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第2章 事後
7 ギリアム…お願いだから…
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私はギリアムの頭を少し強めに抱きしめ、
「お願いです…」
を繰り返した。
心の中で思っていたことは…言葉にできなかった。
何故だかは分からないけど…。
前世の事が、色々噴き出してきそうだったからかもしれない…。
するとやがて…。
「わかりました…」
ギリアムのか細い声が、私の耳に届いた。
私はひとまず安堵して、ギリアムの頭を抱きながら、
「まず第一に…この件に関し、王家にこちらから何か言う事は
控えてください。
向こうからアクションが無い限り、徹底してだんまりを決め込み
ます」
「それでは…向こうに痛手を与えられない…」
ギリアムの声は、とても悔しそうだ。
「いいえ、痛手は十分受けていますし、だんまりを決め込んだ
方が、あちらはより痛手をこうむります」
「それはどういうことです?」
悲しそうなギリアムの横から、フォルトが出てきた。
「まずあちらは今、戦々恐々しているでしょう。
なにせ王女殿下がターゲットにしたのは、ギリアム様の婚約者。
それもだいぶ可愛がっている…。
ギリアム様がこの事実を知ったら、乗り込んでくることもあり
うる…というか、実際そうしようとしましたよね」
「ええ…今からでも」
ギリアムよ。
やめろっつの。
「だからあちらは、それ用に準備を整えているハズです。
相手が待ち構えているところに、わざわざ行くのは、戦術として
下策ではありませんか?」
「それは…そうですが…」
ギリアムはやっぱり納得できない顔だ。
「ギリアム様…無理に納得しなくていいですから、話を最後まで
聞いてください」
「はい…」
よかった。
ジェードに抑えてもらう必要、なさそうで。
「じゃあ、ここにいる皆さんに質問です。
人間が一番堪えがたいのは、どういう時だと思いますか?」
「ふむ…戦術で言うなら、敵が攻めて来る直前…ですかね。
あの緊張の中に長時間身を置くのは、慣れている人間でもキツイ
ものです」
うん、ようやっと頭少し冷めてきたね、ギリアム。
「日常で言えば…宙ぶらりん…。
どちらだかハッキリしない…という時でしょうか」
お、エマ。
さすが年配だと、すぐ答えられたね。
「まあ人間というものは、良し悪しに関わらず、どちらだか
決めてもらった方が、楽になるものですね」
そうね、まさにそうよ、フォルト。
「まあ中には、わざとハッキリしない状況に身を置きたがる
奴もいますがねぇ…」
お、ジェードは辛酸を舐めてきただけあって、若いのにわかって
る~。
「まあ、ジェードの言う事ももっともですが、今王家はまさに、
ギリアムやエマやフォルトが言ったように、どっちかはっきり
して欲しい状況だと思います」
「……」
「だから私はギリアム様に、できるだけどちらだかわからない
状況を作って頂きたいのです。
その方が、相手は苦しいと思いますよ」
「ふむ…しかし…、今回こちらが何も言わなければ、調子に
乗ってまたあなたに、ちょっかいをかけるかも…」
「今回完全に息の根を止められなければ、結局ちょっかいは
やみませんよ」
するとギリアムは、私の眼を覗き込むように、
「では、息の根を止める方法が、フィリーはあるというの
ですか?」
まあ、私なんかよりギリアムの方がずっと、目の上のたんこぶ
として、苦虫を嚙み潰したような思いをしてきたんだなぁ。
「確実ではありませんが、かなり有効な方法があります」
すると全員が、私の方を凝視した。
うう、緊張するなぁ。
「まず、今回この件を証拠を持参したうえで王家に訴えたとして、
どうなると思いますか?」
するとフォルトが、
「王宮内に謹慎、およびしばらくパーティーへの参加は厳禁で
しょうな」
「ことを重く見てもらえたなら、辺境の修道院に幽閉…でござい
ましょうね」
エマが言う。
「まず、フォルトの言う状態になった場合は、あんまり意味は
ない。
王宮内だったら、いくらでも協力者見つけられると思うから。
お目付け役出来る人間も限られてるし。
エマの場合も、おそらく幽閉されるのは数か月」
「そんなに短いでしょうか?」
エマが言うので、
「うん。
だって、皇后陛下が王女殿下に激アマなんでしょ?
理由つけて、出しちゃうに決まってる」
すると3人とも黙ってしまった。
ああ、結構マジな実例あるんだろうなぁ。
「だから今回はあえて何もしない。
だんまりを決め込む。
そもそも人って、待ち構えている時よりも、忘れたころに衝撃
くわえられた方が、より大きな痛手を受けるし」
「なるほど…では…いつまで黙っていればいいのです?」
「急がない!」
私は一回切る。
「この件を有効に使う一番の時期は…相手、この場合は王家が
こちらに頭を下げざるを得ない状況の時です」
「そのような状況が来るのでしょうか?(エマ)」
「財政が厳しくはありますが、あえてファルメニウス公爵家に
頭を下げなければならない状況となると…(フォルト)」
「難しいでしょうね(ギリアム)」
するとジェードが、
「しかし奥様には、どうやら勝算がおありのようで」
「ちょっと、奥様違う!!」
「先ほどは訂正されなかったので…」
あ、ギリアムの眼が輝いちゃってる。
あかん。
「それはあなたにお礼を述べた直後だったからです」
ジェードはそれ以上何も言わず、笑っている。
私はため息一つつき、
「勝算と言うには不確かですが…」
「ケイルクス王太子殿下が、秘密裏に商会を運営していることは
ご存じですよね」
「ええもちろん(ギリアム・フォルト・エマ)」
そう。
貴族が商会を持つのが、ほぼ当たり前になってきた時代ではある
が、王家が商会を持つのは、さすがに表立ってやれない。
王家の収入は、主に税金だ。
ただ王家…実は五代前の国王がかなり金遣いが荒かったらしい。
戦争及び己の遊興には、湯水のようにお金を使うという暗愚の
典型。
そのせいでかなりの借金を抱える羽目になった。
その後(主に4代前~2代前)がかなり頑張って、借金こそなく
なったが、王家がカツカツなのは現代にいたるまで、あまり
変わらない。
あと、ちょくちょくある戦争も、それに追い打ちをかけた。
ゆえにケイルクス王太子殿下は、5年前の戦争終結後から何人かの
貴族と裏契約を結び、商会を運営し始めた。
名前は確か…キンラク商会…だったな。
金が楽に手に入るってことか?
でもケイルクス王太子殿下は、レティア王女殿下と違い、社会頭
は良いようで、結構まともに運営できている。
「その商会が今年の初春、大々的に衣服を売り出したこともご存じ
ですよね」
「ええ(ギリアム)」
「丈夫で安価と言うことで、貴族だけでなく平民にもかなり
浸透して、売れ行きも好調だとか(エマ)」
「他の商会もこぞって手を出し始めて…、確かその衣服の原材料
も、キンラク商会が特許を取得し、独占販売していると…
(フォルト)」
「確かフィリアム商会でも扱ってはという意見が多数出ましたが
…私がキンラク商会との過去のいざこざから、いい顔をしなかった
ので立ち消えとなっていましたね(ギリアム)」
そう。
売り出されたのが3月末。
従来の衣服よりかなり安価なため、飛ぶように売れた。
5月末現在、他の原材料を使った衣服に大差をつけ、かなりの
利益を得ている。
でもねぇ。
私はちょっと天井に視線を移し、
「この商品を使った商売は…私の予想では一冬越したら、潰れ
ます」
全員、めっちゃ驚いて、こっち見た。
まあ、そうやろね。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの商品だからね。
「なぜそう思うのです…?」
皆の視線を集めつつ、私は静かに言葉を紡ぐ。
「それは…」
「お願いです…」
を繰り返した。
心の中で思っていたことは…言葉にできなかった。
何故だかは分からないけど…。
前世の事が、色々噴き出してきそうだったからかもしれない…。
するとやがて…。
「わかりました…」
ギリアムのか細い声が、私の耳に届いた。
