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「すごい……起ってる……」
「うん、とても可愛い」
脱がされて現れた小さなそれはまだしっかりと皮を被ったままだった。そしてその中はまだ篠崎に見られたことはない。前回撫でてもらったときはそのままだったから。そのまま、皮を剥かないまま。
「おちんちん、どうしようか。お顔を出すのは痛いかな」
「……怖い……」
亀頭が敏感だということは知識として知っている。洗うときでも強すぎる刺激に痛むことがあったから。だから怖かった。皮の上からでもあんなに気持ちがいいのに、そこを剥かれて直接されたらどうなってしまうのか。
「じゃあこのままよしよししよう」
怖いと言ったのは自分だけれど、篠崎は不衛生だと思わないのだろうか。気にならないのだろうか。安西は自分できちんと洗っていると知っているけれど、篠崎は知らない。皮の余りが多すぎて、見た目は真性包茎と変わらないのに。
「本当に可愛いおちんちんだ。ほら、勃起できたご褒美だよ」
最後の言葉はおちんちんに向けられた。恥ずかしい。またおちんちんに話しかけられた。
「ぁ……しのざき……」
「痛かったり、怖かったらきちんと言うんだよ。大丈夫、怒ったり、嫌いになったりしないから」
「……はい……お願いします」
礼儀として言ったつもりだったのに、篠崎は動きを止めた。
「……篠崎……?」
変なことを言ってしまっただろうか。お願いしますというのはおかしかったのだろうか。もしかしてそういうお店みたいな発言だったのだろうか。それとも何か、言葉以外で引っかかることがあったのだろうか。
「いや、すまない、何でもないよ」
でももう気になってしまった。経験がないせいか少しのことでも不安になってしまう。失礼なことを言ったのかもしれない。不快にさせていたらどうしよう。
「篠崎、あの、」
「あぁ、すまない……不安にさせたな。違うんだ、可愛かったから」
「え?」
きちんと聞きたかったのに、篠崎はまたそこを撫でた。誤魔化された、と思ったけれど、感じてしまった。
「ぁっ……」
「諒、可愛い。おちんちん気持ちいいな」
「あっ!あんっ、あっきもちっ」
さっきのは何だったの――そう訊きたいのに、頭の中が真っ白になる、真っ白に――
「ああっ!!!」
びゅく、と揺れた。ずくん、と疼いている。微かに濡れたお腹に不快感を覚える。そして何より恥ずかしかった。だって撫でられたのはほんの数十秒だったのだ。握られてすらいない。扱かれたというより、裏筋を撫でられただけ。なのにイってしまった。
あまりの恥ずかしさに落ちそうな涙を必死にこらえていると篠崎が覆い被さってきた。まるで羞恥を覆い隠してくれるかのように。その優しさに甘え、縋り付く。
「とても上手だったよ」
「え…?」
しっかりと抱きしめられているせいで、声が籠ってはっきり聞こえない。顔を上げるようにして聞き返せば、今度はもう少し大きな声で言ってくれた。
「上手に射精できた」
そしていいこ、上手と顔中にキスの雨。あんなにすぐにイってしまって恥ずかしくて、馬鹿にされても言い返しようもないほどなのに、篠崎はたくさん褒めてくれた。嬉しい。安西はただ快感に喘いだだけなのに。そして良い気持ちになっただけなのに、それを褒めてくれる。ふわふわして気持ちいい。もっと甘やかされたくなってしまう。
「しのざき……僕、がんばった?」
「うん、頑張った。とてもよく頑張ったよ」
勃起も頑張ったし、触られるのも、見られるのも、射精するのも全部頑張った、篠崎はそう言ってたくさん頭を撫で、たくさんキスをくれた。
「うん、とても可愛い」
脱がされて現れた小さなそれはまだしっかりと皮を被ったままだった。そしてその中はまだ篠崎に見られたことはない。前回撫でてもらったときはそのままだったから。そのまま、皮を剥かないまま。
「おちんちん、どうしようか。お顔を出すのは痛いかな」
「……怖い……」
亀頭が敏感だということは知識として知っている。洗うときでも強すぎる刺激に痛むことがあったから。だから怖かった。皮の上からでもあんなに気持ちがいいのに、そこを剥かれて直接されたらどうなってしまうのか。
「じゃあこのままよしよししよう」
怖いと言ったのは自分だけれど、篠崎は不衛生だと思わないのだろうか。気にならないのだろうか。安西は自分できちんと洗っていると知っているけれど、篠崎は知らない。皮の余りが多すぎて、見た目は真性包茎と変わらないのに。
「本当に可愛いおちんちんだ。ほら、勃起できたご褒美だよ」
最後の言葉はおちんちんに向けられた。恥ずかしい。またおちんちんに話しかけられた。
「ぁ……しのざき……」
「痛かったり、怖かったらきちんと言うんだよ。大丈夫、怒ったり、嫌いになったりしないから」
「……はい……お願いします」
礼儀として言ったつもりだったのに、篠崎は動きを止めた。
「……篠崎……?」
変なことを言ってしまっただろうか。お願いしますというのはおかしかったのだろうか。もしかしてそういうお店みたいな発言だったのだろうか。それとも何か、言葉以外で引っかかることがあったのだろうか。
「いや、すまない、何でもないよ」
でももう気になってしまった。経験がないせいか少しのことでも不安になってしまう。失礼なことを言ったのかもしれない。不快にさせていたらどうしよう。
「篠崎、あの、」
「あぁ、すまない……不安にさせたな。違うんだ、可愛かったから」
「え?」
きちんと聞きたかったのに、篠崎はまたそこを撫でた。誤魔化された、と思ったけれど、感じてしまった。
「ぁっ……」
「諒、可愛い。おちんちん気持ちいいな」
「あっ!あんっ、あっきもちっ」
さっきのは何だったの――そう訊きたいのに、頭の中が真っ白になる、真っ白に――
「ああっ!!!」
びゅく、と揺れた。ずくん、と疼いている。微かに濡れたお腹に不快感を覚える。そして何より恥ずかしかった。だって撫でられたのはほんの数十秒だったのだ。握られてすらいない。扱かれたというより、裏筋を撫でられただけ。なのにイってしまった。
あまりの恥ずかしさに落ちそうな涙を必死にこらえていると篠崎が覆い被さってきた。まるで羞恥を覆い隠してくれるかのように。その優しさに甘え、縋り付く。
「とても上手だったよ」
「え…?」
しっかりと抱きしめられているせいで、声が籠ってはっきり聞こえない。顔を上げるようにして聞き返せば、今度はもう少し大きな声で言ってくれた。
「上手に射精できた」
そしていいこ、上手と顔中にキスの雨。あんなにすぐにイってしまって恥ずかしくて、馬鹿にされても言い返しようもないほどなのに、篠崎はたくさん褒めてくれた。嬉しい。安西はただ快感に喘いだだけなのに。そして良い気持ちになっただけなのに、それを褒めてくれる。ふわふわして気持ちいい。もっと甘やかされたくなってしまう。
「しのざき……僕、がんばった?」
「うん、頑張った。とてもよく頑張ったよ」
勃起も頑張ったし、触られるのも、見られるのも、射精するのも全部頑張った、篠崎はそう言ってたくさん頭を撫で、たくさんキスをくれた。
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