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第1章 狩猟
2 狩猟大会開幕
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狩猟大会当日…。
この日私は、かなり…頭を悩ませていた。
なぜかって?
ファルメニウス公爵夫人になってからの、初の大きいイベントゆえ…などという理由では
全くない。
馬車の隅っこで、縮こまっていじけている、ギリわんこのせいだ。
ああ、補足するとね。
狩猟大会って、バレンタインデー&ホワイトデーの装いが非常に強い。
始まる前に女性は意中の男性に、その男性の家紋の刺繡入りハンカチをプレゼント。
男性はその女性とお付き合いする気があれば、その女性に獲物を捧げる。
別に未婚でなく、既婚でもやってよろし(もちろん愛人同士は禁忌…表向きは、ね)。
だからギリアムは…自身にとって、超めんどくさいこのイベントをもちろん毎年欠席してた。
でも今年は私が居るから…と、意気揚々と出場を…なんてことはしなかった。
だって、黒幕実行犯の事があるからね。
例年通り欠席して、私のそばで私を守るつもりだったみたい。
バカ王女が復活するって話だから、余計だった。
だが警備担当者に任命…という、王家の横暴特権使って、その思惑は見事に拒絶された…。
狩猟大会の警備って…近衛騎士団の担当なんだけどなぁ…。
しかも、この通達があったのって、5日前なんだよね…。
ギリアムは当然王家に怒り、断るための準備に取り掛かろうとしたのだが…。
私が待ったをかけた。
だっておそらく…無駄だもん、断ったって。
そもそも先延ばしにしても、いつかは対決しなきゃならないだろうから。
だから、私の警備にファルメニウス公爵家の護衛騎士だけでなく、王立騎士団の師団長たちをつける
と言う事を、ギリアムが警備総責任者を引き受ける代わりに了承させた。
そこから近衛騎士団との急遽の連携なんかが始まったから…、忙しいのなんのって。
しかもやっぱり予想通りというかなんというか…。
王立騎士団は今回の警備に使うなとさ。
つまり普段からギリアムの指示に慣れていない…ともすれば反抗心のある人間達を、一日だけとはいえ
部下として動かにゃならん。
いくらすべてがすべて反感持っている人間じゃないとしても…やっぱりキツイ。
んで、ようやっとひと段落ついたのが、昨日だからさ…。
そしたらやっぱり、私だけを守りたかっただのなんだの、うじうじしまくって…。
もう、諦め!!まったく…。
「ギリアム…もう会場につきますから、諦めましょうよ。
そうしていたって、何もならないし」
「しかし…」
しかしもかかしもないわ。
「私に警備が強化できたのだから、良かったじゃないですか、ね」
「だったら私は、フィリーだけを守りたい…」
「そんなこと言わないで…」
こんなやり取りが、昨日からひっきりなしだっての!!
いい加減にしろや!!
わたしゃこの狩猟大会で別に、大事なことを抱えとるんじゃ!!
「ジェードもいますから」
「しかし…」
そんな時馬車がついたので、私はエスコートしようともぞりと動き出したギリアムを置き去りにし、
馬車の扉を即開け、真っ先に逃げる。
こんなめんどくさい男からは、逃げるに限るっつの。
前世の4桁をゆうに超える、男経験舐めんなコラ!!
そして逃げた先で私は…。
「マギー!!来たのね!!」
「フィ、フィリー…」
逃げた先にあった馬車の近くには…マギーの姿があった。
「あ、あの…あの…私…」
「覚悟決めたんじゃなかったの?」
「う…うん…で、でも…」
「ん?」
「あまり…目立たないようにって…言われているから…」
チッ…あの連中…。
私は心の中で、舌打ちする。
「わかった…じゃあ、私がローカス卿を連れてきていい?」
「う…うん…」
私はすぐにその場を離れる。
ジェードがいるとはいえ、ギリアムが今頃私を捜索しているといると思うからさ…。
師団長たちと一緒に。
私はギリアムを使って、だいたいの人員配置は記憶済み。
そしてジェードは人一倍気配に敏感だから、結構方向を間違わないんだよね~。
あ、いた。
「ローカス卿!!」
私の声に、ローカス卿が振り向く。
「オルフィリア公爵夫人…どうしました?護衛は?」
「もちろんいますよ、でも…外させました。
忙しい所申し訳ないのですが…少しだけ私に付き合ってくださいませんか?」
するとローカス卿はあたりをキョロキョロとし、
「本当に…ちょっとだけですよ」
と、言ってくれた。
ありがたし。
私は急いでマギーの元に戻る。
かなり急いだのだが…ローカス卿は余裕でついてきた。
…当然だよな。
「あ、ちょっとここで待っていてください」
「?」
わけのわからないローカス卿を残し、私は茂みにガサガサ。
そしてひそひそ。
やがて…。
茂みの中から、マギー登場。
本日のマギーは、平民のカッコじゃない。
爽やかな薄緑色のドレスに身を包み、控えめだけど上品な装飾品を身にまとっている。
ああ、因みに…。
これ、私がマギーに作ってあげたのよ。
マギーの実家は、マギーの外出着なんて、地味な物しか買ってくれないからね…。
「……マギー?」
ローカス卿、素直に驚いてるね。
緊張しているからか、そんなローカス卿に気付かず、
「この姿ではお初にお目にかかります…マーガレット・ギャザクシル侯爵令嬢が、
ローカス・クエント・ケイシロン公爵にご挨拶申し上げます」
かなり優雅なお辞儀をする。
……緊張していてこれなのだから、やっぱ生まれながらの貴族ね、マギー…。
ローカス卿はギギギっと、首だけ不自然に私の方を向く…。
キモチはわかるが…そんなに驚かんでも。
「えっとね…マギーは紛れもなく侯爵家のご令嬢よ。
身分は私が保証する」
「え…でも…貴族名簿に名前…」
「えっと…理由は話すと長くなるから今は省きますが、マギーはギリアムにも許可を取って、
ワザと貴族名簿に載せていないの」
「え?そーなん?」
「ええ」
そこまで言うと、マギーが出て、
「事情があったとはいえ、騙すような形となり、申し訳ございません、ローカス様…。
ですがいつまでも、その状態というワケにはいかないと思い、本日フィリー…いえ、オルフィリア・
ファルメニウス公爵夫人の付き添いという形で、こちらに参りました」
優雅に話しているように聞こえるが…、当然声は全体的に暗く沈んでいる。
まあね…騙す気なくても騙してたのと一緒。
こればかりは人がどう思うかだから。
「…本当に悪いと思ってるのか?」
ローカス卿の言葉はこれだった。
「も、もちろんです!!そもそも騙す気など」
「だったら」
ローカス卿は少し言葉に力を込める。
「オレとこれからも、仲良くしてくれるよな?」
この時初めてマギーは顔を上げ、ローカス卿を見た。
ローカス卿は…とてもいい笑顔で笑っていた。
「はっ、はい!!」
その笑顔を見た瞬間、マギーは反射的に答えた。
「良かったねぇ、マギー」
私も間髪入れずに言う。
私は泣くマギーの体を暫くさすりつつ、
「ところで…用意してきたものがあるでしょう?」
「あ、はい…」
マギーが取り出したのは…ハンカチだ。
「きょ、今日のために作りました…よろしければ…」
あ、因みに私の作ったハンカチは、家出る前に渡し済み。
たいして上手くも無いのに、ギリアムめっちゃ喜んで、家宝にするとかぬかしやがるから…。
ありがたいけど、恥ずかしいっつの。
人のいない所で渡して正解。
ローカス卿はマギーのハンカチをスッと自然に受け取り、
「ありがとう、大事にするよ」
とだけ。
まあ、よかったよかった。
「貴族だと明かせなかった理由は…今度ゆっくり聞かせてくれるか?」
「は、はい…もちろんです」
「今日はどこにとどまるんだ?
ギャザクシル侯爵家のスペースはなかったハズだけど…」
あ、やっぱ来る人全員の名簿を頭に入れてるんだ…。
ホントに優秀。
「私の付き添いってことになっているから、私と一緒にファルメニウス公爵家のスペースにいる
予定よ」
するとローカス卿は途端に怪訝な顔をして、
「そりゃマズいんじゃないか?
もし例の連中が襲ってきたら…」
流石だね、ローカス卿…。
ちゃんとわかってる…。
「それは私も考えたのですが…」
私は少しばかり間を置きつつ、
「実は例の連中とはまた別に、マギーが危なくなりそうなので…。
早めに私との関係性を、獲得させておいた方がいいと思いまして…」
「なに?!」
ローカス卿の声が、少し大きくなる。
この日私は、かなり…頭を悩ませていた。
なぜかって?
