とある村人A~Z

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不死者の天敵

その2 冒険者組合は怖いところ

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『勇者が活動を始めるのは大体一年後くらいになるのだけれど、今代コンダイの勇者は相当強いから手助けなんて必要無さそうだし、他所の流れを見てみても、しばらくのアイダは貴方にお願いしないといけないような事案が発生する兆候は無さそうなのよね。 だからあと三年ぐらいはのんびりしていてくれても大丈夫かしら。 あっ…… でも、三年半後にダール帝国の首都近くには居て欲しいから、その辺りまでには移動しておいてねー』

 という女神様のありがたくも軽いお言葉を参考に、現在、俺はベルフェさんと共に中央大陸の中部やや北寄りの地域にあるダール帝国を目指しながら旅を続けていた。
実のところ、オノ一つで帝国に行くだけというならば、休息を十分に取りながらでも全力疾走で一ヶ月とかかるまい。
ベルフェさんという突発的な同道者さえ出てこなければ、当初の予定では港湾都市グラの一つか二つ北にある街から一気に帝国へと向かう予定ではあったのだ。
そうすれば、早々に帝国まで辿り着いてしまってから、残った時間でその辺の農村にでもお邪魔させてもらって土いじりに精を出すという充実した生活を送る。 なんてことも出来たのだが、全く以って予定外の旅の道連れが存在してしまっている現状では、移動は徒歩と馬車とに限られる。
つまり、それは帝国に行くだけでたっぷりと二年半は覚悟しなければならないという、実に立派な長旅をすると言うことなのだが、俺が今こうやって悩んでいるのは、むしろその後。
二年半かけて帝国に着いたとして、三年半後という期限までに残り一年あるか無いかの中途半端な時間を「一体どうやって過ごそうか?」という問題だったりする。
一年あるかないかじゃなぁ……
『まあ、急がずの~んびり帝国まで旅をするだけでいいんじゃない?』
やっぱりその辺が無難ですかねぇ。
帝国までの道程は、直線で向かおうとすると厄介な山越えが待ち構えているので、先ずは真っ直ぐ北に向かってから西に折れる行路をとる予定だ。
しかし、行き先が帝国となると…… どのくらいの期間一緒になる事になるのかは解らないけど、ベルフェさん大丈夫かなぁ?
『中部はちょっとねぇ……』



 ダール歴百七十九年の現在。 此処、中央大陸の勢力図は、誰の目にもかなり解り易い状況となっている。
大陸を横にほぼ三等分に区切って西部、中部、東部という呼び名で呼ばれているのだが、この区分毎に情勢が大きく異なるからだ。

 俺たちの現在地であるところの東部が、人族と獣人族、それと随分ムカシに移民してきたらしい極々僅かな魔族を含めた混成国家群。
既に何百年と経過している相当な大昔のことらしいのだが、西部からの移民である少数の魔族が若干シタに見られるきらいはあるものの、この地域で暮らしている多くの種族たちの力関係はそこそこに対等でそこそこに平和。 大抵の人間にとっては暮らしやすい地域である。
『皆のんびり生きてる感じよね』

 そして中部にあたるのが、人族のみが政治を行い、国を成して動かしている人族国家群。
一説では神の似姿だなんて言われていることもあり、純粋な人族と考えられているらしい汎型人類ヒト以外を同じ人間とすら見做なさないなんて言うような風潮が深く根付いている地域で、その他の種族や、たとえヒトの血が入っていたとしても容姿に別種の特徴が強く顕れてしまっている混血種ミクシィの人々は、少々肩身の狭い思いをしながら暮らしている。
基本的に、純血に近しいヒトでないかぎり国の要職に就くことは出来ず、政治に関わることすら許されていない。 下位の役職への登用であれば条件がいくらか緩和されることはあるものの、それでも人族以外の種族の者達は、木っ端の役人になることですら相当に困難であるらしい。
最近はやや減少傾向にあるようだが、労働力としての奴隷制度が残っている地域で、国や都市毎に程度の差はあるものの、公然と人の売り買いが為されている。
俺たちが向かおうとしているダール帝国は、その人族国家群の中でも最も大きな国にあたり、多くの近隣諸国をも束ねている中央大陸中部の代表のような存在でもある。
更に、この国は東部にも強い影響力を持っていて、現在、中央大陸の人族の多い領域で広く使われているダール歴と呼ばれる年号も、百年ぐらい前に行われた中部と東部の主要国家による合同会議によって定められたものだと言うのだから、大陸全土として見てみても、その国力は飛び抜けて大きなものと考えておいて間違いは無い。
俺自身は人族であるから中部の辺りで暮らしていても特に不便を感じたことは無いのだが、強いて言うならば、役人や貴族なんかに東の方よりも高圧的な人が多いみたいでちょっと怖い。 あと身分にうるさい。
『なんだか刺々しいのよねー』

