暗殺少女の学園日記

あおい

文字の大きさ
上 下
9 / 20

6.Eクラス

しおりを挟む


いやいや、この流れでEクラスって!

もしかして編入試験の点数悪かったのかな?

いや、でも一応全教科の教科書の暗記はしといたんだけどな……



「あの、それは僕達の学力の問題ですか?」


「ううん、そーじゃない。ぶっちゃけ君の点数はここの教師も目を見張る程だったけど、いきなり庶民の生徒が上のクラスに行くと、いろいろ言う保護者もいるからね。頑張って上のクラスに行くように。
上のクラスに上がるのに大事なのはテストの点数。まあ、問題ないと思うけどね。あと、授業中の態度とかも必要だから真面目に受けるんだよ。

あとは何か、質問ある?」




良かった…

点が悪かったわけではないらしい


監視対象とクラスが違うのは、面倒だけどなんとかなるだろう…



そのまま私たちは、質問はないと返すと「じゃあクラスに案内するから」と言って担任の先生を連れてきてくれた。


「どーも」

その先生はガタイが良く身長は180cmほどで少し色黒、顔は割と整っていていかにも面倒いオーラを出している人だった。


「じゃあ教室いくぞー、歩きながら自己紹介すっかんな。きーとけよー。」


そう言うと先生は今私たちが理事長室に来た方向とは反対側に歩き出した。


「俺は成田だ、よろしくな。Eクラスの担任で体育を教える。以上」



……え、そんだけ


「……あ、えーと、清水珀久です。親の転勤でこちらに引っ越してきました。(←そういう事になっている。)わからないこともたくさんあるかとは思いますがよろしくお願いします。」


先生が、短かったから完結にしちゃったけどいいよね?


「蘇枋紅也です。珀久とはいっしょに住んでいて家族当然に育てられたので(←そういう事になっている)ここに来ました。よろしくお願いします。」


「あぁよろしく、教室はもう少しだから入ったらみんなにも自己紹介よろしく。」



そう言って成田先生は、もともと早かった歩くスピードを更に早くする。


歩くの早い!

こっちは女の子だよ!

ちっとは考えて!



……まあ、口が避けても言えないけど



Eクラスの校舎は他のクラスとは違うようで随分離れた場所にあった。そしてその間他のクラスの人と通りすがったが、制服の紋章の色が各クラスで違うようで、ひと目でどこのクラスか分かるようになっているらしかった。





「ここだ、着いたぞ……じゃあ入るからな」



6年ぶりのクラスかと思い、私達は中に入っていった。



中には、30人ほどの生徒が座っており、ぱっと見ヤンキーっぽい人が数人いるものの、ほかは真面目な生徒という印象だった。


「おーい、おまえら今日は編入生がいるからな。…おい、2人自己紹介。」



「あ、はい。はじめまして、清水珀久といいます。こう見えても意外と運動は得意です。よろしくお願いします!」


パチパチパチパチ


「蘇枋紅也だ。よろしくたのむ。」


パチパチ…



紅……少ないな……




「じゃあおまえら、知ってると思うが俺はめんどくさいことが嫌いだ。いじめとかすんなよー」




私達の簡単すぎる挨拶が終わると、さっきまで静かだった教室が急に騒がしくなった。

会話の内容は………


「ねえねえ、あの2人すっごいかっこ良くない?」

「だよね!私は右の子かな……顔女の子みたたいでめっちゃ綺麗だし!」

「でも、左の子もちょっとクールっぽくて良くない!」




………ごめん。私、女の子です。







「おらー、授業はじまるぞー」









こうして私の学園生活、もといい監視任務が始まったのだった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

別れてくれない夫は、私を愛していない

abang
恋愛
「私と別れて下さい」 「嫌だ、君と別れる気はない」 誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで…… 彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。 「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」 「セレンが熱が出たと……」 そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは? ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。 その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。 「あなた、お願いだから別れて頂戴」 「絶対に、別れない」

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?

つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。 彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。 次の婚約者は恋人であるアリス。 アリスはキャサリンの義妹。 愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。 同じ高位貴族。 少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。 八番目の教育係も辞めていく。 王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。 だが、エドワードは知らなかった事がある。 彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。 他サイトにも公開中。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。 ※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

処理中です...