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しおりを挟む明るい。眩しい。そっと目を開ける。目の間には逞しい胸があった。裸だ。
「っ!」
昨夜のことを思い出し一気に覚醒した。恥ずかしい――昨夜は結局三回も射精したのだ。二回目は安西からもっととねだった。それが終わって、口移しで水を飲ませてもらったときにそのままキスで気持ち良くされてしまって、もう出ないと言ったのに篠崎が強引に――とても良かった。とてもかっこよかった。強引な篠崎はとにかく男らしくて、雄臭くて。
もし昨夜の強引な篠崎がベッドでの本性なのだとしたら、篠崎は一体今までどれほど我慢をしてくれていたのだろう。
ドキドキする。そう言えば出会ったときだって子供扱いして安西をからかっていた。きっといじめるのが好きな人なのだ。安西とは、逆の――
「諒」
「っ」
「たぬき寝入りかな」
起きていたのか。
「おはよう、諒」
「……おは……す」
「聞こえないな。顔を見て言ってくれるか」
(やっぱり意地悪だ!)
もしかしたら昨日ので本音で接していいと思ってくれたのかもしれない。それならーー嬉しい。
「……意地悪……」
「嫌だったか」
「……篠崎ってエスパーなんですか」
「え?」
篠崎が笑っている。身体が揺れている。
「だって、僕が虐められるのが好きって、なんで知ってるんですか」
「そうなのか」
わざとらしい棒読みだった。
「いじわる……」
「可愛くてついな」
「可愛くないです」
「可愛いよ。俺を喜ばせようと恥ずかしいことを言ってくれる健気なところも、恥ずかしいところまで全て見せてくれようとする献身さも」
「っ!!」
なんでそこまで知っているのだろう。篠崎に喜んでほしい、気持ち良くなってほしいと思ったことまで気付かれているなんて。
「身体はどうだ」
「……おちんちん、ひりひりします」
「見せてごらん」
「やっ!」
カーテンが閉められているとは言え、隙間からは朝日が差し込んでいる。健全な光の中で恥ずかしいところを見せるなんて。
「諒?昨日はいいこで見せられただろう」
「……だって」
昨日は快感と興奮で頭がぼーっとしていたのだ。脳は正常な働きをしていなかった。だから、なのに。だから今は寝起きとは言え覚醒しているから無理なのに――そのはずなのに。
「……篠崎が見て……」
「自分からは見せられない?」
「恥ずかしい……」
自分で見て、そう言うのだって爆発しそうなほどの羞恥心を押し殺して言葉にしているのだ。自分で曝け出すなんて――。
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