ひとまず一回ヤりましょう、公爵様4

木野 キノ子

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第1章 変態

3 太陽の家での珍騒動3

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私は変態3羽ガラスに、どうしても確認したいことがあった。

「あなた達…ひょっとして誰かに頼まれたんじゃないの?
私の前で…こういう事しろって」

「!!?」

ベンズ卿とローカス卿は、顔を見合わせている。

「なぜ…そう思うのですか?オルフィリア嬢…」

「ん~、なんとなく…」

前世の経験とは言えんし。
変態3羽ガラスは何も答えんが、青い顔をしているから、それだけでも答えになる。

「あのさぁ…正直に話してくれれば…ギリアム様に話して、便宜を図ってもいいよ」

と言うと、

「ほ…本当に…?」

恐る恐る聞いてきた。

「ええ、主犯ではなく別に真犯人がいるなら…それは罪の重さに考慮すべきことだし、
こちらに協力するなら、便宜を図ることはするわよ」

すると簀巻きのまま変態3羽ガラスたちは、顔を見合わせ、

「酒場で…声をかけられたんだ…一大パーティーをしようって…」

「内容は?」

「オ、オルフィリア・ステンロイドを…一番怖がらせられた奴に…賞金として金貨100枚
やるって…。
あ…それだけじゃなくて…参加するだけで、参加賞もくれるって言って、前払いで金貨を…」

「なるほどね…、声をかけた奴…特徴は?」

「顔は…わからない…仮面をかぶってて…。
ただ…、体は凄くごつくて…筋肉ムキムキで…」

ほお…、そりゃ見てみたいねぇ…じゅるり…。

…………………………………いかんいかん!!

私は変態3羽ガラスから離れて、ローカス卿とベンズ卿に、

「これは私の勘ですが…おそらく例の黒幕…実行犯たちの仕業かと…」

「えっ!!」

2人とも驚いている。

「何を根拠に?」

「護衛騎士が見当たらない事…そして…、ジェードが私のサインにさっきから反応しないんです」

そう。
私は双子ちゃんズを逃がしてほしくて、ジェードにサインを送ったのだ。
でも…来てくれなかった。

「ファルメニウス公爵家の護衛騎士をどうにかできるなんて…よほどの手練れでなければ無理です。
そして…今日は王立騎士団のみんなは、それぞれ外せない仕事があって、一緒には来れなかった…。
でも、近衛騎士団のシフトまでは把握しておらず…、ローカス卿とベンズ卿がいるのは、想定外だった
はずです」

さっきの変態3羽ガラスの行動だって…武力のある人間が、いないと踏んでのものとしか思えない。
2人は今日…近衛騎士団の制服なんか着ていないし、もっと言えば貴族らしい格好もしていない。
あくまで平民として、紛れ込んでもらっているからね。

「だから、この施設は…今…かなり無法状態だと思われます」

「マジかよ…」

「マズいですね…」

2人には深刻さがすぐにわかった。
太陽の家は…いわば陸の孤島だ。
色々な試験作物を作るために、周りは畑ばかり…。
周囲の村まで少し時間がかかる。

「今…王立騎士団に使いを出しましたが…それだって、無事につくかどうか…。
とにかく、施設にいる人を一堂に集めて…対策を練る必要があります」

その時だった。

「きゃああっ!!何あれえぇぇっ!!」

急に悲鳴が響いたものだから、私達は変態3羽ガラスを置き去りにして悲鳴のする方角へ。

すると…。

…………………………………。
……………………………………………………………………。

えっと…。

どう説明したもんかなぁ…うん…。

ローカス卿とベンズ卿…死んだ魚のような目になっちゃった…。

えっと…、とりあえず…。
他のみんなは…建物に非難してもらってたから…大丈夫…なのかぁ?
精神的に…どうかなぁ…うん。

あ、ちなみに私は全く平気。
前世の経験で…私にとっては至極慣れっこな風景が、繰り広げられているだけだから…。

何かって?
うーんと…じゃ、説明するけど、精神的に苦痛を受けたって言うのは、なしにしてね。

えーと、男たち10人ほどが…地面にオイルをまき散らしてですねぇ…互いに互いの体を…
こすり合っております…はい…。
しかも…すっごい悦に浸った顔をして…。
カッコは…全員パンツ一丁。
言うならば…オイルプレイホモ乱交パーティーってとこか…。

…ゴメン。
何だぁ、全裸じゃないのかぁ…と、思ってしまったヘドネであります。

いや、実際さぁ。
前世でそういうプレイをショーとしてやっている場に…言ったことがあってさぁ。
かなりノリノリで楽しんでいたもんでさぁ。
むしろ、見ている光景に違和感ないわ…うん。

今私は…死んだ魚の目をした男2人とは真逆で…楽しくノリノリで笑いたいのを…こらえるのに
必死でございます。

あ…死んだ魚の目をしたまま、男2人が動いたわ。

――――――――――――――――間――――――――――――――――――

全員縛り上げられた…。
因みにタコ殴りの刑付きで…。

「オルフィリア嬢…剣ありません?
なければ、斧か鉈でもいいんですけど…」

死んだ魚の目をしたまま、ローカス卿が私に尋ねてきた。
どういう用途かなんて、聞かなくてもわかるが…、

「あるにはありますが…何をされるのですか?」

一応聞く。

「あ~、さっきの3人と一緒に…オレとベンズ卿でこいつら全員、処刑します。
王立騎士団に任せるより、その方が早いと思いますんで」

やっぱりかぁ~。

「それはちょっと…だいたい場合によっては黒幕を追い詰める、証拠品になるかもですし…」

「じゃ、それぞれ1人ずつ残して、残りを処刑しましょう。
処刑させてください。
処刑します」

あ~、根が真面目なだけに…受け入れられないのね…。
目が…完全にイっちゃってて、あなたの方が怖いですよ?ローカス卿…。

ローカス卿もそうだが、ベンズ卿も…似たり寄ったりの目をしている。
変態3羽ガラスと同様、オイルプレイしてた人たちもその本気度とヤバさを感じたようで、

「ままま、待ってくれぇっ!!頼まれただけなんだぁ!!」

「そ、そうだよぉ!!ちゃんと許可は得てるってぇ!!」

いやー、許可はしておりませんよ?
逆に許可してあげてもよかったんだよ?
私一人の時にやるって事ならね。

「とにかく…二人とも少し、落ち着いてください…。
陽動作戦かもしれませんから…冷静にならないと、まずいです」

そう言ったら、少し…眼に光が戻ってくれた。
ああ、よかった…のか?

「この人たちは捕えておきましょう…。
ジェードが相変わらず戻ってこないのも気になるし…」

なんてことを話していたら…。

「いやぁぁああぁっ!!!」

また悲鳴…。

今度は何よ?
そうそう、他の人が避難している建物からはさぁ…周囲の様子が丸わかりなのよ。
皆をそこに避難させて…何かあったら逃げられるようにしているんだけどね。
だから、悲鳴を上げた人の見ている方向に…大抵何かがあるのさ。

んで、行ってみれば…。

…………………………………。
……………………………………………………………………。

だからさぁ…変態プレイがしたいなら、ちゃんと事前にその旨申告してよぉ。
何とかするからさぁ…。←?

男2人は…先ほどより更なる死んだ魚の目…。

え~っと、こういった事がお嫌いな方は、何卒何行かおとばしください。

私達の目前にはですねぇ…。

「はーい、みなさ~ん、ご・ちゅ・う・も・く、うふっ」

明らかに男性とわかる体格をしたお人らが…カーニバルの衣装(明らかに女性もの)を着用した状態で…
15人…ぐらいかなぁ…いた。
因みにパンツは丸見え…のみならず、Tバックを前後逆につけたような下着だったものだから…色々諸々
はみ出して…もはや…下着をつけてるって言える状態じゃねぇ…。
ムダ毛処理も一切やってないし…うん。

いや…私は良いのよ。
そういう明らかな男くささが残った、おかまさんたちと絡むの…大好きだったから。
見てて楽しいんだよ?
楽しいんだけどさぁ…。

男性でも女性でも…受け入れられない人は、絶対的にいるから…。
そういう人がいるところで…やらないようにしなきゃダメだよぉ。

そんな私の思考を嘲笑うかの如く…おかまさんたちは、軽快なステップでダンスをご披露してくださった。
丸見えな上、モロ出しの物が…揺れまくってるなぁ…。

ああいかん。
よだれが出そうだ…耐えねば!!

私がそんなことを思っていると、男2人がまた、音もなく動く。

――――――――――――――間――――――――――――――

「オルフィリア嬢…もう、こいつらの首、今からひねって殺しますから…死体の処理もこっちで
やりますから…いいですね、いいですよね、じゃ、やりますね」

「おまちくださぃぃ!!」

私はもう…眼が完全にイっちゃってるローカス卿を必死に止めた。

「色々喋ってもらわねばならないことがあるのです!!ひかえてくださいぃ!!」

もう必死さ…。
だって…この人たち…少なくとも危害を加えるつもりはないみたいだから…。

…………………………………。

ごめん。
ローカス卿とベンズ卿は…十分すぎるぐらい、被害にあってるとは思うけど…。

縛り上げられているおかまダンサーの皆さんに私は…。

「あの…やっぱり誰かにこういうことを…ここでやるように言われたのですか?」

するとやはり口々に、頼まれた、パーティーをやろうと言われたと答えた。
う~ん、わからん!!
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