167 / 275
第八章 冒険編 血の繋がり
真緒パーティー VS 大司教エイリス
しおりを挟む
遂に祭壇まで辿り着いた真緒達。その手前で待ち構えるのはヘッラアーデの指導者にして、かつてエジタスの姉であった大司教エイリス。
だが、ノーフェイスと戦う際に見掛けた時よりも、何処と無く雰囲気が違っている様に感じられた。
「これはこれは……まさかノーフェイスを倒すとは……それで? どうでしたか? かつての友人を斬り殺した感想は?」
以前よりも陰湿な、暗い感じになっていた。そんな雰囲気を誤魔化す様に、わざとらしい挑発をして来る。
「心配しなくても、あなたを倒したら確りと埋葬してやるつもりです」
「そう……残念ね、もう少し葛藤してくれるかと思ったんだけど……どうやら思った以上に冷たい人間だった様ね」
「それはお互い様じゃありませんか? 既に亡くなっている人を、あんな冒涜的な扱い方をするだなんて……」
「冒涜的だなんて人聞きの悪い。私は只、魂の入っていない肉体を再利用しただけよ。大事なのは思いやる心であって、体は生きる為に必要な器に過ぎない。だからこそ私はその体が朽ち果てるまで使い続け、人々の役に貢献させた。それが私の彼に対する思いやりだから……果たしてそれを冒涜的と言えるのかしら?」
「…………もう、あなたには何を言っても伝わらない様ですね……」
そう言いながら真緒達は各々、武器を構える。その様子を見たエイリスは、側にいるリップに『離れていなさい』と、その場から少し遠ざけた。
「これが最後の戦い……全力であなたを止めて見せる!! “ライト”!!」
真緒の掌から、思わず目を覆いたくなる程の強い光の玉が生成される。するとエイリスは静かにゆっくりと目を閉じる。
その隙を狙って、真緒達は一斉に攻撃を仕掛ける。真緒は真正面から剣で斬り伏せようと、フォルスは空中から矢を放とうと、リーマは真横から魔法で援護しようと、そしてハナコは背後に回り、拳で吹き飛ばそうとする。
「「「「っ!!?」」」」
が、先程までいた場所にエイリスの姿は無かった。何処かに移動した様子も見受けられない。そもそも四方向からの攻撃の為、逃げ場など存在しなかった。それなのに忽然と姿を消した。
「い、いったい何処に行ったのよ!?」
そんな様子を少し離れた所から観察していたゴルガとエレットの二人。ゴルガは落ち着いた様子であったが、エレットは姿を消したエイリスに対して、酷く動揺している様子だった。
「エレットさん、落ち着いて下さい。エイリスは師匠と同じ転移魔法の使い手だった筈です。つまり今、何処か私達から見えない場所に移り、油断した所で襲い掛かると思われっ……!!?」
そう説明している瞬間、エイリスが真緒の背後に何の前触れも無く突然現れた。手にはナイフが握り締められており、真緒の首を切り落とそうと振り被る。
「ごぶっ!!?」
しかし、持ち前の反射神経により、ナイフの刃が皮膚に触れる瞬間、持っていた剣で弾いて見せた。そしてがら空きになった腹目掛けて、真緒が鋭い蹴りを入れる。
一瞬、何が起こったのか理解出来なかったエイリス。吹き飛ばされた先で涙目になりながら、蹴られた腹を両手で押さえる。
「はぁ……はぁ……っ!!!」
「“炎の槍”」
そんな情けない姿の彼女目掛けて、赤々と燃え盛る炎の槍が襲い掛かる。転移して避ける時間が無く、その場に転がる事で慌てて回避する。
「スキル“インパクト・ベア”」
「!!!」
が、回避した先で待ち構えていたハナコによる強烈な一撃を貰い、その衝撃から空中に吹き飛ばされた。
「“アクセルドライ”」
「がはっ!!?」
休む暇が無い。空中に吹き飛ばされているエイリス目掛けて、加速した三連続の矢が突き刺さる。幸いにも三本共、左肩に刺さり、致命傷には繋がらなかった。しかしそれでも、充分にダメージを負わせる事に成功している。
「うっ……あがぁ……」
「す、凄い……これがマオ達の本当の実力……」
真緒達の息を飲む程の連携攻撃に、エレットは唖然としていた。
これまでギリギリの戦いを繰り広げて来た真緒達だが、それはあくまでも感情が左右されていた面がある。
真緒達は良い意味で人間が出来てしまっている。その為、例え相手が敵であろうと同情してしまい、実力をフルに発揮する事が出来なかった。
