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第1章 怪物
3 フィリアム商会に入ったワケ
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ウリュジェとフューロットを罪に問うかどうかは…なかなか難しい所だった。
貴族の家に押し入ったとはいえ、その証拠はほぼ残していないし、自分たちで着服せずに
全てばら撒いてしまったから…どこでいくら取ったかなど、知りようもない。
そしてばら撒いた人たちから回収しようとすると…飢え死にしてしまう人たちばかりだった。
まして彼らに泥棒されたからと言って、食い詰めた貴族もいない。
結局ギリアムは…二度とやらないなら、放免することにした。
しかし…。
ウリュジェとフューロットが、かなりギリアムに心酔してしまい、雇ってくれとうるさい。
で、試しに発足したばかりの商会の試験を受けさせてみたら…、かなり成績が良かった。
だから…ギリアムは戦後の忙しさもあり、総括部に丸投げの形で、彼らを放り込んだのだ。
「まあ…実際、フィリアム商会総括部の公募には、かなりの数の応募がありましたが…、
受かったのは、私とトールレィ卿だけで…。
その少し後に、エリオット卿が非公式とはいえ、試験成績が良かったから入ってきて…。
でも、やっぱり人手は足りませんでした(ラルト)」
「確かに能力値は高くて、役に立ったが…。
ちょいちょいやらかすから、面倒くさいんだ…お前らは(トールレィ)」
「まったくだ…色々フォローする、こちらの身にもなってくれ…(エリオット)」
ウリュジェとフューロットは…小さくなっている…。
「ちょいちょいやらかす…って、何やったんですかぁ?奥様(ハート)」
「ん~、そもそも2人を入れたのはね…。
成績が良かったこともあるんだけど、上に平民がいた方がいい…ってのもあったのよ。
職員は平民が大部分でしょ?
いくら上の理解があるって言っても…、やっぱり言いずらい面もあってね…。
あと…2人は泥棒やってたこともあって、情報収集…聞き取りなんかもうまくてさ。
それによく気が付くから…。
フィリアム商会にまた…別の風通しのよさも作ってくれたのよ。
それに平民ならでは…もっと言っちゃうと、泥棒ならではの防犯のやり方をいろいろ
指導してくれてさ…一定数あった盗難が、殆どなくなったの。
あ~あとは、彼らの作った防犯グッズ…何年たっても売れ行き好調なのよ…」
「それ以外にも…地道に調査するのを主義にしているから、情報聞き出すのもうまいよ。
だから…市場調査とかさせると、上手でさぁ…。
彼らの下の人間も、漏れなく上手でさぁ。
ついつい私も重宝してる」
この2人とこの2人が見出したり、育てた人間が、フィリアム商会では、王立騎士団の
レオニール卿の部隊と同じようなことを、してくれているのさ。
「ただ…貴族って平民に対しては横柄な奴、多いからさ…。
上に平民がいるってだけで、バカにしてくるのよ。
そういうのでも、一応付き合わなきゃいけないのが、仕事だから…。
だからまあ…そう言う貴族に対してちょっと…ね…」
「盗みを働いた…ってことですか?(クローバ)」
「まあ…盗みっちゃ盗みかも…だけどね…」
私が…ちとしぶーい顔して言えば、
「盗みじゃないです!!嫌がらせです!!」
「方法が盗みじゃないか!!
貴族の装飾品をスリ取って、そいつの馬車か荷物に紛れ込ませるなどと!!(トールレィ)」
うん…。
盗みか嫌がらせか…微妙だよね…。
損傷するわけでもなく、返しているわけだから…。
単純に、騒いだ貴族に恥かかせたいだけ…。
「なんだか…憎めませんねぇ…(ダイヤ)」
「まあね。この2人がそういうことするの…間違いなくフィリアム商会と、相性の悪い
奴だから…」
「返していると言っても、現行犯で捕まったら、言い逃れ出来んのだ!!
