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第三章 冒険編 私の理想郷

理想は現実よりも乏しい

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 そもそも俺がこの街に足を踏み入れたのは、『あの場所こそ正に理想郷だ』という噂を小耳に挟んだからだ。



 「……ど、何処だ……ここ?」



 お前達と同じ様に、異様な見た目をした生き物から逃げ、あの奇妙な館に住む家族の世話になった後、俺は家に帰る為に館から外に出た。だがそこに広がっていたのは岩だらけの道じゃ無く、この人で賑わう活気に溢れた街並みだった。



 「まさかここが……噂の理想郷なのか?」



 噂の理想郷に辿り着く事が出来たのか、俺は街の中を歩き始めた。



 「さっきまで何も無い只の道だった筈なのに……何がどうなっているんだ?」



 突然の状況に理解が追い付かず、俺は頭を掻きむしる。



 「おにーさん、おにーさん」



 「ん?」



 そんな俺に街の住人が声を掛けて来た。俺は思わず、声のした方向に顔を向けた。



 「そんな辛気臭い顔してどうしたんですか?」



 そこには美女が立っていた。年齢、体格、声までもが俺好みだった。



 「い、いや……何でも無い大丈夫だ」



 いきなり目の前に美女が現れた物だから、俺は緊張で寡黙になっていた。少しでもかっこよく見せたかったんだ。



 「そうですか? もしお疲れの様ならお酒でも一杯飲みませんか?」



 「ん……酒か……」



 よくよく確認すると、その女がいる所は酒場の入口だった。自分で言うのも何だが、俺は相当の酒好きだ。元々、理想郷に行こうと思ったのも、働かずにタダで酒が飲みたいと思ったからだ。



 「そうだな、一杯位なら良いかもな」



 「本当ですか? それじゃあ中までご案内しますね」



 その時俺は、この不思議な街の事よりも酒が飲める事で頭がいっぱいだった。女に誘われる様に、俺は酒場へと足を運んだ。







***







 「それで何にしますか?」



 酒場の中はとても雰囲気が良く、陽気に飲む奴もいれば静かに飲む奴もいる。悪酔いしている客は一人もいなかった。正に俺が理想とする酒場だった。そんな居心地の良い酒場に置いてあるバーカウンターの席に腰を下ろすと、さっきの女が何を注文するか尋ねて来た。