私はひとまず安堵して、ギリアムの頭を抱きながら、
「まず第一に…この件に関し、王家にこちらから何か言う事は
控えてください。
向こうからアクションが無い限り、徹底してだんまりを決め込み
ます」
「それでは…向こうに痛手を与えられない…」
ギリアムの声は、とても悔しそうだ。
「いいえ、痛手は十分受けていますし、だんまりを決め込んだ
方が、あちらはより痛手をこうむります」
「それはどういうことです?」
悲しそうなギリアムの横から、フォルトが出てきた。
「まずあちらは今、戦々恐々しているでしょう。
なにせ王女殿下がターゲットにしたのは、ギリアム様の婚約者。
それもだいぶ可愛がっている…。
ギリアム様がこの事実を知ったら、乗り込んでくることもあり
うる…というか、実際そうしようとしましたよね」
「ええ…今からでも」
ギリアムよ。
やめろっつの。
「だからあちらは、それ用に準備を整えているハズです。
相手が待ち構えているところに、わざわざ行くのは、戦術として
下策ではありませんか?」
「それは…そうですが…」
ギリアムはやっぱり納得できない顔だ。
「ギリアム様…無理に納得しなくていいですから、話を最後まで
聞いてください」
「はい…」
よかった。
ジェードに抑えてもらう必要、なさそうで。
「じゃあ、ここにいる皆さんに質問です。
人間が一番堪えがたいのは、どういう時だと思いますか?」
「ふむ…戦術で言うなら、敵が攻めて来る直前…ですかね。
あの緊張の中に長時間身を置くのは、慣れている人間でもキツイ
ものです」
うん、ようやっと頭少し冷めてきたね、ギリアム。
「日常で言えば…宙ぶらりん…。
どちらだかハッキリしない…という時でしょうか」
お、エマ。
さすが年配だと、すぐ答えられたね。
「まあ人間というものは、良し悪しに関わらず、どちらだか
決めてもらった方が、楽になるものですね」
そうね、まさにそうよ、フォルト。
「まあ中には、わざとハッキリしない状況に身を置きたがる
奴もいますがねぇ…」
お、ジェードは辛酸を舐めてきただけあって、若いのにわかって
る~。
「まあ、ジェードの言う事ももっともですが、今王家はまさに、
ギリアムやエマやフォルトが言ったように、どっちかはっきり
して欲しい状況だと思います」
「……」
「だから私はギリアム様に、できるだけどちらだかわからない
状況を作って頂きたいのです。
その方が、相手は苦しいと思いますよ」
「ふむ…しかし…、今回こちらが何も言わなければ、調子に
乗ってまたあなたに、ちょっかいをかけるかも…」
「今回完全に息の根を止められなければ、結局ちょっかいは
やみませんよ」
するとギリアムは、私の眼を覗き込むように、
「では、息の根を止める方法が、フィリーはあるというの
ですか?」
まあ、私なんかよりギリアムの方がずっと、目の上のたんこぶ
として、苦虫を嚙み潰したような思いをしてきたんだなぁ。
「確実ではありませんが、かなり有効な方法があります」
すると全員が、私の方を凝視した。
うう、緊張するなぁ。
「まず、今回この件を証拠を持参したうえで王家に訴えたとして、
どうなると思いますか?」
するとフォルトが、
「王宮内に謹慎、およびしばらくパーティーへの参加は厳禁で
しょうな」
「ことを重く見てもらえたなら、辺境の修道院に幽閉…でござい
ましょうね」
エマが言う。
「まず、フォルトの言う状態になった場合は、あんまり意味は
ない。
王宮内だったら、いくらでも協力者見つけられると思うから。
お目付け役出来る人間も限られてるし。
エマの場合も、おそらく幽閉されるのは数か月」
「そんなに短いでしょうか?」
エマが言うので、
「うん。
だって、皇后陛下が王女殿下に激アマなんでしょ?