 最後に西部にあたるのが、魔族を頂点として少数の人族や獣人族たちがその支配下に組み込まれるかたちで成り立っている魔族国家群。
「力こそ全て! 奪われたくなければ戦え! 戦いたくなければ奪われることに甘んじろ! もしくは死ね!」と言った具合の、冗談みたいだが…… いや、いっそ冗談であってくれたらよかったと思えるほどの、恐ろしく単純で、ある意味純粋であるが故に物凄く面倒でどうしようもなく厄介な世相の蔓延っている危険地帯だ。
そんな状況で一体どうやって国が成り立ったりしているのかが未だに理解できないし、正直なところ、一生アシなんか踏み入れたくないし、関わり合いにすらなりたくない。
中部の国々と年中ちくちくと小競り合いを続けているのだが、何処かの国で魔王の即位が大々的に宣言されると、全体が一斉に調子に乗って手が付けられなくなって本格的に戦争が始まる暴れ出す
女神様の話からすると、もういつ魔王が即位してもおかしくない気配なので、警戒しておく必要がある。 いつでも逃げられる準備は整えておかなければ……
『巫山戯た時代へようこそ!なんて感じの世紀末な地域よね』

 ここまでで一切触れられていない四大氏族の最後のひとつである精霊族は、基本的に人の目の届かない森の奥だとか湖の底だとかで独自の生活様式や文化形態を作って暮らしているというで、他の種族と関わりあいを持つことも殆ど無い為、中央大陸のどの国家にも所属していない。
精霊族は俺も未だに一人も見たことが無いので、一体どんな姿形をしているのかすらわからない。 一度くらいは目にしてみたいものだけど、そもそも住んでいる所からして定かではないと言うのだから、こればっかりはどうしようもないかなぁ。
『まあ、そこまでの違いは無いわよ? たまに透き通ってたりする人もいるけど』
女神様…… そうやって気軽に変な謎を増やさないでくださる?



 だいぶ涼しくなってきた街道をのろのろと歩いたり、通りかかった乗合馬車に空きがあったから拾ってもらったり、立ち寄った村で名物だと勧められた鼻が曲がりそうな漬物を食べて吐いたり、ベルフェさんが道に迷ってはぐれてしまったり、崖崩れで山道が塞がってしまったお陰で酷い遠回りをさせられたり、半泣きの状態で三日ぶりに合流出来たベルフェさんが路銀稼ぎにやっている魔物討伐依頼クエストを遠目に眺めてみたり…… と、旅は概ね順調だ。
でもあの村長は赦さん。 いつか目に物見せてくれる。
しかし、エルフって道に迷うんですねえ。 方向感覚とかがかなり鋭いって話じゃありませんでしたっけ?
『それって主にでの話な上に貴方の気配が特殊だから見失ったんじゃないかと思うのだけれど……』
あ…… そうそう。 路銀ですよ路銀。
そろそろ財布の中身が尽きそうなんだった。
気が付いたら、もうあと一晩宿ヤドに泊まれるか泊まれないかの瀬戸際で、ちょっと急いで一稼ぎしないといけない状態だったりするわけですよ。
『何をするにもお金は必要なんだから、もっと余裕を持った管理をしなさいな』
ぐぅ…… 返す言葉もありませぬ。
なので、その辺の森にでも出かけようかと思っていたところなんですが……

「お待たせしましたわー!」
冒険者組合ギルドの前にいくつか転がしてあった、丸太を輪切りにしただけの大雑把な椅子らしきものに腰を掛けてそんな事を考えていると、組合の入り口をすぱーん!と勢い良く開け放ってベルフェさんが現れた。
先日ベルフェさんが請け負った魔物討伐の依頼クエストが無事成功した為、依頼完了の報告と報酬の受け取りに組合までやって来たのだが、俺自身は組合員冒険者でもないし、他の冒険者の人らに下手に話しかけられても対応に困るから、外で待っていることにしたのだ。

 何しろこのベルフェット・アムネリスと言う名の冒険者さんは、流石に三度も勇者のパーティーに参加して魔王と戦ったりしているだけあって、本人の残念空回りぶりとは裏腹に、特に冒険者界隈では知らない者は居ないと言われるぐらいに知名度が高くて、人気もある存在であるらしい。
これまでに立ち寄った街で、それを知らないまま何も考えずに冒険者組合に付いて行ってしまった結果、やたら強そうな全身鎧フルプレートの人やら、駆け出しっぽい雰囲気の生意気そうな小僧ガキやら、明らかに本気の殺気をぶつけて来るエルフの少女━━実際の歳は知らんけど━━やら、酷く脅えた表情で尻尾を股に挟み込んでる犬系の獣人族の中年男やら、変に生暖かい目を向けてくるエルフ男やら、終いにはそこの街の組合長ギルドマスターなんかにまで散々絡まれて、死ぬほど面倒臭い目に遭う羽目になった。
なので、ここの一つ前の街からは、組合に同行することだけはけることにしたのである。
『まさかあれ程とはねー』
ホントにねぇ……
しかし、あるんですよねぇ…… 人気。 なのにアレなのは一体どういうことなんだろう?
『人気の俳優だとかマスコット…… みたいな?』
そう…… なのかなあ?



 こちらに手を振りながら笑顔で駆け寄ってきたベルフェさんに手を振り返して立ち上がり、街の外へと向かう道を歩き出す。
そもそも容姿が広範に知れ渡ってしまっている上に、窓口での手続き等の際にどうしても素性が露見してしまうことがある為、組合ギルドの中では仕方ないと割り切って素顔を晒している彼女だが、普段、街中マチナカや人の多い場所では愛用している萌黄色の外套マントに付属の頭巾フードを目深に被り、出来るだけ顔を隠して行動することが多い。
一般的な美的感覚から見て秀でた容姿をした者が多いが故に、本人の望むと望まざるとに関わらず善からぬ男共に絡まれてしまうことの多い風精混在型人類エルフの女性には割と多い格好スタイルであるらしいのだが、そうしていれば、エルフであることはどうしようもないにしても、「」ベルフェット・アムネリスであるということは上手く誤魔化すことが出来るということで、重宝しているらしい。
『あの頭巾、外套と一緒で何か付与魔術がかかってるわね。 効果は弱めみたいだけれど、多分【容姿隠蔽ヒドゥン】か【認識阻害ジャマー】じゃないかしら。 あれを被っていると元々の顔見知りや知人だったりしない限りベルフェちゃんだってことはわかり辛くなるようになってるんだわ』
そりゃまた便利なもの持ってるもんですねぇ。 さすが冒険者。

「おかえりなさいベルフェさん。 報酬は問題なかったんですか?」
「ええ。 きっちり満額いただけましたわ。 依頼の情報よりも魔物が思いのほか育っていたようで、そのブン大きくなっていた角を予想外に高く買い取ってもらえたので結構な収入になりました。 お陰でしばらくはのんびりとした旅ができそうです。 良い依頼でしたわ~」
「それは何よりで」
軽く倒してたように見えたけど、あれって金角牛ゴルドホーンでしたよね?
人里ヒトザトになんか現れた日には、対応を間違えると一匹で街が一つ二つ滅ぶとか言われてるって噂の……
『普通は中級以上の熟練ベテランの強い冒険者たちがしっかりと編成した一団パーティーで当たるか、それなりの練度の騎士団か領軍あたりが討伐に向かって、それでなんとか倒せるかどうか~っていうレベルの魔物ね。 ちょっとした家ぐらいの大きさだから食べ甲斐はありそうなのに、肉は臭いし硬いしで全然美味しくないっていう、残念な牛なのよね。 せいぜい皮と油が取れるくらいかしら』
うわぁ…… 思ってたよりも更に一回りぐらいとんでもない魔物だったんですね。
その分、あのギラギラしたでっかい金色の角は良い値段で売れるみたいだけど…… それにしたってベルフェさんはホントに強いな。
けらけら笑いながら蹴り一発であの大きさサイズの魔物を転がしたりとか、正直ここまでとは思わなかった。
『言ったじゃない。 バラバラにされるって』
う、うん。
『流石にあれは【風纏ゲイルシフト】っていう身体強化ブースト系の魔術の効果が大きいからだけど、そもそもの自力も相当なものなのよ。 ただ、【風纏】って言うのはどちらかというと速度重視の強化魔術なんだけど、ベルフェちゃんとは特に相性が良い魔術みたいで、全体の増幅率が凄いことになっているみたい。 速さだけなら瞬間的には貴方の全力の逃げ足も超えられるんじゃないかしら?』
ほへー…… そりゃあ素直に凄いですね。
道中は控えてるみたいですが、街なんかで何日か宿に泊まったりすると毎朝毎晩鍛錬を欠かさないみたいですし、ああいうのを見てると強いのも頷けるっちゃ頷けるんだけど、見た目がほら、あの通りのお嬢様とかお姫様とかって言葉が似合いそうな、荒事なんかとは如何にも縁遠そうな美人さんなもんだから、戦ってるところを実際に目にしてみても未だに信じられない部分がありまして……
『まあ、気持ちはわからないでもないわねー』



「ガロさんガロさん。 ところでこれは何処に向かっているのですか? 日が暮れるまでにはまだ随分ありますけれど、もうこの街を出てしまいますの?」
「いやー…… 実は俺もそろそろ財布がカラになってしまいそうなので、この辺で稼いでおこうかと思いまして。 ここはせっかく商業が栄えてる街なので、久しぶりにちょっと頑張ってみようかと」
この街を出ちゃうと暫く農村ばっかりで、この先は当分トウブン大きな街が無いから稼ぎ難そうなんですよね。
『あれをやるのね? でも、ベルフェちゃんに見せちゃっても大丈夫なの?』
未だに俺のことを賢者様だとかって思い込んでるみたいですし、だからまあ、その辺にこじつけた不思議能力パワーだとか言っておけば問題無いんじゃないかと。
『なるほど。 賢者様っていう立場は便利かもしれないわね。 ふむむ……』
あっ……! 嫌ですよ? やりませんからね? 賢者って立場で接するのはベルフェさんだから仕方なくですからね?
『ちっ』
女神が舌打ちとか!
「そうでしたか。 ガロさんもお財布がピンチでしたのね。 っと…… 言っているアイダに街を出てしまいましたけれど、これからどうするのですか? ガロさんも魔物を狩ったりするわけでは…… ありませんわよね?」
街を出て、更に街道からも外れて歩いて行く俺をいくらか不審に思いながらも、ベルフェさんは周囲を警戒しながらしっかり着いてきてくれている。
「ちょっとそこの森に用事があるんですよ。 そんなに時間はかかりませんけど、ベルフェさんはどうします? ここまで来ちゃってから言うのもなんですが、街で待っててもらっても構いませんよ?」
「賢者様がどんな風にお金を稼ぐのか興味がありますし、モチロンお供させていただきますわっ」
「じゃあまあ、ぱぱっとやっちゃいますんでその辺の根っこにでも座って見ていてくださいな」
街の近くに森があって助かった。
ここならば余計な目が無くてやりやすい。
『あれはまあ…… 他人に見られると結構困った事になるかもしれないものね』


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