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嬉しくてドキドキしていたけれど、射精した身体は少しずつ落ち着いてくる。それと同時に思考も冷静になってくる。そして増す羞恥心。でも篠崎は変わらず優しいままだった。
「おちんちん、落ち着いてきたかな。きれいにしような」
篠崎はそう言って身体を起こしおちんちんを持ってくれた。けれど射精した精液のほとんどは余った皮の中だ。拭くにも、お腹をさっと拭う程度しかできないだろう。
「……しのざき」
「ん?」
「お風呂、入れてくれますか」
勇気を出したつもりだった。篠崎が頑張ったと褒めてくれたから、もう少し勇気を出して甘えたらまたいいこだと言ってもらえると思ったのだ。けれど篠崎は先ほどと同じように固まってしまった。
「ご、ごめんなさいっ」
困らせた。調子に乗ってしまった。
「ごめんなさい、僕、シャワー浴びてきます、だからっ」
「いや、諒、待ってくれ、すまない……シャワーに行こう。そこでおちんちんをきれいにしよう」
「……でも、嫌でしょう」
「嫌?どうして。嫌なわけがないだろう。……少し驚いたんだ。まさか諒からそんなに可愛く甘えてもらえるとは思わなくて」
カーッと顔が熱くなる。確かにそんな風に甘えたことは一度もない。例えば篠崎からドライヤーをしようかと問われてお願いしますと答えたことは何度もある。抱っこやキスなら自分からおねだりしたこともあったけれど、相手に労力を働かせるような内容でおねだりをしたことは多分ほとんどなかった。それに、身体を見られるシャワーなんて。
「行こう、諒」
「えっ、あっ」
手を引かれ、ばたばたと歩く。少し焦っているようにも見える。どうしたのだろう。さっきから篠崎の様子が少しおかしい。
「篠崎ッ」
「……諒、可愛い。本当に可愛い」
篠崎は服を脱がなかった。安西は纏っていた上衣を脱がされるだけで全裸になり、温かいシャワーを肩から浴びる。
「寒くないか」
「大丈夫です」
恥ずかしい。温かいシャワーを浴びたら急速に正常な思考に戻ってしまった。さっきまでの射精の余韻も全て消えてなくなり、あるのは完全に羞恥だけだ。
「あの、僕もう一人で……」
「だめだ。俺がする」
その少し強引な言い方にどきりとした。この数日時折見せる強引なキスのよう。ドキドキする。ときめく。何故だろう。わからないけれど。
「……はい……お願いします……」
シャワーで落ち着いたはずの心がまたドキドキと揺れ動き始める。なんで。篠崎の珍しい姿だからだろうか。
「……座ろうか」
一瞬の間が気になった。けれど訊けなかった。訊ける雰囲気じゃなかった。――あぁそうか。普段篠崎に色々なことを訊けるようになったのは、篠崎が訊ける雰囲気を作ってくれていたからなのだ。だからこうして篠崎に受け入れ態勢がなければ安西は質問をすることすらできない。
「はい……」
椅子に座ると篠崎も床に膝を着いた。ぐっと陰部との距離が近くなる。
「おちんちんに触るよ」
「はい……」
「おちんちんの皮を剥いて、中を洗うけれど大丈夫か」
「大丈夫です……きれいにしてください」
「……あぁ、射精したばかりで少しつらいかもしれないけれど、頑張ろうな」
やはり一瞬の間。気になる。けれど、篠崎の励ましにもドキドキした。ドキドキ、以外の言葉が分からない。恋なんて篠崎が初めてなのだ。こんな行為だって。だからこれがどんな感情なのかすらよく分からない。ただ、鼓動が苦しいような気がするのだ。脈が激しいような。
「諒?」
「あ……大丈夫です、お願いします」
篠崎は何も言わなかった。でも、そっとおちんちんに触れた。
「ぁ……」
「痛かったら必ず言うんだ」
「はい……」
