるように拘束して口付ける。
「兄妹はこんなことしない」
「……はい」
流れるような不意打ちのキスに、真っ赤になるキアラを上から覗き込むクロウはいつもの無表情。そのまま唇を指でなぞられて、動悸が最高潮に高鳴ってしまう。
ずっと追いかけてきたけども、こんなに風に見つめられるのは初めてで、キアラはもう意識を保つ自信がない
「ほら、呼んで」
「くっ……クロウ……」
よくできましたと言いたげに目を緩ませたクロウがもう一度優しくキスを送ると、完全にキャパオーバーしたキアラはくたりと意識を失ってしまった。
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