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9.★引き返せない
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そうすると、ぐっと奥を押されて、大きく目を開いた藍音の背がしなやかに反る。
深い結合から逃げたくても、ひくひく震える藍音を見下ろしたナツの手が細い手首をしっかりと捕らえていた。
「泣きそう、てか泣いてる? 天使って生意気で腹立つ奴ばっかだと思ってたけど、可愛いじゃん」
赤い瞳が面白そうに細められ、ずるりとゆっくり離れた腰がまた緩やかな速度でじりじりと押し込まれる。
トンと軽く奥に当たる感触がして、痺れるような快感が全身へと広がった。
焦らすようにゆっくり繰り返される抽挿が徐々に快感を増していく。
「や、あっ、あ、おく……っ、だめぇ……」
戸惑いながらも馴染んでいく体は更に潤いを増す。逃げようとする腰はあっさり捕まえられて、引き寄せられるとより深く密接した。
心とは裏腹に催促するよう蕩ける声が止まらない。嬌声が甘さを増して喉を震わせる。
なのに捏ねるよう押し付けられた腰は、ぴたりと止まってしまった。
「ふーん……ダメならやめてやってもいいよ。無理やりって趣味じゃないし。どうしたい?」
「や、やだあ……っ、意地悪……! 優しくしてくれるって、言ったのにぃ」
「えー? アイネの希望聞いてんだから、めっちゃ優しくない?」
腹立たしいはずの揶揄う顔と声は無性に胸を疼かせた。同時に体内が強く締まって、漏れるナツの吐息が艶かしい。
(あ、これはもうダメなやつ)
完全に引き返せない。ゆるりと僅かに揺らされ、悦ぶ体はひくひく波打つ。
だけど、ときめきも愛しさも藍音ばかりが感じているものだ。悔しい気持ちも同時に湧き出てくる。
「あっ……。なつくんだって……、やめたく、ないでしょ?」
強がってみても媚びるような声は甘ったるい。
しかしその返事は予想外だったらしく、ナツは一瞬赤い目を瞬かせる。くすりと笑う顔は藍音の背筋をぞくぞく震わせた。
彼の何かを刺激してしまったことを直感する。これはマズったかもしれない。
「言うじゃん。そうだな……アイネが美味すぎてやめられないから、俺が満足するまで食わせて」
「ひああっ! やっ、だめぇっ……!」
再開した律動はさっきよりずっと早く激しい。小刻みに揺さぶられる藍音の背が反って、つんと形の良い胸が上向いた。誘うよう赤く色づいた頂きを熱い舌が絡める。
浮いた背中に腕を回され引き寄せられる。始めは低いと思ったナツの体温が火のように熱い。
抱き寄せられると余計に感度が増していく。
どうしようもない恋心は抑えられなかった。名を繰り返せばナツもまた「アイネ」と返してくれる。
「あ、あっ、なつ……!」
柔らかな胸を揉みしだいていた左手が頬に添えられ、喘ぐくちびるが封じられる。
何度も繰り返される食むようなキス。このまま食べられてもいいかも。ついそんなことを思ってしまった。
細い亜麻色の髪はぐちゃぐちゃに乱れて、涙で濡れた顔は紅潮してとろとろに蕩けている。
どうしようもなく乱れる姿を見られたくないのに、まっすぐ見つめる瞳が嬉しくて仕方ない。
「天使は嫌いだけど……、あんたのことは気に入ったかも。食わせてくれてありがとな」
もう一度軽いキスをしたナツは強く自身を押し付けた。びくんと大きく震えると同時に、熱杭は奥深い場所で更に膨張した。高い声を上げた藍音は身を捩る。
泣きながら喘ぐ藍音の右足が抱えられ、見下ろすナツの肩に掛けられる。そうすると更に深く押し上げられて、制御できない快感で涙がぽろぽろ頬を伝った。
深い結合から逃げたくても、ひくひく震える藍音を見下ろしたナツの手が細い手首をしっかりと捕らえていた。
「泣きそう、てか泣いてる? 天使って生意気で腹立つ奴ばっかだと思ってたけど、可愛いじゃん」
赤い瞳が面白そうに細められ、ずるりとゆっくり離れた腰がまた緩やかな速度でじりじりと押し込まれる。
トンと軽く奥に当たる感触がして、痺れるような快感が全身へと広がった。
焦らすようにゆっくり繰り返される抽挿が徐々に快感を増していく。
「や、あっ、あ、おく……っ、だめぇ……」
戸惑いながらも馴染んでいく体は更に潤いを増す。逃げようとする腰はあっさり捕まえられて、引き寄せられるとより深く密接した。
心とは裏腹に催促するよう蕩ける声が止まらない。嬌声が甘さを増して喉を震わせる。
なのに捏ねるよう押し付けられた腰は、ぴたりと止まってしまった。
「ふーん……ダメならやめてやってもいいよ。無理やりって趣味じゃないし。どうしたい?」
「や、やだあ……っ、意地悪……! 優しくしてくれるって、言ったのにぃ」
「えー? アイネの希望聞いてんだから、めっちゃ優しくない?」
腹立たしいはずの揶揄う顔と声は無性に胸を疼かせた。同時に体内が強く締まって、漏れるナツの吐息が艶かしい。
(あ、これはもうダメなやつ)
完全に引き返せない。ゆるりと僅かに揺らされ、悦ぶ体はひくひく波打つ。
だけど、ときめきも愛しさも藍音ばかりが感じているものだ。悔しい気持ちも同時に湧き出てくる。
「あっ……。なつくんだって……、やめたく、ないでしょ?」
強がってみても媚びるような声は甘ったるい。
しかしその返事は予想外だったらしく、ナツは一瞬赤い目を瞬かせる。くすりと笑う顔は藍音の背筋をぞくぞく震わせた。
彼の何かを刺激してしまったことを直感する。これはマズったかもしれない。
「言うじゃん。そうだな……アイネが美味すぎてやめられないから、俺が満足するまで食わせて」
「ひああっ! やっ、だめぇっ……!」
再開した律動はさっきよりずっと早く激しい。小刻みに揺さぶられる藍音の背が反って、つんと形の良い胸が上向いた。誘うよう赤く色づいた頂きを熱い舌が絡める。
浮いた背中に腕を回され引き寄せられる。始めは低いと思ったナツの体温が火のように熱い。
抱き寄せられると余計に感度が増していく。
どうしようもない恋心は抑えられなかった。名を繰り返せばナツもまた「アイネ」と返してくれる。
「あ、あっ、なつ……!」
柔らかな胸を揉みしだいていた左手が頬に添えられ、喘ぐくちびるが封じられる。
何度も繰り返される食むようなキス。このまま食べられてもいいかも。ついそんなことを思ってしまった。
細い亜麻色の髪はぐちゃぐちゃに乱れて、涙で濡れた顔は紅潮してとろとろに蕩けている。
どうしようもなく乱れる姿を見られたくないのに、まっすぐ見つめる瞳が嬉しくて仕方ない。
「天使は嫌いだけど……、あんたのことは気に入ったかも。食わせてくれてありがとな」
もう一度軽いキスをしたナツは強く自身を押し付けた。びくんと大きく震えると同時に、熱杭は奥深い場所で更に膨張した。高い声を上げた藍音は身を捩る。
泣きながら喘ぐ藍音の右足が抱えられ、見下ろすナツの肩に掛けられる。そうすると更に深く押し上げられて、制御できない快感で涙がぽろぽろ頬を伝った。
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