 「ん……そうだな……取り敢えず、この店のおすすめをくれないか?」



 本当は俺の大好物であるウィスキーを頼みたかったが、この雰囲気が良い店がおすすめする酒も気になってな。つい生意気にも頼んでしまった。



 「おすすめですね。分かりました」



 女は嫌な顔一つせず、店がおすすめする酒の準備に取り掛かった。店だけで無く、店員も愛想が良かった。



 「…………」



 「お待たせしました。当店がおすすめするオリジナルウィスキーです」



 「な、何だと!?」



 驚いた。出された酒はウィスキー、俺の大好物だった。まさかの偶然に動揺を隠せなかったが、それでも平然を装い出されたウィスキーに口を付ける。



 「……!! これは……!!?」



 それは俺が好きなウィスキーの味だった。好みの女、好みの酒場と続き、今度は好みの味と来た。口に広がる旨味と共に、心の幸せが満たされていくのを感じた。



 「どうですか? 気に入って頂けましたか?」



 「あぁ、最高だ。これなら何杯でもいける」



 「それは良かった。まだまだ沢山ありますからね。いつでも好きな時に飲みに来て下さい。お代はいりませんから」



 「えっ、良いのか!?」



 「はい、気持ち良く飲んで頂くのが店としての理念ですから、お代はいりません」



 「へぇー、それなら遠慮無く、毎日通っちゃおうかなー」



 「そうして頂けると嬉しいです。丁度店の向かい側に宿屋があるので、お休みを取る場合はそこで休まれると良いでしょう。勿論、そこの宿屋もタダですよ」



 「マジか!!? ここは本当に理想郷だなぁ!!」



 俺は酒が好きだが酒に弱い。しかし今日は調子が良かったのか、十杯以上は飲んでいた。その日は良い気分になりながら、向かい側にある宿屋に泊まる事にした。







***







 「よぉ!! また来たよ!!」



 「あら、アレリテさん。今日も来てくれたんですね」



 「勿論だよ、カメリちゃんの為ならいつでも来ちゃうよ」



 あの日以来、俺は毎日の様に酒場を訪れた。その内、俺好みの女の名前がカメリと分かる程まで通う様になっていた。



 「それで、今日は何にします?」



 「いつものをお願いね」



 「オリジナルウィスキーですね。かしこまりました」



 毎日通い続けている内、この街に迷い込んでから何日経ったのか、分からなくなっていた。だが、当時の俺からしたらそんなのはどうでも良かった。煩わしい元の世界から逃げ出し、毎日を楽しく過ごせる理想郷に来られた。それだけで、俺は幸せだったんだ。そう……あの時までは……。







***







 「うぅー、ひっく!!」



 「アレリテさん……ちょっと飲み過ぎたんじゃありませんか?」



 「だいりょーぶ、だいりょーぶ、それじゃあ俺は宿屋に帰るよ」



 その日俺は、ろれつが回らないほど飲んだ。足はふらふら千鳥足になりながら、宿屋に帰ろうとした。



 「本当に大丈夫ですか? 良かったらお水でも一杯飲んでいきませんか?」



 「水…………あっ、そうだ。俺、水持ってるんだった!!」



 今の今まで忘れていた。俺がこの街に辿り着くまで飲み水として利用していた給水袋があるのを。俺は懐から給水袋を取り出し、まだ中身が入っている事を確かめ、注ぎ口から口に直接中の水を流し込んだ。



 「ぶぅううううう!!?」



 「きゃあ!!?」



 結論から言うと、水は完全に腐っていた。ずっと長い間忘れ去られた水は、この世の物とは思えない味をしていて、俺は思わず吹き出してしまった。



 「あっ、すまな…………えっ!?」



 「気にしないで下さい。でもちょっとお化粧が崩れてしまったので、少し待っていて下さい。すぐに戻って来ますから」



 水を吹き出した際、その飛沫がカメリの顔にも掛かってしまった。カメリは化粧が崩れたと言い、顔を隠す様に慌ててその場から離れたが、俺は確りと目撃した。酔いが醒める程の衝撃の事実をこの目で見たんだ。水で濡れたカメリの顔は、ぐちゃぐちゃに溶けていて中からハエの顔が出ていた。その顔は、あの異様な見た目をした生き物達の中にいたハエ顔の生き物だった。



 「…………おぇ」



 突然の出来事に頭が混乱したが、それよりも気持ち悪さが込み上げて来た。胃がムカムカして、吐き気を催した。俺は慌てて酒場を飛び出した。



 「お待たせしました……あれ、アレリテさん?」







***







 「おぇ!! おぇえええ!! おぇ、ぇえええええ!!」



 俺は吐いた。胃の中が空っぽになるまで吐き続けた。今までずっと可愛いと思っていたカメリの正体は、ハエの顔をした化物だったなんて、一旦落ち着いても気持ち悪さが込み上げ、また吐いてしまう。



