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24.★悪い悪魔
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「いいけど……意味わかんないんじゃなかったのぉ?」
(キスマーク付けたの初めてみたいだし、面白いのかしら。意外に子供っぽいのね)
まだぼうっとする頭はうまく働かない。特に深く考えず軽く了承してしまった。
「うん、後悔したから。俺の印付けて、誰にも食わせないようにしてしまえば良かったな……って」
「食わせ……?」
不穏な声音に眉を顰めた瞬間、うなじに焼けるような熱を感じた。
苦痛の声を上げたのは一瞬。だけどすぐに引いた痛みは今はどうでも良かった。
「ま、魔力使ったわね?!」
「いいって言ったじゃん」
「思ってたのと違う! 何の魔法よ!」
まさか隷属の魔法だったらどうしよう。もはやベタ惚れの藍音個人としては構わないけど、立場的にそれはマズい。
おかげで気怠く甘い余韻など綺麗に吹っ飛んでしまった。
青ざめ、抜け出そうと暴れる藍音は身を離したナツによって再びころんと転がされる。
背中に感じるシーツの感触。両手首を押さえつけ、藍音を見下ろす瞳はやけに楽しそうだ。
「大した魔法じゃないから大丈夫だって。さすがにアイネを従属させられるような力、俺にはないし。おまじないみたいなもんかな。魔除け的な?」
「魔除け?」
真っ先に祓われそうな人が何を言ってるんだろう。
訝しむ藍音を楽しむよう、妖艶な笑みを浮かべたナツは何も言わなくて、代わりに猛る熱が再び体を侵食する。
突然の圧迫感に息を呑んだ。だけどさっきの情事が色濃く残る体は、抵抗なく彼を受け入れる。
「あっ、まって……!」
もちろん待ってくれたことなど一度もない。難なく埋められた杭がこつんと奥に当たって、痺れるような強い快感に背を反らす。
はくはくと呼吸を繰り返すくちびるは重なったキスで塞がれてしまった。すぐにぬるりと舌先が入り込み、遠慮なく口内を這い回る。
擦り合わさった舌は熱く、藍音の全てを喰らい尽くすようだ。息も出来ないほどの荒々しいキス。
すぐに抽送が開始されて、何度も体はびくびくと跳ね上がる。
手加減など一切ない強烈な快楽。涙が溢れる瞼が熱い。苦しいけれど執拗なキスは執着さえ感じて、自分から止めることはできなかった。
長いキスから解放され、息つく間もなく律動が早くなる。体内を満たす雄芯も、腰を押さえる腕も全部ナツのもので。
そんなことが嬉しくて更に快感を後押しするから、抑えられない恋心を改めて自覚した。
「あっ、なつ……っ、すき……、すき……っ」
「ん……、それも好き。そうやって泣くのめっちゃいい。アイネが俺専用って思ったら、すっげー興奮する。はあ……ちょっとヤバいかも」
大きく息を吐いたナツは細い体を強く抱き込む。噛みつかれた肩にちくりと犬歯が刺さった。
だけど更に密着が深くなったせいで、小さな痛みなど何も気にならない。
「ひっ……! あ、あっ……!」
「ふ……、最高……っ。天使のくせに、無防備に悪魔の言葉を了承するとこも馬鹿で可愛いし。俺が悪い悪魔じゃなくてよかったな、アイネ」
「ひゃんっ! あっ、やあ……っ」
ひくんと跳ねる体は拘束するよう強く抱かれている。
楽しそうに耳元で囁く声がぞくりと鼓膜を震わせる。
逃げたいほど強い快感なのに、深いところを押し付ける熱を離さないよう体内はきつく絡みつく。
耐えきれない快楽をどうにかしたくて首にしがみつけば、しっかり抱き返してくれた。
指先でなぞられるうなじには多分消えないナツの所有印がある。
些細な動き全てが信じられないくらいの快感を与えて、苦しいのに気持ちよくて幸せでたまらない。
悪魔に惹かれる時点で異常なのに、身も心もしっかりと捕まってしまった。
艶のある声で名前を呼ばれるだけで、蕩けた体は軽く達してしまう。
こんな自分はもしかしたら、天使失格なのかもしれない。
(キスマーク付けたの初めてみたいだし、面白いのかしら。意外に子供っぽいのね)
まだぼうっとする頭はうまく働かない。特に深く考えず軽く了承してしまった。
「うん、後悔したから。俺の印付けて、誰にも食わせないようにしてしまえば良かったな……って」
「食わせ……?」
不穏な声音に眉を顰めた瞬間、うなじに焼けるような熱を感じた。
苦痛の声を上げたのは一瞬。だけどすぐに引いた痛みは今はどうでも良かった。
「ま、魔力使ったわね?!」
「いいって言ったじゃん」
「思ってたのと違う! 何の魔法よ!」
まさか隷属の魔法だったらどうしよう。もはやベタ惚れの藍音個人としては構わないけど、立場的にそれはマズい。
おかげで気怠く甘い余韻など綺麗に吹っ飛んでしまった。
青ざめ、抜け出そうと暴れる藍音は身を離したナツによって再びころんと転がされる。
背中に感じるシーツの感触。両手首を押さえつけ、藍音を見下ろす瞳はやけに楽しそうだ。
「大した魔法じゃないから大丈夫だって。さすがにアイネを従属させられるような力、俺にはないし。おまじないみたいなもんかな。魔除け的な?」
「魔除け?」
真っ先に祓われそうな人が何を言ってるんだろう。
訝しむ藍音を楽しむよう、妖艶な笑みを浮かべたナツは何も言わなくて、代わりに猛る熱が再び体を侵食する。
突然の圧迫感に息を呑んだ。だけどさっきの情事が色濃く残る体は、抵抗なく彼を受け入れる。
「あっ、まって……!」
もちろん待ってくれたことなど一度もない。難なく埋められた杭がこつんと奥に当たって、痺れるような強い快感に背を反らす。
はくはくと呼吸を繰り返すくちびるは重なったキスで塞がれてしまった。すぐにぬるりと舌先が入り込み、遠慮なく口内を這い回る。
擦り合わさった舌は熱く、藍音の全てを喰らい尽くすようだ。息も出来ないほどの荒々しいキス。
すぐに抽送が開始されて、何度も体はびくびくと跳ね上がる。
手加減など一切ない強烈な快楽。涙が溢れる瞼が熱い。苦しいけれど執拗なキスは執着さえ感じて、自分から止めることはできなかった。
長いキスから解放され、息つく間もなく律動が早くなる。体内を満たす雄芯も、腰を押さえる腕も全部ナツのもので。
そんなことが嬉しくて更に快感を後押しするから、抑えられない恋心を改めて自覚した。
「あっ、なつ……っ、すき……、すき……っ」
「ん……、それも好き。そうやって泣くのめっちゃいい。アイネが俺専用って思ったら、すっげー興奮する。はあ……ちょっとヤバいかも」
大きく息を吐いたナツは細い体を強く抱き込む。噛みつかれた肩にちくりと犬歯が刺さった。
だけど更に密着が深くなったせいで、小さな痛みなど何も気にならない。
「ひっ……! あ、あっ……!」
「ふ……、最高……っ。天使のくせに、無防備に悪魔の言葉を了承するとこも馬鹿で可愛いし。俺が悪い悪魔じゃなくてよかったな、アイネ」
「ひゃんっ! あっ、やあ……っ」
ひくんと跳ねる体は拘束するよう強く抱かれている。
楽しそうに耳元で囁く声がぞくりと鼓膜を震わせる。
逃げたいほど強い快感なのに、深いところを押し付ける熱を離さないよう体内はきつく絡みつく。
耐えきれない快楽をどうにかしたくて首にしがみつけば、しっかり抱き返してくれた。
指先でなぞられるうなじには多分消えないナツの所有印がある。
些細な動き全てが信じられないくらいの快感を与えて、苦しいのに気持ちよくて幸せでたまらない。
悪魔に惹かれる時点で異常なのに、身も心もしっかりと捕まってしまった。
艶のある声で名前を呼ばれるだけで、蕩けた体は軽く達してしまう。
こんな自分はもしかしたら、天使失格なのかもしれない。
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