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番外編

2 馬車の中でのギリアム視点

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ルイザーク伯爵邸よりの帰りの馬車の中、ギリアム視点。


なぜこんなにも、ままならないのだろう。
私は言い寄ってくる女性には、皆ハッキリ言ったんだ。

関係性を作る気はない…と、ハッキリと。

なのにどうして、みんなわからないんだ。
どういえと言うんだ、一体…。

私がそんな難しい顔をしていると、

「ギリアム…まだ何か、気になることでも?」

フィリーが私の顔を覗き込む。
ああ、可愛いフィリー、私の大事なフィリー…。

一体どうしたら、あなたをすべての悲しみや苦しみから、守ることができると
言うのだ?
私は最初、私の元にさえ来てくれたら、全てがうまくいくと思っていた。

私がすべての災厄から、フィリーを守ってやれると。

しかし、ふたを開けてみれば…。

私がフィリーに助けられることの、なんと多い事か…。
私がフィリーを守れない事の、なんと多い事か…。

「…アム、ギリアム」

そんなことを考えていたら、フィリーの声で我に返る。

「また何か、余計なこと考えていたでしょう」

ふくれっ面も、とっても可愛い。

「どうしても話せないこと以外、話してくれる約束ですよ」

……そう言われてしまうと、私の口は勝手に話す。
フィリーの前では、常に完璧で…格好いい所だけ見せる男でいたいのに…。

どうして私は…。

そんな気持ちのまま、話した私に、

「まったく…。
ひとまず、一回ヤりましょう、ギリアム」

「え、ええ…」

驚いてしまうが、この言葉を言われると、それ以上に嬉しくて…。
体が熱くなる…。

本当に、どうしようもない。

「ギリアムはなまじ頭がいいから、余計なこと人の何倍も考えすぎるんですよ。
そういう時は、体を動かすのが一番!!」

フィリーのそんな言葉と笑顔を見てしまうと、体の熱がいよいよ抑えきれない。

私はフィリーの唇に自身の唇を重ね、すぐに舌を滑り込ませる。
じっくりやった方が、女性を感じさせられるそうだが、未だにうまくいかない。
体が言う事をきかない。

しかしフィリーの舌は、そんな私を迎え入れ、優しく包み込んでくれる。
ありがたい。
私はフィリーのそんな舌の動きに安堵しつつ、フィリーのスカートの中に、手を
滑り込ませる。

柔らかな太ももを撫でると、滑らかな肌の感触と熱が、手から伝わってきて、
とても心地いい。

私の手は、自然と太ももの付け根…下着で覆われた部分にその手を乗せ、布の上から
その感触を確認するように、まさぐる。
布越しのフィリーの陰毛の感触と、その中心にある肉の花…。
それを手で刺激すれば、じんわりと濡れて来るのを感じ、私の脳内はいよいよ
快楽で痺れてきた。

その時…。

「フィ、フィリー!!
そ、そこは…」

フィリーの手が、私の下肢…だいぶ前より自己主張を始めた部分に、触れる。

「ダメですかぁ」

ちょっとトロンとした目で、見られると、ダメなどと言えるわけがない。

「あ、あなたにされてダメなことなど…私にはないですが…。
あまりその…そういった事は…」

正直もう、限界に達しそうだ。

「だって…不公平じゃないですかぁ…。
ギリアムばっかり、私のアソコ触ってるんだから…。
私だって触りたいですぅ…」

耳元でフィリーが囁く声が…何とも色っぽくて、そそる…。
それと共に、フィリーは私の雄を、何とも優し気に…それでいて激しく
触り続けた。

「う…ううっ!!」

その下半身に与えられた快楽で、私はあっさり射精した。

情けない…。

フィリーとこう言う関係になって、もうずいぶん経つのに…。
一向に我慢することも、長く耐えることもできない…。

だがそんな私の心の声が聞こえたのか…、フィリーが自ら私に口づけて
くれた…。
その熱と暖かさに、私の心の氷が溶ける。

「ほら!!また余計なこと、考えてる」

フィリーの顔は、いたずらっぽく笑っている。

「ギリアムがしたいことを、遠慮なくやってください」

何だか本当に…涙が出そうだ。
私の情けなさも含めたすべてを受け止めてなお、笑ってくれる優しい人…。
私の生涯唯一の想い人…。

そう思えば思うほど、再度沸き起こる体の熱が、フィリーと繋がりたいと
私を即す。

私はフィリーの下着で隠れた秘部に触れ、濡れ具合を確認する。
どのくらい濡れれば大丈夫か…。

最初のころは、フィリーに痛みを与えてしまったから、そこだけは必死に、
早く出来るように、精神を集中した。
幸いフィリーの中は、大分蜜が溢れてくれていたので、指を増やすのに
そう時間はかからなかった。

指三本になった時点で、私はフィリーの膣内をかき回すように、指を
縦横無尽に動かす。
私の意識はこの三本の指に、全て集中させた。

するとフィリーの体がひときわ大きく跳ねる場所を見つけた。
そこを中心に、緩急をつけて刺激すれば、フィリーの膣内は私の指を
キュウキュウと締め上げてくれる。

その刺激だけで、もう一度イってしまいそうだ。

そうならないために、私は指をすべて引き抜き、代わりにズボンとパンツを
一気にはだけさせ、怒張しまくった雄を外に出す。

フィリーの服を脱がすのは、今回はやめだ。

私の理性は、そこまでもたない。

もう、何でもいいから、繋がりたい。
フィリーの膣内に行きたい。

その思いは、フィリーの下着だけをはぎ取り、あらわになった秘部の肉を
私の雄で一気に押しのけた。

「はっっあんんっ!!」

フィリーの背中がのけぞり、私の雄を一気に飲み込む。

その快楽たるやすさまじく、いい意味で慣れない。
頭の芯からしびれが出て、それが全身に広がる…。

同時に雄から伝わってくる、快楽は雷のように私の脳内を貫く。

その同時進行で与えられる刺激に、私の心も…体も、容易に飲まれてしまう。

「ああ、フィリー、フィリー。
気持ちいいなら、気持ちいいと言ってください!!」

我ながら酷いものだと思う。
息を激しく荒くしたフィリーに、こんなことを要求するなんて…。
でも…。

「もちろん!!気持ちいいです、ギリアム!!」

フィリーはこたえてくれる。
嬉しい。
とても嬉しい。

ああ、私だけのフィリー…。

フィリーへの想いが強いからこそ、腰を穿つ力も強くなってしまう。
そのたびにフィリーの背がのけぞり、荒い呼吸を繰り返す。

優しくしよう。
優しくしなければ…。

わかっているんだ、そんなことは。

しかし止められない。

「フィリー…苦しかったら…辛かったら言ってください!!」

「ん…大丈夫です、ギリアム!!
好きにしてください!!」

ああ、そんな…。
うれしいことを言わないでくれ…。

本当に…止まれなくなる。

私はフィリーの腰を掴み上げ、フィリーのさらなる奥深い所に、私の雄を
埋める。

フィリーの膣内が私の雄を激しく攻め立て、締め上げるが…苦しいどころか
心地よくて仕方ない。

私はあらん限りの激しさで、フィリーの一番奥を突き上げる。

「ああああっ!!」

フィリーの絶叫に近い嬌声と共に、ひときわ強い締め付けが起こり、私の雄は
全ての欲を吐き出した。

「……」

フィリーに覆いかぶさり、私は荒げた呼吸を整える。

「……っフィリー!!大丈夫ですか?」

激しくやりすぎた…ここの所…色々あったから…。

するとフィリーはうっすら眼を開けると、覗き込む私の頬に手を置き、

「大丈夫ですよ…。
むしろ、嬉しかったですから、ご心配なく」

笑ってくれるのが、余計心に痛い…。

「このままでは…」

「はい?」

「なんだかいつか…あなたを壊してしまいそうだ…」

言う気はなかったが、ポツリとこぼれてしまった。
フィリーを壊してしまうくらいなら、離れた方がいい…。
フィリーとこう言う関係になってから、ずっと思ってきたこと…。
でもそう思うたび…苦しくて息ができなくなる。

「ギリアム!!」

そんな私に、

「もう一回ヤりますよ!!」

フィリーは唐突に言ってきた。

「へ?」

私は思わず呆けてしまう。

「余計なこと考えすぎって言いましたよね!!
余計なこと考える余裕があるうちは、まだまだヤれるってことですからね!!
行きますよ!!」

「へ?え?」

なぜかフィリーは怒っている?
……なぜだろう?

「ギリアムこそ、私ともうやりたくないと思ったら、言ってくださいね!!
それまではヤりますよ!!」

フィリーがなぜ、怒っているのかはわからない。
しかし…。

「えっと…それがあなたの希望なら…」

おずおずとそう言うと、フィリーはとてもいい顔で…笑った。

だから私は、ひとまず考えることを辞めることにした。

フィリーが与えてくれる快楽を…満喫してから、考えることにしよう…。

だってフィリーは…。
今もこうして、私のそばで笑ってくれているのだから…。


※第三部、明日から公開します!!
宜しくお願い致します。
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