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第4章 悲劇
3 ローエンの頼みとフィリーの企み
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さて…私はと言えば、平和な日常を送っている。
ファルメニウス公爵家の門前には…相変わらず貴族の馬車や使用人がウロチョロしてるが…、
招待されてない奴らは、そもそも避けていいし、使いで来ている人間には、王立騎士団と
同じ対応しているから、問題なし。
そもそも…満足な結果が得られなければ、首切るような貴族の所に、いない方がいいと
思うよ、うん。
私は…全ての仕事をファルメニウス公爵家で行うようにしている。
これからどんどん…貴族の猛攻が激化するだろうからなぁ。
広い家だから、窮屈するという事も無いし、インドアも割と好きだ。
「いや~、平和だねぇ、フォルト、エマ…」
「ええ、全く…」
2人が入れてくれたお茶と、用意してくれたお菓子で…私は書類仕事に一息入れていた。
「不法侵入は無いだろうけど、警戒は怠らないようにね」
「もちろんでございます…奥様」
静かな時間を満喫していると、
「奥様…お客様が…」
「予定にないのは、追い払え!!」
私が答える前に、フォルトがキツイ口調で言う。
「ですが…ローエン公爵閣下で…」
「あれま…定時連絡時期は、まだのハズだけど…」
まあ…私はだいたい予想がついた。
何で来たのか。
「どーしよーかな…」
「お断りしてもよいのでは?」
フォルトも…わかってるっぽい。
だよね…。
でも…。う~ん。
「…お通しして」
考えた末の、私の答え。
「よろしいのですか?奥様…」
「ええ…あの人に罪は無いから…ね」
そして私は…簡単なお着換えをして応接間に。
じい様は…応接間のソファーに座っていたが、私が来たのを見るや、
「この度は…急な申出を受けていただき…ありがとうございます」
すぐに立ち上がって、お辞儀をした。
「構いません…仕事もひと段落したところでしたので」
にこやかに…ソファーに座る、わたくし。
「今日はどういったご用件でしょうか?
定時連絡はまだのハズですが…」
定時連絡ってのはさ、ギリアムと私で非公式に…近衛騎士団の様子を聞くために設けた
のさ。
じい様の顔は…かなり疲れ切っていた。
これは…王宮に貴族たちが押し寄せているから…ではないだろう。
そんな事で、疲れを見せる人じゃない。
「こんなことを…お願いできる立場でも…、資格もないと思っておりますが…」
一瞬だけ下を向き、再度私を見る。
「ツァリオにだけは…会ってやって頂けないでしょうか…?」
「ローエン閣下!!それは!!」
フォルトが口を出したが、
「いいから…黙っていて、フォルト…」
私は…フォルトを牽制し、
「タルニョリア王国からの支援は…一切期待できなくなりましたからね…。
でもそれも、当たり前ですよ。
キンラク商会が薬を買い占めたせいで…向こうでも薬がなかなか、いきわたらなくなったと
聞いています」
「その通りです…」
売る方だって商売だ。
出来るだけ高く買ってくれる方に、薬草を売る…。
最も…それをダメにしてしまうなんざ、想定外だったろう。
事実…キンラク商会は、優先的に売ってくれれば、何かあった時、薬を優先的に供給すると
約束していた…。
でも…供給されたのが薬じゃなく毒って事になれば…詐欺罪もいい所だ。
「なのにキンラク商会に、いま現在何の沙汰もなしでは…私もギリアムも動きたくありません」
これは…致し方なし。
キンラク商会は、実質ケイルクスのものだから…キンラク商会の貴族たちを下手に処罰すれば
王家が裏にいると、非公式にでも、言ってしまう恐れがある。
