146 / 300
第九章 冒険編 雲の木の待ち人
変わって欲しい日常
しおりを挟む
ぐぅー。
「はぁー、マオぢゃん達……遅いな…………」
「おいおい、まだ食料調達に行って十分も経っていないぞ」
食料調達に向かった真緒達に対して、こちらは調理の準備を整えていた。
「うぅ……まだ十分も経っでいないだなんで……オラには一時間近ぐ経っだ気がするだよ……」
「まぁ、もう少ししたらマオ達も食料を調達して戻って来るだろう……」
「ぞれまで、オラの腹が持づがどうが…………」
そう言いながらハナコがお腹を擦ると、またも“ぐぅー”という腹の音が鳴り、ハナコは溜め息をつくのであった。
「いや~、ハナコさんの食欲は相変わらずですね~」
「全く、その通りだな…………なぁ、エジタスさん……」
「ん?何ですか?」
ハナコの異常な程の食欲の話をしていたエジタスとフォルスだったが、フォルスが思い詰めた表情で問い掛ける。それはこれまでずっと、フォルス、リーマ、ハナコの三人が思ってきた疑問だった。
「…………マオの事はどう思っているんだ?」
「どう思っていると言うのは?」
予想していた返答。フォルスは、これからする問い掛けを慎重に選び抜いて行く。
「その……ここまで一緒に旅して来て、どう感じているかなって……」
「楽しいですよ~、マオさんはいつも何らかの行動を示してくれます。それは私の考えを軽く凌駕する奇抜な考え。特に良かったのは、“ライトマッスルアーム”の時でしたね~。実力差が明白な敵に対して、まさかその地域の特徴を生かして戦うだなんて、大変勉強になる戦いでした」
「そ、そうですか…………」
まさかの返答。予想の遥か斜め行く答えに戸惑いを見せるフォルス。
「(ま、まさかマオの考え方を褒められるとは……これは脈ありなのか!?それとも脈無しか!?)」
「……さん……ルスさん……フォルスさん!」
「えっ、あっ、な、何ですか!?」
エジタスの真緒に対する想いを、考え込んでいたフォルスは、エジタスに声を掛けられていた事に気づかなかった。
「いや、ですからそう言うフォルスさんはマオさんの事をどう思っているのですか~?」
「お、俺が……ですか?」
「はい、フォルスさんは今までマオさんと旅して来て、どう感じているのですか~?」
「俺は…………」
フォルスは、今までの真緒との思い出を振り返っていた。初めて会った時の事、飛べないと分かっても仲間に迎え入れてくれた事、そして自分の身の危険を顧みず、俺をトラウマの闇から救い出してくれた事。
「(そんなマオに、俺は…………)」
「恋をしてしまったんじゃないですか~?」
「!!何だと…………!?」
「仲間と苦難を供にしていく内に、友情を越えた愛情が芽生えてしまう。よくある事ですよ?」
「(俺がマオに恋…………?いや、違う……俺が感じているのは恋じゃない……俺がマオに感じているのは……)」
フォルスは分かっていた。この気持ちが恋では無い事を……確かに、特別な感情は抱いていたかもしれない。だがそれは、恋とは違う全く別の感情だった。
「エジタスさん……悪いが俺はマオに恋はしていない」
「ほぉ~、ではいったいどう感じているのですか?」
「あいつはいつも危なっかしくて、何を考えているのか時々分からなくなる…………だが、それ以上にあいつは誰よりも優しくて……思いやりがあって……他人を助ける為に、自分の事なんか二の次だ。だから目が離せないって言うか……そう、“妹”みたいな感じなのかもしれないな……」
「“妹”…………ですか……」
その時のエジタスは、何処か思い詰めた様な雰囲気を漂わせていた。
「エジタスさん…………?」
「成る程~!!愛は愛でも恋愛の愛では無く、兄妹愛での愛だった様ですね~!さすがはフォルスさん!マオさんとはまた違った考えをお持ちの様ですね~!」
気のせいだったのか、いつも通りのエジタスに戻った。
「え、えぇ、まぁそうですね。ち、因みにエジタスさんは、マオに恋しているんですか?」
「えぇ~、そんな……恥ずかしくて言えませんよ~」
恥ずかしがりながらエジタスは、体をくねらせる。
「(これは…………脈あり……なのか?)」
先程よりもストレートな問い掛けをしたフォルスは、エジタスの反応を見て脈ありなのではないかと、考え始める。
「おーい……おーい……おーい!皆ー!!」
「…………ごの声は……!!が、帰っで来だだぁ!!」
今の今まで、お腹の減り過ぎで倒れていた筈のハナコが、勢いよく立ち上がり声のした方向に顔を向ける。するとその目線の先には、食料調達を終えた真緒達が戻って来ていた。
「皆!食料をかき集めて来たよ!」
「マオ、リーマ、戻ったか!」
フォルスは、食料調達から戻った真緒達の下まで駆け寄る。そんな様子を見ながら、エジタスがボソリと呟く。