 「はぁ……はぁ……はぁ……」



 一瞬にして現実へと引き戻された感覚だった。気だるさと嫌悪感が、体全体を支配する。



 「何なんだ……この世界は……」



 その日を境に、俺は酒場へ行くのを止め、この世界がいったい何なのか調査する事にしたんだ。







***







 「……と言う経緯で俺は、この世界が偽りの世界だと言う事を知っている訳さ」



 「そうだったんですか……色々、大変だったんですね」



 アレリテが体験した想像絶する話に、真緒達は同情していた。



 「まぁな……だがそのお陰で色々と分かった事はある」



 「本当ですか!?」



 「あぁ、それを今からお前達に教える。だから、何とかしてこの偽りの世界を壊して欲しいんだ」



 「分かりました。私達に任せ……「ちょっと待て」……フォルスさん?」



 アレリテからこの世界について、情報を手に入れようとするが、フォルスがそれを遮った。



 「悪いが、お前を信用する事は出来ない」



 「フォルスさん!?」



 「……どうしてだ?」



 「お前の話には、どうにも不可解点が多過ぎる」



 「不可解点ですか?」



 「考えても見ろ。もしお前がこのアレリテと同じ立場だったとしたら、まず最初に何をする?」



 「えっ? そりゃあ勿論、こんな気持ち悪い街なんかいたくないから、すぐにでも出ていこうと……あっ」



 アレリテの立場になって思い返すと、確かに不可解点が存在する事が分かった。



 「そうだ。普通ならこんな気持ち悪い街、すぐにでも逃げ出そうと思う筈だ。しかし、お前は調査する事にしたと言った……どう考えてもおかしい」



 「…………」



 「アレリテさん……」



 フォルスの言葉に、アレリテは無言だった。何も返さず、険しい顔を浮かべるだけだった。



 「どうやら答える気は無い様だな。そんな奴の言う事は信用出来ない。マオ、ハナコ、リーマ……行くぞ」



 「「「…………」」」



 何も返さないアレリテに、真緒達は諦めた表情でその場から去ろうとする。



 「…………待て」



 そんな真緒達をアレリテが呼び止める。



 「話す気になったのか?」



 「…………」



 するとアレリテは無言のまま、手に持っていた給水袋を傾け、自身の左手に中の水を垂らした……次の瞬間!!



 「「「「!!!」」」」



 一瞬にして、アレリテの左手はどろどろに崩れ、跡形も無くなってしまった。



 「……こう言う訳だ」



 「あ……ああ……」



 流石のフォルスも、言葉を失ってしまった。



 「お前の言う通り、最初はこの街から出ようとした……だけど出られなかった。走っても走っても、街の外に出られない……そしてふと気付いた。俺の前歯が綺麗に無くなっているのを……」



 「「「「!!!」」」」



 アレリテは唇を大きく開き、前歯を真緒達に見せ付ける。しかしそこには、前歯と呼べる物は無く、歯抜け状態になっていた。



 「俺はあの時、一瞬だが水を口に含んだ。結果、水に大きく触れた前歯が綺麗に無くなったという訳さ……」



 「つ、つまりアレリテさん……あ、あなたは……」



 「あぁ、その通りだ。俺は既に、この世界の住人になってしまったんだ……」



 「ぞ、ぞんなぁ……」



 驚きを隠せない真緒達を他所に、アレリテの話は続く。



 「どうやらこの世界の食べ物や飲み物を口にすると、少しずつこの世界に取り込まれてしまうらしい。そして取り込まれたら最後、二度と元の世界には戻って来れなくなってしまう……」