しかし、エイリス相手にその必要は無い。エジタスの姉という点はある物の、あまり関わりの無い相手。つまりは同情するにまで値しない敵。よって容赦無く、叩き潰す事が出来る。
「生憎だけど、私達はあなたの様な敵と一度戦った事がある。しかも相手はあなたよりも遥かに格上だった」
更に真緒達にはエジタスという、エイリスよりも遥か彼方の転移魔法の実力者と戦った事がある。その為、同じ転移魔法を扱う相手には有利なのだ。
「それに本格的に戦うのは、今回が初めてですよね?」
「…………」
「転移魔法は使い慣れているみたいだったけど、動きにムラがあった。恐らく今まで、転移魔法で背後に回ってからのナイフ攻撃で片が付いていた。だからその初撃を防がれてしまった時の対応に遅れた。違う?」
「…………」
何から何まで図星だった。前世の記憶が全てあるエイリスだが、それはあくまで知識であり、今の体が経験した事では無い。
加えてエイリスが動き始めたのが一年前、それまでは何の苦労もしない上流階級の生娘だった。勿論、筋力を上げる為の運動らしい事は何もして来なかった。その為、知識量に対して体が付いて行けて無いのだ。
「転移魔法の強さに慢心したあなたは、不意打ちでしか敵を倒せない卑怯者ですよ」
「は……ははは……ははははは!!!」
すると突然笑い出したエイリス。まるで生まれたての小鹿の様に震えながら、泥塗れで何とか立ち上がる。
「まだ立ち上がるんですか……」
「当たり前よ!! 私はまだ負けていない!! この首が体と繋がっている限り、決して諦めたりしない!!」
「そこまでして師匠に会いたいんですね……当然ですよね、家族ですもんね……」
「そうよ!! 姉として!! 家族として!! 私はエジタスに会いたい!! 愛する弟をもう一度、この手に抱き締めたいのよ!!」
「ならどうして周りを巻き込むんですか!!? あなた程の知恵者なら、被害を一切出さずに出来た筈です!! それなのに何故ですか!!?」
「…………私にとってエジタス以外、価値が無いからよ」
「……そうですか……よく分かりました。もう、あなたの声を聞きたくありません。決着を付けましょう」
真緒が剣を構える。対してエイリスは息を荒くしながら、転移魔法でその場から姿を消した。
「皆、手出しは無用だからね」
真緒の言葉に他の三人が静かに頷いた。
真緒はゆっくりと息を整える。心臓の鼓動がうるさく聞こえる。一分、五分、十分と時間が過ぎて行く。長時間、緊張が張り詰める中、その瞬間は遂に訪れた。
「うわぁああああああ!!!」
それは意外、真正面からの突撃であった。何を思ったのか、戦闘経験豊富な真緒に小細工無しの正面から勝負を挑んだ。
「これで……最後です!!」
迫り来るエイリス。迎え撃つ真緒。両者の武器が交わろうとしたその時!!
ドゴン!!!
「「「「「「「!!?」」」」」」」
「な、なんだ今の音は!!?」
「み、見て下さい!! 祭壇が!!?」
けたたましい音が響き渡る。真緒達やエイリスは思わず音のした方向に顔を向ける。するとどうした事か、祭壇が青白く発光していた。
そして祭壇にはある一人の人物が立っていた。不適な笑みを浮かべながら、こちらを見ていた。その人物にエイリスは信じられないという表情を浮かべながら、問い掛ける。
「い、いったいこれはどういう事なの……説明しなさい……“リップ”」
リップは呆れた様子で、わざとらしく大きな溜め息を漏らす。
「あなたは本当に哀れな操り人形ですね。私という掌の上で躍り続けていたんですから!! くくく、あはははははははははは!!!」
そう言いながらリップは、エイリスを指差しながら、ゲラゲラと大声で笑うのであった。
だが、ノーフェイスと戦う際に見掛けた時よりも、何処と無く雰囲気が違っている様に感じられた。
「これはこれは……まさかノーフェイスを倒すとは……それで? どうでしたか? かつての友人を斬り殺した感想は?」
以前よりも陰湿な、暗い感じになっていた。そんな雰囲気を誤魔化す様に、わざとらしい挑発をして来る。
「心配しなくても、あなたを倒したら確りと埋葬してやるつもりです」
「そう……残念ね、もう少し葛藤してくれるかと思ったんだけど……どうやら思った以上に冷たい人間だった様ね」
「それはお互い様じゃありませんか? 既に亡くなっている人を、あんな冒涜的な扱い方をするだなんて……」