「“愛”……最も虚しい言葉ですね……」
そんなエジタスの呟きを、聞く者は誰もいなかった。
「おぉ!大量だな!!」
「はい!ハナちゃんがいっぱい食べると思ったので、少し多めに集めました」
「そうか、それなら早く作るとしよう。マオ、悪いがその食料をエジタスさんに渡してくれるか?」
「分かりました。師匠、ハナちゃん!見てください!こんなに取れましたよ!!」
「わぁ~お!凄いですね~!」
「オラ、もうお腹ど背中がぐっづぎぞうだよ……」
ハナコがお腹を押さえながら訴える中、マオはフォルスに言われた通り、集めた食料をエジタスに手渡した。
「…………ところで、そっちはどうだったんだ?」
「はい……どうやらマオさんは、しばらくこの関係を続けていたい様です……」
マオとエジタスには聞こえない様に、小声で話し合うフォルスとリーマ。
「そうか…………マオ、俺達はお前の意思を尊重するが、出来る事ならお前には一日でも早く、幸せになって欲しいと思っている。例えこの関係が崩れ、日常が変わったとしても……いや寧ろ、俺達はこの日常が変わって欲しいとさえ、思っているんだ……」
「マオさん…………」
仲間達の願い。今まで助けてくれたマオに幸せになって欲しい。只それだけが、三人の心からの願いだ。
「フォルスさん!!リーマ!!何やってるの!?早く料理を作りましょうよ」
「あぁ!!今いく!!…………まぁ、今はこの関係を保つとするか……」
「そうですね……」
各々の想いを秘めながらフォルスとリーマは、真緒達の下に駆け寄るのであった。
「はぁー、マオぢゃん達……遅いな…………」
「おいおい、まだ食料調達に行って十分も経っていないぞ」
食料調達に向かった真緒達に対して、こちらは調理の準備を整えていた。
「うぅ……まだ十分も経っでいないだなんで……オラには一時間近ぐ経っだ気がするだよ……」
「まぁ、もう少ししたらマオ達も食料を調達して戻って来るだろう……」
「ぞれまで、オラの腹が持づがどうが…………」
そう言いながらハナコがお腹を擦ると、またも“ぐぅー”という腹の音が鳴り、ハナコは溜め息をつくのであった。
「いや~、ハナコさんの食欲は相変わらずですね~」
「全く、その通りだな…………なぁ、エジタスさん……」
「ん?何ですか?」
ハナコの異常な程の食欲の話をしていたエジタスとフォルスだったが、フォルスが思い詰めた表情で問い掛ける。それはこれまでずっと、フォルス、リーマ、ハナコの三人が思ってきた疑問だった。
「…………マオの事はどう思っているんだ?」
「どう思っていると言うのは?」
予想していた返答。フォルスは、これからする問い掛けを慎重に選び抜いて行く。
「その……ここまで一緒に旅して来て、どう感じているかなって……」
「楽しいですよ~、マオさんはいつも何らかの行動を示してくれます。それは私の考えを軽く凌駕する奇抜な考え。特に良かったのは、“ライトマッスルアーム”の時でしたね~。実力差が明白な敵に対して、まさかその地域の特徴を生かして戦うだなんて、大変勉強になる戦いでした」
「そ、そうですか…………」
まさかの返答。予想の遥か斜め行く答えに戸惑いを見せるフォルス。
「(ま、まさかマオの考え方を褒められるとは……これは脈ありなのか!?それとも脈無しか!?)」
「……さん……ルスさん……フォルスさん!」
「えっ、あっ、な、何ですか!?」
エジタスの真緒に対する想いを、考え込んでいたフォルスは、エジタスに声を掛けられていた事に気づかなかった。
「いや、ですからそう言うフォルスさんはマオさんの事をどう思っているのですか~?」
「お、俺が……ですか?」
「はい、フォルスさんは今までマオさんと旅して来て、どう感じているのですか~?」
「俺は…………」
フォルスは、今までの真緒との思い出を振り返っていた。初めて会った時の事、飛べないと分かっても仲間に迎え入れてくれた事、そして自分の身の危険を顧みず、俺をトラウマの闇から救い出してくれた事。
「(そんなマオに、俺は…………)」
「恋をしてしまったんじゃないですか~?」
「!!何だと…………!?」
「仲間と苦難を供にしていく内に、友情を越えた愛情が芽生えてしまう。よくある事ですよ?」
「(俺がマオに恋…………?いや、違う……俺が感じているのは恋じゃない……俺がマオに感じているのは……)」
フォルスは分かっていた。この気持ちが恋では無い事を……確かに、特別な感情は抱いていたかもしれない。だがそれは、恋とは違う全く別の感情だった。
「エジタスさん……悪いが俺はマオに恋はしていない」
「ほぉ~、ではいったいどう感じているのですか?」
