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第5章 私兵
4 ギリアムのすごいとこ
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その鍔迫り合いは…かなりの速度だった。
うっそうと茂る木々の合間を縫い…フードの男とダイヤは、互いの刃を交えていた。
「やるなぁ…」
ダイヤの言葉に、フードの男は反応しない。
ただただ…その刃を交えることに、集中していた。
だが、やがて…。
「フーム…そろそろいいだろう。
じゃあな!!」
それだけ言うと、ダイヤは離脱した。
フードの男は追おうとしたようだが、ダイヤが目的地であろう場所とは反対方向に消えたため、
追うのをやめ、フードの男もまた、木々の暗闇の中に消えるのだった。
一方、私たちは…別のアジトでおっちゃんを下ろした。
「ごめんね~、おっちゃん。巻き込んじゃって…」
私が申し訳なさそうにしていると、
「いいよ、いいよ。
そもそもつけられていたことに、気づけなかったオレも悪い」
だから、おっちゃん好きなんだよぉ~。
「フィリー…大丈夫でしたか?」
「ギリアム、来てくれてありがとう」
「アナタの為なら、いくらでも」
ギリアムは私を抱きしめ、抱え上げてくれた。
この腕の中が…一番落ちつく~。
ジェードも一緒だ。
そして…。
「あ、お帰りダイヤ、おとりご苦労様~」
「いえいえ奥様、こんな事でいいなら、いくらでも」
そう、ダイヤはおとり。
口笛でジェードに指示し、ギリアムを即、呼んで来てもらった。
そうして…第二アジトには、私、ギリアム、ジェード、トランペスト、ジョーカー、おっちゃんの
9人がいる。
「おっちゃ~ん、悪いんだけど、今日は私らと一緒に、ここにいてくれる?」
「おお、いいぜ。野宿なんて久しぶりだ~」
楽しそうだね、おっちゃん。
今日のメンツは質が悪い人たちじゃないんだけど…念のためね。
「敷地の外には、出なくて大丈夫ですかな?(ジョーカー)」
「それは問題ないわ。
今日いる人達は原則質が良いから…ファルメニウス公爵家を家探しするなら、それなりの理由と…
ギリアムの許可がないと駄目ってわかっているから」
「さっきの間者は、ふんじばっておいた方が良かったんじゃ?(ダイヤ)」
「それは止めた方がいい。
闇の人間でないなら、ケイシロンの雇用だから…場合によって貴族かもしれないからね。
そうすると…あの優秀なじい様に口実を与えかねない」
「でも何で、あいつはダイヤの邪魔をしたんですか?(クローバ)」
「ギリアムに…報告に行かせない為よ」
ここで私は改めて…今日あったことを報告した。
「…それは…随分と酷い事をされましたね…。
よく耐えましたね、フィリー」
ギリアムは抱きしめていた私を、よしよししてくれた。
キモチいい~。
「さっきの問いだけどね、クローバ…。あのじい様は…非常に品行方正な人なの。
だから…あの場で私とケイシロンの二人の夫人…どちらが悪いかなんて、わかってる。
それを何とか軽くするには…ギリアムに、いの一番に謝る。
その一手を取りたかったのよ」
特に罪が発覚してから謝るのと、罪が発覚する前に謝るのとでは、人間の感情が違う。
逮捕より自首した方が、減刑されるのと一緒だ。
「ほっほ、随分と質が良いですな(ジョーカー)」
「そりゃあそうよ、他人に厳しい以上に、自分に厳しい人だからね…あのじい様は」
だからできれば…仲良くしたかったんだよなぁ。
マギーやルリーラ夫人だって、決して性悪じゃないんだからさぁ。
「あの場で…最後まで出てこなかったしね」
「出てこないと、質が良いんですか?(クローバ)」
「お前は貴族の事に、詳しくないからわからないだろうが…」
お、スペードはやっぱりわかってるね。
「奥様はファルメニウス公爵夫人なんだ。
あの2人の夫人より序列が上…そう言った場合、通常、愛称で呼ぶなんてありえないし、
奥様が会いたくない…と言ったら、会いに来るなんて絶対にご法度だ。
首が飛んでもおかしくない」
「そう言う事よ。
もっと言えば、じい様やデバガメしていた人たちにも、それは当てはまる。
だから…あの場に私が居る時点で、バレないようにデバガメは許されても、
姿を現すのは、絶対ダメ」
「逆に…私が居なかったら、アナタたちに粉かけてきたかもよ。
あのじい様の性格を考えるとね。
実際ギリアムは…そう感じませんでしたか?」
「そりゃーひしひしと感じましたよ」
やっぱりね…。
「ひとまず…明日、王立騎士団に行くまでは、ここにいてください、ギリアム」
「もちろん…しかし、聞かせてください。
アナタはこの件…どうしたいですか?」
私は少し考えて、
「ん~、当初の予定通り…私はこの屋敷を暫く出たくないです。
誰とも会いたくないです。
私の気が済むまで…保留にしてください。
罰する必要はありませんが、謝罪も一切受け取らない…。
その方針でお願いします」
「わかりました」
ギリアムは私の希望を素直に聞いてくれるから、ありがたし。
「でも…アナタたちを私兵にした波紋は、様々な所に出ると思っていたけれど、
最初っから、結構大きいの来たな~」
私は少し、遠い目になる。
「しかし大分…失礼極まりなかったですね、さっきのご夫人方…(スペード)」
「そうね~、私も…質が良い人たちだと思っていただけに、結構ショックだわ~。
それだけに…スペードの働きには感謝してるわ」
「その通りだ、よくやったスペード」
ギリアムがそう言ったら、スペード…というより、トランペストとジョーカーがあっけに
取られた。
「なんだ?どうした?」
ギリアムは、その空気を感じ取ったらしい。
「いや…ご当主様に褒めていただけるとは…」
するとギリアムは、怪訝な顔をして、
「いい働きをしたら、褒めるのは当然だが?」
と普通に言ってのける。
するとやっぱり、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたから、
「まあ、いい機会だから言っておこう」
ギリアムは最初から話すことにしたようだ。
「まず私は…キミらがフィリーにしたことを、一生忘れないし、許す気もない。
これは私が死んでも変らないことだ。
しかし…」
「だからと言って、キミらがフィリーのために、身を粉にして尽くしたことに対し、
感謝も正当な評価もしないなど、あり得ない」
ギリアムは、さも当然だろうと言った。
「当たり前だろ、お前ら」
ジェードが何ともおかし気に笑っている。
「オレはそもそも…奥様じゃなくて、ご当主様に飼いならされたんだぜ」
まあ、そう言う事さ。
「フィリーはキミらの能力をかって、私を必死に説得して、沢山苦労してキミらを生かした。
その恩義にこれからも報いるように。
それが出来ている間は…私はキミらを害するつもりはない!!」
すると皆が平伏して、
「かしこまりました、ご当主様…」
と。
こう言うところが、ギリアムのいい所なんだよなぁ。
私は改めて…ケイシロンに対して行った、私の行為を皆に説明した。
調査はしているかもしれないけど、やっぱ全貌は私から言ったほうが早いから。
「なるほど…そんなことがあったんだぁ…。
でもそれなら、余計無礼になるなんてあり得な~い(ハート)」
「まあ…致し方あるまい。
人間は言わずともしてもらえると、いつかそれが当たり前だと思ってしまうんだ(ダイヤ)」
「そうなのよ…。
だから、致し方なかったし、私は自分でやりたくてやったことだから、いいんだけど…」
正直…本当に人間の付き合いって難しい。
「しかし…そのレベッカってやつ、ジョノァドによく似てるなぁ…(スペード)」
「そ。私もそれは感じた。
ジシーしかり、レベッカしかり…マギーに対応できるレベルじゃないから…私が出たんだけどさ…。
ゾフィーナ夫人に対しての事だって…、あの2人があの人に対抗する力は無いから…、この家に
連れてきてしまった事…特に咎めなかった。
でもそれは…どうでもよかったわけじゃない。
ただ…他にやることが多すぎたし、結託したわけじゃないのは、知っていたからね…。
でも…うやむやにするべきじゃなかったのかも…」
何らかしっかりと…処罰しておいた方が、良かったのかな…。
「挙句の果てに…ようやっと出会えた質のいい…私を好きになってくれた大切な仲間を、自分の好みで
遠ざけようとするなんて、そんな人間、善良でも私の人生にいらないわ」
「それでいいと思いますよ、奥様…。
忘恩の徒なんて、相手するだけ無駄ですよ(ジョーカー)」
「そーそー、オレら奥様に何度も命助けてもらったんだから、奥様の嫌がることなんか絶対しない
ようにしようと思ってますよ(クローバ)」
「ありがとね、みんな…。
みんなの事助けて、本当に良かったと思う」
私は…本当に笑顔になった。
なんか…本気で泣けてきたなぁ…。
気になることは色々あるが、ひとまず今日は考えるのはやめだ。
煮えたぎった頭で何か考えたって、いいことは無い。
ちょうど今頃…ケイシロンでは過去最大級の特大雷が落ちとるだろうが…。
知ったこっちゃねぇ。
寝よ寝よ。
そうして…満点の星空の下、私はギリアムの腕に抱かれて、眠りにつくのだった…。
うっそうと茂る木々の合間を縫い…フードの男とダイヤは、互いの刃を交えていた。
「やるなぁ…」
ダイヤの言葉に、フードの男は反応しない。
ただただ…その刃を交えることに、集中していた。
だが、やがて…。
「フーム…そろそろいいだろう。
じゃあな!!」
それだけ言うと、ダイヤは離脱した。
フードの男は追おうとしたようだが、ダイヤが目的地であろう場所とは反対方向に消えたため、
追うのをやめ、フードの男もまた、木々の暗闇の中に消えるのだった。
一方、私たちは…別のアジトでおっちゃんを下ろした。
「ごめんね~、おっちゃん。巻き込んじゃって…」
私が申し訳なさそうにしていると、
「いいよ、いいよ。
そもそもつけられていたことに、気づけなかったオレも悪い」
だから、おっちゃん好きなんだよぉ~。
「フィリー…大丈夫でしたか?」
「ギリアム、来てくれてありがとう」
「アナタの為なら、いくらでも」
ギリアムは私を抱きしめ、抱え上げてくれた。
この腕の中が…一番落ちつく~。
ジェードも一緒だ。
そして…。
「あ、お帰りダイヤ、おとりご苦労様~」
「いえいえ奥様、こんな事でいいなら、いくらでも」
そう、ダイヤはおとり。
口笛でジェードに指示し、ギリアムを即、呼んで来てもらった。
そうして…第二アジトには、私、ギリアム、ジェード、トランペスト、ジョーカー、おっちゃんの
9人がいる。
「おっちゃ~ん、悪いんだけど、今日は私らと一緒に、ここにいてくれる?」
「おお、いいぜ。野宿なんて久しぶりだ~」
楽しそうだね、おっちゃん。
今日のメンツは質が悪い人たちじゃないんだけど…念のためね。
「敷地の外には、出なくて大丈夫ですかな?(ジョーカー)」
「それは問題ないわ。
今日いる人達は原則質が良いから…ファルメニウス公爵家を家探しするなら、それなりの理由と…
ギリアムの許可がないと駄目ってわかっているから」
「さっきの間者は、ふんじばっておいた方が良かったんじゃ?(ダイヤ)」
「それは止めた方がいい。
闇の人間でないなら、ケイシロンの雇用だから…場合によって貴族かもしれないからね。
そうすると…あの優秀なじい様に口実を与えかねない」
「でも何で、あいつはダイヤの邪魔をしたんですか?(クローバ)」
「ギリアムに…報告に行かせない為よ」
ここで私は改めて…今日あったことを報告した。
「…それは…随分と酷い事をされましたね…。
よく耐えましたね、フィリー」
ギリアムは抱きしめていた私を、よしよししてくれた。
キモチいい~。
「さっきの問いだけどね、クローバ…。あのじい様は…非常に品行方正な人なの。
だから…あの場で私とケイシロンの二人の夫人…どちらが悪いかなんて、わかってる。
それを何とか軽くするには…ギリアムに、いの一番に謝る。
その一手を取りたかったのよ」
特に罪が発覚してから謝るのと、罪が発覚する前に謝るのとでは、人間の感情が違う。
逮捕より自首した方が、減刑されるのと一緒だ。
「ほっほ、随分と質が良いですな(ジョーカー)」
「そりゃあそうよ、他人に厳しい以上に、自分に厳しい人だからね…あのじい様は」
だからできれば…仲良くしたかったんだよなぁ。
マギーやルリーラ夫人だって、決して性悪じゃないんだからさぁ。
「あの場で…最後まで出てこなかったしね」
「出てこないと、質が良いんですか?(クローバ)」
「お前は貴族の事に、詳しくないからわからないだろうが…」
お、スペードはやっぱりわかってるね。
「奥様はファルメニウス公爵夫人なんだ。
あの2人の夫人より序列が上…そう言った場合、通常、愛称で呼ぶなんてありえないし、
奥様が会いたくない…と言ったら、会いに来るなんて絶対にご法度だ。
首が飛んでもおかしくない」
「そう言う事よ。
もっと言えば、じい様やデバガメしていた人たちにも、それは当てはまる。
だから…あの場に私が居る時点で、バレないようにデバガメは許されても、
姿を現すのは、絶対ダメ」
「逆に…私が居なかったら、アナタたちに粉かけてきたかもよ。
あのじい様の性格を考えるとね。
実際ギリアムは…そう感じませんでしたか?」
「そりゃーひしひしと感じましたよ」
やっぱりね…。
「ひとまず…明日、王立騎士団に行くまでは、ここにいてください、ギリアム」
「もちろん…しかし、聞かせてください。
アナタはこの件…どうしたいですか?」
私は少し考えて、
「ん~、当初の予定通り…私はこの屋敷を暫く出たくないです。
