篠崎×安西(旧カルーアミルク2)(R-18)

gooneone(ごーわんわん)

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「すごい!」
 妖怪ストリートというだけあって、妖怪グッズを扱った雑貨屋があった。
「篠崎、中を見ましょう」
 篠崎は珍しく子供のような顔を見せた。妖怪が好きなんだな、というのはもちろん感じていたけれど、そこまで好きだとは思っていなかった。今度何か妖怪グッズをプレゼントしよう、と心に決める。
「可愛いのも、リアルなのもありますね」
 篠崎が見ているのはリアルなものばかりだった。壁にかけるお面だけは全力でやめてほしいのだけれど、妖怪は怖くないと言ってしまった手前言い出しにくい。
「……いいものありました?」
「ああ、これを」
 篠崎が指したのは壁に掛けられていたお面だった。やめてほしいと思ったやつ。おどろおどろしい。
「……これ、うちに飾るところ……」
 ある。ないわけがない。広い部屋なのだ。どこにでも飾れてしまう。
「これは友人に送るやつだ。諒は怖いだろう? 家には置かないから大丈夫だよ」
「でも……」
 こんなに楽しそうなのに買わなくていいのだろうか。記念に一つくらい、小さいものなら……書斎に置いてくれるのなら。
「いいんだ。諒が怖がる顔もいいが、家ではリラックスしていてほしいからな」
 優しい。でもやはり、欲しいのは怖いリアルなものなのだろう。可愛い感じにデフォルメされたものには興味がないということだ。
 それからいくつかお店を覗いたけれど、篠崎は自分用には一つも買おうとしなかった。遠慮しなくていいと言ったのだけれど、必要ないと篠崎は言った。
 でも確かに考えてみれば篠崎の私物は少ない。必要最低限のものがあればいいというタイプだ。
 部屋を飾る雑貨を買うのはもっぱら安西の方。たくさん買うことはないけれど、ちょっとしたときに気に入ったものをちょこちょこと購入している。
「……あ、じゃあこれお揃いにしませんか?」
 見つけた河童のストラップ。小ぶりの物で、邪魔になりそうなものではない。
「携帯に付けると邪魔ですから、キーケースとか……あ、篠崎は書斎に飾っておいてくれたりしたら嬉しいんですけど」
「あぁ、いいな。俺も付けるよ」
 篠崎がお金を払おうとしてくれたけれど、これはこちらが買いたいと言った。今回の旅費のほとんどを篠崎が持ってくれているし、指輪だって相当高かっただろうと思う。それに対して小さなストラップだけというのもちょっとあれだけれど、篠崎はそんなことは気にしないようだ。袋詰めを断りその場で携帯に付けてくれた。
「これでいい」
「河童でよかったです?」
「あぁ、可愛いよ。諒に似ている」
「……僕のは天狗に変えてもらおうかな」
「冗談だ!」
 篠崎が焦ったように言うので、おかしかった。
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