勃起しているときならどうか分からないけれど、今は完全に萎えている。射精に疲れてだらりとしている。だから剥かれても包皮輪が裂けることはないだろう。
「おちんちん、落ち着いてきたかな。きれいにしような」
篠崎はそう言って身体を起こしおちんちんを持ってくれた。けれど射精した精液のほとんどは余った皮の中だ。拭くにも、お腹をさっと拭う程度しかできないだろう。
「……しのざき」
「ん?」
「お風呂、入れてくれますか」
勇気を出したつもりだった。篠崎が頑張ったと褒めてくれたから、もう少し勇気を出して甘えたらまたいいこだと言ってもらえると思ったのだ。けれど篠崎は先ほどと同じように固まってしまった。
「ご、ごめんなさいっ」
困らせた。調子に乗ってしまった。
「ごめんなさい、僕、シャワー浴びてきます、だからっ」
「いや、諒、待ってくれ、すまない……シャワーに行こう。そこでおちんちんをきれいにしよう」
「……でも、嫌でしょう」
「嫌?どうして。嫌なわけがないだろう。……少し驚いたんだ。まさか諒からそんなに可愛く甘えてもらえるとは思わなくて」
カーッと顔が熱くなる。確かにそんな風に甘えたことは一度もない。例えば篠崎からドライヤーをしようかと問われてお願いしますと答えたことは何度もある。抱っこやキスなら自分からおねだりしたこともあったけれど、相手に労力を働かせるような内容でおねだりをしたことは多分ほとんどなかった。それに、身体を見られるシャワーなんて。
「行こう、諒」
「えっ、あっ」
手を引かれ、ばたばたと歩く。少し焦っているようにも見える。どうしたのだろう。さっきから篠崎の様子が少しおかしい。
「篠崎ッ」
「……諒、可愛い。本当に可愛い」
篠崎は服を脱がなかった。安西は纏っていた上衣を脱がされるだけで全裸になり、温かいシャワーを肩から浴びる。
「寒くないか」
「大丈夫です」
恥ずかしい。温かいシャワーを浴びたら急速に正常な思考に戻ってしまった。さっきまでの射精の余韻も全て消えてなくなり、あるのは完全に羞恥だけだ。
「あの、僕もう一人で……」
「だめだ。俺がする」
その少し強引な言い方にどきりとした。この数日時折見せる強引なキスのよう。ドキドキする。ときめく。何故だろう。わからないけれど。
「……はい……お願いします……」
シャワーで落ち着いたはずの心がまたドキドキと揺れ動き始める。なんで。篠崎の珍しい姿だからだろうか。
「……座ろうか」
一瞬の間が気になった。けれど訊けなかった。訊ける雰囲気じゃなかった。――あぁそうか。普段篠崎に色々なことを訊けるようになったのは、篠崎が訊ける雰囲気を作ってくれていたからなのだ。だからこうして篠崎に受け入れ態勢がなければ安西は質問をすることすらできない。
「はい……」
椅子に座ると篠崎も床に膝を着いた。ぐっと陰部との距離が近くなる。
「おちんちんに触るよ」
「はい……」
「おちんちんの皮を剥いて、中を洗うけれど大丈夫か」
「大丈夫です……きれいにしてください」
「……あぁ、射精したばかりで少しつらいかもしれないけれど、頑張ろうな」
やはり一瞬の間。気になる。けれど、篠崎の励ましにもドキドキした。ドキドキ、以外の言葉が分からない。恋なんて篠崎が初めてなのだ。こんな行為だって。だからこれがどんな感情なのかすらよく分からない。ただ、鼓動が苦しいような気がするのだ。脈が激しいような。
「諒?」
「あ……大丈夫です、お願いします」
篠崎は何も言わなかった。でも、そっとおちんちんに触れた。
「ぁ……」
「痛かったら必ず言うんだ」
「はい……」
勃起しているときならどうか分からないけれど、今は完全に萎えている。射精に疲れてだらりとしている。だから剥かれても包皮輪が裂けることはないだろう。
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