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第1章 変態
6 スージーさん
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さて…王立騎士団がくまなく調査したが…やっぱり黒幕は痕跡など残していなかった。
変態さんは声をかけられただけで、何も知らなかったようなので、ひとまず王立騎士団の
詰所に移して取調べ…という予定になったらしいのだが…。
「ギリアム様…」
私は一つ気になったことがあったため、ギリアムの所へと行く。
皆に色々指示していたギリアムだが、私が行くと、
「フィリー!!」
めっちゃ嬉しそうに寄ってくるもんだから…団員の皆様は、やっぱ慣れないな~って顔を
していらっしゃる。
「どうしました?」
「あの…黒幕とは別に…私の前で、色々ご披露された方々なのですが…」
「ああ…あの…」
一気に空気が変わる…暗い方に…。
「ちょっと気になることがあって…もう一度会いたいのですが…」
「ダメです」
だから、速攻否定すんな!!
「じゃ、一人で行きまーす」
くるっと向きを変え、さささーっと走り出すわたくし。
この時のために、作業用ズボンに着替え済みじゃい。
わたしゃ、ギリアムの思考パターンなんぞ、お見通しだかんね。
そして私は…自他ともに認める野生児!!
一昔前の漫画のように、階段の手すりを滑り台にし、一気に下へと降りていく。
そして出口に到達!!
外に出たぞ~っと、思ったら…ギリアムが仁王立ちで待ち構えとった…。
…………………………………ワープ?
「甘いですよ、フィリー…。
私がその気になれば、3階からロープで一気に下へ…など、造作もないです」
見れば、ギリアムのいた部屋の窓から、ロープが…。
やべぇ…。
思考パターンはよくわかってるが、レンジャー部隊顔負けの技術も持ってたんかい…。
そして私は言葉と共に、ギリアムの伸びてきた手にあえなく捕獲された…。
「は~な~し~て~く~だ~さ~いぃ~」
暴れるが当然無駄だ。
ギリアムは涼しい顔して、私と一緒に部屋に戻ろうとした…時だった。
「ちょっとぉぉっ!!いいからみんなを開放してって言ってるでしょぉ~!!
皆騙されただけなのよぉ~~~~~!!
みんなみんないい子なのよぉ~!!
信じてぇ~~~~!!」
私はこの声を聞いて、ピンときた。
「ギリアム様!!あの声のする方に行ってください!!」
「ダメです」
だから、速攻否定はやめぇ!!
私の記憶が正しければ、あの人は…。
「お願いします、ギリアム様…お願い…」
私は…芝居じゃなく本当に泣きそうになった…。
だって…あの人は…。
私が泣きそうになっていることに、ぎょっとしたようで、ギリアムは、
「わ…わかりました…。
でも…アナタに少しでも危害をくわえようとしたら、その時は…」
「わかっています、ありがとうございます。
愛してますよぉ」
私がギリアムの頬に口づけると、何だかとっても輝いた眼を向けて来る…。
…ああ、そう言えば…。
愛してるってのは、あんまり口にしてないなぁ…。
私を抱きかかえたまま、声のする方に近づいていく。
「あの!!スージーさんじゃありませんか?」
怒鳴っている人に話しかける。
スージー…と呼ばれたその人は、ゆっくりと振り返った。
その顔は…。
うん、まさに男がムダ毛をそって、そのまま化粧しただけの…思いっきり男とわかる
状態の人だった…。
顎が割れている状態で…顔が四角くて…眉毛深くて唇厚くて…ウイッグがすごくいびつで…。
ああ…説明が難しいぃ~。
スージーは暫く私を見ていたが…、
「ひょっとして…あの時の子…?」
私がスージーと出会ったのは…ちょうどクレアのお茶会が終わって、その後処理に追われている
あたりだった。
馬車から街を眺めていたら…ちょうど喧嘩に遭遇したんだよね…。
で、護衛騎士もジェードもいたから、止めに入った。
だって…一方的過ぎたんだもん。
「大丈夫ですか?あ、これ、傷薬です。
差し上げますよ」
私が薬入れを差し出すと、
「……」
何にも喋らないし、受け取らないなぁ…。
でも…その理由はわかってたから…。
「私…アナタが気持ち悪いなんて思っていませんから…。
あなたの喋りたいように、喋ってくださるとうれしいです」
ニコニコしながら言ったら、ようやっと…。
「優しい子ねぇ…」
本当に小さい声だった。
「でも…だからこそ、私みたいなのに、関わらない方がいいわ…」
「何でですか?」
「何でって…」
「あなたが男の方なのに、女の格好と喋り方をしているからですか?
でも…別にそれで犯罪を犯しているワケでも、人を傷付けているワケでもないでしょう?
さっきだって…一方的に殴られていただけだし…」
「……」
「私は関わる人間は、自分で決める主義です。
他者の意見は参考にはしますが、従いたくない時は従いません。
もちろんそれで被害を被っても、誰も責めません。
私があなたに関わるのは、完全に私の意志ですから、どうかお気になさらず」
再度傷薬を渡すと、
「ありがとう…」
ようやっと受け取ってくれた。
私が周りをふと見ると…なんだか心配そうにこっちを見ている人たちが…。
「お知り合いが来たようですよ?」
そう言われてスージーが顔を上げる。
「ああ…あの子たち…来ちゃダメって言ったのに…」
私は何だかやるせなくなった。
確かにこの手の人たちは…絶対的に受け入れられない人たちが一定数いる…。
でもさ…じゃあ、この世界すべての人に受け入れられる人なんて…果たしているのかなぁ…。
私は…いないと思う…だから!!
「あの…一体何があって、殴られていたのですか?
私…王立騎士団に知り合いがいるから、不当な事だったら、相談に乗りますよ?」
するとスージーは悲しそうに…、
「ありがとうね。
でも…いいのよ。
私達みたいなのは…どこに行っても嫌われるし…私たちがいることで…他の人が寄り付かなく
なることもあるから…」
「わかりました…無理に話せなんて言いません…。
でも、あなたをさっき殴っていた人にだって、理由を聞く限り、とても正当性があるとは、思えま
せんでした。
だから…もし不当と思う事があったら、遠慮せず王立騎士団へ来てください。
私…フィリーって言います。
私の名前を出して、会いたいと言ってくれれば、私行きますし、場合によっては協力してくれる
人を募りますから」
するとスージーは、私に会釈だけして、心配そうに見つめる人達の所に帰っていった。
私は…多忙を極めていたが、この件がみょーに気になったので、フォルトに頼んで調べてもらった。
そして分かったことは…。
地主がこの手の人たちを、かなり合法ギリギリで搾取しているという事だった。
21世紀日本でもそうだったが、やはり土地・建物の賃貸をするとき、借りて欲しい人とあまり借りて
欲しくない人が生じる。
21世紀日本なら、大炎上間違いなし案件なのだが…スージーのような人たちは…周りからの偏見の目も
あり、あまり借りて欲しくない人に入ってしまう。
まあ…この世界って…やっぱり一昔前と言われてしまうところなんだろうなぁと、こういうところで
感じるよ。
そしてこの世界では…地主に代表される、貸主の力がかなり強い。
居住権なんて認められず、地主の一存で次の日出てけって言われても、何の文句も言えない。
もちろん真面目にやっている地主だってちゃんといるが、かなり横暴なのもいる。
スージー達の住居兼店舗は、かなり地主がしょーもない奴で、色んな難癖付けては金をせびり取ったり、
酷いときには、客のうっぷんのはけ口的に殴らせたりとかしていた。
ただ…合法ギリギリでやってたのが、ちょっとね…。
違法ならギリアムにチクって、やっつけて貰って終わりなんだけどさぁ。
それで色々思案したのだが…私の方も、ルベンディン侯爵家の舞踏会とかがあって、ちょっとかなり…
取り掛かれない状態でいたのよ…ちょっと前までね。
以上が過去禄。
私は色々丸出しで踊っていた人たちの中に…どーも見覚えがある人が混ざってるな~と思って、過去を
振り返ったんだよね。
そして、スージーの時にいた人だ…と、思い出したのだ。
「はい…その節はどうも!!あの時のフィリーです」
「ああ、フィリーちゃん!!
確か、王立騎士団に知り合いがいるんだったわよね!!
皆が無実だって、言ってぇぇ~~~」
スージー、必死やね。
この人…すごくいい人なんだよな…。
皆の代表みたいなことやってて、地主に殴られるときは、自分が出て…。
「何が無実だ!!
