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第1章 狩猟
1 王家の謀略
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「なんで…なんでこんなことになったんですか!!
お父様!!お兄様!!」
鬼面の表情で訴えかけているのは…レティア王女殿下だ。
近くに王后陛下はいない。
狩猟大会まで、あと一週間と迫ったその日…、レティア王女殿下は部屋の外へ出ることを、
正式に許可された。
…というのは、表向き。
裏はと言えば…許可せざるを得なかった…だ。
狩猟大会は王家主催の一大イベントの一つ。
そこにまで欠席…と言う事になると、事実上、王女の地位を剥奪されたと見られかねない。
病欠…という手もあるのだが、王后陛下が許さなかった。
ここで補足を入れるが…王后陛下は他国の王族なのだ。
よくある友好関係のための政略結婚…として嫁いできた。
因みに両国のパワーバランスは同等。
だから離婚なんてちらつかせでもしたら、最悪それだけで即戦争になりかねない。
ギリアムがいるから負けないだろうが、それにしたって大義のない戦争は、勝ったところで
利益どころか損益をもたらすことの方が大きい。
そして何より…王家ただ今、金がねぇ!!
戦争って…すっごい金食い虫だからさぁ~。
だから王后陛下に対しては、国王陛下はかなり慎重に接しざるを得ない。
むしろ血のつながった息子である、ケイルクス王太子殿下の方が、遠慮なく話しているくらいだ。
「ギリアムの結婚を許す気は無い!!と、申していたではないですか!!」
すると国王陛下は、
「致し方あるまい…、ギリアムが一枚上手だったのだ」
そーね。
役所支部の件については…ギリアムが相当言っていたにも拘わらず、何もしなかったの王家だし。
「婚姻届けが正式に受理された以上…よほどのことが無い限り、取り消しはできん」
「こじつけなどいくらでも…」
「お前はどこまでバカになったんだ!!」
ケイルクス王太子殿下が出た。
「相手はあのギリアムだぞ!!
こじつけなんか通用するわけないだろうが!!」
「でっ、でも…!!」
まだ何か言おうとしたレティア王女殿下は、国王陛下に睨まれる。
「とにかく…狩猟大会ではおとなしくしておれ!!
でなくば次は…謹慎ではすまん!!」
うん、よかった。
国王陛下はマトモだ。
対してレティア王女殿下は、悪態付いて、泣きながら走り去ってしまった。
「今回も、しっかり見張っておけ、ケイルクス」
「はい、父上…しかし」
「ん?」
「やはりギリアムには…レティアは無理でも、せめて王家傍流の令嬢と婚姻を結ばせたく
思います」
「……何か手があるのか?」
「はい…成功しましたら、動いた者たちには、過分な褒美を与える事、お許し願いたく…」
「ふむ…よかろう。
だが、わかっているな?」
国王陛下の眼光が鋭くなる。
「くれぐれも醜聞になるような真似はするな」
「心得ております」
「ならばよい…」
国王陛下とケイルクス王太子殿下の話は、それで終わった。
一方、レティア王女殿下は…。
「お母様!お母様!!私悔しい!!悔しいです!!」
レティア王女殿下が王后陛下に泣きついていた。
「私の可愛いレティア…、お前の苦しみはよくわかります…。
スタリュイヴェ侯爵!!」
呼ばれて出てきたジョノァド・スタリュイヴェ侯爵は…、いつもと変わらぬ、能面の笑顔を
その顔に張り付けている。
「お前が連れてきた者ども…ハッキリ言って、ぬるすぎます!!
もっと…私の娘を苦しめている者共に、絶え間なく訪れる苦痛と絶望を与えなさい!!」
「かしこまりました…しかし…」
「なんです?お金ならしっかりと…」
「いえ…そうではなく、確認させていただきたいことがあります」
「なんじゃ?」
王后陛下の言葉がキツイ。
「お二人が今回の観劇を…絶対に近くでご覧になりたいか否か…をです」
「どういう事じゃ?」
かなりイライラしている。
お~い、アンタの娘は自業自得なんだけどぉ~。
「まず、劇が生ぬるくなってしまう原因といたしまして…、お二人が近くにいる以上、少しでも
お二人の危険になるようなものは、全て排除する必要があります。
ゆえに、使えるものが限られてしまうのです」
「なるほど…」
王后陛下が考え出す。
「ならば…私とレティアが近くに居なければ…もっと凄惨なことができると?」
「嫌よ!!お母様!!
私は近くで、あの女が苦しむさまを見たいわ!!」
「……」
王后陛下は少しの間眼を閉じ、
「レティア…」
開くと、
「今回は…私たちは遠く離れましょう」
「お母様!!」
「考えてもみなさい」
王后陛下はレティア王女殿下に、諭す様に話す。
もっとも、相手が王后陛下でなくば、レティア王女殿下はいつもの癇癪を起すだろうが。
「お前は今回…やっと謹慎がとけたばかり…。
もし少しでも、企みに関わっていると思われれば…、私も庇いきれない」
レティア王女殿下は押し黙る。
「しかしスタリュイヴェ侯爵よ…即死させずに、じわじわと苦しめる…。
そんな状態にできますか?」
するとスタリュイヴェ侯爵は、能面笑顔をさらに濃くして、
「もちろんでございます、王后陛下…。
むしろ、そう言ったものをご所望と思いましたので…、その用意をしっかりとしておりました」
すると王后陛下の顔が、初めてほころんで、
「さすがですね。
して、どういったものかしら?」
「単刀直入に申し上げれば…毒の一種です」
「ほう…」
「即効性のあるものではなく、じわじわと苦しめるもの…。
しかし仮にも相手はファルメニウス公爵夫人…少しも疑われない為には、盛るための小道具に少々
凝らねばなりません。
その小道具は扱いが難しく…近くにお二人がいては、最悪飛び火してしまいかねないのです」
「そういうことですか…」
王后陛下は改めてレティア王女殿下に、
「聞きましたね、レティア…。
今回私たちは席を外しましょう…いいですね?」
「……あの女の苦しむさまは…後からでも見れるのね?
スタリュイヴェ侯爵…」
「もちろんでございます、レティア王女殿下」
するとレティア王女殿下は、いつものキッツイ目になって、
「わかったわ…。
今回の観劇は我慢してあげる…でも」
「ご期待を裏切るような真似は、一切致しません」
「わかっているなら、いいわ」
レティア王女殿下はようやっと、矛を収めたようだ。
「ところで…レベッカはどうしているのかしら?」
能面笑顔を崩さないスタリュイヴェ侯爵は、使用人に手で合図をする。
するとしばらくして、レベッカが姿を現した。
「あら、準備がいいのね…。
だから、アナタ好きなのよ…」
「恐縮でございます」
「私がファルメニウス公爵夫人になったら…アナタを一番の側近にしてあげるわ」
「ありがとうございます」
能面笑顔もここまで変化がないと、ある意味人間か?と、言いたくなる。
「じゃあ、アナタは下がりなさい。
準備も色々あるでしょうから」
「わかりました」
スタリュイヴェ侯爵は、すぐに部屋から出て…後にはレベッカが残った。
「今度の狩猟大会…なにをすればいいか、わかっているわね?」
「はい…近衛騎士団を上手く纏められるよう…」
「違うわよ!!あの忌々しい女にしっかり粉をかけなさい!!
ああ、ポリネア嬢とラファイナ嬢も連れて行くのよ!!」
すると澄ましたレベッカの顔が、途端に崩れ、
「おっ、お待ちください!!
あの2人は絶対に、足手まといになります!!」
「そんなのあなたが何とかすればいいでしょ!!
いいわね!!
ああ、そうそう。
他の子にも声をかけたから、狩猟大会の晩餐会では、全員集合する予定よ。
皆でくれぐれも私のモノを横取りした、あの忌々しい女を苦しめるのよ!!」
それだけ言うとレティア王女殿下は、レベッカを部屋から追い出す様に、出してしまった。
1人廊下を歩くレベッカは、
「大丈夫よ…大丈夫…、私は…幸せになれるの…幸せになるの…。
私はあいつらとは違う…馬鹿な真似はしない…もうちょっと…もうちょっとだから…」
まるで壊れたレコーダーのようにぶつぶつと呟きながら…王宮の長い廊下をただ…歩いて行った。
お父様!!お兄様!!」
鬼面の表情で訴えかけているのは…レティア王女殿下だ。
近くに王后陛下はいない。
狩猟大会まで、あと一週間と迫ったその日…、レティア王女殿下は部屋の外へ出ることを、
正式に許可された。
…というのは、表向き。
裏はと言えば…許可せざるを得なかった…だ。
狩猟大会は王家主催の一大イベントの一つ。
そこにまで欠席…と言う事になると、事実上、王女の地位を剥奪されたと見られかねない。
病欠…という手もあるのだが、王后陛下が許さなかった。
ここで補足を入れるが…王后陛下は他国の王族なのだ。
よくある友好関係のための政略結婚…として嫁いできた。
因みに両国のパワーバランスは同等。
だから離婚なんてちらつかせでもしたら、最悪それだけで即戦争になりかねない。
ギリアムがいるから負けないだろうが、それにしたって大義のない戦争は、勝ったところで
利益どころか損益をもたらすことの方が大きい。
そして何より…王家ただ今、金がねぇ!!
戦争って…すっごい金食い虫だからさぁ~。
だから王后陛下に対しては、国王陛下はかなり慎重に接しざるを得ない。
むしろ血のつながった息子である、ケイルクス王太子殿下の方が、遠慮なく話しているくらいだ。
「ギリアムの結婚を許す気は無い!!と、申していたではないですか!!」
すると国王陛下は、
「致し方あるまい…、ギリアムが一枚上手だったのだ」
そーね。
役所支部の件については…ギリアムが相当言っていたにも拘わらず、何もしなかったの王家だし。
「婚姻届けが正式に受理された以上…よほどのことが無い限り、取り消しはできん」
「こじつけなどいくらでも…」
「お前はどこまでバカになったんだ!!」
ケイルクス王太子殿下が出た。
「相手はあのギリアムだぞ!!
こじつけなんか通用するわけないだろうが!!」
「でっ、でも…!!」
まだ何か言おうとしたレティア王女殿下は、国王陛下に睨まれる。
「とにかく…狩猟大会ではおとなしくしておれ!!
でなくば次は…謹慎ではすまん!!」
うん、よかった。
国王陛下はマトモだ。
対してレティア王女殿下は、悪態付いて、泣きながら走り去ってしまった。
「今回も、しっかり見張っておけ、ケイルクス」
「はい、父上…しかし」
「ん?」
「やはりギリアムには…レティアは無理でも、せめて王家傍流の令嬢と婚姻を結ばせたく
思います」
「……何か手があるのか?」
「はい…成功しましたら、動いた者たちには、過分な褒美を与える事、お許し願いたく…」
「ふむ…よかろう。
だが、わかっているな?」
国王陛下の眼光が鋭くなる。
「くれぐれも醜聞になるような真似はするな」
「心得ております」
「ならばよい…」
国王陛下とケイルクス王太子殿下の話は、それで終わった。
一方、レティア王女殿下は…。
「お母様!お母様!!私悔しい!!悔しいです!!」
レティア王女殿下が王后陛下に泣きついていた。
「私の可愛いレティア…、お前の苦しみはよくわかります…。
スタリュイヴェ侯爵!!」
呼ばれて出てきたジョノァド・スタリュイヴェ侯爵は…、いつもと変わらぬ、能面の笑顔を
その顔に張り付けている。
「お前が連れてきた者ども…ハッキリ言って、ぬるすぎます!!
もっと…私の娘を苦しめている者共に、絶え間なく訪れる苦痛と絶望を与えなさい!!」
「かしこまりました…しかし…」
「なんです?お金ならしっかりと…」
「いえ…そうではなく、確認させていただきたいことがあります」
「なんじゃ?」
王后陛下の言葉がキツイ。
「お二人が今回の観劇を…絶対に近くでご覧になりたいか否か…をです」
「どういう事じゃ?」
かなりイライラしている。
お~い、アンタの娘は自業自得なんだけどぉ~。
「まず、劇が生ぬるくなってしまう原因といたしまして…、お二人が近くにいる以上、少しでも
お二人の危険になるようなものは、全て排除する必要があります。
ゆえに、使えるものが限られてしまうのです」
「なるほど…」
王后陛下が考え出す。
「ならば…私とレティアが近くに居なければ…もっと凄惨なことができると?」
「嫌よ!!お母様!!
私は近くで、あの女が苦しむさまを見たいわ!!」
「……」
王后陛下は少しの間眼を閉じ、
「レティア…」
開くと、
「今回は…私たちは遠く離れましょう」
「お母様!!」
「考えてもみなさい」
王后陛下はレティア王女殿下に、諭す様に話す。
もっとも、相手が王后陛下でなくば、レティア王女殿下はいつもの癇癪を起すだろうが。
「お前は今回…やっと謹慎がとけたばかり…。
もし少しでも、企みに関わっていると思われれば…、私も庇いきれない」
レティア王女殿下は押し黙る。
「しかしスタリュイヴェ侯爵よ…即死させずに、じわじわと苦しめる…。
そんな状態にできますか?」
するとスタリュイヴェ侯爵は、能面笑顔をさらに濃くして、
「もちろんでございます、王后陛下…。
むしろ、そう言ったものをご所望と思いましたので…、その用意をしっかりとしておりました」
すると王后陛下の顔が、初めてほころんで、
「さすがですね。
して、どういったものかしら?」
「単刀直入に申し上げれば…毒の一種です」
「ほう…」
「即効性のあるものではなく、じわじわと苦しめるもの…。
しかし仮にも相手はファルメニウス公爵夫人…少しも疑われない為には、盛るための小道具に少々
凝らねばなりません。
その小道具は扱いが難しく…近くにお二人がいては、最悪飛び火してしまいかねないのです」
「そういうことですか…」
王后陛下は改めてレティア王女殿下に、
「聞きましたね、レティア…。
今回私たちは席を外しましょう…いいですね?」
「……あの女の苦しむさまは…後からでも見れるのね?
スタリュイヴェ侯爵…」
「もちろんでございます、レティア王女殿下」
するとレティア王女殿下は、いつものキッツイ目になって、
「わかったわ…。
今回の観劇は我慢してあげる…でも」
「ご期待を裏切るような真似は、一切致しません」
「わかっているなら、いいわ」
レティア王女殿下はようやっと、矛を収めたようだ。
「ところで…レベッカはどうしているのかしら?」
能面笑顔を崩さないスタリュイヴェ侯爵は、使用人に手で合図をする。
するとしばらくして、レベッカが姿を現した。
「あら、準備がいいのね…。
だから、アナタ好きなのよ…」
「恐縮でございます」
「私がファルメニウス公爵夫人になったら…アナタを一番の側近にしてあげるわ」
「ありがとうございます」
能面笑顔もここまで変化がないと、ある意味人間か?と、言いたくなる。
「じゃあ、アナタは下がりなさい。
準備も色々あるでしょうから」
「わかりました」
スタリュイヴェ侯爵は、すぐに部屋から出て…後にはレベッカが残った。
「今度の狩猟大会…なにをすればいいか、わかっているわね?」
「はい…近衛騎士団を上手く纏められるよう…」
「違うわよ!!あの忌々しい女にしっかり粉をかけなさい!!
ああ、ポリネア嬢とラファイナ嬢も連れて行くのよ!!」
すると澄ましたレベッカの顔が、途端に崩れ、
「おっ、お待ちください!!
あの2人は絶対に、足手まといになります!!」
「そんなのあなたが何とかすればいいでしょ!!
いいわね!!
ああ、そうそう。
他の子にも声をかけたから、狩猟大会の晩餐会では、全員集合する予定よ。
皆でくれぐれも私のモノを横取りした、あの忌々しい女を苦しめるのよ!!」
それだけ言うとレティア王女殿下は、レベッカを部屋から追い出す様に、出してしまった。
1人廊下を歩くレベッカは、
「大丈夫よ…大丈夫…、私は…幸せになれるの…幸せになるの…。
私はあいつらとは違う…馬鹿な真似はしない…もうちょっと…もうちょっとだから…」
まるで壊れたレコーダーのようにぶつぶつと呟きながら…王宮の長い廊下をただ…歩いて行った。
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