誰とも会いたくないです。
私の気が済むまで…保留にしてください。
罰する必要はありませんが、謝罪も一切受け取らない…。
その方針でお願いします」
「わかりました」
ギリアムは私の希望を素直に聞いてくれるから、ありがたし。
「でも…アナタたちを私兵にした波紋は、様々な所に出ると思っていたけれど、
最初っから、結構大きいの来たな~」
私は少し、遠い目になる。
「しかし大分…失礼極まりなかったですね、さっきのご夫人方…(スペード)」
「そうね~、私も…質が良い人たちだと思っていただけに、結構ショックだわ~。
それだけに…スペードの働きには感謝してるわ」
「その通りだ、よくやったスペード」
ギリアムがそう言ったら、スペード…というより、トランペストとジョーカーがあっけに
取られた。
「なんだ?どうした?」
ギリアムは、その空気を感じ取ったらしい。
「いや…ご当主様に褒めていただけるとは…」
するとギリアムは、怪訝な顔をして、
「いい働きをしたら、褒めるのは当然だが?」
と普通に言ってのける。
するとやっぱり、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたから、
「まあ、いい機会だから言っておこう」
ギリアムは最初から話すことにしたようだ。
「まず私は…キミらがフィリーにしたことを、一生忘れないし、許す気もない。
これは私が死んでも変らないことだ。
しかし…」
「だからと言って、キミらがフィリーのために、身を粉にして尽くしたことに対し、
感謝も正当な評価もしないなど、あり得ない」
ギリアムは、さも当然だろうと言った。
「当たり前だろ、お前ら」
ジェードが何ともおかし気に笑っている。
「オレはそもそも…奥様じゃなくて、ご当主様に飼いならされたんだぜ」
まあ、そう言う事さ。
「フィリーはキミらの能力をかって、私を必死に説得して、沢山苦労してキミらを生かした。
その恩義にこれからも報いるように。
それが出来ている間は…私はキミらを害するつもりはない!!」
すると皆が平伏して、
「かしこまりました、ご当主様…」
と。
こう言うところが、ギリアムのいい所なんだよなぁ。
私は改めて…ケイシロンに対して行った、私の行為を皆に説明した。
調査はしているかもしれないけど、やっぱ全貌は私から言ったほうが早いから。
「なるほど…そんなことがあったんだぁ…。
でもそれなら、余計無礼になるなんてあり得な~い(ハート)」
「まあ…致し方あるまい。
人間は言わずともしてもらえると、いつかそれが当たり前だと思ってしまうんだ(ダイヤ)」
「そうなのよ…。
だから、致し方なかったし、私は自分でやりたくてやったことだから、いいんだけど…」
正直…本当に人間の付き合いって難しい。
「しかし…そのレベッカってやつ、ジョノァドによく似てるなぁ…(スペード)」
「そ。私もそれは感じた。
ジシーしかり、レベッカしかり…マギーに対応できるレベルじゃないから…私が出たんだけどさ…。
ゾフィーナ夫人に対しての事だって…、あの2人があの人に対抗する力は無いから…、この家に
連れてきてしまった事…特に咎めなかった。
でもそれは…どうでもよかったわけじゃない。
ただ…他にやることが多すぎたし、結託したわけじゃないのは、知っていたからね…。
でも…うやむやにするべきじゃなかったのかも…」
何らかしっかりと…処罰しておいた方が、良かったのかな…。
「挙句の果てに…ようやっと出会えた質のいい…私を好きになってくれた大切な仲間を、自分の好みで
遠ざけようとするなんて、そんな人間、善良でも私の人生にいらないわ」
「それでいいと思いますよ、奥様…。
忘恩の徒なんて、相手するだけ無駄ですよ(ジョーカー)」
「そーそー、オレら奥様に何度も命助けてもらったんだから、奥様の嫌がることなんか絶対しない
ようにしようと思ってますよ(クローバ)」
「ありがとね、みんな…。
みんなの事助けて、本当に良かったと思う」
私は…本当に笑顔になった。
なんか…本気で泣けてきたなぁ…。
気になることは色々あるが、ひとまず今日は考えるのはやめだ。
煮えたぎった頭で何か考えたって、いいことは無い。
ちょうど今頃…ケイシロンでは過去最大級の特大雷が落ちとるだろうが…。
知ったこっちゃねぇ。
寝よ寝よ。
そうして…満点の星空の下、私はギリアムの腕に抱かれて、眠りにつくのだった…。
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