「冒涜的だなんて人聞きの悪い。私は只、魂の入っていない肉体を再利用しただけよ。大事なのは思いやる心であって、体は生きる為に必要な器に過ぎない。だからこそ私はその体が朽ち果てるまで使い続け、人々の役に貢献させた。それが私の彼に対する思いやりだから……果たしてそれを冒涜的と言えるのかしら?」
「…………もう、あなたには何を言っても伝わらない様ですね……」
そう言いながら真緒達は各々、武器を構える。その様子を見たエイリスは、側にいるリップに『離れていなさい』と、その場から少し遠ざけた。
「これが最後の戦い……全力であなたを止めて見せる!! “ライト”!!」
真緒の掌から、思わず目を覆いたくなる程の強い光の玉が生成される。するとエイリスは静かにゆっくりと目を閉じる。
その隙を狙って、真緒達は一斉に攻撃を仕掛ける。真緒は真正面から剣で斬り伏せようと、フォルスは空中から矢を放とうと、リーマは真横から魔法で援護しようと、そしてハナコは背後に回り、拳で吹き飛ばそうとする。
「「「「っ!!?」」」」
が、先程までいた場所にエイリスの姿は無かった。何処かに移動した様子も見受けられない。そもそも四方向からの攻撃の為、逃げ場など存在しなかった。それなのに忽然と姿を消した。
「い、いったい何処に行ったのよ!?」
そんな様子を少し離れた所から観察していたゴルガとエレットの二人。ゴルガは落ち着いた様子であったが、エレットは姿を消したエイリスに対して、酷く動揺している様子だった。
「エレットさん、落ち着いて下さい。エイリスは師匠と同じ転移魔法の使い手だった筈です。つまり今、何処か私達から見えない場所に移り、油断した所で襲い掛かると思われっ……!!?」
そう説明している瞬間、エイリスが真緒の背後に何の前触れも無く突然現れた。手にはナイフが握り締められており、真緒の首を切り落とそうと振り被る。
「ごぶっ!!?」
しかし、持ち前の反射神経により、ナイフの刃が皮膚に触れる瞬間、持っていた剣で弾いて見せた。そしてがら空きになった腹目掛けて、真緒が鋭い蹴りを入れる。
一瞬、何が起こったのか理解出来なかったエイリス。吹き飛ばされた先で涙目になりながら、蹴られた腹を両手で押さえる。
「はぁ……はぁ……っ!!!」
「“炎の槍”」
そんな情けない姿の彼女目掛けて、赤々と燃え盛る炎の槍が襲い掛かる。転移して避ける時間が無く、その場に転がる事で慌てて回避する。
「スキル“インパクト・ベア”」
「!!!」
が、回避した先で待ち構えていたハナコによる強烈な一撃を貰い、その衝撃から空中に吹き飛ばされた。
「“アクセルドライ”」
「がはっ!!?」
休む暇が無い。空中に吹き飛ばされているエイリス目掛けて、加速した三連続の矢が突き刺さる。幸いにも三本共、左肩に刺さり、致命傷には繋がらなかった。しかしそれでも、充分にダメージを負わせる事に成功している。
「うっ……あがぁ……」
「す、凄い……これがマオ達の本当の実力……」
真緒達の息を飲む程の連携攻撃に、エレットは唖然としていた。
これまでギリギリの戦いを繰り広げて来た真緒達だが、それはあくまでも感情が左右されていた面がある。
真緒達は良い意味で人間が出来てしまっている。その為、例え相手が敵であろうと同情してしまい、実力をフルに発揮する事が出来なかった。
しかし、エイリス相手にその必要は無い。エジタスの姉という点はある物の、あまり関わりの無い相手。つまりは同情するにまで値しない敵。よって容赦無く、叩き潰す事が出来る。
「生憎だけど、私達はあなたの様な敵と一度戦った事がある。しかも相手はあなたよりも遥かに格上だった」
更に真緒達にはエジタスという、エイリスよりも遥か彼方の転移魔法の実力者と戦った事がある。その為、同じ転移魔法を扱う相手には有利なのだ。
「それに本格的に戦うのは、今回が初めてですよね?」
「…………」
「転移魔法は使い慣れているみたいだったけど、動きにムラがあった。恐らく今まで、転移魔法で背後に回ってからのナイフ攻撃で片が付いていた。だからその初撃を防がれてしまった時の対応に遅れた。違う?」
「…………」
何から何まで図星だった。前世の記憶が全てあるエイリスだが、それはあくまで知識であり、今の体が経験した事では無い。
