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第4章 悲劇
5 ガルドベンダ公爵家での非公式会談2
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少しの沈黙と…冷えた空気が…その場に流れる…。
だがそれは…長くは続かなかった。
「例の2つの法案を…可決させる…ですね?」
やっぱり…頭の切れは…健在だな。
「ええ…ですが…一部訂正を入れることにしました」
「どこですか?」
この世界の税金は…項目ごとに分かれていない。
前世の世界では、消費税・所得税・市県民税・固定資産税etc…と言う具合に、分かれている
のが当たり前だったけど。
だから今回…ボサッとしている間に、前世の税金分別システムを、導入しては…と考えた。
その方がわかりやすいし。
「なるほど…ですが、それだと確実に税の上乗せになりますね」
「ええ…ですから、元のもの以上の反発が予想されます。
最高額に上限は設けるつもりですが、そこまで払う貴族はわずかだと思いますので」
上限設けとかないと、ファルメニウス公爵家が損するだけだからね。
「私はね…最初の法案で、ここまでやる気はありませんでした。
税の上乗せをしなくても…身分持ちに反発されることが、確実な内容でしたから」
「ですが…今回の彼らの…あまりの浅はかさと浅ましさに…気が変わりました」
「ギリアムは…今回私を貶めただけでなく…怪我をさせようとした者共に鉄槌を下すため、
悪人になる決意をしました…。
それはやはり一部…何の罪もない、本人以外に…害を及ぼすことを言われてしまうからです」
私は…改めてツァリオ閣下を見据え、
「この法案…通すことに協力したら…恐らく相当…揶揄されます。
人の財布に、無遠慮に手を突っ込むとか…。
自分は金があるから、いいんだ…とか。
ジョノァドの次は、ファルメニウス公爵家の犬になる気か…などね…」
ここまで話したら…もうすでに、意図はわかっていたようで、
「ガルドベンダ公爵家に生まれついて、50年弱…骨の髄までわかっている事がある…」
胸を鷲掴みにしている。
「そんな事で揶揄する者たちは……。
法案の件が無くたって、アラを探す!!確実に!!」
……目に…ようやっと光が戻ってきた。
文字通り…光明が見えた…ってヤツだろうなぁ。
「アイリンをお助け下さるなら…このツァリオ・シェルツキ・ガルドベンダが…。
この2つの法案…通すために、この命…かけましょうぞ!!」
はは…完全に…覇気が戻ったね。
「わかりました…それをお約束頂けるなら…このオルフィリアが…。
ギリアムとダイロを…説得いたします。
ローエン閣下…証人になって頂けますか?」
「もちろん。お安い御用じゃ」
……こうして、ガルドベンダ公爵家での非公式対談は…終わった。
--------------------------------------------------------------------------------
夕刻…。
といっても、季節は晩秋のため…日が落ちるのは非常に速い。
私はファルメニウス公爵家に帰ってすぐ…ギリアムに伝書鳩を送り…帰ってきてもらった。
そして…ガルドベンダ公爵家での…話しをした。
「ダイロおっちゃーん、ガフェルおっちゃーん」
私は…ギリアムと共に、2人に会いに行った。
「お~う、どうしたよ、嬢ちゃん、公爵様…」
2人は…笑顔で迎えてくれた。
「今日は…2人にお願いがあって…来ました」
私は…私とギリアムは真面目一徹な顔をして…ガルドベンダ公爵家での事を…話した。
その上で…2人して深々と頭を下げ、
「ダイロおっちゃん…ガフェルおっちゃん…私は…、私が怪我をして帰ってきた時…
本気で心配して怒ってくれたおっちゃんたちの事が…本当に好きです。
だから…無理強いは一切しません…」
「ですが…例の2つの法案を通すのに…ツァリオ閣下の力は…必要不可欠なんです…。
だから…」
私は頭を上げ、2人の目を真っすぐ見て、
「助けてあげてください!!」
私の言葉はそこまで…その続きはギリアムが、
「もし彼が…そのツケを払わなかったなら…」
「この私…ギリアム・アウススト・ファルメニウスが…。
己の命に代えても、取り立てると誓う!!だから…どうか…」
ここで再度…私とギリアムは頭を下げ…。
「彼の為ではなく…、この法案によって救われるであろう…沢山の罪なき人々の為に!!