揃いも揃って、私のフィリーに失礼なことをして!!」
あ、ギリアム超機嫌悪そう。
「もう!!ギリアム様は、少し黙っていてください」
止めに入る私。
「……ギリアム様…?」
「あ、王立騎士団団長のギリアム・アウススト・ファルメニウス公爵閣下です」
スージーの顔から、一気に血の気が引く。
「ひっ、ひいいいいっ!!申し訳ございません!!」
いや…アナタが悪いことしたわけじゃないから…。
「あの…なにがあったか、話して頂けませんか?」
変態さんは声をかけられただけで、何も知らなかったようなので、ひとまず王立騎士団の
詰所に移して取調べ…という予定になったらしいのだが…。
「ギリアム様…」
私は一つ気になったことがあったため、ギリアムの所へと行く。
皆に色々指示していたギリアムだが、私が行くと、
「フィリー!!」
めっちゃ嬉しそうに寄ってくるもんだから…団員の皆様は、やっぱ慣れないな~って顔を
していらっしゃる。
「どうしました?」
「あの…黒幕とは別に…私の前で、色々ご披露された方々なのですが…」
「ああ…あの…」
一気に空気が変わる…暗い方に…。
「ちょっと気になることがあって…もう一度会いたいのですが…」
「ダメです」
だから、速攻否定すんな!!
「じゃ、一人で行きまーす」
くるっと向きを変え、さささーっと走り出すわたくし。
この時のために、作業用ズボンに着替え済みじゃい。
わたしゃ、ギリアムの思考パターンなんぞ、お見通しだかんね。
そして私は…自他ともに認める野生児!!
一昔前の漫画のように、階段の手すりを滑り台にし、一気に下へと降りていく。
そして出口に到達!!
外に出たぞ~っと、思ったら…ギリアムが仁王立ちで待ち構えとった…。
…………………………………ワープ?
「甘いですよ、フィリー…。
私がその気になれば、3階からロープで一気に下へ…など、造作もないです」
見れば、ギリアムのいた部屋の窓から、ロープが…。
やべぇ…。
思考パターンはよくわかってるが、レンジャー部隊顔負けの技術も持ってたんかい…。
そして私は言葉と共に、ギリアムの伸びてきた手にあえなく捕獲された…。
「は~な~し~て~く~だ~さ~いぃ~」
暴れるが当然無駄だ。
ギリアムは涼しい顔して、私と一緒に部屋に戻ろうとした…時だった。
「ちょっとぉぉっ!!いいからみんなを開放してって言ってるでしょぉ~!!
皆騙されただけなのよぉ~~~~~!!
みんなみんないい子なのよぉ~!!
信じてぇ~~~~!!」
私はこの声を聞いて、ピンときた。
「ギリアム様!!あの声のする方に行ってください!!」
「ダメです」
だから、速攻否定はやめぇ!!
私の記憶が正しければ、あの人は…。
「お願いします、ギリアム様…お願い…」
私は…芝居じゃなく本当に泣きそうになった…。
だって…あの人は…。
私が泣きそうになっていることに、ぎょっとしたようで、ギリアムは、
「わ…わかりました…。
でも…アナタに少しでも危害をくわえようとしたら、その時は…」
「わかっています、ありがとうございます。
愛してますよぉ」
私がギリアムの頬に口づけると、何だかとっても輝いた眼を向けて来る…。
…ああ、そう言えば…。
愛してるってのは、あんまり口にしてないなぁ…。
私を抱きかかえたまま、声のする方に近づいていく。
「あの!!スージーさんじゃありませんか?」
怒鳴っている人に話しかける。
スージー…と呼ばれたその人は、ゆっくりと振り返った。
その顔は…。
うん、まさに男がムダ毛をそって、そのまま化粧しただけの…思いっきり男とわかる
状態の人だった…。
顎が割れている状態で…顔が四角くて…眉毛深くて唇厚くて…ウイッグがすごくいびつで…。
ああ…説明が難しいぃ~。
スージーは暫く私を見ていたが…、
「ひょっとして…あの時の子…?」
私がスージーと出会ったのは…ちょうどクレアのお茶会が終わって、その後処理に追われている
あたりだった。
馬車から街を眺めていたら…ちょうど喧嘩に遭遇したんだよね…。
で、護衛騎士もジェードもいたから、止めに入った。
だって…一方的過ぎたんだもん。
「大丈夫ですか?あ、これ、傷薬です。
差し上げますよ」
私が薬入れを差し出すと、
「……」
何にも喋らないし、受け取らないなぁ…。
でも…その理由はわかってたから…。
「私…アナタが気持ち悪いなんて思っていませんから…。
あなたの喋りたいように、喋ってくださるとうれしいです」
ニコニコしながら言ったら、ようやっと…。
「優しい子ねぇ…」
本当に小さい声だった。
「でも…だからこそ、私みたいなのに、関わらない方がいいわ…」
「何でですか?」
「何でって…」
「あなたが男の方なのに、女の格好と喋り方をしているからですか?