理由つけて、出しちゃうに決まってる」
すると3人とも黙ってしまった。
ああ、結構マジな実例あるんだろうなぁ。
「だから今回はあえて何もしない。
だんまりを決め込む。
そもそも人って、待ち構えている時よりも、忘れたころに衝撃
くわえられた方が、より大きな痛手を受けるし」
「なるほど…では…いつまで黙っていればいいのです?」
「急がない!」
私は一回切る。
「この件を有効に使う一番の時期は…相手、この場合は王家が
こちらに頭を下げざるを得ない状況の時です」
「そのような状況が来るのでしょうか?(エマ)」
「財政が厳しくはありますが、あえてファルメニウス公爵家に
頭を下げなければならない状況となると…(フォルト)」
「難しいでしょうね(ギリアム)」
するとジェードが、
「しかし奥様には、どうやら勝算がおありのようで」
「ちょっと、奥様違う!!」
「先ほどは訂正されなかったので…」
あ、ギリアムの眼が輝いちゃってる。
あかん。
「それはあなたにお礼を述べた直後だったからです」
ジェードはそれ以上何も言わず、笑っている。
私はため息一つつき、
「勝算と言うには不確かですが…」
「ケイルクス王太子殿下が、秘密裏に商会を運営していることは
ご存じですよね」
「ええもちろん(ギリアム・フォルト・エマ)」
そう。
貴族が商会を持つのが、ほぼ当たり前になってきた時代ではある
が、王家が商会を持つのは、さすがに表立ってやれない。
王家の収入は、主に税金だ。
ただ王家…実は五代前の国王がかなり金遣いが荒かったらしい。
戦争及び己の遊興には、湯水のようにお金を使うという暗愚の
典型。
そのせいでかなりの借金を抱える羽目になった。
その後(主に4代前~2代前)がかなり頑張って、借金こそなく
なったが、王家がカツカツなのは現代にいたるまで、あまり
変わらない。
あと、ちょくちょくある戦争も、それに追い打ちをかけた。
ゆえにケイルクス王太子殿下は、5年前の戦争終結後から何人かの
貴族と裏契約を結び、商会を運営し始めた。
名前は確か…キンラク商会…だったな。
金が楽に手に入るってことか?
でもケイルクス王太子殿下は、レティア王女殿下と違い、社会頭
は良いようで、結構まともに運営できている。
「その商会が今年の初春、大々的に衣服を売り出したこともご存じ
ですよね」
「ええ(ギリアム)」
「丈夫で安価と言うことで、貴族だけでなく平民にもかなり
浸透して、売れ行きも好調だとか(エマ)」
「他の商会もこぞって手を出し始めて…、確かその衣服の原材料
も、キンラク商会が特許を取得し、独占販売していると…
(フォルト)」
「確かフィリアム商会でも扱ってはという意見が多数出ましたが
…私がキンラク商会との過去のいざこざから、いい顔をしなかった
ので立ち消えとなっていましたね(ギリアム)」
そう。
売り出されたのが3月末。
従来の衣服よりかなり安価なため、飛ぶように売れた。
5月末現在、他の原材料を使った衣服に大差をつけ、かなりの
利益を得ている。
でもねぇ。
私はちょっと天井に視線を移し、
「この商品を使った商売は…私の予想では一冬越したら、潰れ
ます」
全員、めっちゃ驚いて、こっち見た。
まあ、そうやろね。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの商品だからね。
「なぜそう思うのです…?」
皆の視線を集めつつ、私は静かに言葉を紡ぐ。
「それは…」
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