ひとまず一回ヤりましょう、公爵様 エロのみ集

木野 キノ子

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描き下ろし

1 テラスでアオカン

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ギリアム・アウススト・ファルメニウスは、最近本気で悩んでいた。

(フィリーはどうして…いつも私以外の男の味方をするのだろう…?)

(私はフィリーの事を第一に考え、フィリーの事だけ大切にしているのに…)

(やはり…作戦が必要だ…)

ギリアムの手元には…数冊の本があった。
先日取り寄せ、本を読む=暗記なギリアムは、内容をすべて把握した。

(この本によれば…)

ギリアムが取り寄せたのは…一言で言うと恋愛指南書。
主に男性が意中の女性に対し、どう接するか?
どうすれば言う事を聞いてもらえるか…?

などと言った内容が盛りだくさんで書いてあった。

ギリアムは眼をつぶり少し思案し…カッと見開くと、すぐさま書斎を後にした。
やって来たのは、夫婦の寝室。

(あの本によれば…、女性が言う事を聞かないのは、主導権がたいてい女性側にあるから…。
だからその場合、主導権を取り戻す必要あり!!)

(主導権を取り戻すには…まず最初、女性を慌てさせること。
正常な判断ができないように…もちろん暴力などNGだが、恥ずかしがらせたりして…。
その後、優しく訴えを聞いてあげて…こちらの要望を通す!!
完璧だ!!)

ギリアムは寝室の扉を開ける。

「フィリー…」

「どうしました?ギリアム」

夜も更けてきたため、私はすでに夫婦の寝室でスタンバイしていた。

「実は今日は…アナタにお願いが!」

…なんだか堅苦しい上に、かなり緊張してる…。
どうしたんだろう?
ま、聞いてみよか。

「何でしょう?」

「さ、さ、さ、最近、夫婦生活が…その…マンネリになってきているような…気がして…」

ん~、ノーマルばかりでつまらんとは思っていたが…、さりとてかなりの回数やっとるから、
そこの判断は微妙やね。

「ん~、どうでしょうねぇ…。
でも、ギリアムがそう思うなら、そうなのかもしれませんねぇ?」

「そっ、そうですよね!!」

何か…偉い緊張しているうえ、言動がおかしいね…。
何考えてんやろ?

「そっ、そこでですね…え~と…」

(くっ…こんなことを…提案してもいいのか…?
もしかしたら…恥ずかしがらせるを通り越して、嫌われるんじゃ…)

ギリアムのそんな考えは、私にはわからなかったんだが、

「ギリアム…言いにくいなら無理に…とは言いませんが、私は嫌なことは嫌と言いますので…。
言ってみるだけなら、ただですよ」

とりあえず、笑ってあげる。

「え…えと…え~と…」

じれったいな、はよ言えや!!
という感情は、もちろん表面に出さんよ、仮にも元プロやし。

「さささ、最近…随分と暖かくなってきましたね…」

「そうですね…」

「そ…外に行ってみませんか?」

「テラスですか?」

「え?ええ、ええ…」

煮え切らんね…。

「それとも、庭ですか?」

淡々と聞く、淡々とね。

「え…えと…」

まっかっかやね、ギリアム…。
前世の経験でだいたいの予想はつくんだけど…、本人に言わせないとね。
勉強と経験のためにね(笑)。

「……テラスで」

「わかりました、テラスに出ましょう」

私はさっさとテラスに出る。
外は…すでに真っ暗闇。

「フィ、フィリー…さ、最近…私の言う事を、あまり聞いてくれなくなってしまいましたよね!!」

「え~、そうですかぁ?」

「そうです!!それに他の男の味方をして!!」

「それは味方をする理由があるからですよ?」

「そ、それにしたって…酷いです!!」

「はあ…」

めんどいなぁ、もう。

「あ、あまりあなたがそんなことばかりだと…いくら寛容な私だって…怒ります!!」

「はあ」

「お、怒って!!
あなたをここで襲ってしまうかもしれませんよ?
いいんですか!!」

「別に?ギリアムのお好きなように」

人がいつ通りかかるかもわからん、ちっさい公園でアオカンとか、ふっつーにやってたし。
いまさら真っ暗闇の個人邸宅テラスなんぞ、序の口にも達しないが?

「な、何でそんなにあっさりと!」

いや、驚かれても…ギリアムのご希望でしたら、お好きにしてよなんだが…。

「やるんですか?やらないんですか?やらないならベッドに戻りましょう」

私も今日は、商会の仕事とか結構ガチでやったから、疲れとるんよ。
さっさとエッチして寝たいんよ。

「だ、ダメです!!今日はここでやります!!」

「わかりました。
じゃあ、ひとまず一回ヤりましょう、ギリアム」

「だっ、だから何で、そんなにあっさりと!!」

「ヤりましょう、ギリアム」

もう、めんどいから押し切る。

「どっ、どうなっても知りませんからね!!」

その言葉と共に、ギリアムが私のネグリジェを一気に引っ張り上げた。
すっぽーんといい感じで脱げ、私はすっぽんぽんに。

「どどど、どうですか!!
恥ずかしいでしょう!!」

「いえ別に…ギリアムしかいないし、真っ暗闇だし」

疲れてなければ、芝居もしてやるが、今日は疲れてるからパス。

「なっ、ならこうして!!」

と言いつつ、私の体を触り始めたギリアムだったが、

「フィリー!!あああ、あなた…しっ、下着は???」

「邪魔だったから、全部脱いでありますが?」

今日はとっととエッチしたかったからね。

「なっ、なんてことだ!!言ってくださいよぉぉっ!!
ああっ、ネ、ネグリジェはどこにっ!!」

いや…ネグリジェ探してどうすんのよ?
脱がせたいんか、着せたいんかどっちや?

「とりあえず…ギリアムの体で隠してくれませんか?
私、今すっぽんぽんですよ?」

「ああ、そうだった!!」

ギリアムは途端に私に抱きつく。
可愛いんだけど…めんどくさい。
っつーわけで、先制攻撃!!

私は抱きついてきたギリアムの唇を奪う。
驚いてびくつくギリアムの歯茎を…まずはゆっくりと舐めとるように、刺激した。
緩急をつけて…たまに…私の歯を当てつつ、強く…弱く…。

ギリアムの下肢が…直ぐに硬くなってきた。

それと同時にギリアムの方が耐えられなくなったようで、相変わらず歯茎と唇の間を
行ったり来たりしていた私の舌を…自らの舌で覆い始めた。
絡ませ…舐め…。
最初こそ、様子見のようだったが、私が少し応じてあげると…、直ぐに調子に乗ってきた。
吸い付くように…舌を絡ませたまま、私の口内まで来て、今度は私の歯茎を舐める。
私も負けじと、舌を絡める。

暫く…そんな応酬が続いた。

「ぷはぁっ!!」

最初に口を離したのは…ギリアムだった。
でもそれは…私がキスの間中、ギリアムの下肢に手を伸ばし、ゆっくりやわやわと刺激して
あげていたからだろう。

その刺激で…我慢が出来なくなったようだ。

「フィリー…へ、部屋に…」

「ここでするんじゃないんですか?」

ちょっと…いじわるしたくなって、キョトンと聞いてやる。
それでもギリアムはまごまごしているよう…。
本当になぁ…。
破竹の快進撃を繰り返した戦場の姿からは…想像もできないだろうなぁ。

「ほら…こうすれば…」

私はテラスの手すりに両手をつき、お尻をギリアムの方に突き出した。

「やり易いと…思いますよ?」

私もさっきのキスで…結構濡れてきてるから、入れて欲しい。
ギリアムは…私のその姿に、生唾を飲んでいる。

もうちょっと…煽ればいいかな…。
私は…少し赤みがかった顔に、うるんだ瞳を作り、

「ずっとこのままじゃ、寒いですよ…ギリアム…」

拳を口に当て、ぶりっ子ポーズ。

「フィ、フィリー…」

その姿に…さらに欲情を募らせたギリアムが、

「そ…その…私は…」

ひとまず私を…抱きしめてくれたから、これ幸いに耳元で、

「ギリアム…欲しいです…」

少し…柔らかな息をかけながら、つぶやく。
ギリアムの体が…少しだけ震えている。
そして…。

「っぅ…!!どうして、アナタは!!」

その言葉と共に…私の膣内に激しく熱いものが…肉を押し広げ、入り込んできた。
暴力性の高いそれを…前世の経験を持つ私は、快楽と共に、簡単に受け入れた。
だって…。
これこそ私が…求めてやまないものだから。

「ああっ!!フィリー、フィリー!!気持ちいいです!!」

ギリアムの方が耐えていたようで…、私の膣内を擦り上げ、上下左右にモノを動かし、
激しく…強く腰を打ち付ける。

「私は…アナタを…誰にも渡したくない!!」

「私もです!!ギリアム!!」

膣内を擦り上げられる心地よさを…存分に味わいたくて、ギリアムの動きに合わせ、私も腰を
強く強く…打ち付ける。

「だったら!!私以外の男を見ないでください!!触れないでください!!
私だけのフィリーでいてください!!」

「私は…ずっとギリアムだけのモノです!!」

ぐりぐりと…膣内を蹂躙するモノが…喜びを増したようで、一層怒張する。
私の腰を…優しく…でも激しくつかみ、打ち付けるギリアムは…顔は見えないが、とても…
快楽を満喫しているようだ…。

「フィリー、ああ、フィリー…。
アナタに…こんな事をしたいわけじゃないのに…、止まらない…うう…」

「止めなくていいですよ…。
誰がダメと言っても、私が許しますから!!」

このヘドネと交わっている時に…罪悪感なんざ、感じるなアホ!!
黙って楽しめ!!

「フィリー、フィリー、フィリー!!」

私の名前だけを呼び…腰を一層激しく打ち付ける。

「そうです!!ギリアム!!あん!!私も…気持ちいいから、遠慮しないで!!」

体が…一つに溶け合う…もっと…もっと…。
この快楽は…恥ずかしいものでも、罪悪感を持つものでも…ないんだからさ!!

「ああっ!!フィリー!!」

私の名を呼び…一番奥まで激しく突き上げられたとき…私の快楽も絶頂に達し、
ギリアムの…愛しいモノをぎゅうっ…っと、締め上げた。

「くっ!!」

その瞬間私の膣内を満たした物は…とても熱くて…とても愛しい…。

「フィリー」

私の名を再度呼ぶと、私を抱き上げ、優しくキスを落とすギリアム。

「どうかお願いですから…私の腕の中にいてください…」

懇願…まさにそれを表現していた。

「いますよ…ギリアム…。
私は…永遠にアナタの物です…それは…これからも変らない…」

そう言いギリアムの頭を抱きしめると…ようやっと落ち着いたようで、ギリアムは
私を抱えたまま、ゆっくりと室内に戻っていった。
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