ギリアム様とフィリアム商会の名を汚すつもりなら、許さんぞ!!(エリオット)」
「一度もバレたことないです!!(ウリュジェとフューロット)」
「ギリアム様には、捕まっただろーが!!(トールレィとエリオット)」
何だかもう…収集つかなくなってきた…。
そして話は…脱線しまくっている。
「い~~~~~~かげんに、しなさ――――――――――いっ!!」
私は…結局力いっぱい叫ぶことになった。
「話を戻すけど!!アンタたち一体、道すがら何やって来たの!!
まさか何か…盗んだりしていないわよね!!
さっきの盗んでまた戻す…は、一度ギリアムにきっつく言われて、もうやりませんって
言ったわよね!!」
「もちろんです!!盗みなんてやってません!!」
「じゃ、何やったの!!」
「えっと…やったのは…。
ターゲットの貴族の家の、愛人関係を紙面で全面暴露…でしょ?
あとは…秘密契約の書類を、複写して街にばら撒いたのもあったな…。
金払ってなかった事にした悪事を、ギリアム様にチクって…。
肥溜めの中身を樽に入れて、ワイン樽の保管場所に紛れ込ませたのと…。
あ、インク瓶投げた奴は…眠り薬飲ませて、全裸で町の中心部に放置…。
その位ですよ!!やったの!!」
トールレィ卿・エリオット卿・ラルトの3名が…頭抱えてしまった。
そして…。
頭抱えるのをやめた時…ゆらりと起き上がって…。
「お前ら…今度という今度は…」
地獄の底から這いあがってくるような、声色だった…。
その時私は…、
「ぷっ…あははははははははっっ!!」
思わず噴き出した…。
いや…これさ、本当に心の底から笑ったんだよね…。
何故か…ね。
でも…この2人の真の目的…わかったからかもしれない。
私が…大笑いしたことで、毒気を抜かれたのか…怒ろうとした3人は、一応静まった。
「まったく随分やったわねぇ…でも…」
私は…再度扇子を開く。
「本当の目的の物は…一切見つからなかったんでしょ?」
すると2人が…びくりとして私を見る…。
やっぱりか…。
「残念だけどね…、ジョノァド・スタリュイヴェは、どうでもいい枝葉の元に証拠を残すほど
愚鈍じゃないわ。
評議会での一件から、薬、新法案にまつわる一連に関わった連中…ジョノァドとのつながりを
示すものは…何も持っていなかったでしょ?」
これには…トールレィ卿・エリオット卿・ラルトが…本当に驚いていた。
「まったく…。
目的の物が無ければ、そのまま帰ってくればいいのに…」
私もちょっと、頭痛くなってきたわ。
「だ…だって!!」
ウリュジェとフューロットが…
「酷いじゃないですか!!インク瓶人に投げるなんて!!エリオット卿、一歩間違えれば、
死んじゃうところでしょ!!オルフィリア公爵夫人だって!!」
「それなのに、大きな家で美味しいもの食って、何のんきにしてんのさ!!おかしいじゃん!!」
「そーだそーだ!!自分たちの悪事の責任くらいとれ~!!」
「家からでなくたって、暮らしていけるんだから、家から出るな!!」
「出ると害しかまき散らさないなら、強制的に家から出れなくしてやる!!」
「くそくらえ!!」
「そうだ!!うんこでも飲んでろ!!」
「だいたいあの粗チン野郎は…」
何だか…この先は本当にしょーもない悪口タイムになってきた。
「こら!!お前たち!!オルフィリア公爵夫人になんて失礼なことを!!(ラルト)」
「オルフィリア公爵夫人に言ってるんじゃない!!あいつ等の事だ!!」
「聞かせること自体が、お耳ざわりだと、なぜわからん!!(エリオット)」
いや…卑猥な言語なんざ、慣れすぎるくらい、慣れてるからいいけど…。
「とにかく!!今の事は、私から今夜、ギリアムに報告します!!」
収束しなそうなので、無理やり切る。
「え~~~」
「当たり前でしょう!!フィリアム商会の総責任者はギリアムなんだから…。
報告は義務です!!」
「当たり前だろう…」
他の3人が…呆れている。
「みんなのために、やったのにぃ~」
「だからよ!!」
私は…口調を強める。
「みんな何で…アンタたちのしたことに、頭を悩ませているかわかる?