そうなれば…タルニョリア王国は王家自体にも、損害賠償を請求するだろう。
2重賠償となると…王家に支払うのは難しかろう。
だから水面下でキンラク商会の貴族達と交渉しているのだろうが…もともと欲に溺れた連中だ。
そして…無駄に地位が高い。
抵抗しているのは、目に見えている。
「それは…重々わかっている…。しかし、アイリン夫人は…」
「私だって、アイリン夫人が悪人とは思いません。
しかし…善人でも人を殺せば、殺人犯です」
じい様は…しばし考えつつ、
「一度の機会も…やらずに滅してしまうほど…なのかのぉ…」
言いたいことは…凄くわかる。
物事に…正解はない…。
私の頭は…またグルグルし出した…。
でも、いくらぐるぐるしたところで、正解はわからない。
だから…喋り出すことにした。
「ローエン閣下…私とギリアムは…アナタに大変感謝しております」
「な、なに?」
突然の上、唐突だったから、さすがにローエンじい様も対応しきれていいない様子…。
「ギリアムの父君の時代に…父君に真っ向から対抗し、騎士の質を…保持してくれた。
ギリアムは…このことを凄く…嬉しそうに…よく話します。
だから私は…ファルメニウス公爵夫人として、アナタに感謝しているのです」
すると…ローエンじい様は、何かを思い出すような、遠い目をして、
「わし1人の力では…無理じゃったよ…」
と。
「ツァリオも一緒になって…戦ってくれて…、だから…出来たようなもんじゃ」
そうだろう…。
ファルメニウスとガルドベンダは…ほぼ同等の力と地位を持つ。
その助けが無ければ…いかにじい様と言えど、首が飛んでいただろう。
「それだけに…大分警戒したようですね…。
ローエン閣下もツァリオ閣下も…」
「え…?」
「ギリアムは…父親が死ぬまで殆どお披露目されなかった…。
だから…母親の放蕩ぶりも手伝って、父親の血を…継いでいないから、出せないんじゃないか…
とまで言われた。
でもそのギリアムは…血のつながりを疑う余地がないくらい…見た目が父親と瓜二つだったから」
「ギリアムの修練場時代…テオルド卿をつけたのは、影であなたが差配したのでしょう?
テオルド卿なら…多少の事は持ちこたえるだろうし、滅多なことで懐柔はされない。
アナタが直接見れない以上、それが一番ベストだったハズだ」
「その通りじゃよ」
「アカデミー時代…ツァリオ閣下からも、だいぶ…自分に対してきつく見定める様な目を…
常に向けられたと、言っていました」
「アイツも…大分痛手を受けていたから…」
私は…ここでお茶を一口。
「でも私が…ツァリオ閣下とローエン閣下を凄いと思うのは…ギリアムが父親と違うようだと
早々に考えを訂正した事です」
「人は…過去に痛手を受けた者と…同じように見えるものを警戒する…。
それは当たり前の話です。
でも…凝り固まった考えを持たず、その人間を見れるのは…力が無ければ出来る事ではありません」
「そう言ってもらえると…心が軽くなるわぃ」
お茶を飲み干す私…。
何だか…脈略なく喋っていたら、頭がすっきりしてきた。
「というワケで、ローエン閣下!!」
「なんじゃ?」
「私を誘拐しませんか?」
「は?」
これには…傍で聞いていたフォルトも、は?…だったろう。
「お、奥様!!一体どうされたのですか!!」
慌てて意図を聞いてくるが、
「まあフォルト、いいじゃない。
最近…家にこもりっぱなしだからさ…。
ちょっとゲームをしてみたくなったの」
「ゲ、ゲーム?」
「そうよ、ゲーム!!ローエン閣下が…私を私と誰にも分らずに、連れ出すゲーム。
どこに連れていくか…私にもわからない」
「奥様…本当に一体…何をお考えですか?」
フォルト…心配しつつも、呆れているよう…。
「ん~、私はさ…」
ここで少し…間をおいて、
「ガルドベンダ公爵家とこの先どうなるか、全く分からないじゃない?
その前にさ…一つだけ…ツァリオ閣下にどうしても直接聞いておきたい事があるのよ」
これで…恐らく…。
「だから…私を誘拐しませんか?ローエン閣下…。
目的地に着く前に…私だと他の誰かに知られたら…失敗。
成功したら、まあ…少し時間を取られるのは、いいと思っていますよ」
このじい様にはわかるだろう。
予想通り、じい様は大笑いし、
「わかりました!!オルフィリア公爵夫人を誘拐させていただきます」
フォルトにも…わかったようで、
「くれぐれも…危険な真似はおやめください、奥様…」
と、諦めたように、ため息をつく。
ファルメニウス公爵家の門前には…相変わらず貴族の馬車や使用人がウロチョロしてるが…、
招待されてない奴らは、そもそも避けていいし、使いで来ている人間には、王立騎士団と
同じ対応しているから、問題なし。
そもそも…満足な結果が得られなければ、首切るような貴族の所に、いない方がいいと
思うよ、うん。
私は…全ての仕事をファルメニウス公爵家で行うようにしている。
これからどんどん…貴族の猛攻が激化するだろうからなぁ。
広い家だから、窮屈するという事も無いし、インドアも割と好きだ。
「いや~、平和だねぇ、フォルト、エマ…」
「ええ、全く…」
2人が入れてくれたお茶と、用意してくれたお菓子で…私は書類仕事に一息入れていた。
「不法侵入は無いだろうけど、警戒は怠らないようにね」
「もちろんでございます…奥様」
静かな時間を満喫していると、
「奥様…お客様が…」
「予定にないのは、追い払え!!」
私が答える前に、フォルトがキツイ口調で言う。
「ですが…ローエン公爵閣下で…」
「あれま…定時連絡時期は、まだのハズだけど…」
まあ…私はだいたい予想がついた。
何で来たのか。
「どーしよーかな…」
「お断りしてもよいのでは?」
フォルトも…わかってるっぽい。
だよね…。
でも…。う~ん。
「…お通しして」
考えた末の、私の答え。
「よろしいのですか?奥様…」
「ええ…あの人に罪は無いから…ね」
そして私は…簡単なお着換えをして応接間に。
じい様は…応接間のソファーに座っていたが、私が来たのを見るや、
「この度は…急な申出を受けていただき…ありがとうございます」
すぐに立ち上がって、お辞儀をした。
「構いません…仕事もひと段落したところでしたので」
にこやかに…ソファーに座る、わたくし。
「今日はどういったご用件でしょうか?
定時連絡はまだのハズですが…」
定時連絡ってのはさ、ギリアムと私で非公式に…近衛騎士団の様子を聞くために設けた
のさ。
じい様の顔は…かなり疲れ切っていた。
これは…王宮に貴族たちが押し寄せているから…ではないだろう。
そんな事で、疲れを見せる人じゃない。
「こんなことを…お願いできる立場でも…、資格もないと思っておりますが…」
一瞬だけ下を向き、再度私を見る。
「ツァリオにだけは…会ってやって頂けないでしょうか…?」
「ローエン閣下!!それは!!」
フォルトが口を出したが、
「いいから…黙っていて、フォルト…」
私は…フォルトを牽制し、
「タルニョリア王国からの支援は…一切期待できなくなりましたからね…。
でもそれも、当たり前ですよ。
キンラク商会が薬を買い占めたせいで…向こうでも薬がなかなか、いきわたらなくなったと
聞いています」
「その通りです…」
売る方だって商売だ。
出来るだけ高く買ってくれる方に、薬草を売る…。
最も…それをダメにしてしまうなんざ、想定外だったろう。
事実…キンラク商会は、優先的に売ってくれれば、何かあった時、薬を優先的に供給すると
約束していた…。
でも…供給されたのが薬じゃなく毒って事になれば…詐欺罪もいい所だ。
「なのにキンラク商会に、いま現在何の沙汰もなしでは…私もギリアムも動きたくありません」
これは…致し方なし。
キンラク商会は、実質ケイルクスのものだから…キンラク商会の貴族たちを下手に処罰すれば
王家が裏にいると、非公式にでも、言ってしまう恐れがある。
そうなれば…タルニョリア王国は王家自体にも、損害賠償を請求するだろう。
2重賠償となると…王家に支払うのは難しかろう。
だから水面下でキンラク商会の貴族達と交渉しているのだろうが…もともと欲に溺れた連中だ。
そして…無駄に地位が高い。
抵抗しているのは、目に見えている。
「それは…重々わかっている…。しかし、アイリン夫人は…」
「私だって、アイリン夫人が悪人とは思いません。
しかし…善人でも人を殺せば、殺人犯です」
じい様は…しばし考えつつ、
「一度の機会も…やらずに滅してしまうほど…なのかのぉ…」
言いたいことは…凄くわかる。
物事に…正解はない…。
私の頭は…またグルグルし出した…。
でも、いくらぐるぐるしたところで、正解はわからない。
だから…喋り出すことにした。
「ローエン閣下…私とギリアムは…アナタに大変感謝しております」
「な、なに?」
突然の上、唐突だったから、さすがにローエンじい様も対応しきれていいない様子…。
「ギリアムの父君の時代に…父君に真っ向から対抗し、騎士の質を…保持してくれた。
ギリアムは…このことを凄く…嬉しそうに…よく話します。
だから私は…ファルメニウス公爵夫人として、アナタに感謝しているのです」
すると…ローエンじい様は、何かを思い出すような、遠い目をして、
「わし1人の力では…無理じゃったよ…」
と。
「ツァリオも一緒になって…戦ってくれて…、だから…出来たようなもんじゃ」
そうだろう…。
ファルメニウスとガルドベンダは…ほぼ同等の力と地位を持つ。
その助けが無ければ…いかにじい様と言えど、首が飛んでいただろう。
「それだけに…大分警戒したようですね…。
ローエン閣下もツァリオ閣下も…」
「え…?」
「ギリアムは…父親が死ぬまで殆どお披露目されなかった…。
だから…母親の放蕩ぶりも手伝って、父親の血を…継いでいないから、出せないんじゃないか…
とまで言われた。
でもそのギリアムは…血のつながりを疑う余地がないくらい…見た目が父親と瓜二つだったから」
「ギリアムの修練場時代…テオルド卿をつけたのは、影であなたが差配したのでしょう?
テオルド卿なら…多少の事は持ちこたえるだろうし、滅多なことで懐柔はされない。
アナタが直接見れない以上、それが一番ベストだったハズだ」
「その通りじゃよ」
「アカデミー時代…ツァリオ閣下からも、だいぶ…自分に対してきつく見定める様な目を…
常に向けられたと、言っていました」
「アイツも…大分痛手を受けていたから…」
私は…ここでお茶を一口。
「でも私が…ツァリオ閣下とローエン閣下を凄いと思うのは…ギリアムが父親と違うようだと
早々に考えを訂正した事です」
「人は…過去に痛手を受けた者と…同じように見えるものを警戒する…。
それは当たり前の話です。
でも…凝り固まった考えを持たず、その人間を見れるのは…力が無ければ出来る事ではありません」
「そう言ってもらえると…心が軽くなるわぃ」
お茶を飲み干す私…。
何だか…脈略なく喋っていたら、頭がすっきりしてきた。
「というワケで、ローエン閣下!!」
「なんじゃ?」
「私を誘拐しませんか?」
「は?」
これには…傍で聞いていたフォルトも、は?…だったろう。
「お、奥様!!一体どうされたのですか!!」
慌てて意図を聞いてくるが、
「まあフォルト、いいじゃない。
最近…家にこもりっぱなしだからさ…。
ちょっとゲームをしてみたくなったの」
「ゲ、ゲーム?」
「そうよ、ゲーム!!ローエン閣下が…私を私と誰にも分らずに、連れ出すゲーム。
どこに連れていくか…私にもわからない」
「奥様…本当に一体…何をお考えですか?」
フォルト…心配しつつも、呆れているよう…。
「ん~、私はさ…」
ここで少し…間をおいて、
「ガルドベンダ公爵家とこの先どうなるか、全く分からないじゃない?
その前にさ…一つだけ…ツァリオ閣下にどうしても直接聞いておきたい事があるのよ」
これで…恐らく…。
「だから…私を誘拐しませんか?ローエン閣下…。
目的地に着く前に…私だと他の誰かに知られたら…失敗。
成功したら、まあ…少し時間を取られるのは、いいと思っていますよ」
このじい様にはわかるだろう。
予想通り、じい様は大笑いし、
「わかりました!!オルフィリア公爵夫人を誘拐させていただきます」
フォルトにも…わかったようで、
「くれぐれも…危険な真似はおやめください、奥様…」
と、諦めたように、ため息をつく。
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