 「……で、でもおかしいですよ……」



 「何がだ?」



 「だって……この場所から戻って来た人達がちゃんといるんですよ!? その人達が『あそこは正に理想郷だ』って、言っているんですよ!?」



 「実際に会ったのか?」



 「えっ?」



 「実際に会って確かめたのか?」



 「い、いえ……そう言う噂を耳にしただけです……」



 「俺もそうだ……そうなるとつまり、俺達はその時点からこの世界に取り込まれていた事になるな」



 「ま、まさか……嘘情報……」



 「誰が流したのかは知らないが……まんまと騙されたよ……」



 無事に戻って来た人達がいる。その情報があったからこそ、真緒達は安心してこの世界までやって来た。しかし実際は、迷い込んだら二度と出て来られない呪いの世界だった。



 「そう言う訳で、俺はもう手遅れだ。だがお前達は違う。お前達は今日ここに来たばかり、まだ何も飲み食いしていないんだろ?」



 「「「…………」」」



 「…………」



 アレリテの問いに無言の三人と、汗だくの一人。



 「ま、まさか何か飲んだり食べたりしたのか!?」



 「えっと……そちらにいるハナちゃんが沢山料理を食べました……」



 「ご、ごめんなざいだぁ……」



 「う、嘘だろう……な、何皿食べたんだ!?」



 「…………二……三十位だっだがなぁ……」



 「さ、三十だと!!?」



 ハナコの言葉に、頭を抱えるアレリテ。真緒、リーマ、フォルスは呆れた表情を浮かべ、ハナコは涙目になっていた。



 「オ、オラ……もう駄目だがぁ?」



 「……いや、一日位は持つ筈だ」



 「何故、そんな事が分かる?」



 「俺もこの街に来た初日に、酒を浴びる様に飲んだ。だがその時はまだ、元の世界の住人としての感覚が残っていたんだ」



 「よ、良がっだだぁ……」



 「安心するのは早いぞ。残っていると言っても本当にたった一日だ。明日になれば、完全にこちら側の住人になってしまうだろう」



 「ぞ、ぞんなぁ……」



 「いったいどうすれば良いんですか!? 教えて下さい!!」



 「この世界は言わば“絵の世界”、水を掛ければ簡単に壊せる」



 「水ですね。それなら任せて下さい!! “ウォーターキャノン”!!」



 リーマが自信満々に魔導書を開き、水属性魔法を唱えるが、何も起こらなかった。



 「…………あ、あれ? お、おかしいですね? もう一度、“ウォーターキャノン”!!」



 しかし、何も起こらなかった。



 「ど、どうして!?」



 「無駄だよ。どうやらこの世界は、水に関してだけは徹底している様で、魔法から水を生成する事は出来なくなっている」



 「そ、そんな……じゃあ、どうすればいいんですか?」



 「……この世界の“主”を探し出す」



 「“主”?」



 「そうだ。この世界だって、誰かが作り出した物だ。ならその作り出した奴を見つけ出し、作り出した方法を聞き出し、その大本に水を掛ける事が出来れば、この偽りの世界を壊せる筈だ」



 「で、でもそんな事をすれば、アレリテさんだって消滅してしまうかもしれないんですよ!?」



 真緒の言う通りだった。この世界を壊すという事は、その世界に住む住人の消滅を意味する。つまり、この世界に取り込まれてしまったアレリテも消滅する事になる。



 「もう良いのさ。俺はこれまで好き勝手に生きて来た。一生分の娯楽を楽しんだ。永遠にこの偽りの世界で行き続けるなんて……苦痛だ。俺はな、楽しく人生を終わらせたいんだ……だから頼む、楽しい人生のまま終わらせて欲しい……」



 そう言うとアレリテは、持っていた給水袋を真緒に差し出す。



 「アレリテさん……」



 「俺は既にこちら側の人間、この世界の主には逆らえない。お前達だけが、この偽りの世界を壊し、俺を助け出せる存在なんだ」



 「……分かりました。その願い、私達が叶えます」



 真緒はアレリテから、給水袋を手渡された。



 「ごめんね、勝手に引き受けちゃって……」



 「気にするな。それにハナコも助けないといけないからな」



 「マオさんの想いと私達の想いは同じです。必ずこの世界から出ましょう」



 「皆、ずまないだぁ……」



 アレリテの為、ハナコの為、真緒達の想いは最初から決まっていた。



 「いいか、その給水袋には二杯分の水が入っている。決して無駄にするんじゃないぞ」



 「はい、肝に命じます。それでこの世界の主というのは、誰の事なんですか?」



 「あぁ、ハッキリと決まっていないが……俺はあの“家族”が怪しいと睨んでいる」



 「あの家族と言うと……」



 「奇妙な館に住んでいる家族だ……あの家族の内、誰かがこの世界の主じゃないかと考えている」



 「やっぱり……そうなるのか……」



 「またあそこに戻るんですか?」



 「うぅ……気が引げるだぁ……」



 「でも行くしか方法が無い!! 行こう皆!!」



 「……分かった!! こうなったら何処までもついて行くぞ!!」



 「皆さんと一緒なら、あの家族とだって戦えます!!」



 「オ、オラも頑張るだぁ……」



 「よし……行こう!!」



 そうして真緒達はアレリテから貰った給水袋を握り締めて、再びあの家族が住んでいる奇妙な館に向かうのであった。



 「頼んだぞ……」



















 「さてと、そろそろあの四人が戻って来る頃かしら? それじゃあ、“お出迎え”の準備をしなくちゃね」



 そう言いながら少女は、横長の本を広げるのであった。
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