アンタたちに何かあった時に…切り捨てる事なんて出来ないからよ。
助けるために…自分の人脈と地位をフル活用して、助けようとするからよ…」
「アンタたちはもう…流浪の人間じゃない。
フィリアム商会の一員で、ファルメニウス公爵家の仲間なのよ?
ちゃんと自覚しなさい」
私の…真剣な眼差しが通じたようで、2人は…別な意味で泣き出した。
良かった…と、思った矢先、私の脳内にまた…雷が落ち脳みそがスパークした。
「アンタたち…まさかとは思うけど…」
私は…ここでいったん言葉を切った…。この先を…口にするのが怖かったから…。
「ジョノァド・スタリュイヴェの屋敷に…入ったりしてないわよね?」
私のこの言葉が…他の皆をも戦慄させたのは、言うまでもない…。
2人の目が…泳いでいる事で、真実だと知らされる。
「何やってんの、このバカ―――――――――――――――――っ!!」
さすがに…叫んだよ…。
んで、私は連中の肩をがっしりと掴んで、
「ねえ!!見つかってないよね!!何にも取ってないよね!!いやそんな事より、見つかって
ないよね!!ねぇ!!」
必死な形相に白黒の顔色張り付けて、もう…必死…本当に必死…。
………………………。
眼ぇ泳がすなって!!オイ!!
「えっと…何も取ってはいない…です、はい。物は…ええ」
「書類とかも…たどり着けなかったし…はい…」
すっごく意味深だぞ、オイ!!
「詳しく話せぇぇ――――――――――――――――っ!!」
私はもう…収穫祭なんざ、どこぞにすっ飛んだ…。
とほほ…。
貴族の家に押し入ったとはいえ、その証拠はほぼ残していないし、自分たちで着服せずに
全てばら撒いてしまったから…どこでいくら取ったかなど、知りようもない。
そしてばら撒いた人たちから回収しようとすると…飢え死にしてしまう人たちばかりだった。
まして彼らに泥棒されたからと言って、食い詰めた貴族もいない。
結局ギリアムは…二度とやらないなら、放免することにした。
しかし…。
ウリュジェとフューロットが、かなりギリアムに心酔してしまい、雇ってくれとうるさい。
で、試しに発足したばかりの商会の試験を受けさせてみたら…、かなり成績が良かった。
だから…ギリアムは戦後の忙しさもあり、総括部に丸投げの形で、彼らを放り込んだのだ。
「まあ…実際、フィリアム商会総括部の公募には、かなりの数の応募がありましたが…、
受かったのは、私とトールレィ卿だけで…。
その少し後に、エリオット卿が非公式とはいえ、試験成績が良かったから入ってきて…。
でも、やっぱり人手は足りませんでした(ラルト)」
「確かに能力値は高くて、役に立ったが…。
ちょいちょいやらかすから、面倒くさいんだ…お前らは(トールレィ)」
「まったくだ…色々フォローする、こちらの身にもなってくれ…(エリオット)」
ウリュジェとフューロットは…小さくなっている…。
「ちょいちょいやらかす…って、何やったんですかぁ?奥様(ハート)」
「ん~、そもそも2人を入れたのはね…。
成績が良かったこともあるんだけど、上に平民がいた方がいい…ってのもあったのよ。
職員は平民が大部分でしょ?
いくら上の理解があるって言っても…、やっぱり言いずらい面もあってね…。
あと…2人は泥棒やってたこともあって、情報収集…聞き取りなんかもうまくてさ。
それによく気が付くから…。
フィリアム商会にまた…別の風通しのよさも作ってくれたのよ。
それに平民ならでは…もっと言っちゃうと、泥棒ならではの防犯のやり方をいろいろ
指導してくれてさ…一定数あった盗難が、殆どなくなったの。
あ~あとは、彼らの作った防犯グッズ…何年たっても売れ行き好調なのよ…」
「それ以外にも…地道に調査するのを主義にしているから、情報聞き出すのもうまいよ。
だから…市場調査とかさせると、上手でさぁ…。
彼らの下の人間も、漏れなく上手でさぁ。
ついつい私も重宝してる」
この2人とこの2人が見出したり、育てた人間が、フィリアム商会では、王立騎士団の
レオニール卿の部隊と同じようなことを、してくれているのさ。
「ただ…貴族って平民に対しては横柄な奴、多いからさ…。
上に平民がいるってだけで、バカにしてくるのよ。
そういうのでも、一応付き合わなきゃいけないのが、仕事だから…。
だからまあ…そう言う貴族に対してちょっと…ね…」
「盗みを働いた…ってことですか?(クローバ)」
「まあ…盗みっちゃ盗みかも…だけどね…」
私が…ちとしぶーい顔して言えば、
「盗みじゃないです!!嫌がらせです!!」
「方法が盗みじゃないか!!
貴族の装飾品をスリ取って、そいつの馬車か荷物に紛れ込ませるなどと!!(トールレィ)」
うん…。
盗みか嫌がらせか…微妙だよね…。
損傷するわけでもなく、返しているわけだから…。
単純に、騒いだ貴族に恥かかせたいだけ…。
「なんだか…憎めませんねぇ…(ダイヤ)」
「まあね。この2人がそういうことするの…間違いなくフィリアム商会と、相性の悪い
奴だから…」
「返していると言っても、現行犯で捕まったら、言い逃れ出来んのだ!!
ギリアム様とフィリアム商会の名を汚すつもりなら、許さんぞ!!(エリオット)」
「一度もバレたことないです!!(ウリュジェとフューロット)」
「ギリアム様には、捕まっただろーが!!(トールレィとエリオット)」
何だかもう…収集つかなくなってきた…。
そして話は…脱線しまくっている。
「い~~~~~~かげんに、しなさ――――――――――いっ!!」
私は…結局力いっぱい叫ぶことになった。
「話を戻すけど!!アンタたち一体、道すがら何やって来たの!!
まさか何か…盗んだりしていないわよね!!
さっきの盗んでまた戻す…は、一度ギリアムにきっつく言われて、もうやりませんって
言ったわよね!!」
「もちろんです!!盗みなんてやってません!!」
「じゃ、何やったの!!」
「えっと…やったのは…。
ターゲットの貴族の家の、愛人関係を紙面で全面暴露…でしょ?
あとは…秘密契約の書類を、複写して街にばら撒いたのもあったな…。
金払ってなかった事にした悪事を、ギリアム様にチクって…。
肥溜めの中身を樽に入れて、ワイン樽の保管場所に紛れ込ませたのと…。
あ、インク瓶投げた奴は…眠り薬飲ませて、全裸で町の中心部に放置…。
その位ですよ!!やったの!!」
トールレィ卿・エリオット卿・ラルトの3名が…頭抱えてしまった。
そして…。
頭抱えるのをやめた時…ゆらりと起き上がって…。
「お前ら…今度という今度は…」
地獄の底から這いあがってくるような、声色だった…。
その時私は…、
「ぷっ…あははははははははっっ!!」
思わず噴き出した…。
いや…これさ、本当に心の底から笑ったんだよね…。
何故か…ね。
でも…この2人の真の目的…わかったからかもしれない。
私が…大笑いしたことで、毒気を抜かれたのか…怒ろうとした3人は、一応静まった。
「まったく随分やったわねぇ…でも…」
私は…再度扇子を開く。
「本当の目的の物は…一切見つからなかったんでしょ?」
すると2人が…びくりとして私を見る…。
やっぱりか…。
「残念だけどね…、ジョノァド・スタリュイヴェは、どうでもいい枝葉の元に証拠を残すほど
愚鈍じゃないわ。
評議会での一件から、薬、新法案にまつわる一連に関わった連中…ジョノァドとのつながりを
示すものは…何も持っていなかったでしょ?」
これには…トールレィ卿・エリオット卿・ラルトが…本当に驚いていた。
「まったく…。
目的の物が無ければ、そのまま帰ってくればいいのに…」
私もちょっと、頭痛くなってきたわ。
「だ…だって!!」
ウリュジェとフューロットが…
「酷いじゃないですか!!インク瓶人に投げるなんて!!エリオット卿、一歩間違えれば、
死んじゃうところでしょ!!オルフィリア公爵夫人だって!!」
「それなのに、大きな家で美味しいもの食って、何のんきにしてんのさ!!おかしいじゃん!!」
「そーだそーだ!!自分たちの悪事の責任くらいとれ~!!」
「家からでなくたって、暮らしていけるんだから、家から出るな!!」
「出ると害しかまき散らさないなら、強制的に家から出れなくしてやる!!」
「くそくらえ!!」
「そうだ!!うんこでも飲んでろ!!」
「だいたいあの粗チン野郎は…」
何だか…この先は本当にしょーもない悪口タイムになってきた。
「こら!!お前たち!!オルフィリア公爵夫人になんて失礼なことを!!(ラルト)」
「オルフィリア公爵夫人に言ってるんじゃない!!あいつ等の事だ!!」
「聞かせること自体が、お耳ざわりだと、なぜわからん!!(エリオット)」
いや…卑猥な言語なんざ、慣れすぎるくらい、慣れてるからいいけど…。
「とにかく!!今の事は、私から今夜、ギリアムに報告します!!」
収束しなそうなので、無理やり切る。
「え~~~」
「当たり前でしょう!!フィリアム商会の総責任者はギリアムなんだから…。
報告は義務です!!」
「当たり前だろう…」
他の3人が…呆れている。
「みんなのために、やったのにぃ~」
「だからよ!!」
私は…口調を強める。
「みんな何で…アンタたちのしたことに、頭を悩ませているかわかる?
アンタたちに何かあった時に…切り捨てる事なんて出来ないからよ。
助けるために…自分の人脈と地位をフル活用して、助けようとするからよ…」
「アンタたちはもう…流浪の人間じゃない。
フィリアム商会の一員で、ファルメニウス公爵家の仲間なのよ?
ちゃんと自覚しなさい」
私の…真剣な眼差しが通じたようで、2人は…別な意味で泣き出した。
良かった…と、思った矢先、私の脳内にまた…雷が落ち脳みそがスパークした。
「アンタたち…まさかとは思うけど…」
私は…ここでいったん言葉を切った…。この先を…口にするのが怖かったから…。
「ジョノァド・スタリュイヴェの屋敷に…入ったりしてないわよね?」
私のこの言葉が…他の皆をも戦慄させたのは、言うまでもない…。
2人の目が…泳いでいる事で、真実だと知らされる。
「何やってんの、このバカ―――――――――――――――――っ!!」
さすがに…叫んだよ…。
んで、私は連中の肩をがっしりと掴んで、
「ねえ!!見つかってないよね!!何にも取ってないよね!!いやそんな事より、見つかって
ないよね!!ねぇ!!」
必死な形相に白黒の顔色張り付けて、もう…必死…本当に必死…。
………………………。
眼ぇ泳がすなって!!オイ!!
「えっと…何も取ってはいない…です、はい。物は…ええ」
「書類とかも…たどり着けなかったし…はい…」
すっごく意味深だぞ、オイ!!
「詳しく話せぇぇ――――――――――――――――っ!!」
私はもう…収穫祭なんざ、どこぞにすっ飛んだ…。
とほほ…。
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