「あいつはいつも危なっかしくて、何を考えているのか時々分からなくなる…………だが、それ以上にあいつは誰よりも優しくて……思いやりがあって……他人を助ける為に、自分の事なんか二の次だ。だから目が離せないって言うか……そう、“妹”みたいな感じなのかもしれないな……」
「“妹”…………ですか……」
その時のエジタスは、何処か思い詰めた様な雰囲気を漂わせていた。
「エジタスさん…………?」
「成る程~!!愛は愛でも恋愛の愛では無く、兄妹愛での愛だった様ですね~!さすがはフォルスさん!マオさんとはまた違った考えをお持ちの様ですね~!」
気のせいだったのか、いつも通りのエジタスに戻った。
「え、えぇ、まぁそうですね。ち、因みにエジタスさんは、マオに恋しているんですか?」
「えぇ~、そんな……恥ずかしくて言えませんよ~」
恥ずかしがりながらエジタスは、体をくねらせる。
「(これは…………脈あり……なのか?)」
先程よりもストレートな問い掛けをしたフォルスは、エジタスの反応を見て脈ありなのではないかと、考え始める。
「おーい……おーい……おーい!皆ー!!」
「…………ごの声は……!!が、帰っで来だだぁ!!」
今の今まで、お腹の減り過ぎで倒れていた筈のハナコが、勢いよく立ち上がり声のした方向に顔を向ける。するとその目線の先には、食料調達を終えた真緒達が戻って来ていた。
「皆!食料をかき集めて来たよ!」
「マオ、リーマ、戻ったか!」
フォルスは、食料調達から戻った真緒達の下まで駆け寄る。そんな様子を見ながら、エジタスがボソリと呟く。
「“愛”……最も虚しい言葉ですね……」
そんなエジタスの呟きを、聞く者は誰もいなかった。
「おぉ!大量だな!!」
「はい!ハナちゃんがいっぱい食べると思ったので、少し多めに集めました」
「そうか、それなら早く作るとしよう。マオ、悪いがその食料をエジタスさんに渡してくれるか?」
「分かりました。師匠、ハナちゃん!見てください!こんなに取れましたよ!!」
「わぁ~お!凄いですね~!」
「オラ、もうお腹ど背中がぐっづぎぞうだよ……」
ハナコがお腹を押さえながら訴える中、マオはフォルスに言われた通り、集めた食料をエジタスに手渡した。
「…………ところで、そっちはどうだったんだ?」
「はい……どうやらマオさんは、しばらくこの関係を続けていたい様です……」
マオとエジタスには聞こえない様に、小声で話し合うフォルスとリーマ。
「そうか…………マオ、俺達はお前の意思を尊重するが、出来る事ならお前には一日でも早く、幸せになって欲しいと思っている。例えこの関係が崩れ、日常が変わったとしても……いや寧ろ、俺達はこの日常が変わって欲しいとさえ、思っているんだ……」
「マオさん…………」
仲間達の願い。今まで助けてくれたマオに幸せになって欲しい。只それだけが、三人の心からの願いだ。
「フォルスさん!!リーマ!!何やってるの!?早く料理を作りましょうよ」
「あぁ!!今いく!!…………まぁ、今はこの関係を保つとするか……」
「そうですね……」
各々の想いを秘めながらフォルスとリーマは、真緒達の下に駆け寄るのであった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】では、なぜ貴方も生きているのですか?
月白ヤトヒコ
恋愛
父から呼び出された。
ああ、いや。父、と呼ぶと憎しみの籠る眼差しで、「彼女の命を奪ったお前に父などと呼ばれる謂われは無い。穢らわしい」と言われるので、わたしは彼のことを『侯爵様』と呼ぶべき相手か。
「……貴様の婚約が決まった。彼女の命を奪ったお前が幸せになることなど絶対に赦されることではないが、家の為だ。憎いお前が幸せになることは赦せんが、結婚して後継ぎを作れ」
単刀直入な言葉と共に、釣り書きが放り投げられた。
「婚約はお断り致します。というか、婚約はできません。わたしは、母の命を奪って生を受けた罪深い存在ですので。教会へ入り、祈りを捧げようと思います。わたしはこの家を継ぐつもりはありませんので、養子を迎え、その子へこの家を継がせてください」
「貴様、自分がなにを言っているのか判っているのかっ!? このわたしが、罪深い貴様にこの家を継がせてやると言っているんだぞっ!? 有難く思えっ!!」
「いえ、わたしは自分の罪深さを自覚しておりますので。このようなわたしが、家を継ぐなど赦されないことです。常々侯爵様が仰っているではありませんか。『生かしておいているだけで有難いと思え。この罪人め』と。なので、罪人であるわたしは自分の罪を償い、母の冥福を祈る為、教会に参ります」
という感じの重めでダークな話。
設定はふわっと。
人によっては胸くそ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる