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8.★誰よりも優しくして
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膝立ちで向き合ったナツの首に腕を回せば、細腰を引き寄せた彼は挑発するように見上げてくる。
これからどうするのかくらいもちろん知っているけど、素直に従うのも悔しい。腰を落とさない藍音の髪を撫で、下から口付けたナツは近い距離で囁く。
「大丈夫だって。みんなちゃんと挿るから」
みんなって誰。咄嗟に過った言葉は口に出さず飲み込んだ。
じっと見つめられて優しく蕩けさせられても、ナツとは一夜の関係だ。一瞬頭から抜けていた現実が甦る。それならば思い出に残る夜を過ごしたい。
「ナツくん……。あのね、うんと優しくして」
「いいよ。俺、基本的に優しいし。アイネはそういうの好きだと思った」
見透かされている。
どおりで、意地悪に細められる目からは想像できないほど、触れる指は嘘みたいに優しかったはずだ。
それでも誰よりも優しくしてほしかった。そんなことで張り合ったって意味はないことも知っているけど。
添えられた手に従うよう、藍音はゆっくりと腰を密着させていく。ほんの少し埋まっただけで圧迫感に吐息が漏れた。
さっき散々蕩けさせられたおかげで、思っていたよりもすんなり体は彼を受け入れて、距離が縮まるたびに甘い声が小さく上がる。
しかもナツの表情から彼も快楽を享受していることが伝わってくるものだから、どうしようもないほど体も心も反応してしまった。
昂りはもう十分に藍音の華奢な体内を満たしている。しかしまだ完全には飲み込めていない。
(これ以上は勘弁してほしいかもしれない……)
本能でそう感じた藍音が躊躇していると、腰を掴んだ手に力が入った。戸惑う藍音を見上げるナツの口角が不穏に上がっている。
「アイネ、あともう少し頑張ろうな」
嫌な予感に身が強張る。だけど腰を引くより先、ナツの手によって下ろされた体は最奥まで深く沈み込んだ。
「ひっ……!」
「ほら挿ったー」
衝撃で悲鳴のような小さな声が漏れた。少しの痛みと快感が同時に押し寄せる。強引に奥まで貫かれ、反った背中を抱き寄せられる。そうすると中で角度を変えて、目の前がチカチカと眩く点滅した。
「あー……。アイネから流れてくる精気やっば……」
強く抱きしめてくるナツの恍惚とした声が鼓膜を震わす。だけど深いところを押される藍音にそれを堪能する余裕はなかった。こんなに深く抉られるのは初めてだ。
繋がる場所が熱くてたまらない。中で脈打つだけで甘い疼きが全身を駆け巡る。
少しの振動がびくんと身を震わせる。情欲的な目を細めるナツの首に腕を回した藍音は、強くしがみつくことしか出来なかった。
ぺたんと座り込む藍音の悩ましい息遣いだけが部屋に響く。ナツはじっと待っていてくれているけど、飲み込む体内は勝手に収縮する。たったそれだけで甘ったるい声が漏れた。
じわじわ押し上げられる熱情で、目眩がする。このまま何もしなくても限界が訪れそうだった。
「どうした? もしかして、動けない?」
「んっ……。動いたら、壊れちゃう……っ」
尋ねるナツの声は低く優しい。縋るように抱きついたまま、藍音はこくんと頷く。
息を荒げる藍音の耳元で小さく笑う声はやっぱり余裕じみていて、悔しいほどの色気を感じさせた。
「壊れないって。じゃあこっちで」
「ひゃあっ!」
こっちとは? なんて考える間もなく、しっかり抱かれたままころんと背中からシーツに押し倒されてしまった。
これからどうするのかくらいもちろん知っているけど、素直に従うのも悔しい。腰を落とさない藍音の髪を撫で、下から口付けたナツは近い距離で囁く。
「大丈夫だって。みんなちゃんと挿るから」
みんなって誰。咄嗟に過った言葉は口に出さず飲み込んだ。
じっと見つめられて優しく蕩けさせられても、ナツとは一夜の関係だ。一瞬頭から抜けていた現実が甦る。それならば思い出に残る夜を過ごしたい。
「ナツくん……。あのね、うんと優しくして」
「いいよ。俺、基本的に優しいし。アイネはそういうの好きだと思った」
見透かされている。
どおりで、意地悪に細められる目からは想像できないほど、触れる指は嘘みたいに優しかったはずだ。
それでも誰よりも優しくしてほしかった。そんなことで張り合ったって意味はないことも知っているけど。
添えられた手に従うよう、藍音はゆっくりと腰を密着させていく。ほんの少し埋まっただけで圧迫感に吐息が漏れた。
さっき散々蕩けさせられたおかげで、思っていたよりもすんなり体は彼を受け入れて、距離が縮まるたびに甘い声が小さく上がる。
しかもナツの表情から彼も快楽を享受していることが伝わってくるものだから、どうしようもないほど体も心も反応してしまった。
昂りはもう十分に藍音の華奢な体内を満たしている。しかしまだ完全には飲み込めていない。
(これ以上は勘弁してほしいかもしれない……)
本能でそう感じた藍音が躊躇していると、腰を掴んだ手に力が入った。戸惑う藍音を見上げるナツの口角が不穏に上がっている。
「アイネ、あともう少し頑張ろうな」
嫌な予感に身が強張る。だけど腰を引くより先、ナツの手によって下ろされた体は最奥まで深く沈み込んだ。
「ひっ……!」
「ほら挿ったー」
衝撃で悲鳴のような小さな声が漏れた。少しの痛みと快感が同時に押し寄せる。強引に奥まで貫かれ、反った背中を抱き寄せられる。そうすると中で角度を変えて、目の前がチカチカと眩く点滅した。
「あー……。アイネから流れてくる精気やっば……」
強く抱きしめてくるナツの恍惚とした声が鼓膜を震わす。だけど深いところを押される藍音にそれを堪能する余裕はなかった。こんなに深く抉られるのは初めてだ。
繋がる場所が熱くてたまらない。中で脈打つだけで甘い疼きが全身を駆け巡る。
少しの振動がびくんと身を震わせる。情欲的な目を細めるナツの首に腕を回した藍音は、強くしがみつくことしか出来なかった。
ぺたんと座り込む藍音の悩ましい息遣いだけが部屋に響く。ナツはじっと待っていてくれているけど、飲み込む体内は勝手に収縮する。たったそれだけで甘ったるい声が漏れた。
じわじわ押し上げられる熱情で、目眩がする。このまま何もしなくても限界が訪れそうだった。
「どうした? もしかして、動けない?」
「んっ……。動いたら、壊れちゃう……っ」
尋ねるナツの声は低く優しい。縋るように抱きついたまま、藍音はこくんと頷く。
息を荒げる藍音の耳元で小さく笑う声はやっぱり余裕じみていて、悔しいほどの色気を感じさせた。
「壊れないって。じゃあこっちで」
「ひゃあっ!」
こっちとは? なんて考える間もなく、しっかり抱かれたままころんと背中からシーツに押し倒されてしまった。
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