お願いします!!」
暫く…沈黙が続いた。
それを破ったのは、
「嬢ちゃんは、それでいいのかよ?」
ダイロおっちゃんだった。
「インク瓶なんて…当たったら死んでたんだぜ?」
「そうですね…でも…」
私は笑いながら、
「とりあえず…生きています!!
生き残ったら何がしたいか…考えた結果、こうなりました」
…と。
そしたら少しの間をおいて……。
ダイロおっちゃんとガフェルおっちゃんは大笑いしだした。
「ホンット面白れぇなぁ~」
「だから好きなんだよ、嬢ちゃんと公爵様!!」
それにつられて…私とギリアムも…笑い出した…。
-------------------------------------------------------------------------------------------
ダイロおっちゃんは…命を未だ…狙われている恐れがあるし、何より本人がファルメニウス公爵家を
出たがっていない。
だから…ガルドベンダ公爵家に連絡して…アイリン夫人を輸送する手筈を整えた。
ダイロおっちゃんは貴族嫌いだし、ガフェルおっちゃんも似たようなものだから…アイリン夫人に
同席していいのは、ツァリオ閣下だけとした。
もちろん…全ての条件を、ツァリオ閣下は飲んだ。
そして…ファルメニウス公爵家の医療施設に、アイリン夫人が運ばれてくると、
「んーだ、こりゃ!!よくここまで酷くできたなぁ、オイ!!」
「ホントだよな…」
ダイロおっちゃんとガフェルおっちゃんが…心底呆れていた。
んで、ツァリオ閣下を見つけたダイロおっちゃんは、
「あのな、オイ!!お前の事、許したわけじゃないけどな!!
ギリアム様と奥様が!!お前の女房助けてやれって言うから!!
ひとまず助けてやる!!
それ勘違いすんなよ!!」
相変わらずの悪態をつくが、
「わかっています…感謝いたします」
ツァリオ閣下は…平身低頭だった…。
「あ~、ひとまずアレからやるぞ、ガフェル!!」
「ほいほ~い、あっちはどうするよ」
「まあ、半分くらいでいいだろ、それ取ってくれ」
「ほらよ、ああ、これどうする?」
「ん~、それと混ぜればよくねぇか?」
……2人のおっちゃんズ…自分の手元しか見てない、目も合わせていない…それで会話が
成り立ちつつ、サクサクいろんなもんが揃っていく…。
スゲェェッッ――――――――――――――――――――――――――――――っ!!
ゴギュラン病の第2期…それも第3期に近くなってしまうと、正確な薬の投与だけでなく、
複数種類の薬草を、症状を見つつ組み合わせ、治療する必要がある。
その上、体中の膿腫を、的確に判断し、切除する…高度な外科的治療も合わせて
やらねばならない。
その2つを可能にする人間は…この国広しといえど、この2人だけだろう。
--------------------------------------------------------------------------------------
1週間後…。
ガフェルおっちゃんとダイロおっちゃんの高い技術と献身的な治療の末…アイリン夫人は危機を
脱したのだ。
「とりあえず、峠は越したようですね」
私は…少しの間なら…と言う事で、アイリン夫人の病室に来ている。
「あ…りがとう…ございま…す…」
アイリン夫人は…私を見ながら、包帯だらけの体を動かそうとするから、
「あ~、無理に喋らなくていいですよ。
ひとまず安定したとはいえ…、まだまだ油断は禁物ですから、楽にしてください」
私は…にこやかに言葉を紡ぐ。
「本当に…感謝しております…」
傍にいるツァリオ閣下は…本当にもう、しおらしい…。
「ツァリオ閣下も、体をしっかり治してくださいね。
衰弱がかなり激しいって、ガフェルおっちゃんに言われましたよね?
臨時評議会は、タルニョリア王国との話し合いが終わった後になったのですから、
それまでにしっかりと、体を整えてください」
「はい…」
「あ、でも一つだけ」
「何でしょう?」
「ギリアムが明日…タルニョリア王国に立つので、ヒラテス閣下へのお手紙を託しませんか?
