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第1章 怪物
4 ジョノァドの屋敷内…
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ウリュジェとフューロットは…あれほどダメだと言っておいたにも関わらず、ジョノァドの屋敷に
忍び込みやがった。
ジョノァドの屋敷は…2人が言うには、まあ要塞そのものだと言う。
貴族のお屋敷ってのは…多かれ少なかれ、大事なものがしまわれているあたりには、罠があるものだ。
だからこの2人は…一つ一つ罠を解除して、進んでいった。
そもそも捕まらなかったのは、罠の解除テクニックが、非常に高かったから。
だが…ジョノァドの屋敷に至っては、罠の方が多い…と言ったほうが良かったようだ。
本当に…異常だったと。
「そんなの当たり前でしょ!!あいつの邸宅なんて…外部に漏れたら破滅するようなものが、
わんさか眠ってておかしくないのよ!!
厳重に厳重を重ねているに、決まっているでしょ!!」
怒鳴る私の横から、スペードが
「確かに…オレが屋敷に行った時、案内人が絶対に自分の後ろを、つかず離れずで歩いてきて
くださいって、言ってたからなぁ…」
まあ、だと思ったよ…。
「だって…ギリアム様を苦しめ続ける奴の、黒幕じゃないですか!!」
「そうですよ!!これだけ悪事が露見した今なら…証拠隠滅を図るために、いろいろ出して
来ているかも…って思って…」
「何か尻尾を掴めば、ギリアム様に一気に恩返しが…」
「リスクが高すぎるって言ってんの!!
あと、何度も言うけど、ジョノァドはそんなにアホじゃない!!
アンタたちは捨て駒じゃないし、する気もないって何回言わせる気!!」
襟元ひっつかみながら、言う私!!
淑女?知らんわ、そんなもん!!
「ギリアム様も、オルフィリア公爵夫人も、そう言ってくださるから、やるんですぅ!!」
「心からイラン気遣いや!!」
私は…ぜぇぜぇになった呼吸を整えつつ、
「ひとまず…無事に戻って何よりだけど…。
顔を見られてない?本当に?」
監視カメラとかない世界だからこそ…人に確認されていなきゃぁ、オッケーだと思うんだけど…。
すると2人はしかめっ面をしながら、腕を胸の前で組んで、唸り始める。
「なに?誰かに見られた可能性があるの?」
「違いますよ!!そんなヘマしません!!ただ…」
「なに?ハッキリ言いな!!」
私の眼眉は吊り上がり…鬼の形相だよ…本当に…。
「えっと…持ち出したと言うか、連れてこられたと言うか、連れてきというか…」
「はあ?」
2人が言うには…異常すぎる罠に嫌気がさしつつ、解除しつつ進んだそう。
「オレらは…罠がより厳重になる方に行ったんだ…。
罠がきつく…強く…多く仕掛けられているところほど、人に見られたくないものを、しまって
いるって証拠だから」
すると…終着点は薄汚い倉庫だったらしい…。
金目の物一切なし。
だが…この2人、元とはいえ超一流の泥棒だったので、その倉庫の壁の…僅かな違和感に
気付いた。
まあ…ビンゴでさ。
隠し通路を発見…。
よせばいいのに、入ってみたらしいんだ…。
「アンタたちね…それこそ袋小路になると、思わなかったの?」
「そこは仮にも元プロです!!ちゃんと空気の対流がある事…確認しました」
「そうですよ!!通路の中から風が吹いてきたから…もしかしたら外に出られるかも…って!!」
まあ確かに…貴族の屋敷にその手の避難通路は、あるのが当たり前だが…。
「で?そこから外に出られたと?」
「いや…それが…石牢に繋がっていて…」
「なんじゃ、そりゃ!!」
石牢は…ファルメニウス公爵家にもあるが…使う事は殆どないんだ。
通常の牢屋は…3方向が石…もしくはレンガであるが、一方は鉄格子となっているのが一般的。
石牢は…まだ鉄が豊富に使えなかった時代の物。
扉まで石でできており…大きなものになると、扉を動かすのに複数人必要という代物だ。
コストの関係で、鉄格子が出来てから、ほぼ使われなくなった…。
例外を除いて…。
「ただ…水路も通っていた…というより、その場所自体がかなり…地下水が湧き出てきている
ようで、びちゃびちゃで…」
ここからは…当時のウリュジェとフューロットの回想
--------------------------------------------------------------------------------------
「おーい、こっちから風が吹いてるから…行ってみるか…」
「だな~、また上った所で、罠が解除されているのをもし見つけた奴がいたら…それこそ
