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「一人にしてすまない」
時計を見ていなかったし、悶々と篠崎のことを考えてしまっていたので時間の経過は分からない。でも篠崎はちゃんと戻ってきてくれた。さっきのようにまた寝ころんで、見下ろしながら前髪をかき上げてくれる。
「いえ…その、ごめんなさい」
「諒」
「だって、その、えっちできなくて」
安西がちゃんとセックスをできれば篠崎は一人でしなくて良かったのだ。したいと思う相手がいるのに、その相手から離れて一人でする、そんなのって可哀想だよな、と一人で考えていたのだ。失礼なことをしてしまった、と。
「できなくてもいいと言っただろう、まぁただ、さっきの可愛い顔は使わせてもらったが」
篠崎の言葉に首を傾げた。使うとは何のことだろう。
篠崎を見ると苦笑していた。そこで気付いた、オカズ、という意味だ。
「真っ赤だ」
だってキスでとろけてしまった恥ずかしい顔を思い出しながらオナニーをされたということだ。自分の顔で、篠崎が興奮して射精をするなんて――
「ぁ……」
「可愛い」
でも、やっぱり嫌じゃなかった。嬉しいと思った。きっともし篠崎が他の人のことを考えながらオナニーしたら自分は悲しくてたまらないと思う。自分でしてくれる、それがとても嬉しかった。
「ぎゅう、だったな。すまない、もう大丈夫」
そう言って篠崎はきちんとさっきのおねだりを叶えてくれる。優しい。ちゃんと安西の言葉を覚えていてくれる。満たしてくれる。
ぎゅう、とさっきよりも強い力で抱きしめられる。触れ合った下腹部にはもうお互い硬さはない。
遠慮せず触れ合えることが嬉しくて、篠崎の足の間に足をそっと入れてみた。
「いたずらっこ」
篠崎はそう言って嬉しそうに笑ってぎゅう、と足を強く挟んでくれた。こんな風にいちゃいちゃできたのは初めてだった。今までだって手を繋いだり、ハグをしてもらったりはしていたけれどこんな無邪気な触れ合いではなかった。きっとどちらも少し遠慮して気を遣ってしまっていた。
時計を見ていなかったし、悶々と篠崎のことを考えてしまっていたので時間の経過は分からない。でも篠崎はちゃんと戻ってきてくれた。さっきのようにまた寝ころんで、見下ろしながら前髪をかき上げてくれる。
「いえ…その、ごめんなさい」
「諒」
「だって、その、えっちできなくて」
安西がちゃんとセックスをできれば篠崎は一人でしなくて良かったのだ。したいと思う相手がいるのに、その相手から離れて一人でする、そんなのって可哀想だよな、と一人で考えていたのだ。失礼なことをしてしまった、と。
「できなくてもいいと言っただろう、まぁただ、さっきの可愛い顔は使わせてもらったが」
篠崎の言葉に首を傾げた。使うとは何のことだろう。
篠崎を見ると苦笑していた。そこで気付いた、オカズ、という意味だ。
「真っ赤だ」
だってキスでとろけてしまった恥ずかしい顔を思い出しながらオナニーをされたということだ。自分の顔で、篠崎が興奮して射精をするなんて――
「ぁ……」
「可愛い」
でも、やっぱり嫌じゃなかった。嬉しいと思った。きっともし篠崎が他の人のことを考えながらオナニーしたら自分は悲しくてたまらないと思う。自分でしてくれる、それがとても嬉しかった。
「ぎゅう、だったな。すまない、もう大丈夫」
そう言って篠崎はきちんとさっきのおねだりを叶えてくれる。優しい。ちゃんと安西の言葉を覚えていてくれる。満たしてくれる。
ぎゅう、とさっきよりも強い力で抱きしめられる。触れ合った下腹部にはもうお互い硬さはない。
遠慮せず触れ合えることが嬉しくて、篠崎の足の間に足をそっと入れてみた。
「いたずらっこ」
篠崎はそう言って嬉しそうに笑ってぎゅう、と足を強く挟んでくれた。こんな風にいちゃいちゃできたのは初めてだった。今までだって手を繋いだり、ハグをしてもらったりはしていたけれどこんな無邪気な触れ合いではなかった。きっとどちらも少し遠慮して気を遣ってしまっていた。
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