中途半端な状態で、帰国せねばならなくなったこと…多分気にしてらっしゃると思います」
ツァリオ閣下はハッとなり、
「これは…失念しておりました。すぐに書きます…」
と言ったから、ひとまず私は…紙とペンを貸した。
だがそれは…長くは続かなかった。
「例の2つの法案を…可決させる…ですね?」
やっぱり…頭の切れは…健在だな。
「ええ…ですが…一部訂正を入れることにしました」
「どこですか?」
この世界の税金は…項目ごとに分かれていない。
前世の世界では、消費税・所得税・市県民税・固定資産税etc…と言う具合に、分かれている
のが当たり前だったけど。
だから今回…ボサッとしている間に、前世の税金分別システムを、導入しては…と考えた。
その方がわかりやすいし。
「なるほど…ですが、それだと確実に税の上乗せになりますね」
「ええ…ですから、元のもの以上の反発が予想されます。
最高額に上限は設けるつもりですが、そこまで払う貴族はわずかだと思いますので」
上限設けとかないと、ファルメニウス公爵家が損するだけだからね。
「私はね…最初の法案で、ここまでやる気はありませんでした。
税の上乗せをしなくても…身分持ちに反発されることが、確実な内容でしたから」
「ですが…今回の彼らの…あまりの浅はかさと浅ましさに…気が変わりました」
「ギリアムは…今回私を貶めただけでなく…怪我をさせようとした者共に鉄槌を下すため、
悪人になる決意をしました…。
それはやはり一部…何の罪もない、本人以外に…害を及ぼすことを言われてしまうからです」
私は…改めてツァリオ閣下を見据え、
「この法案…通すことに協力したら…恐らく相当…揶揄されます。
人の財布に、無遠慮に手を突っ込むとか…。
自分は金があるから、いいんだ…とか。
ジョノァドの次は、ファルメニウス公爵家の犬になる気か…などね…」
ここまで話したら…もうすでに、意図はわかっていたようで、
「ガルドベンダ公爵家に生まれついて、50年弱…骨の髄までわかっている事がある…」
胸を鷲掴みにしている。
「そんな事で揶揄する者たちは……。
法案の件が無くたって、アラを探す!!確実に!!」
……目に…ようやっと光が戻ってきた。
文字通り…光明が見えた…ってヤツだろうなぁ。
「アイリンをお助け下さるなら…このツァリオ・シェルツキ・ガルドベンダが…。
この2つの法案…通すために、この命…かけましょうぞ!!」
はは…完全に…覇気が戻ったね。
「わかりました…それをお約束頂けるなら…このオルフィリアが…。
ギリアムとダイロを…説得いたします。
ローエン閣下…証人になって頂けますか?」
「もちろん。お安い御用じゃ」
……こうして、ガルドベンダ公爵家での非公式対談は…終わった。
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夕刻…。
といっても、季節は晩秋のため…日が落ちるのは非常に速い。
私はファルメニウス公爵家に帰ってすぐ…ギリアムに伝書鳩を送り…帰ってきてもらった。
そして…ガルドベンダ公爵家での…話しをした。
「ダイロおっちゃーん、ガフェルおっちゃーん」
私は…ギリアムと共に、2人に会いに行った。
「お~う、どうしたよ、嬢ちゃん、公爵様…」
2人は…笑顔で迎えてくれた。
「今日は…2人にお願いがあって…来ました」
私は…私とギリアムは真面目一徹な顔をして…ガルドベンダ公爵家での事を…話した。
その上で…2人して深々と頭を下げ、
「ダイロおっちゃん…ガフェルおっちゃん…私は…、私が怪我をして帰ってきた時…
本気で心配して怒ってくれたおっちゃんたちの事が…本当に好きです。
だから…無理強いは一切しません…」
「ですが…例の2つの法案を通すのに…ツァリオ閣下の力は…必要不可欠なんです…。
だから…」
私は頭を上げ、2人の目を真っすぐ見て、
「助けてあげてください!!」
私の言葉はそこまで…その続きはギリアムが、
「もし彼が…そのツケを払わなかったなら…」
「この私…ギリアム・アウススト・ファルメニウスが…。
己の命に代えても、取り立てると誓う!!だから…どうか…」
ここで再度…私とギリアムは頭を下げ…。
「彼の為ではなく…、この法案によって救われるであろう…沢山の罪なき人々の為に!!
