56 / 75
4-2
しおりを挟む
安西だけが裸の状態で風呂に連れられた。そしてマットの上で四つん這いになるように言われる。
「や、恥ずかしい……」
セックスでは見られる。それは分かっているけど、自分だけ裸で、まだセックスは始まってすらいなくて。そんな状態で本来人に見せないところを見せるなんて。
「うん……とても恥ずかしいな。でもその恥ずかしいのもセックスなんだよ」
「……そうなんですか」
「恥ずかしいと興奮するだろう。それに普段人に見せないところを見せられるのは相手が恋人だからだ。見せてもいいと思える相手だから見せるんだよ」
確かに他の人には見せられない。あぁでも好きだからこそ見られたくないかもしれない。だって汚いし、色も形も知らない。
「……し、篠崎……」
「ん、やめてもいいよ」
きっと優しい顔をしている、と分かる声色だった。
「やだ……それはいや……」
抱いてほしい。篠崎と一つになりたい。それにさっき「早く抱きたい」と言われて泣きそうになるくらい嬉しかった。ただ、見られるのが恥ずかしいだけ。
「好きだから、全て見たいんだ」
ーー篠崎なら、大丈夫ーー。
膝をつき、腕を前に出す。恥ずかしい。
目をぎゅっと瞑ってお尻を上げた。
「みて……」
恥ずかしいおねだり。
「あぁ……可愛いよ。とても綺麗だ」
「っ……」
篠崎の乾いた指先がアナルを撫でた。恥ずかしい。排泄器官を見られている。
「ここに俺のを入れるんだよ」
「あ……」
そうだ。篠崎のペニスが、そこに……。
「最初は痛いし苦しいかもしれないが、頑張ってくれるかな」
つらいのは羞恥心だけ。でもそれだってすでに興奮に切り替わりつつある。
「んっ……篠崎のおちんちん、欲しい……」
いつの間に用意していたのか、篠崎はローションのついた指でアナルを撫でた。
「あっ……」
普通は人に触れられることのない場所。いけないことをしている、という気持ちが膨れ上がっていく。
「洗浄するためにも少し慣らさないといけない。でももしここに触れられることに嫌悪感を覚えるなら、そう言ってくれてかまわない」
「いえ……その、恥ずかしいですけど、大丈夫です」
むしろもう、少し感じてしまっている。もっと触れてほしい。本来汚いところだけれど、それでも篠崎さえ良いのなら触れてほしい。
「ああ……」
それは返事とも、吐息とも取れる音だった。興奮の現れ。
篠崎の指がアナルを何度も何度も、円を描くように撫でる。単調な動きのようなのに、その指には少しずつ力が込められていって、あるときつぷん、とそれは進入を果たした。
「あっ!」
「痛いか」
「痛くないっ……気持ちいい……」
恥ずかしいけれど、きちんと言わなければきっと篠崎は気を遣い続ける。遠慮なんてせず、篠崎にも気持ち良くなってほしい。そして安西自身も篠崎と一緒に気持ち良くなりたい。ーー少しでも早く。
「……このまま少しほぐすよ」
「はい……」
「や、恥ずかしい……」
セックスでは見られる。それは分かっているけど、自分だけ裸で、まだセックスは始まってすらいなくて。そんな状態で本来人に見せないところを見せるなんて。
「うん……とても恥ずかしいな。でもその恥ずかしいのもセックスなんだよ」
「……そうなんですか」
「恥ずかしいと興奮するだろう。それに普段人に見せないところを見せられるのは相手が恋人だからだ。見せてもいいと思える相手だから見せるんだよ」
確かに他の人には見せられない。あぁでも好きだからこそ見られたくないかもしれない。だって汚いし、色も形も知らない。
「……し、篠崎……」
「ん、やめてもいいよ」
きっと優しい顔をしている、と分かる声色だった。
「やだ……それはいや……」
抱いてほしい。篠崎と一つになりたい。それにさっき「早く抱きたい」と言われて泣きそうになるくらい嬉しかった。ただ、見られるのが恥ずかしいだけ。
「好きだから、全て見たいんだ」
ーー篠崎なら、大丈夫ーー。
膝をつき、腕を前に出す。恥ずかしい。
目をぎゅっと瞑ってお尻を上げた。
「みて……」
恥ずかしいおねだり。
「あぁ……可愛いよ。とても綺麗だ」
「っ……」
篠崎の乾いた指先がアナルを撫でた。恥ずかしい。排泄器官を見られている。
「ここに俺のを入れるんだよ」
「あ……」
そうだ。篠崎のペニスが、そこに……。
「最初は痛いし苦しいかもしれないが、頑張ってくれるかな」
つらいのは羞恥心だけ。でもそれだってすでに興奮に切り替わりつつある。
「んっ……篠崎のおちんちん、欲しい……」
いつの間に用意していたのか、篠崎はローションのついた指でアナルを撫でた。
「あっ……」
普通は人に触れられることのない場所。いけないことをしている、という気持ちが膨れ上がっていく。
「洗浄するためにも少し慣らさないといけない。でももしここに触れられることに嫌悪感を覚えるなら、そう言ってくれてかまわない」
「いえ……その、恥ずかしいですけど、大丈夫です」
むしろもう、少し感じてしまっている。もっと触れてほしい。本来汚いところだけれど、それでも篠崎さえ良いのなら触れてほしい。
「ああ……」
それは返事とも、吐息とも取れる音だった。興奮の現れ。
篠崎の指がアナルを何度も何度も、円を描くように撫でる。単調な動きのようなのに、その指には少しずつ力が込められていって、あるときつぷん、とそれは進入を果たした。
「あっ!」
「痛いか」
「痛くないっ……気持ちいい……」
恥ずかしいけれど、きちんと言わなければきっと篠崎は気を遣い続ける。遠慮なんてせず、篠崎にも気持ち良くなってほしい。そして安西自身も篠崎と一緒に気持ち良くなりたい。ーー少しでも早く。
「……このまま少しほぐすよ」
「はい……」
0
お気に入りに追加
243
あなたにおすすめの小説


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる