上 下
295 / 300
最終章 笑顔の絶えない世界

全滅

しおりを挟む
 「これが現実だ。例えパワーダウンしているとしても、お前達程度の実力者なら簡単に対応する事が出来る」



 「い、いっだい……何が起ごっだだがぁ……?」



 「シーラがエジタスさんの心臓に槍を突き刺したのを見た……その筈だが、いつの間にか背後を取られていた……」



 「それも、全くの無傷な状態で……」



 あまりに突然の出来事に、一同は酷く混乱していた。



 「シーラ!!シーラ!!大丈夫!?」



 サタニアとゴルガは、顔面を殴り飛ばされたシーラの側へと駆け寄り、必死に呼び掛ける。



 「……あ……うっ……」



 「良かった。意識はまだあるみたい……」



 「デスガ、カナリノダメージヲオッテシマッテイマス……」



 「そうだね。ここは一旦、戦線を離脱して貰って…………!?」



 シーラを、戦いの舞台から下ろそうとするが、その直後シーラはゆっくりと立ち上がった。



 「シーラ!!そんなボロボロの体で、無理に動かない方が良いよ!!」



 「止めないで下さい魔王様……やっと面白くなって来たんですから……」



 「でも……」



 サタニアの呼び止めに応じないシーラ。それでも戦わせまいと食い止め様とする。そんなサタニアの肩を、ゴルガが掴み制止させる。



 「ゴルガ…………」



 「イマノシーラハ、ダレニモトメラレマセン……ソレニイマ、シーラヲハズシテシマッテハ、オオキナイタデトナリマス……」



 「……そう……だね……」



 首を縦に降るしか無かった。ゴルガの言い分は正しい。ここで無理にシーラを戦線から離脱させてしまえば、大幅な戦力ダウンになってしまう。サタニアは、黙ってシーラを戦わせるしか出来なかった。



 「…………話し合いは済んだか?」



 「「「!!?」」」



 シーラを戦線から離脱させず、戦わせようとしたその時、サタニアの背後にエジタスが現れた。



 「(全く見えなかった……速いだけだと分かっているけど……それでも……捉える事も出来ないだなんて!!)」



 慌てて振り返ろうとするも、既にエジタスの右腕は振り上げられており、勢い良く突き出そうとしていた。



 「(だ、駄目だ!!間に合わない!!ここは一発耐えるしか……)」



 「ウォオオオオオ!!!」



 「!!!」



 不意を突かれた。最早、回避は間に合わない。サタニアは甘んじてエジタスの一撃を受け、耐える事を覚悟した。しかしその直後、側にいたゴルガがエジタス目掛けて巨大な右拳を振り下ろした。



 「やれやれ……スキルや魔法が扱えない木偶の坊は、引っ込んでくれるかな?」



 「!!?」



 振り下ろした巨大な右拳は、エジタスに命中した。その筈なのだが、エジタスの体はゴルガの右拳をすり抜けていた。更に、サタニアを殴ろうとした時の構えのまますり抜けていた。



 「コ、コレハ……イッタイ……」



 「おいおい、何処を見ているんだ?俺はこっちだよ」



 「!!?」



 真上から声が聞こえる。ゴルガが空を見上げると、そこにはエジタスが空中を跳んでおり、重力に身を任せながらゴルガ目掛けて踵落としを繰り出した。



 「ガハァ!!!」



 「ゴルガ!!」



 エジタスの踵落としをまともに食らったゴルガは、そのまま流れる様に前のめりになって倒れた。



 「……そうだな、これ位の威力なら、深傷を負わせる事が出来るな」



 「グッ……ウググ……」



 「ゴルガ!!大丈夫!?」



 倒れたゴルガは、ゆっくりと立ち上がった。しかし、踵落としを食らった頭はひびが入っており、尚且つ少し欠けていた。



 「モンダイ……アリマセン……」



 「でも……どうして……確かにゴルガの拳は当たっていた筈……それに、あのすり抜けたエジタスはいったい……」



 「“残像”…………」



 「えっ!?」



 サタニアが、ゴルガの攻撃が外れた事を不思議に思いながら悩んでいると、シーラを含めた真緒達が駆け付けて来た。



 「サタニア、そっちは大丈夫?」



 「うん、取り敢えずはね……それよりも、残像ってどう言う意味?」



 真緒達に自分達の安否を伝えながら、シーラが呟いた一言について問い掛けた。



 「“残像”……視神経に影響を及ぼす現象であり、刺激対象を一定時間注視した後に,目を閉じたり他所に目を転じたときに生じる視覚的効果……」



 「えっど……づまり……?」



 「つまり、刺激対象がその場を離れても、俺達の目にはその場にいる様に見えるって事だ」



 「エジタスさんが、肉眼では捉えきれない速度で動いてしまう為、私達の目が移動した事を理解していない……という事ですか?」



 「うーん……ちょっと違うが……単純に言うとそうなる」



 シーラの専門的説明に、付いて来られなかったハナコに、フォルスとリーマが分かりやすく解説し直した。



 「そうなると……僕達はエジタスの姿を捉えようと凝視したから……」



 「肉眼では捉えきれない速度で移動したエジタスさんを、目が理解出来ず残像を作り出してしまった」



 「それじゃあ私達はずっと、師匠の残像相手に戦っていたという事ですか!?」



 「残念ながら……そうなる……」



 「そんな…………」



 必死に捉えようと、目に意識を集中させた事が、反って不利な状況を作り出していた。



 「そう言う事だ……つまり端からお前達に勝ち目など存在していない」



 「師匠……」



 「諦めて……死を受け入れろ」



 「!!!」



 すると再び、エジタスの姿が消えてしまった。そして次の瞬間、真緒の目の前に姿を現した。



 「マオさん!!危ない!!“炎の槍”!!」



 真緒の目の前に現れたエジタスに、リーマは慌てて炎の槍を生成した。そして炎の槍を強く握り締めながら、エジタス目掛けて突き刺した。



 「…………!!?」



 リーマが、エジタス目掛けて炎の槍を突き刺した。しかし手応えはまるで無く、突き刺した箇所からは一滴も血は流れ無かった。すると、突き刺した筈のエジタスの姿が徐々に歪み始めた。



 「し、しまった!!長く見過ぎた!!」



 「はい、お疲れ様」



 「!!!」



 残像。リーマが突き刺したエジタスは、只の残像であった。本物のエジタスは既にリーマの背後に立っており、残像だと気が付いたリーマの肩に優しく手を乗せた。



 「くっ!!」



 「そして、さようなら」



 「げぼっ!!!」



 「「「リーマ!!!」」」



 慌てて振り返って、握り締めている炎の槍を突き刺そうとするが、振り返って横向きになった瞬間、リーマの腹部目掛けてエジタスの重たい蹴りが叩き込まれた。



 「一人目……撃破……次は誰だ?」



 「ふざけやがって!!」



 するとフォルスは、翼を大きく羽ばたかせ空へと舞い上がった。そして直ぐ様地上にいるエジタス目掛けて弓を構えた。



 「いくら速いと言っても、地上から空中までの距離なら捉えられる筈だ!!」



 「なら……試して見るか?」



 「あぁ、だが試すのは俺だけじゃない……シーラ!!」



 「この時を待っていたぜ!!」



 「!!?」



 フォルスが呼び掛けた途端、既に準備を整えていたかの様に、地上にいるシーラがエジタス目掛けて攻撃を仕掛けて来た。



 「貫け……“ブースト”!!」



 「スキル“ヤマタノオロチ”!!」



 肉眼では捉えきれない速さで動くエジタスに対して、空中にいるフォルスは同じく肉眼では捉えきれない速さの矢を放ち、地上にいるシーラは下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦で、出来る限り攻撃回数の多いスキルを選んで放った。



 「空中と地上、両方からの同時攻撃!!」



 「さすがのお前でも、両方避けるのは不可能だ!!」



 「……そうだな、それじゃあ避けない」



 「「!!?」」



 するとエジタスは、肉眼では捉えきれない速度で目の前にいるシーラの腕を掴んで、スキルを中断させる。そして空中から迫り来る矢に対して、掴んだシーラの腕を引っ張り盾にして防いだ。



 「がっ……ぁあ!!?」



 「シ、シーラ!!!」



 「はい、二人目撃破……そして三人目も撃破」



 「し、しまっ…………!!」



 フォルスの放った矢が、シーラの胸に突き刺さった。それによって動揺したフォルスの隙を突いて、背後に回ったエジタスがフォルスを地上に叩き落とした。



 「ぐはぁ!!!」



 「フォルスざん!!!」



 「他人の心配をしている場合か?」



 「!!!」



 地上に叩き落とされたフォルス。そんなフォルスの安否を心配していると、その背後にエジタスが現れた。



 「うわぁあああああ!!!スキル“インパクト・ベア”!!」



 突然現れたエジタスに、動揺が隠せないハナコ。残像に騙されない様に、目を瞑って振り返り渾身のスキルを放った。



 「グガッ!!!」



 「……えっ!?……あっ!!ず、ずまねぇだぁ!!」



 目を瞑って放ったスキルはエジタスでは無く、後ろで立っていたゴルガに命中してしまった。エジタスの声に翻弄されて、大切な仲間を傷つけてしまった。



 「何度も言うが……他人の心配をしている場合か?」



 「!!!」



 自身のスキルのせいで、ゴルガを吹き飛ばしてしまったハナコ。そんなゴルガの安否を心配していると、突如目の前にエジタスが現れた。



 「ぐぶっ!!!」



 「はい、これで四人目……五人目……撃破……残りはお前達二人だけだ……」



 「「…………」」



 突如目の前に現れたエジタスは、ハナコの顎を勢い良く蹴り飛ばした。そしてゆっくりと、残った真緒とサタニアの方を振り向いた。



 「さて……先に殺されたいのはどちらかな?」



 「「…………」」



 二人は顔を見合わせ、小さく頷くとエジタスに背を向けて一斉に走り出した。



 「おや、大切な仲間を置いて逃げ出すのか?……確かに生き残る上で最適な判断だ……だがな……」



 するとエジタスは、肉眼では捉えきれない速度で逃げる二人の後を追い掛け始める。



 「俺が相手の場合、それは愚行だ!!」



 「「…………今だ!!」」



 「!!?」



 エジタスが追い掛け始めた途端、背を向けて逃げ出した筈の二人が、勢い良く振り返る。それと同時にサタニアが真緒を持ち上げ、振り返る瞬間に遠心力を効かせながら、真緒をエジタス目掛けて投げ飛ばした。



 「肉眼では捉えきれない速度……それ故に一度走り出したら止まれない!!」



 「そう考えた私達は、進路変更出来ないタイミングで攻撃を仕掛ける事にしました!!師匠!!覚悟!!」



 「…………」



 走り出したエジタスと、投げ飛ばされた真緒。両者、一直線に激しくぶつかり合う。



 「…………がはぁ!!?」



 「…………えっ?」



 「確かに、走り出してからの進路変更は出来ないが……走りながら姿勢は変えられるぞ」



 激しくぶつかり合う。その筈だった。しかしエジタスは、上半身を後ろに伸ばして真緒が真上を通るのを待った。そして真上を通った瞬間、その腹部に重たい蹴りを繰り出した。腹部を強く蹴られた真緒は、その場で踞る。



 「マオ!!マオ!!」



 「うっ……うぅ……」



 蹴られた腹部を押さえながら、痛がる真緒。そんな真緒の側にサタニアが駆け寄り、必死に呼び掛ける。



 「六人目撃破……そして……最後七人目も……これで終わりだ」



 「!!!」



 殺られる。仲間達は全滅。唯一の頼みだった作戦も、物の見事に失敗してしまった。サタニアは、やりきれない想いでいっぱいであった。



 「じゃあな…………」



 「…………」



 しかし最早、打つ手は残されていなかった。サタニアは大人しく死を受け入れるしか無かった。ゆっくりと目を瞑り、殺されるのを静かに待った。



 「“ウェイブ”!!」



 「「!!?」」



 その時、エジタス目掛けて巨大な波が襲い掛かって来た。



 「な、何だ!!?ぐわぁ!!」



 巨大な波はエジタスだけに襲い掛かり、真緒とサタニアの二人は襲われなかった。一方、突然巨大な波に襲われたエジタスは勢い良く流されてしまった。



 「こ、これはいったい……」



 「危なかったですね」



 「……あ、あなたは!!!」



 差し伸べられる手。そこにはスゥー、ジェド、鳥人族の族長、そして人魚の女王が立っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し

gari
ファンタジー
 突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。  知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。  正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。  過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。  一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。  父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!  地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……  ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!  どうする? どうなる? 召喚勇者。  ※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。  

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】では、なぜ貴方も生きているのですか?

月白ヤトヒコ
恋愛
父から呼び出された。 ああ、いや。父、と呼ぶと憎しみの籠る眼差しで、「彼女の命を奪ったお前に父などと呼ばれる謂われは無い。穢らわしい」と言われるので、わたしは彼のことを『侯爵様』と呼ぶべき相手か。 「……貴様の婚約が決まった。彼女の命を奪ったお前が幸せになることなど絶対に赦されることではないが、家の為だ。憎いお前が幸せになることは赦せんが、結婚して後継ぎを作れ」 単刀直入な言葉と共に、釣り書きが放り投げられた。 「婚約はお断り致します。というか、婚約はできません。わたしは、母の命を奪って生を受けた罪深い存在ですので。教会へ入り、祈りを捧げようと思います。わたしはこの家を継ぐつもりはありませんので、養子を迎え、その子へこの家を継がせてください」 「貴様、自分がなにを言っているのか判っているのかっ!? このわたしが、罪深い貴様にこの家を継がせてやると言っているんだぞっ!? 有難く思えっ!!」 「いえ、わたしは自分の罪深さを自覚しておりますので。このようなわたしが、家を継ぐなど赦されないことです。常々侯爵様が仰っているではありませんか。『生かしておいているだけで有難いと思え。この罪人め』と。なので、罪人であるわたしは自分の罪を償い、母の冥福を祈る為、教会に参ります」 という感じの重めでダークな話。 設定はふわっと。 人によっては胸くそ。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。 牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子 信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。 初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった *** 異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います

処理中です...