袋のネズミだしなぁ…」
2人は…ひとまず地下水が自然と流れていく…水路の方へと足を進めるが…。
「ねぇ!!」
その暗く…じめじめした、陰気な場所に大層そぐわない…明るい声だったそう。
「う、うわぁ!!なんだぁ!!?」
「そっち行っちゃ危ないよ…。水路…潜らないと通れない所…結構あるから…」
声自体は低いのだが…子供のような調子だった。
2人は顔を見合わせつつも、
「オイ…なんかおかしくないか?オレたちを…使用人か何かだと思ってるのか?」
「かもね…だったら…」
ヒソヒソと話した後、ウリュジェが、
「えっと…キミはどうして、そこにいるの?オレたち来たばかりで、よく知らなくてさ…」
とりあえず聞いてみる…。
すると…陽気な声に、影が灯り、
「わかんない…。ボク…気が付いたら、ずっとここにいるの…。
どうして?って聞いても、誰も答えてくれない…。
たまに…ボクが寝ている間にどこかに連れていかれるんだけど…そこで…うう…」
その先は…言いたくないようだ…。
「なあ…ここ…ヤバいんじゃないか?」
「だな…いくら何でも…おかしいぜ?さっさと上に…」
だが、2人がそう思った時…上の方に気配が…。
「気づかれた?」
「わからない…でも、罠を解除したことがバレたとしたら…」
危険な上、一刻の猶予もない。
「なあ、アンタ!!オレらと取引しねぇか?」
最初に言い出したのは…フューロットだった。
「何言い出すんだよ!!」
ウリュジェは止めたいようだったが、
「馬鹿野郎!!ここは仮にもジョノァド・スタリュイヴェの屋敷だぞ!!
捕まったら拷問じゃすまないだろうし、ギリアム様にも迷惑がかかる!!
フィリアム商会のみんなにだって!!」
フューロットの言葉を聞いて、ウリュジェも覚悟したようだ。
「どうするのさ?」
「コイツを…石牢から出す」
「ええ!!罪人だろ?」
「オレらだって、似たようなもんだろうが!!」
石牢の中にいる人物に、フューロットは改めて、
「なあ!!アンタ…水路には詳しいみたいだな!!
アンタをそこから出してやるから…オレらをこの屋敷の外まで…連れていくことは出来るか?」
その問いに…
「ん~、大丈夫だと思う…。
もうずいぶん昔だけど…一回外に出たことあるから…。
その時…すごく怒られて、二度とやらないって…言ったけど…」
「わ、わかった!!じゃあ、外に出ても怒られないようにすれば、いいか?」
「……それなら…いいよ…」
「よっしゃ!!取引成立だ!!ウリュジェ!!やるぜ!!」
「……それしか方法なし…か…」
石牢の扉は…いわゆる仕掛け扉になっていた。
ギリアムがドラヴェルグ公爵邸で…隠れ宝物庫を見つけた時の…扉がそれである。
間違えたり、無理に壊したりすると…中の物が損傷する仕掛けがしてあったりするので、
最重要の物が、保管されていることが多い。
しかしそこは…貴族専門の超一流泥棒…仕掛け扉を開ける技術もしっかり持っている。
石牢の仕掛け扉を開けるのに…時間はかからなかった。
「よし!!開いた!!」
2人は…石牢の扉を開けようと引っ張るが、びくともしない。
「オイ、アンタ!!石牢の扉、鍵開けたから!!一緒に押してくれ!!」
「……開いたの?」
「ああ!!」
「じゃあ…2人とも下がって…」
「へ?」
「危ないから…」
2人が下がると…同時に!!
凄まじい音を立て、石牢の扉が、その横の石壁に激突した。
「ボク…力加減…あんまりうまくないんだ…」
ウリュジェとフューロット…2人がかりでびくともしなかった石扉は…まるで軽い木の扉のように
勢いよく…軽く…開いたように見えたのだった。
そして…石牢の闇の中から…声の主が…ゆっくりと姿を現すのだった…。
----------------------------------------------------------------------------------------
「まあ、その後はですね…そいつの言った通り、水路は…所々沈んでいたんですけど…そいつ、
オレら2人を抱えたまま、泳ぎ切ったりして…晴れてオレらは、外に出られたんですよ…」
……………………。
もはやどこから…つっこんだらいいの?
ツッコミどころしか…ない気がする…。
そこにいた2人意外の全員が…同じ気持ちだったようで、地面に…四つん這いになっている…。
でも…私はファルメニウス公爵夫人だ…。
沈んでばかりはいられない!!
「で?その石牢から出したの…どこ行ったの?今からでも捜索を…」
「あ、捜索の必要はないですよ。眠り薬飯に混ぜて、寝た所を捕まえて、倉庫に入れときました」
…………………。
変なところで…優秀だよね。
なのに!!
何でそんなに、バカなの?ねぇ!!
忍び込みやがった。
ジョノァドの屋敷は…2人が言うには、まあ要塞そのものだと言う。
貴族のお屋敷ってのは…多かれ少なかれ、大事なものがしまわれているあたりには、罠があるものだ。
だからこの2人は…一つ一つ罠を解除して、進んでいった。
そもそも捕まらなかったのは、罠の解除テクニックが、非常に高かったから。
だが…ジョノァドの屋敷に至っては、罠の方が多い…と言ったほうが良かったようだ。
本当に…異常だったと。
「そんなの当たり前でしょ!!あいつの邸宅なんて…外部に漏れたら破滅するようなものが、
わんさか眠ってておかしくないのよ!!
厳重に厳重を重ねているに、決まっているでしょ!!」
怒鳴る私の横から、スペードが
「確かに…オレが屋敷に行った時、案内人が絶対に自分の後ろを、つかず離れずで歩いてきて
くださいって、言ってたからなぁ…」
まあ、だと思ったよ…。
「だって…ギリアム様を苦しめ続ける奴の、黒幕じゃないですか!!」
「そうですよ!!これだけ悪事が露見した今なら…証拠隠滅を図るために、いろいろ出して
来ているかも…って思って…」
「何か尻尾を掴めば、ギリアム様に一気に恩返しが…」
「リスクが高すぎるって言ってんの!!
あと、何度も言うけど、ジョノァドはそんなにアホじゃない!!
アンタたちは捨て駒じゃないし、する気もないって何回言わせる気!!」
襟元ひっつかみながら、言う私!!
淑女?知らんわ、そんなもん!!
「ギリアム様も、オルフィリア公爵夫人も、そう言ってくださるから、やるんですぅ!!」
「心からイラン気遣いや!!」
私は…ぜぇぜぇになった呼吸を整えつつ、
「ひとまず…無事に戻って何よりだけど…。
顔を見られてない?本当に?」
監視カメラとかない世界だからこそ…人に確認されていなきゃぁ、オッケーだと思うんだけど…。
すると2人はしかめっ面をしながら、腕を胸の前で組んで、唸り始める。
「なに?誰かに見られた可能性があるの?」
「違いますよ!!そんなヘマしません!!ただ…」
「なに?ハッキリ言いな!!」
私の眼眉は吊り上がり…鬼の形相だよ…本当に…。
「えっと…持ち出したと言うか、連れてこられたと言うか、連れてきというか…」
「はあ?」
2人が言うには…異常すぎる罠に嫌気がさしつつ、解除しつつ進んだそう。
「オレらは…罠がより厳重になる方に行ったんだ…。
罠がきつく…強く…多く仕掛けられているところほど、人に見られたくないものを、しまって
いるって証拠だから」
すると…終着点は薄汚い倉庫だったらしい…。
金目の物一切なし。
だが…この2人、元とはいえ超一流の泥棒だったので、その倉庫の壁の…僅かな違和感に
気付いた。
まあ…ビンゴでさ。
隠し通路を発見…。
よせばいいのに、入ってみたらしいんだ…。
「アンタたちね…それこそ袋小路になると、思わなかったの?」
「そこは仮にも元プロです!!ちゃんと空気の対流がある事…確認しました」
「そうですよ!!通路の中から風が吹いてきたから…もしかしたら外に出られるかも…って!!」
まあ確かに…貴族の屋敷にその手の避難通路は、あるのが当たり前だが…。
「で?そこから外に出られたと?」
「いや…それが…石牢に繋がっていて…」
「なんじゃ、そりゃ!!」
石牢は…ファルメニウス公爵家にもあるが…使う事は殆どないんだ。
通常の牢屋は…3方向が石…もしくはレンガであるが、一方は鉄格子となっているのが一般的。
石牢は…まだ鉄が豊富に使えなかった時代の物。
扉まで石でできており…大きなものになると、扉を動かすのに複数人必要という代物だ。
コストの関係で、鉄格子が出来てから、ほぼ使われなくなった…。
例外を除いて…。
「ただ…水路も通っていた…というより、その場所自体がかなり…地下水が湧き出てきている
ようで、びちゃびちゃで…」
ここからは…当時のウリュジェとフューロットの回想
--------------------------------------------------------------------------------------
「おーい、こっちから風が吹いてるから…行ってみるか…」
「だな~、また上った所で、罠が解除されているのをもし見つけた奴がいたら…それこそ
袋のネズミだしなぁ…」
2人は…ひとまず地下水が自然と流れていく…水路の方へと足を進めるが…。
「ねぇ!!」
その暗く…じめじめした、陰気な場所に大層そぐわない…明るい声だったそう。
「う、うわぁ!!なんだぁ!!?」
「そっち行っちゃ危ないよ…。水路…潜らないと通れない所…結構あるから…」
声自体は低いのだが…子供のような調子だった。
2人は顔を見合わせつつも、
「オイ…なんかおかしくないか?オレたちを…使用人か何かだと思ってるのか?」
「かもね…だったら…」
ヒソヒソと話した後、ウリュジェが、
「えっと…キミはどうして、そこにいるの?オレたち来たばかりで、よく知らなくてさ…」
とりあえず聞いてみる…。
すると…陽気な声に、影が灯り、
「わかんない…。ボク…気が付いたら、ずっとここにいるの…。
どうして?って聞いても、誰も答えてくれない…。
たまに…ボクが寝ている間にどこかに連れていかれるんだけど…そこで…うう…」
その先は…言いたくないようだ…。
「なあ…ここ…ヤバいんじゃないか?」
「だな…いくら何でも…おかしいぜ?さっさと上に…」
だが、2人がそう思った時…上の方に気配が…。
「気づかれた?」
「わからない…でも、罠を解除したことがバレたとしたら…」
危険な上、一刻の猶予もない。
「なあ、アンタ!!オレらと取引しねぇか?」
最初に言い出したのは…フューロットだった。
「何言い出すんだよ!!」
ウリュジェは止めたいようだったが、
「馬鹿野郎!!ここは仮にもジョノァド・スタリュイヴェの屋敷だぞ!!
捕まったら拷問じゃすまないだろうし、ギリアム様にも迷惑がかかる!!
フィリアム商会のみんなにだって!!」
フューロットの言葉を聞いて、ウリュジェも覚悟したようだ。
「どうするのさ?」
「コイツを…石牢から出す」
「ええ!!罪人だろ?」
「オレらだって、似たようなもんだろうが!!」
石牢の中にいる人物に、フューロットは改めて、
「なあ!!アンタ…水路には詳しいみたいだな!!
アンタをそこから出してやるから…オレらをこの屋敷の外まで…連れていくことは出来るか?」
その問いに…
「ん~、大丈夫だと思う…。
もうずいぶん昔だけど…一回外に出たことあるから…。
その時…すごく怒られて、二度とやらないって…言ったけど…」
「わ、わかった!!じゃあ、外に出ても怒られないようにすれば、いいか?」
「……それなら…いいよ…」
「よっしゃ!!取引成立だ!!ウリュジェ!!やるぜ!!」
「……それしか方法なし…か…」
石牢の扉は…いわゆる仕掛け扉になっていた。
ギリアムがドラヴェルグ公爵邸で…隠れ宝物庫を見つけた時の…扉がそれである。
間違えたり、無理に壊したりすると…中の物が損傷する仕掛けがしてあったりするので、
最重要の物が、保管されていることが多い。
しかしそこは…貴族専門の超一流泥棒…仕掛け扉を開ける技術もしっかり持っている。
石牢の仕掛け扉を開けるのに…時間はかからなかった。
「よし!!開いた!!」
2人は…石牢の扉を開けようと引っ張るが、びくともしない。
「オイ、アンタ!!石牢の扉、鍵開けたから!!一緒に押してくれ!!」
「……開いたの?」
「ああ!!」
「じゃあ…2人とも下がって…」
「へ?」
「危ないから…」
2人が下がると…同時に!!
凄まじい音を立て、石牢の扉が、その横の石壁に激突した。
「ボク…力加減…あんまりうまくないんだ…」
ウリュジェとフューロット…2人がかりでびくともしなかった石扉は…まるで軽い木の扉のように
勢いよく…軽く…開いたように見えたのだった。
そして…石牢の闇の中から…声の主が…ゆっくりと姿を現すのだった…。
----------------------------------------------------------------------------------------
「まあ、その後はですね…そいつの言った通り、水路は…所々沈んでいたんですけど…そいつ、
オレら2人を抱えたまま、泳ぎ切ったりして…晴れてオレらは、外に出られたんですよ…」
……………………。
もはやどこから…つっこんだらいいの?
ツッコミどころしか…ない気がする…。
そこにいた2人意外の全員が…同じ気持ちだったようで、地面に…四つん這いになっている…。
でも…私はファルメニウス公爵夫人だ…。
沈んでばかりはいられない!!
「で?その石牢から出したの…どこ行ったの?今からでも捜索を…」
「あ、捜索の必要はないですよ。眠り薬飯に混ぜて、寝た所を捕まえて、倉庫に入れときました」
…………………。
変なところで…優秀だよね。
なのに!!
何でそんなに、バカなの?ねぇ!!
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