でも…別にそれで犯罪を犯しているワケでも、人を傷付けているワケでもないでしょう?
さっきだって…一方的に殴られていただけだし…」
「……」
「私は関わる人間は、自分で決める主義です。
他者の意見は参考にはしますが、従いたくない時は従いません。
もちろんそれで被害を被っても、誰も責めません。
私があなたに関わるのは、完全に私の意志ですから、どうかお気になさらず」
再度傷薬を渡すと、
「ありがとう…」
ようやっと受け取ってくれた。
私が周りをふと見ると…なんだか心配そうにこっちを見ている人たちが…。
「お知り合いが来たようですよ?」
そう言われてスージーが顔を上げる。
「ああ…あの子たち…来ちゃダメって言ったのに…」
私は何だかやるせなくなった。
確かにこの手の人たちは…絶対的に受け入れられない人たちが一定数いる…。
でもさ…じゃあ、この世界すべての人に受け入れられる人なんて…果たしているのかなぁ…。
私は…いないと思う…だから!!
「あの…一体何があって、殴られていたのですか?
私…王立騎士団に知り合いがいるから、不当な事だったら、相談に乗りますよ?」
するとスージーは悲しそうに…、
「ありがとうね。
でも…いいのよ。
私達みたいなのは…どこに行っても嫌われるし…私たちがいることで…他の人が寄り付かなく
なることもあるから…」
「わかりました…無理に話せなんて言いません…。
でも、あなたをさっき殴っていた人にだって、理由を聞く限り、とても正当性があるとは、思えま
せんでした。
だから…もし不当と思う事があったら、遠慮せず王立騎士団へ来てください。
私…フィリーって言います。
私の名前を出して、会いたいと言ってくれれば、私行きますし、場合によっては協力してくれる
人を募りますから」
するとスージーは、私に会釈だけして、心配そうに見つめる人達の所に帰っていった。
私は…多忙を極めていたが、この件がみょーに気になったので、フォルトに頼んで調べてもらった。
そして分かったことは…。
地主がこの手の人たちを、かなり合法ギリギリで搾取しているという事だった。
21世紀日本でもそうだったが、やはり土地・建物の賃貸をするとき、借りて欲しい人とあまり借りて
欲しくない人が生じる。
21世紀日本なら、大炎上間違いなし案件なのだが…スージーのような人たちは…周りからの偏見の目も
あり、あまり借りて欲しくない人に入ってしまう。
まあ…この世界って…やっぱり一昔前と言われてしまうところなんだろうなぁと、こういうところで
感じるよ。
そしてこの世界では…地主に代表される、貸主の力がかなり強い。
居住権なんて認められず、地主の一存で次の日出てけって言われても、何の文句も言えない。
もちろん真面目にやっている地主だってちゃんといるが、かなり横暴なのもいる。
スージー達の住居兼店舗は、かなり地主がしょーもない奴で、色んな難癖付けては金をせびり取ったり、
酷いときには、客のうっぷんのはけ口的に殴らせたりとかしていた。
ただ…合法ギリギリでやってたのが、ちょっとね…。
違法ならギリアムにチクって、やっつけて貰って終わりなんだけどさぁ。
それで色々思案したのだが…私の方も、ルベンディン侯爵家の舞踏会とかがあって、ちょっとかなり…
取り掛かれない状態でいたのよ…ちょっと前までね。
以上が過去禄。
私は色々丸出しで踊っていた人たちの中に…どーも見覚えがある人が混ざってるな~と思って、過去を
振り返ったんだよね。
そして、スージーの時にいた人だ…と、思い出したのだ。
「はい…その節はどうも!!あの時のフィリーです」
「ああ、フィリーちゃん!!
確か、王立騎士団に知り合いがいるんだったわよね!!
皆が無実だって、言ってぇぇ~~~」
スージー、必死やね。
この人…すごくいい人なんだよな…。
皆の代表みたいなことやってて、地主に殴られるときは、自分が出て…。
「何が無実だ!!
揃いも揃って、私のフィリーに失礼なことをして!!」
あ、ギリアム超機嫌悪そう。
「もう!!ギリアム様は、少し黙っていてください」
止めに入る私。
「……ギリアム様…?」
「あ、王立騎士団団長のギリアム・アウススト・ファルメニウス公爵閣下です」
スージーの顔から、一気に血の気が引く。
「ひっ、ひいいいいっ!!申し訳ございません!!」
いや…アナタが悪いことしたわけじゃないから…。
「あの…なにがあったか、話して頂けませんか?」
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