お願いします!!」
暫く…沈黙が続いた。
それを破ったのは、
「嬢ちゃんは、それでいいのかよ?」
ダイロおっちゃんだった。
「インク瓶なんて…当たったら死んでたんだぜ?」
「そうですね…でも…」
私は笑いながら、
「とりあえず…生きています!!
生き残ったら何がしたいか…考えた結果、こうなりました」
…と。
そしたら少しの間をおいて……。
ダイロおっちゃんとガフェルおっちゃんは大笑いしだした。
「ホンット面白れぇなぁ~」
「だから好きなんだよ、嬢ちゃんと公爵様!!」
それにつられて…私とギリアムも…笑い出した…。
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ダイロおっちゃんは…命を未だ…狙われている恐れがあるし、何より本人がファルメニウス公爵家を
出たがっていない。
だから…ガルドベンダ公爵家に連絡して…アイリン夫人を輸送する手筈を整えた。
ダイロおっちゃんは貴族嫌いだし、ガフェルおっちゃんも似たようなものだから…アイリン夫人に
同席していいのは、ツァリオ閣下だけとした。
もちろん…全ての条件を、ツァリオ閣下は飲んだ。
そして…ファルメニウス公爵家の医療施設に、アイリン夫人が運ばれてくると、
「んーだ、こりゃ!!よくここまで酷くできたなぁ、オイ!!」
「ホントだよな…」
ダイロおっちゃんとガフェルおっちゃんが…心底呆れていた。
んで、ツァリオ閣下を見つけたダイロおっちゃんは、
「あのな、オイ!!お前の事、許したわけじゃないけどな!!
ギリアム様と奥様が!!お前の女房助けてやれって言うから!!
ひとまず助けてやる!!
それ勘違いすんなよ!!」
相変わらずの悪態をつくが、
「わかっています…感謝いたします」
ツァリオ閣下は…平身低頭だった…。
「あ~、ひとまずアレからやるぞ、ガフェル!!」
「ほいほ~い、あっちはどうするよ」
「まあ、半分くらいでいいだろ、それ取ってくれ」
「ほらよ、ああ、これどうする?」
「ん~、それと混ぜればよくねぇか?」
……2人のおっちゃんズ…自分の手元しか見てない、目も合わせていない…それで会話が
成り立ちつつ、サクサクいろんなもんが揃っていく…。
スゲェェッッ――――――――――――――――――――――――――――――っ!!
ゴギュラン病の第2期…それも第3期に近くなってしまうと、正確な薬の投与だけでなく、
複数種類の薬草を、症状を見つつ組み合わせ、治療する必要がある。
その上、体中の膿腫を、的確に判断し、切除する…高度な外科的治療も合わせて
やらねばならない。
その2つを可能にする人間は…この国広しといえど、この2人だけだろう。
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1週間後…。
ガフェルおっちゃんとダイロおっちゃんの高い技術と献身的な治療の末…アイリン夫人は危機を
脱したのだ。
「とりあえず、峠は越したようですね」
私は…少しの間なら…と言う事で、アイリン夫人の病室に来ている。
「あ…りがとう…ございま…す…」
アイリン夫人は…私を見ながら、包帯だらけの体を動かそうとするから、
「あ~、無理に喋らなくていいですよ。
ひとまず安定したとはいえ…、まだまだ油断は禁物ですから、楽にしてください」
私は…にこやかに言葉を紡ぐ。
「本当に…感謝しております…」
傍にいるツァリオ閣下は…本当にもう、しおらしい…。
「ツァリオ閣下も、体をしっかり治してくださいね。
衰弱がかなり激しいって、ガフェルおっちゃんに言われましたよね?
臨時評議会は、タルニョリア王国との話し合いが終わった後になったのですから、
それまでにしっかりと、体を整えてください」
「はい…」
「あ、でも一つだけ」
「何でしょう?」
「ギリアムが明日…タルニョリア王国に立つので、ヒラテス閣下へのお手紙を託しませんか?
中途半端な状態で、帰国せねばならなくなったこと…多分気にしてらっしゃると思います」
ツァリオ閣下はハッとなり、
「これは…失念しておりました。すぐに書きます…」
と言ったから、ひとまず私は…紙とペンを貸した。
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