ファルメニウス公爵夫人になってからの、初の大きいイベントゆえ…などという理由では
全くない。
馬車の隅っこで、縮こまっていじけている、ギリわんこのせいだ。
ああ、補足するとね。
狩猟大会って、バレンタインデー&ホワイトデーの装いが非常に強い。
始まる前に女性は意中の男性に、その男性の家紋の刺繡入りハンカチをプレゼント。
男性はその女性とお付き合いする気があれば、その女性に獲物を捧げる。
別に未婚でなく、既婚でもやってよろし(もちろん愛人同士は禁忌…表向きは、ね)。
だからギリアムは…自身にとって、超めんどくさいこのイベントをもちろん毎年欠席してた。
でも今年は私が居るから…と、意気揚々と出場を…なんてことはしなかった。
だって、黒幕実行犯の事があるからね。
例年通り欠席して、私のそばで私を守るつもりだったみたい。
バカ王女が復活するって話だから、余計だった。
だが警備担当者に任命…という、王家の横暴特権使って、その思惑は見事に拒絶された…。
狩猟大会の警備って…近衛騎士団の担当なんだけどなぁ…。
しかも、この通達があったのって、5日前なんだよね…。
ギリアムは当然王家に怒り、断るための準備に取り掛かろうとしたのだが…。
私が待ったをかけた。
だっておそらく…無駄だもん、断ったって。
そもそも先延ばしにしても、いつかは対決しなきゃならないだろうから。
だから、私の警備にファルメニウス公爵家の護衛騎士だけでなく、王立騎士団の師団長たちをつける
と言う事を、ギリアムが警備総責任者を引き受ける代わりに了承させた。
そこから近衛騎士団との急遽の連携なんかが始まったから…、忙しいのなんのって。
しかもやっぱり予想通りというかなんというか…。
王立騎士団は今回の警備に使うなとさ。
つまり普段からギリアムの指示に慣れていない…ともすれば反抗心のある人間達を、一日だけとはいえ
部下として動かにゃならん。
いくらすべてがすべて反感持っている人間じゃないとしても…やっぱりキツイ。
んで、ようやっとひと段落ついたのが、昨日だからさ…。
そしたらやっぱり、私だけを守りたかっただのなんだの、うじうじしまくって…。
もう、諦め!!まったく…。
「ギリアム…もう会場につきますから、諦めましょうよ。
そうしていたって、何もならないし」
「しかし…」
しかしもかかしもないわ。
「私に警備が強化できたのだから、良かったじゃないですか、ね」
「だったら私は、フィリーだけを守りたい…」
「そんなこと言わないで…」
こんなやり取りが、昨日からひっきりなしだっての!!
いい加減にしろや!!
わたしゃこの狩猟大会で別に、大事なことを抱えとるんじゃ!!
「ジェードもいますから」
「しかし…」
そんな時馬車がついたので、私はエスコートしようともぞりと動き出したギリアムを置き去りにし、
馬車の扉を即開け、真っ先に逃げる。
こんなめんどくさい男からは、逃げるに限るっつの。
前世の4桁をゆうに超える、男経験舐めんなコラ!!
そして逃げた先で私は…。
「マギー!!来たのね!!」
「フィ、フィリー…」
逃げた先にあった馬車の近くには…マギーの姿があった。
「あ、あの…あの…私…」
「覚悟決めたんじゃなかったの?」
「う…うん…で、でも…」
「ん?」
「あまり…目立たないようにって…言われているから…」
チッ…あの連中…。
私は心の中で、舌打ちする。
「わかった…じゃあ、私がローカス卿を連れてきていい?」
「う…うん…」
私はすぐにその場を離れる。
ジェードがいるとはいえ、ギリアムが今頃私を捜索しているといると思うからさ…。
師団長たちと一緒に。
私はギリアムを使って、だいたいの人員配置は記憶済み。
そしてジェードは人一倍気配に敏感だから、結構方向を間違わないんだよね~。
あ、いた。
「ローカス卿!!」
私の声に、ローカス卿が振り向く。
「オルフィリア公爵夫人…どうしました?護衛は?」
「もちろんいますよ、でも…外させました。
忙しい所申し訳ないのですが…少しだけ私に付き合ってくださいませんか?」
するとローカス卿はあたりをキョロキョロとし、
「本当に…ちょっとだけですよ」
と、言ってくれた。
ありがたし。
私は急いでマギーの元に戻る。
かなり急いだのだが…ローカス卿は余裕でついてきた。
…当然だよな。
「あ、ちょっとここで待っていてください」
「?」
わけのわからないローカス卿を残し、私は茂みにガサガサ。
そしてひそひそ。
やがて…。
茂みの中から、マギー登場。
本日のマギーは、平民のカッコじゃない。
爽やかな薄緑色のドレスに身を包み、控えめだけど上品な装飾品を身にまとっている。
ああ、因みに…。
これ、私がマギーに作ってあげたのよ。
マギーの実家は、マギーの外出着なんて、地味な物しか買ってくれないからね…。
「……マギー?」
ローカス卿、素直に驚いてるね。
緊張しているからか、そんなローカス卿に気付かず、
「この姿ではお初にお目にかかります…マーガレット・ギャザクシル侯爵令嬢が、
ローカス・クエント・ケイシロン公爵にご挨拶申し上げます」
かなり優雅なお辞儀をする。
……緊張していてこれなのだから、やっぱ生まれながらの貴族ね、マギー…。
ローカス卿はギギギっと、首だけ不自然に私の方を向く…。
キモチはわかるが…そんなに驚かんでも。
「えっとね…マギーは紛れもなく侯爵家のご令嬢よ。
身分は私が保証する」
「え…でも…貴族名簿に名前…」
「えっと…理由は話すと長くなるから今は省きますが、マギーはギリアムにも許可を取って、
ワザと貴族名簿に載せていないの」
「え?そーなん?」
「ええ」
そこまで言うと、マギーが出て、
「事情があったとはいえ、騙すような形となり、申し訳ございません、ローカス様…。
ですがいつまでも、その状態というワケにはいかないと思い、本日フィリー…いえ、オルフィリア・
ファルメニウス公爵夫人の付き添いという形で、こちらに参りました」
優雅に話しているように聞こえるが…、当然声は全体的に暗く沈んでいる。
まあね…騙す気なくても騙してたのと一緒。
こればかりは人がどう思うかだから。
「…本当に悪いと思ってるのか?」
ローカス卿の言葉はこれだった。
「も、もちろんです!!そもそも騙す気など」
「だったら」
ローカス卿は少し言葉に力を込める。
「オレとこれからも、仲良くしてくれるよな?」
この時初めてマギーは顔を上げ、ローカス卿を見た。
ローカス卿は…とてもいい笑顔で笑っていた。
「はっ、はい!!」
その笑顔を見た瞬間、マギーは反射的に答えた。
「良かったねぇ、マギー」
私も間髪入れずに言う。
私は泣くマギーの体を暫くさすりつつ、
「ところで…用意してきたものがあるでしょう?」
「あ、はい…」
マギーが取り出したのは…ハンカチだ。
「きょ、今日のために作りました…よろしければ…」
あ、因みに私の作ったハンカチは、家出る前に渡し済み。
たいして上手くも無いのに、ギリアムめっちゃ喜んで、家宝にするとかぬかしやがるから…。
ありがたいけど、恥ずかしいっつの。
人のいない所で渡して正解。
ローカス卿はマギーのハンカチをスッと自然に受け取り、
「ありがとう、大事にするよ」
とだけ。
まあ、よかったよかった。
「貴族だと明かせなかった理由は…今度ゆっくり聞かせてくれるか?」
「は、はい…もちろんです」
「今日はどこにとどまるんだ?
ギャザクシル侯爵家のスペースはなかったハズだけど…」
あ、やっぱ来る人全員の名簿を頭に入れてるんだ…。
ホントに優秀。
「私の付き添いってことになっているから、私と一緒にファルメニウス公爵家のスペースにいる
予定よ」
するとローカス卿は途端に怪訝な顔をして、
「そりゃマズいんじゃないか?
もし例の連中が襲ってきたら…」
流石だね、ローカス卿…。
ちゃんとわかってる…。
「それは私も考えたのですが…」
私は少しばかり間を置きつつ、
「実は例の連中とはまた別に、マギーが危なくなりそうなので…。
早めに私との関係性を、獲得させておいた方がいいと思いまして…」
「なに?!」
ローカス卿の声が、少し大きくなる。
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