加えてエイリスが動き始めたのが一年前、それまでは何の苦労もしない上流階級の生娘だった。勿論、筋力を上げる為の運動らしい事は何もして来なかった。その為、知識量に対して体が付いて行けて無いのだ。
「転移魔法の強さに慢心したあなたは、不意打ちでしか敵を倒せない卑怯者ですよ」
「は……ははは……ははははは!!!」
すると突然笑い出したエイリス。まるで生まれたての小鹿の様に震えながら、泥塗れで何とか立ち上がる。
「まだ立ち上がるんですか……」
「当たり前よ!! 私はまだ負けていない!! この首が体と繋がっている限り、決して諦めたりしない!!」
「そこまでして師匠に会いたいんですね……当然ですよね、家族ですもんね……」
「そうよ!! 姉として!! 家族として!! 私はエジタスに会いたい!! 愛する弟をもう一度、この手に抱き締めたいのよ!!」
「ならどうして周りを巻き込むんですか!!? あなた程の知恵者なら、被害を一切出さずに出来た筈です!! それなのに何故ですか!!?」
「…………私にとってエジタス以外、価値が無いからよ」
「……そうですか……よく分かりました。もう、あなたの声を聞きたくありません。決着を付けましょう」
真緒が剣を構える。対してエイリスは息を荒くしながら、転移魔法でその場から姿を消した。
「皆、手出しは無用だからね」
真緒の言葉に他の三人が静かに頷いた。
真緒はゆっくりと息を整える。心臓の鼓動がうるさく聞こえる。一分、五分、十分と時間が過ぎて行く。長時間、緊張が張り詰める中、その瞬間は遂に訪れた。
「うわぁああああああ!!!」
それは意外、真正面からの突撃であった。何を思ったのか、戦闘経験豊富な真緒に小細工無しの正面から勝負を挑んだ。
「これで……最後です!!」
迫り来るエイリス。迎え撃つ真緒。両者の武器が交わろうとしたその時!!
ドゴン!!!
「「「「「「「!!?」」」」」」」
「な、なんだ今の音は!!?」
「み、見て下さい!! 祭壇が!!?」
けたたましい音が響き渡る。真緒達やエイリスは思わず音のした方向に顔を向ける。するとどうした事か、祭壇が青白く発光していた。
そして祭壇にはある一人の人物が立っていた。不適な笑みを浮かべながら、こちらを見ていた。その人物にエイリスは信じられないという表情を浮かべながら、問い掛ける。
「い、いったいこれはどういう事なの……説明しなさい……“リップ”」
リップは呆れた様子で、わざとらしく大きな溜め息を漏らす。
「あなたは本当に哀れな操り人形ですね。私という掌の上で躍り続けていたんですから!! くくく、あはははははははははは!!!」
そう言いながらリップは、エイリスを指差しながら、ゲラゲラと大声で笑うのであった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】では、なぜ貴方も生きているのですか?
月白ヤトヒコ
恋愛
父から呼び出された。
ああ、いや。父、と呼ぶと憎しみの籠る眼差しで、「彼女の命を奪ったお前に父などと呼ばれる謂われは無い。穢らわしい」と言われるので、わたしは彼のことを『侯爵様』と呼ぶべき相手か。
「……貴様の婚約が決まった。彼女の命を奪ったお前が幸せになることなど絶対に赦されることではないが、家の為だ。憎いお前が幸せになることは赦せんが、結婚して後継ぎを作れ」
単刀直入な言葉と共に、釣り書きが放り投げられた。
「婚約はお断り致します。というか、婚約はできません。わたしは、母の命を奪って生を受けた罪深い存在ですので。教会へ入り、祈りを捧げようと思います。わたしはこの家を継ぐつもりはありませんので、養子を迎え、その子へこの家を継がせてください」
「貴様、自分がなにを言っているのか判っているのかっ!? このわたしが、罪深い貴様にこの家を継がせてやると言っているんだぞっ!? 有難く思えっ!!」
「いえ、わたしは自分の罪深さを自覚しておりますので。このようなわたしが、家を継ぐなど赦されないことです。常々侯爵様が仰っているではありませんか。『生かしておいているだけで有難いと思え。この罪人め』と。なので、罪人であるわたしは自分の罪を償い、母の冥福を祈る為、教会に参ります」
という感じの重めでダークな話。
設定はふわっと。
人によっては胸くそ。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる