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第2章 慰会
2 やっぱり出やがったぁ~
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私は…エマを連れて、フィリーの慰め会(仮)なんていう、変な会の会場にやって来た。
確かに…評議会は結構ショックだったけどさ…。
顔も知らん連中に…慰めて欲しいかって言うと、甚だ疑問だ。
だから…ひとまず顔を出してみようと思った。
鬼が出るか蛇が出るか…って場所が、結構好きという困った癖も手伝って…ね。
会場に入ると…当然、私以外の参加者は全員来ていなければならない。
クァーリア夫人もジュリアも来ていた。
でも…仲のいいもの同士で、固まるのは後だ。
まずは…誰がどんな考えを持って、この場に来ているか…見せてもらおうじゃないか。
まずは…挨拶からだなぁ…なんて思っていたら!!
柱の影からスッと…出やがった、ゾフィーナくそばばぁ。
よく見たらレベッカもいるじゃん!!
あ~、これだけで頭痛くなってきた…。
「ごきげんよう…オルフィリア公爵夫人…。
先の評議会…大変な目にお遭いになったとお聞きして…居ても立っても居られず、
参上いたしました」
えっと…直訳すると、
私が泣いたって聞いて、さすがにしょげてるだろうから、その様を見てやろうと思って、
急いできました…。
だな、うん。
「あら…わざわざありがとうございます。
でもご心配なく…いい経験の1つと思い、消化いたしましたので」
本当だよ、うん。
エリオット卿のこと以外は…もう心からどうでもいい。
ま、やった連中は、潰すけど。
ゾフィーナくそばばぁを皮切りに…どんどん挨拶が繰り返される。
まあ…敵意を持っている連中ばかりじゃないと思うが…、油断は禁物…だからね。
そんで、初対面の人間が大部分…ってとこで、対話スタート。
「でも…驚きましたわ…まさか評議会で、そのようなことが起こるとは…」
「ギリアム公爵閣下も…さぞお怒りでしょうね…」
「愛する奥様が、そのようなことになれば…」
「オルフィリア公爵夫人…ギリアム様には、何とお話に?」
……私は、結構前のめりで最初にされたこの質問だけで…ピンときた。
「…ありのままを、お話した…としか、申し上げようがないですね」
だから…少しカマかけてみることにする。
「ありのままとおっしゃいますと?」
「出来れば…私たちの今後のために、もう少し詳しく…」
「お願いいたします!!」
随分と必死に食いついてくる…。
私は…心の中で、やっぱりな…と思った。
集団心理ってのは、集団でなくなった時に大抵覚める。
ギリアムの正式な妻相手に…ものすごーくバカなことやっちまった…。
恐ろしくなったって、何ら不思議じゃない。
でも…まさか自分たちで聞けないし、そもそも何らかの裏取引があったなら、
謝ることもおいそれとできない…。
だから…テメェの女房だ、娘だって使って…私から情報を聞き出そうとか、
慰めて少しでも…罪を軽くしようとか、バカなこと考えたんだ。
そーは問屋が卸すかっての!!
「この件に関しましては…すでにギリアムに一任致しました。
私は…ありのままを、話したにすぎません。
そもそも、男性相手の事は、私が出るべきではない…と考えますので、その後どうしたか、
どうするつもりなのか…も、聞く気はございません」
本当は…逐一聞いているけどね。
それを真正直に、話してやるつもりはないし、そんな義理もねぇよ。
「オルフィリア公爵夫人…」
なんだよ、ゾフィーナくそばばぁ。
「ここにいる皆さまは、せっかく夫人を慰めようと…集まってくださったのです。
それを考慮した話を…もう少しするべきかと存じます」
「あら、そうでしたねぇ…。
でしたら、なるべく私の傷には、触らないでいただきたいですわぁ。
人によって…慰めて欲しい方法は違いますからぁ」
そして…一番重要な事。
「まあ…ファルメニウス公爵家を出禁になったゾフィーナ夫人がいる時点で…、
私の気分が悪くなると考えない方々みたいですから、仕方ないですかねぇ」
テメェはギリアムにすっげー嫌われているから、他の人間以上に、遠慮せん。
「……若気の至りで口が滑るのは…夫人の立場では許容してもらえませんよ」
うっせえよ!!ゾフィーナくそばばぁ、こちとら還暦越えばばぁじゃ!!
んーなこと、テメェに言われるまでもなく、分かっとるわ!!
わかっててやってるって、認めろや!!
「そうなのですかぁ?残念ですねぇ…で・も。
評議会について私がギリアムに、どう話したかなどと言う事は…先ほどの言葉で終り
ですがねぇ」
だから軽ーく流す。
「し、しかし…せっかくですので、ギリアム様がどれだけオルフィリア公爵夫人を愛して
いらっしゃるか…皆様に披露したくはございませんか?」
「そうですよ…熱愛がかなり報じられているので…今回も厳しい処罰を下すものと、
皆さん思われていて…」
「それは…ギリアムに聞いた方が早いですよ。私はギリアムではありせんので」
あくまで笑顔で…シレっとね。
さて…これ以上何か言ってくるようなら…と、思っていたら、
「一つ…よろしいかしら、皆さま」
クァーリア夫人が出た。
「マナーとして…家の内情は、家の人間が自ら喋らない限り…、聞かないのが暗黙のルールと
考えられております。
それとも…皆様は人に聞かれたら、家の内情を喋る主義なのでございましょうか?
でしたら…是非とも質問したいことが、沢山ございます」
すっごい爽やかな…いい笑顔だ…。
演技だろうが…。
「い…いえ…そのようなことは…」
「も、申し訳ございませんでした…」
引っ込んだか…。
やっぱり…クァーリア夫人は未だ…恐れられているんだな。
「と、ところでオルフィリア公爵夫人…先に行われた交流会は素晴らしかったとのこと…。
どのようなものだったか、是非ともお聞きしたいわ」
「そ、そうですわね」
話題変えたか…まあ、それはいいけどよ。
私を慰める気は…全くないようで、こっちも逆に清々するよ。
ひとまず私は…交流会の詳しい所や、大盛況だった所を…話しやった。
まあ…物珍しさも手伝って、みんな聞いてはくれたけど…。
「でも…そのような形で、大丈夫なのでしょうか?」
「形?」
私は…ちょっと?が浮かんだ。
「ええ…あまり…平民が貴族より力があると示してしまうと…」
「そうですわね…勘違いする者も中には…」
ピキッときたぞ、オイイィ!!
「まあ…その辺は個人の考えと…何より好みによるので、何とも言えませんねぇ」
怒りはあくまで隠して…ね。
「好み…で、ございますか?」
「はい…」
わかんねぇなら、順を追って説明してやるよ。
「最近…とても痛ましい災害があったこと…皆様のご記憶に新しいかと存じます」
「ああ…、クィリグラズィ山脈の災害ですね…それはもう…」
「その時、王立騎士団は…真っ先に現地に向かい、被災者の救援に当たりました。
団員の多くは…平民です」
私は…扇子で口元を隠し、
「なんだかアナタの仰りようを聞いていると…、被災地で自分も危険に晒されながら、
人を助けるために尽力する人間より…、寄ってたかって女性一人にインク瓶を投げつける
人間の方が…お好きなように聞こえます」
へっ、顔色一気に悪くなりやがったな。
私にインク瓶投げつけたのは…全員貴族だ、バーカ。
「まあ…アナタがそういう人間である…と言う事を、私は否定する気はございませんが…」
「と、とんでもございません!!そのようなことは…」
「だったら…先ほどの発言は何なのでしょうか?
何にも悪い事をしていないのに、高貴な方々に寄ってたかって、インク瓶投げつけられた
身としては、是非とも聞いておきたいです」
笑顔で…快活に…ね。
言った奴は…何も答えず、下を向くだけ…か。
しょーもね。
しかし…おっかしいなぁ…。
私は…この場を見回して、ちょっと思った。
クァーリア夫人とジュリアは…間違いなく力のある人間だ…。
それと私をセットにしたら…ゾフィーナくそばばぁだって、よっぽど優秀なの揃えないと、
対抗できない事はわかりきっている。
なのに私に色々聞いてきた人間は…明らかに力がない。
社交界に対する教育は、普通に受けているだろうが、もっと言葉巧みに、相手の口を開かせる
奴なんて、沢山いるだろう。
ちょっと天然入ってるか、気が弱ければ、さっきの質問にも答えたかもしれんが…。
私がそうじゃないって、わかりきっているだろうに…。
「オルフィリア公爵夫人…」
なんだ?ゾフィーナくそばばぁ。
アンタ、隠し玉があるなら、早めに出した方がいいぜ。
「我々貴族にとって…身分と言うのは、絶対のものでございます…。
それゆえ…皆さまの心配も最も…。
ファルメニウス公爵夫人であるならば…そういった事も考えていただきたいです」
……ふーん。
まあ、間違っちゃいない。
だが…。
「私は別に…身分が悪いモノと言っているわけでも、身分制度を守らなくていいと言っている
ワケでもございません…。
ただ!!
ちょうどいい事例が発生したため、その考察を述べ、皆さまのご意見を聞いているだけですよ…。
それは…大事な事ではありませんか?
自信を律するためにも…ね」
扇子で口元隠しつつ…にーっこりとね。
「なかなか…面白い話をしているようですね。
私も…混ぜてもらいたい…」
この声に…私の体は、緊張一色となった!!
確かに…評議会は結構ショックだったけどさ…。
顔も知らん連中に…慰めて欲しいかって言うと、甚だ疑問だ。
だから…ひとまず顔を出してみようと思った。
鬼が出るか蛇が出るか…って場所が、結構好きという困った癖も手伝って…ね。
会場に入ると…当然、私以外の参加者は全員来ていなければならない。
クァーリア夫人もジュリアも来ていた。
でも…仲のいいもの同士で、固まるのは後だ。
まずは…誰がどんな考えを持って、この場に来ているか…見せてもらおうじゃないか。
まずは…挨拶からだなぁ…なんて思っていたら!!
柱の影からスッと…出やがった、ゾフィーナくそばばぁ。
よく見たらレベッカもいるじゃん!!
あ~、これだけで頭痛くなってきた…。
「ごきげんよう…オルフィリア公爵夫人…。
先の評議会…大変な目にお遭いになったとお聞きして…居ても立っても居られず、
参上いたしました」
えっと…直訳すると、
私が泣いたって聞いて、さすがにしょげてるだろうから、その様を見てやろうと思って、
急いできました…。
だな、うん。
「あら…わざわざありがとうございます。
でもご心配なく…いい経験の1つと思い、消化いたしましたので」
本当だよ、うん。
エリオット卿のこと以外は…もう心からどうでもいい。
ま、やった連中は、潰すけど。
ゾフィーナくそばばぁを皮切りに…どんどん挨拶が繰り返される。
まあ…敵意を持っている連中ばかりじゃないと思うが…、油断は禁物…だからね。
そんで、初対面の人間が大部分…ってとこで、対話スタート。
「でも…驚きましたわ…まさか評議会で、そのようなことが起こるとは…」
「ギリアム公爵閣下も…さぞお怒りでしょうね…」
「愛する奥様が、そのようなことになれば…」
「オルフィリア公爵夫人…ギリアム様には、何とお話に?」
……私は、結構前のめりで最初にされたこの質問だけで…ピンときた。
「…ありのままを、お話した…としか、申し上げようがないですね」
だから…少しカマかけてみることにする。
「ありのままとおっしゃいますと?」
「出来れば…私たちの今後のために、もう少し詳しく…」
「お願いいたします!!」
随分と必死に食いついてくる…。
私は…心の中で、やっぱりな…と思った。
集団心理ってのは、集団でなくなった時に大抵覚める。
ギリアムの正式な妻相手に…ものすごーくバカなことやっちまった…。
恐ろしくなったって、何ら不思議じゃない。
でも…まさか自分たちで聞けないし、そもそも何らかの裏取引があったなら、
謝ることもおいそれとできない…。
だから…テメェの女房だ、娘だって使って…私から情報を聞き出そうとか、
慰めて少しでも…罪を軽くしようとか、バカなこと考えたんだ。
そーは問屋が卸すかっての!!
「この件に関しましては…すでにギリアムに一任致しました。
私は…ありのままを、話したにすぎません。
そもそも、男性相手の事は、私が出るべきではない…と考えますので、その後どうしたか、
どうするつもりなのか…も、聞く気はございません」
本当は…逐一聞いているけどね。
それを真正直に、話してやるつもりはないし、そんな義理もねぇよ。
「オルフィリア公爵夫人…」
なんだよ、ゾフィーナくそばばぁ。
「ここにいる皆さまは、せっかく夫人を慰めようと…集まってくださったのです。
それを考慮した話を…もう少しするべきかと存じます」
「あら、そうでしたねぇ…。
でしたら、なるべく私の傷には、触らないでいただきたいですわぁ。
人によって…慰めて欲しい方法は違いますからぁ」
そして…一番重要な事。
「まあ…ファルメニウス公爵家を出禁になったゾフィーナ夫人がいる時点で…、
私の気分が悪くなると考えない方々みたいですから、仕方ないですかねぇ」
テメェはギリアムにすっげー嫌われているから、他の人間以上に、遠慮せん。
「……若気の至りで口が滑るのは…夫人の立場では許容してもらえませんよ」
うっせえよ!!ゾフィーナくそばばぁ、こちとら還暦越えばばぁじゃ!!
んーなこと、テメェに言われるまでもなく、分かっとるわ!!
わかっててやってるって、認めろや!!
