ひとまず一回ヤりましょう、公爵様

木野 キノ子

文字の大きさ
上 下
36 / 71
第7章 決意

1 ルイザーク伯爵邸でのパーティーの翌日

しおりを挟む
「ん…朝…?」

ギリアムは窓から差し込む、眩い陽光に目を細めながら
体を起こす。

「あ…おはようございます、ギリアム」

「フィリー…私は…」

「ご気分どうですか?悪くないですか?」

「とくには…私は昨日寝てしまったのか…?」

少し残念そうやね…無理もないか。
でも自分が何されたか、よくわかってないみたい。
事態は深刻だよ、ギリアム。

「そんなに疲れていたのかな…」

「…疲れはあまり関係ないと思います。
どうやら睡眠薬を盛られたようですので…」

「!!」

そうなのよ、ギリアム。
昨日、ギリアムの寝てしまい方があまりにも唐突だった
んで、私はその疑いをかけた。
主治医を呼んだのはそのため。
そして見事にビンゴだったと…。

「だからギリアム、昨日の夜のことを思い出してみて…
ひゃぁっ!!」

ギリアムが思い切り私の体を引き寄せ、口づけた。

「ギ…ギリアム?」

「フィリー!!フィリー!!私にはあなただけ!!
あなただけです、フィリー!!」

あ…そっか…。
なまじ頭いいから、自分が何されそうになったかわかる
んだ…。

「安心してください、ギリアム。
あなたは昨日、自分の足で、しっかり私のもとに帰って
来てくれた」

「そして私は…一晩中そんなあなたのそばを離れなかった。
昨日、眠ったあなたに触れていたのは、私だけです!」

「フィリー…」

しばし黙って、ギリアムは私を抱きしめた。

「フィリー…、あなたを…抱きたいです…」

本当に悲痛な声だった。

「もちろんいいですよ!いっぱいいっぱいヤりましょう!!」

私のその言葉を合図に、再度口づけが落とされる。
口づけは舌を絡める激しいもので、すぐに唾液があふれ出し、
口角から漏れ出て、音を立てる。

「んっ…ふっ…はっ…」

それでもギリアムは攻めを緩めない。

(んっ…いいよ、ギリアム…、好きなだけ攻めて…)

私はギリアムの頭の後ろに手を回し、抱く。
するとギリアムは、安堵したような…嬉しいような表情を浮かべ、
さらに深く口づけ、舌を絡めた。

「…ぷはっ……」

ひとしきり口内を蹂躙し、満足したのか、ギリアムは口を離し、
私の服を一気に破り下ろした。

…この服結構高かったハズなんだが…。
まあ、ギリアムのお金で買ったもんやし…って前と同じやな。

私がそんなことを思っているうちに、ギリアムはあらわになった
私の乳房にしゃぶりついた。
わざと跡を残すような、強くて…少し乱暴なキスをいくつも
落とす。

「フィリー…ああ、フィリー…あなたはなんて愛らしいんだ」

言いながら乳房を揉みしだき、下肢にも手を伸ばす。
下着の上からでも十分濡れていることがわかる秘部を触りながら

「こんなに私に感じてくれているなんて…嬉しいです」

しばらく下着の上から、そこを指でなでていたが、やがて…
下着を破ってあらわになった花弁に、指を突っ込んだ。
ま、別にいいんだけど…。
今後、ゆっくり脱がせる楽しみも、教えてみることにしよか…。

「ふっ…すごいです!!フィリー…蜜がこんなに溢れてきて
…もう入れますね」

いつの間にやら外に出されていた、熱くたぎったモノが、
一気に押し込まれた。

「あんっ…ああんっ…」

強く腰を打ち付けられるたび、嬌声が漏れる。
激しくされるだけとはいえ、よくこすれて気持ちイイ。
そんな私の膣壁はよく動き、ギリアムのモノをマッサージする
ように刺激する。

「ああっ…フィリー!!気持ちいい!!気持ちいいです、
フィリー!!もっと…もっとしてください!!」

「うん、わかった!!私も気持ちいいよ!!ギリアム!!」

結合部から漏れ出る蜜が織りなす隠微な音が、嬌声と混ざり合い
何ともいやらしいハーモニーを奏でる。
最奥を余すことなく突き上げられ、ひときわ大きく膣壁が縮んだ
時、ギリアムの精が私の膣内へと放たれた。
荒い呼吸のみが部屋の中に響き渡ったが、同時にそれが収まる
ことは、しばらくなかった。

――半日後。

どうも皆様、フィリーです。
現在、掛布を頭からかぶって、ベッドに巨体を横たえている
ギリアム様に寄り添う形で、悦に浸っております。

あのですね、ギリアム様。

私も昨夜ヤれなかったから溜まっていたのですよ。
だから、合計5回出来て、大変満足なのですよ。

だ・か・ら!!!

ギリアムが罪悪感もたにゃならん理由は、ひとっつもねーの!!
おい!!!
ホンットめんどくせぇぇぇ――――!!!

「ギリアム…お話があるから、いい加減出てきてくれませんか?」

軽めにポフポフ掛布の上から、ギリアムをはたく。
ギリアムからの返事はない。

「私…嬉しかったし、幸せですよ?
ギリアムにいっぱい愛してもらえて!!」

すると、掛布がもぞりと動くが、顔はまだ出てこない。
代わりに…

「あなたは本当に…優しいですね…フィリー」

消え入りそうなギリアムの声だけが、私の耳に届く。

だ・か・らぁ!!!
気ぃ使ってるワケじゃないっての!!

むかついた私は、掛布の上からギリアムを抱きしめて、

「も~、いい加減にしてください!!
5数えるうちに出てこないと、私はしばらく夫婦の寝室に足を
踏み入れませんからね!!
はい、1、2…」

「ままま、待ってください!!」

あっという間に飛び出てきた。
正直で大変よろしいよ、ギリアム。
改めて出てきたギリアムの頭を胸に抱き、

「じゃ…椅子に座ってお話ししましょうか?」

と、にこやかに言えば、

「はい…」

赤い顔で頷くギリアム。


―――その夜。

夕食後、私・ギリアム・パパン・ママン・フォルトさん・エマさんで
机を囲んでいる。

ギリアムはかなり…いや、超上機嫌だ。
理由は…私のとある決意を寝室で伝えたから。

今集まっている人たちに、それを発表し、今後の方針など決めていく
予定だ。

「集まってもらったのは…私の口から昼間ギリアム様とご相談して
決めたことを、発表するためです」

「なんだい?改まって…」

「まあ、まずは聞きましょう、アナタ」

パパンとママンは口々に言う。
フォルトさんとエマさんは静かに控えていた。

「一か月後の王家主催の建国記念パーティーに…私は正式に
ギリアム様の婚約者として参加いたします」

「「「「!!!!」」」」

皆が皆、多少の違いはあれど一様に、ぎょっとした顔をする。

うん。
わかるよ。

私もまさか、こんなことになるなんざ、思わなかったからさ~。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】男爵家に嫁ぎましたが、夫が亡くなったので今度こそ恋をしたい

野々宮なつの
恋愛
ソフィアは社交デビューしてすぐに嫁いだ夫が亡くなり2年になった。 愛のない結婚だったから悲しみに暮れることはなかったが、ソフィアには他の問題が立ちはだかっていた。 後継者がいないのだ! 今は義父がいるけれど、このままでは生活が立ち行かなくなる。できたら家庭教師の職を見つけたい。 そんな時、義父の紹介で伯爵令嬢の舞踏会の付き添い役を務めることに。 職を紹介してもらえるかもしれない。そんな下心から伯爵令嬢の付き添い役を了承したが、社交嫌いで有名な伯爵は優しくて気づかいもできる素敵な人だった。 ソフィアはあっという間に彼に恋に落ちてしまう。 でも伯爵は今でも亡き妻を愛しているようで? ソフィアが仕事に恋に、再び自分の人生に希望を見出して生きるお話です。 全20話です この話は小説家になろう様にも載せています。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

処理中です...