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第4章 恩赦
3 フィリーへの忠誠
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大広間には…かなりの人数が集まっていた。
護衛騎士はほぼ全員集合していたし、メイドたちも…部屋の外から聞き耳を立てていた。
あ、断っとくけど盗み聞きじゃないよ。
ギリアムがメイドたちにも聞かせるために、ワザと少し開けておいたの。
聞きたい人はどうぞ~って、周知して。
だから…ほぼみんな来ていたと思う。
そのかなりの人数のざわざわは…もう、一つのオーケストラのように、大広間に響き渡った。
「ギ、ギリアム様!!」
フォルトがギリアムに即…止めるよう言おうとしたんだと思うが、
「フォルト…少し黙っていろ」
ギリアムは…さっき話したから、至極落ち着いている。
それですべてを察したのか…フォルトはそれ以上口を挟まなかった。
…本当に…優秀でいい人だ。
私の言葉を聞いたトランペストは…最初何を言われているのか、わからなかったようだ。
まあ、そうだろうなぁ。
確実に…断頭台だと思っていたろうから…。
私は…彼らの頭が正常回転する時を待った…。
急がせても…なんの意味も無いから…。
どれくらいの時が過ぎたかは、残念ながらわからない。
私は…ギリアムみたいに時計いらずで時間を正確に測れるわけじゃないから。
周りのざわざわのオーケストラは…当然収まる気配はない。
そんな中…。
最初に口を開いたのは…。
……スペードだ。
「オレに…」
「オレたちに…」
言葉は…たどたどしいがハッキリしている。
「オルフィリア公爵夫人に…」
「償う機会を…」
仮面をつけず、傷だらけの顔に…
「与えてくださるんですか…」
笑みを張り付ける。
でも私は…逆に厳しい顔になる。
だって…言っておかなきゃいけないから!!
「言っておくけど…恩赦で私兵にした場合…強制終身雇用よ。
そしてファルメニウス公爵家は、ガチガチの実力本位主義!!
実力が伴わないと判断されたら…結局死刑になるか、一生牢獄と言う事だってあり得る!!
それでも…私の私兵になる?」
そうなのよ。
恩赦って…ありていに言えば、犯罪者を許すってことだから。
簡単には出せないし、出したら出した人間が、許した人間を雇用する…。
この辺は暗黙の了解的な所もあるから、さじ加減に任せられてて、難しいのよね…。
法的にも…穴が結構あるし…。
でも…彼らを断頭台から救うには…こうするよりほか、道はない。
私の私兵になるか?と、聞かれたトランペストは…全員が私の前に来て、かなりしっかり…
跪いた。
「光栄です…奥様…」
……ジェードに聞いたけど…私が整備した法に…すごく感動してくれたらしいから…。
もう私に対して…死ぬことでも何でも、償いをしたいと思ったんだろうなぁ…。
「奥様~、話がまとまったみたいなんで、オレも奥様の私兵ってことで」
……ジェードよ。
キミは本当に…猫っぽいね…。
自分の気分で動きたいよーに、動く…。
「ギリアム様…構いませんか?」
「いいですよ。
最近本当に、フィリーの専属になっているなぁと感じていましたので」
だよねぇ…。
「わしも、くわえてくれませんか?奥様…」
と、挙手をしたのは…先代だった…。
え~、想定外。
「あの~、先ほど説明した通り、ファルメニウス公爵家は、完全実力本位主義です。
実力が伴わなければ、すぐ追い出しますよ?」
「ふははは、わしがいたのは、ずっとそんな世界でしたよ。
むしろ、殺されずに追い出されるだけなんて、有難くて涙が出ますわ」
私は黙ってジェードを見た。
ジェードは…含み笑いを浮かべている。
これ…面白い事になりそうって、思ってるってことだ。
ジェードは本気で嫌なら、かなり硬い表情になるからね。
つまり…この先代に好感を持っているってこと。
そして…裏社会でそれなりに、やって来た人…か。
……面白いじゃん!!
毒を食らわば皿までだ!!
「わかりました…お名前は?」
「…ひとまずジョーカーとでも、呼んでください」
「わかりました…」
本名かどうかはわからんが…そんなことは問題じゃない。
フィリー軍団には特にね。
「ジェード…しばらく、彼らを任せたわ。
形が決まったら…詳しい雇用の事は、話をするから」
王家が恩赦の提案を断るわけは無いんだけど…。
万全を期したいからね。
「わかりました、奥様…。
お前ら、ひとまず一緒に来い」
ジェードに言われたトランペストは、もちろん素直に従った。
ざわつきのオーケストラが、相変わらず開催されている大広間を横切る形で…、ジェードは
さっさと外に出る。
トランペストも一緒に…。
私はそれを見届けて、ギリアムに王家への対応を、改めてお願いした。
そして私は…さっさと自室に引きこもる。
だってさぁ…どんな説明しても、今はダメ。
それがわかっていたからね。
しばらくしたら…フォルトが尋ねてきた。
ギリアムに…書斎での話を聞いたようだ。
「正直…私にも話して頂きたかったです」
わかるよ…。
納得できないよね。
「それは…本当に悪かったと思っているわ…でも…。
まずはギリアムと一対一で、話すのが先決だと思ったし…その後すぐに、準備が整ったからね。
みんな…仕事があるし」
「この件…かなり波紋が大きくなると思われますが…」
さすがフォルト…わかってる。
「わかっているわ…でも…。
私には力が必要なの…それも…ギリアムが手に入れられない力が!!」
「ジェードは…もともとギリアム様が懐柔したのですが…」
「懐柔した所まででしょ?」
「はい?」
「ギリアムは…ジェードの力を…最大限引き出しているのかしら?」
「奥様…それはいったいどういう…」
「いずれわかるわ…言葉で説明するのは…すごく難しい事だから」
そうなんだよ…。
私も…まだ、勘というか、感覚でしかつかめていない。
でもさぁ…。
ジェードは…最近本当に…私の所ばかり来るんだよ。
まるで…魚が水を得たがっているような…そんな感じを受けるんだよ。
「とにかく…護衛騎士とメイドの動きには、しばらく注意してちょうだい。
質の高い人たちだから、滅多なことはしないだろうけど…逆に色々テストになっていいと
思っているわ」
「テスト…ですか?」
「ええ、そうよ。
ここの人たちってさ…原則身分持ちが殆どでしょ?」
護衛騎士もメイドも…ほぼ貴族出身者だからね。
「は、はい…」
「そう言う人間がね…自分より身分の…物凄く低い人間が、自分の欲しいものを得たのを見た時…
その人間の真価が問われる…私はそう思っているわ」
「……なんだか、楽しそうですね、奥様…」
「そりゃーね…」
私はちょっと上を向き、
「私はさ…フォルト…このファルメニウス公爵家に来て…かなり歓迎してくれたこと…本当に感謝して
いるのよ。
いくらギリアムの昔のことがあったとはいえ…ね」
「それは…もちろんでございます。
実際…奥様はギリアム様の助けになっております」
「まあねぇ…実力本位主義者ぞろいだからね…ここは…。
私の実力を…しっかり見て判断してくれたんだなって、わかるわ」
「もちろんです、奥様」
「だからさぁ…私は奥様として…そろそろテストも必要だと思うのよ。
ちゃんと…実力が伴っているか…ってね。
永久不滅の物なんて…ないと思っているからね」
「もう少し…わかりやすくお願いします」
「ん~、人間ってさ…、大丈夫って思った時が、結構危険なの。
状態が安定して…変化が無くなってくるとさ…それが永久にあるものだと勘違いしやすい。
私に言わせれば…明日天変地異が起こって、みんな死ぬこともあり得る」
「そこまでおっしゃっては…」
「まあ、それは極端だけどさ…。
私が言いたいのは…状態が安定してくると…案外溜まった膿に気付かないことがあり得るってこと」
「…何か、懸念事項でも?」
フォルトの眼球が光る。
「ううん、何にもないよ。
出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない…。
出てこないことに越したことは無いけど…そんなのやって見なきゃわからない…ってとこね」
フォルトがいよいよわけわからん…になったから、私はとりあえずそこで話をやめた。
後日ギリアムは…私の予想通り、見事に恩赦の許可を、国王陛下からもらってきた。
やっりー。
これで舞台は…整った!!
護衛騎士はほぼ全員集合していたし、メイドたちも…部屋の外から聞き耳を立てていた。
あ、断っとくけど盗み聞きじゃないよ。
ギリアムがメイドたちにも聞かせるために、ワザと少し開けておいたの。
聞きたい人はどうぞ~って、周知して。
だから…ほぼみんな来ていたと思う。
そのかなりの人数のざわざわは…もう、一つのオーケストラのように、大広間に響き渡った。
「ギ、ギリアム様!!」
フォルトがギリアムに即…止めるよう言おうとしたんだと思うが、
「フォルト…少し黙っていろ」
ギリアムは…さっき話したから、至極落ち着いている。
それですべてを察したのか…フォルトはそれ以上口を挟まなかった。
…本当に…優秀でいい人だ。
私の言葉を聞いたトランペストは…最初何を言われているのか、わからなかったようだ。
まあ、そうだろうなぁ。
確実に…断頭台だと思っていたろうから…。
私は…彼らの頭が正常回転する時を待った…。
急がせても…なんの意味も無いから…。
どれくらいの時が過ぎたかは、残念ながらわからない。
私は…ギリアムみたいに時計いらずで時間を正確に測れるわけじゃないから。
周りのざわざわのオーケストラは…当然収まる気配はない。
そんな中…。
最初に口を開いたのは…。
……スペードだ。
「オレに…」
「オレたちに…」
言葉は…たどたどしいがハッキリしている。
「オルフィリア公爵夫人に…」
「償う機会を…」
仮面をつけず、傷だらけの顔に…
「与えてくださるんですか…」
笑みを張り付ける。
でも私は…逆に厳しい顔になる。
だって…言っておかなきゃいけないから!!
「言っておくけど…恩赦で私兵にした場合…強制終身雇用よ。
そしてファルメニウス公爵家は、ガチガチの実力本位主義!!
実力が伴わないと判断されたら…結局死刑になるか、一生牢獄と言う事だってあり得る!!
それでも…私の私兵になる?」
そうなのよ。
恩赦って…ありていに言えば、犯罪者を許すってことだから。
簡単には出せないし、出したら出した人間が、許した人間を雇用する…。
この辺は暗黙の了解的な所もあるから、さじ加減に任せられてて、難しいのよね…。
法的にも…穴が結構あるし…。
でも…彼らを断頭台から救うには…こうするよりほか、道はない。
私の私兵になるか?と、聞かれたトランペストは…全員が私の前に来て、かなりしっかり…
跪いた。
「光栄です…奥様…」
……ジェードに聞いたけど…私が整備した法に…すごく感動してくれたらしいから…。
もう私に対して…死ぬことでも何でも、償いをしたいと思ったんだろうなぁ…。
「奥様~、話がまとまったみたいなんで、オレも奥様の私兵ってことで」
……ジェードよ。
キミは本当に…猫っぽいね…。
自分の気分で動きたいよーに、動く…。
「ギリアム様…構いませんか?」
「いいですよ。
最近本当に、フィリーの専属になっているなぁと感じていましたので」
だよねぇ…。
「わしも、くわえてくれませんか?奥様…」
と、挙手をしたのは…先代だった…。
え~、想定外。
「あの~、先ほど説明した通り、ファルメニウス公爵家は、完全実力本位主義です。
実力が伴わなければ、すぐ追い出しますよ?」
「ふははは、わしがいたのは、ずっとそんな世界でしたよ。
むしろ、殺されずに追い出されるだけなんて、有難くて涙が出ますわ」
私は黙ってジェードを見た。
ジェードは…含み笑いを浮かべている。
これ…面白い事になりそうって、思ってるってことだ。
ジェードは本気で嫌なら、かなり硬い表情になるからね。
つまり…この先代に好感を持っているってこと。
そして…裏社会でそれなりに、やって来た人…か。
……面白いじゃん!!
毒を食らわば皿までだ!!
「わかりました…お名前は?」
「…ひとまずジョーカーとでも、呼んでください」
「わかりました…」
本名かどうかはわからんが…そんなことは問題じゃない。
フィリー軍団には特にね。
「ジェード…しばらく、彼らを任せたわ。
形が決まったら…詳しい雇用の事は、話をするから」
王家が恩赦の提案を断るわけは無いんだけど…。
万全を期したいからね。
「わかりました、奥様…。
お前ら、ひとまず一緒に来い」
ジェードに言われたトランペストは、もちろん素直に従った。
ざわつきのオーケストラが、相変わらず開催されている大広間を横切る形で…、ジェードは
さっさと外に出る。
トランペストも一緒に…。
私はそれを見届けて、ギリアムに王家への対応を、改めてお願いした。
そして私は…さっさと自室に引きこもる。
だってさぁ…どんな説明しても、今はダメ。
それがわかっていたからね。
しばらくしたら…フォルトが尋ねてきた。
ギリアムに…書斎での話を聞いたようだ。
「正直…私にも話して頂きたかったです」
わかるよ…。
納得できないよね。
「それは…本当に悪かったと思っているわ…でも…。
まずはギリアムと一対一で、話すのが先決だと思ったし…その後すぐに、準備が整ったからね。
みんな…仕事があるし」
「この件…かなり波紋が大きくなると思われますが…」
さすがフォルト…わかってる。
「わかっているわ…でも…。
私には力が必要なの…それも…ギリアムが手に入れられない力が!!」
「ジェードは…もともとギリアム様が懐柔したのですが…」
「懐柔した所まででしょ?」
「はい?」
「ギリアムは…ジェードの力を…最大限引き出しているのかしら?」
「奥様…それはいったいどういう…」
「いずれわかるわ…言葉で説明するのは…すごく難しい事だから」
そうなんだよ…。
私も…まだ、勘というか、感覚でしかつかめていない。
でもさぁ…。
ジェードは…最近本当に…私の所ばかり来るんだよ。
まるで…魚が水を得たがっているような…そんな感じを受けるんだよ。
「とにかく…護衛騎士とメイドの動きには、しばらく注意してちょうだい。
質の高い人たちだから、滅多なことはしないだろうけど…逆に色々テストになっていいと
思っているわ」
「テスト…ですか?」
「ええ、そうよ。
ここの人たちってさ…原則身分持ちが殆どでしょ?」
護衛騎士もメイドも…ほぼ貴族出身者だからね。
「は、はい…」
「そう言う人間がね…自分より身分の…物凄く低い人間が、自分の欲しいものを得たのを見た時…
その人間の真価が問われる…私はそう思っているわ」
「……なんだか、楽しそうですね、奥様…」
「そりゃーね…」
私はちょっと上を向き、
「私はさ…フォルト…このファルメニウス公爵家に来て…かなり歓迎してくれたこと…本当に感謝して
いるのよ。
いくらギリアムの昔のことがあったとはいえ…ね」
「それは…もちろんでございます。
実際…奥様はギリアム様の助けになっております」
「まあねぇ…実力本位主義者ぞろいだからね…ここは…。
私の実力を…しっかり見て判断してくれたんだなって、わかるわ」
「もちろんです、奥様」
「だからさぁ…私は奥様として…そろそろテストも必要だと思うのよ。
ちゃんと…実力が伴っているか…ってね。
永久不滅の物なんて…ないと思っているからね」
「もう少し…わかりやすくお願いします」
「ん~、人間ってさ…、大丈夫って思った時が、結構危険なの。
状態が安定して…変化が無くなってくるとさ…それが永久にあるものだと勘違いしやすい。
私に言わせれば…明日天変地異が起こって、みんな死ぬこともあり得る」
「そこまでおっしゃっては…」
「まあ、それは極端だけどさ…。
私が言いたいのは…状態が安定してくると…案外溜まった膿に気付かないことがあり得るってこと」
「…何か、懸念事項でも?」
フォルトの眼球が光る。
「ううん、何にもないよ。
出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない…。
出てこないことに越したことは無いけど…そんなのやって見なきゃわからない…ってとこね」
フォルトがいよいよわけわからん…になったから、私はとりあえずそこで話をやめた。
後日ギリアムは…私の予想通り、見事に恩赦の許可を、国王陛下からもらってきた。
やっりー。
これで舞台は…整った!!
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