「そうなのですかぁ?残念ですねぇ…で・も。
評議会について私がギリアムに、どう話したかなどと言う事は…先ほどの言葉で終り
ですがねぇ」
だから軽ーく流す。
「し、しかし…せっかくですので、ギリアム様がどれだけオルフィリア公爵夫人を愛して
いらっしゃるか…皆様に披露したくはございませんか?」
「そうですよ…熱愛がかなり報じられているので…今回も厳しい処罰を下すものと、
皆さん思われていて…」
「それは…ギリアムに聞いた方が早いですよ。私はギリアムではありせんので」
あくまで笑顔で…シレっとね。
さて…これ以上何か言ってくるようなら…と、思っていたら、
「一つ…よろしいかしら、皆さま」
クァーリア夫人が出た。
「マナーとして…家の内情は、家の人間が自ら喋らない限り…、聞かないのが暗黙のルールと
考えられております。
それとも…皆様は人に聞かれたら、家の内情を喋る主義なのでございましょうか?
でしたら…是非とも質問したいことが、沢山ございます」
すっごい爽やかな…いい笑顔だ…。
演技だろうが…。
「い…いえ…そのようなことは…」
「も、申し訳ございませんでした…」
引っ込んだか…。
やっぱり…クァーリア夫人は未だ…恐れられているんだな。
「と、ところでオルフィリア公爵夫人…先に行われた交流会は素晴らしかったとのこと…。
どのようなものだったか、是非ともお聞きしたいわ」
「そ、そうですわね」
話題変えたか…まあ、それはいいけどよ。
私を慰める気は…全くないようで、こっちも逆に清々するよ。
ひとまず私は…交流会の詳しい所や、大盛況だった所を…話しやった。
まあ…物珍しさも手伝って、みんな聞いてはくれたけど…。
「でも…そのような形で、大丈夫なのでしょうか?」
「形?」
私は…ちょっと?が浮かんだ。
「ええ…あまり…平民が貴族より力があると示してしまうと…」
「そうですわね…勘違いする者も中には…」
ピキッときたぞ、オイイィ!!
「まあ…その辺は個人の考えと…何より好みによるので、何とも言えませんねぇ」
怒りはあくまで隠して…ね。
「好み…で、ございますか?」
「はい…」
わかんねぇなら、順を追って説明してやるよ。
「最近…とても痛ましい災害があったこと…皆様のご記憶に新しいかと存じます」
「ああ…、クィリグラズィ山脈の災害ですね…それはもう…」
「その時、王立騎士団は…真っ先に現地に向かい、被災者の救援に当たりました。
団員の多くは…平民です」
私は…扇子で口元を隠し、
「なんだかアナタの仰りようを聞いていると…、被災地で自分も危険に晒されながら、
人を助けるために尽力する人間より…、寄ってたかって女性一人にインク瓶を投げつける
人間の方が…お好きなように聞こえます」
へっ、顔色一気に悪くなりやがったな。
私にインク瓶投げつけたのは…全員貴族だ、バーカ。
「まあ…アナタがそういう人間である…と言う事を、私は否定する気はございませんが…」
「と、とんでもございません!!そのようなことは…」
「だったら…先ほどの発言は何なのでしょうか?
何にも悪い事をしていないのに、高貴な方々に寄ってたかって、インク瓶投げつけられた
身としては、是非とも聞いておきたいです」
笑顔で…快活に…ね。
言った奴は…何も答えず、下を向くだけ…か。
しょーもね。
しかし…おっかしいなぁ…。
私は…この場を見回して、ちょっと思った。
クァーリア夫人とジュリアは…間違いなく力のある人間だ…。
それと私をセットにしたら…ゾフィーナくそばばぁだって、よっぽど優秀なの揃えないと、
対抗できない事はわかりきっている。
なのに私に色々聞いてきた人間は…明らかに力がない。
社交界に対する教育は、普通に受けているだろうが、もっと言葉巧みに、相手の口を開かせる
奴なんて、沢山いるだろう。
ちょっと天然入ってるか、気が弱ければ、さっきの質問にも答えたかもしれんが…。
私がそうじゃないって、わかりきっているだろうに…。
「オルフィリア公爵夫人…」
なんだ?ゾフィーナくそばばぁ。
アンタ、隠し玉があるなら、早めに出した方がいいぜ。
「我々貴族にとって…身分と言うのは、絶対のものでございます…。
それゆえ…皆さまの心配も最も…。
ファルメニウス公爵夫人であるならば…そういった事も考えていただきたいです」
……ふーん。
まあ、間違っちゃいない。
だが…。
「私は別に…身分が悪いモノと言っているわけでも、身分制度を守らなくていいと言っている
ワケでもございません…。
ただ!!
ちょうどいい事例が発生したため、その考察を述べ、皆さまのご意見を聞いているだけですよ…。
それは…大事な事ではありませんか?
自信を律するためにも…ね」
扇子で口元隠しつつ…にーっこりとね。
「なかなか…面白い話をしているようですね。
私も…混ぜてもらいたい…」
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