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5 女神様…………?
しおりを挟むレオに案内された部屋は50畳ほどはある広々とした部屋で白を基調とした美しい家具で統一されていた。
レオ「こちらが聖女さまのお部屋となります。足りないものがございましたら、遠慮なくおっしゃってください。すぐに手配致しますので。
」
コンコンッ「失礼します。レオさま。聖女さまつきの侍女を連れてまいりました」
レオ「ありがとう。どうぞ。」
年配の女性が一人と、後ろには3人の若い女性たちが続いて入ってきた。
侍女長「はじめまして聖女様。わたくしは侍女長のシャーリー・レーベル・カネラと申します。この王宮にて53年勤めさせて頂いております。聖女様付きの侍女たちの管理もさせて頂きますので…なにか不手際がございましたら、わたくしにおっしゃってくださいませ。この者たち3名が本日より聖女様のお世話をさせて頂きます。右からリオナ・レーフェ、マリーナ・フェラー、アイリス・アールジーンです。」
侍女たち「「「よろしくお願い致します。聖女さま」」」
『あっっ、はい。こちらこそ、よろしくお願い致します』
侍女「それでは、わたくしはこれで失礼させて頂きます。」
レオ「わたしも今日はこれで失礼しますね。また明日お迎えにあがります。ゆっくりと休まれてくださいね」ニコッ
そうして…レオと侍女は部屋を出ていった。
「聖女さま、もう夜も深いですが…お休みになられますか?それとも、何か軽いお食事でもお持ちいたしましょうか?」
『あのッッお気遣いありがとうございます。今日はいろいろありすぎて疲れてしまったのでもう休みたいのですが……』
侍女「かしこまりました。それでは寝着へお召し替えを。こちらへ」
そう案内されたのは部屋の中にある扉のひとつで、侍女が扉を開いてくれると16畳程の部屋がありTVで見た芸能人のメイク室のように長いテーブルがありテーブルの上一面に大きな鏡が設置されていた。そこには侍女たち3人と、美しい女性がその中心で驚いたようにこちらを見つめている。
天使の輪が見えるさらさらの金髪ロングに、切れ長二重の碧眼、黄金比というのだろうか……レオたち王族も美しかったが、その女性はさらに神々しいほどに美しい。いっそ恐れすら抱くほどに。
その女性はこちらをみつめたままピクリとも動かない。
侍女「どうかなさいましたか。聖女さま?」
ハッとして侍女を振り返ろうとするとその女性も振り返ろうとしている。驚いてまたその女性を見つめるとその女性もまた驚いてこちらをみている。
(…まさか………。)
百合香は自分の頬に手をあてると、その女性も自分の頬に手をあてた。
「わたし………なの………?」
侍女「聖女さま、大丈夫でございますか……?」
侍女がみな心配そうに見つめているのが鏡越しにわかった。
『え……えぇ。大丈夫です。すみません。』
侍女「大変おつかれなのですね。早くお召し替えしてお休みになってください。」
そう言うと一人はクローゼットを開き、大量のドレスの中から薄い水色のさらさらとしたロングドレスを取り出している。
前を見るともう一人の侍女は私の服を脱がしてくれようとしていた。
『えっ!!?だ……大丈夫です!自分で着替えられますッッ』
侍女「いいえ、これがわたくしどもの仕事なのです。ご遠慮なさらないでください。高貴な身分の方はこうして侍女に全ての世話を任せることがその主人としての誉れとされております」
反論をする暇もなく、あっという間に着替えさせられたかと思うと鏡台の前に座らされその美しい金髪をとかしてくれている。目と鼻の先にあの女神様のような女性がいる……いまは自分のようだけれど…をマシマジと観察してみる。本当に美しいなぁ……。こんなにきれいな人って初めてみた。
また呆けて鏡をぼーっとみていると、ますます侍女を心配させてしまったようで、せかされて先程の部屋のベッドへと連れて行かれる。
侍女「「「それでは、おやすみなさいませ聖女さま。」」」ニコッ
一礼すると、三人共部屋を後にした。
いろいろと考えたかったが、疲労とふかふかの極上ベッドの誘惑には逆らえず、百合香はすぐに眠りにおちた。
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