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カルナ村にて
その7 夫婦喧嘩≒最終戦争
しおりを挟む俺はその日、六年半の間お世話になったカルナ村から旅に出た。
ハンスやリーナちゃんを筆頭に、お隣さんで良くしてくれたノーラおばさんや鍛冶屋のおやっさん。 雑貨屋を営んでいる年齢不詳の色気過多未亡人のヒルデガルドさんに、顔見知りの若い衆と中年の面々。 果ては村長まで見送りに出てくれて、街道へと続く村の入り口は、ちょっとした騒ぎになっていた。
「本当に出て行っちまうんだな……」
「ああ。 ちょっと急ぎで済ませないといけない用事も出来ちまってな…… 一通り身の回りは片付けてすっきりしたつもりだけど、お前らの結婚式を見ることができないのだけは心残りだよ」
ハンスの言葉に苦笑して応えてやると、その傍らで顔を赤くしたリーナちゃんが瞳を潤ませていた。 しっかりとハンスの腕に手を絡ませているのを見逃す俺ではない。 幸せそうで何よりだ。
リーナちゃんはそれほど変わったようには見えないが、この二年と少しの間で、ハンスは随分と変わったように思える。 いや、リーナちゃんもだいぶ綺麗になったとは思うよ? ここのところ特に。
でも、ハンスの変わりようが、リーナちゃんに丸っきり目が行かなくなるぐらいに凄まじいのだ。
『そうよねぇ……』
以前とは明らかに身体の大きさが二つ三つどころじゃなく違っている。
腕周り首周りは言うに及ばず、胸板や腹筋は鎧みたいになっているし、背中の筋肉もゴツゴツのボッコボコで大鬼の顔みたいになってしまって、何をどう間違えたところで農村で畑を耕しているような人間の身体ではない。
正直な感想を述べるとするならば、「お前、一体何と戦うつもりなんだ?」だ。
ハンスがこうなってしまったのには明確な理由がある。
それは、一言で言ってしまうなら、十日後に迫った三組合同の結婚式にて、ついに彼自身の妻となることとなった長年の想い人。 リーナちゃんのためだ。
『愛よねー』
しかし、化け物とまでは言わないが、何故にハンスがこんなとんでもない身体に進化してしまったのか?
それは、リーナちゃんの求めた彼女の未来の旦那様となるための条件が、「自分よりも強い人」だったからである。
ハンスは、それを最初に本人から聞かされたときに小躍りした。
「楽勝じゃないか! むしろこんなこと教えてくれたってことは、もうオッケーってことなんじゃね!?」
そう言って例のバタバタした足取りで飛び出して行ったあの馬鹿は、全治三週間の怪我を貰ってそのまま真っ直ぐ送り返されてきた。
『ホントにもう……』
ホントになぁ……
リーナちゃんについては逸話がある。
それは、ハンスが大怪我を貰って帰ってきてから暫く経ったころの、ある冬の寒い朝の事だった。
群から逸れた一頭のマルタ狼が、村の中に迷い込むと言う事件が発生した。
村の周囲は一応獣避けの木柵で囲われているのだが、相手が相手であっただけに、まるで意味を成さなかったようだ。
マルタ狼と言うのは、普段は群で暮らしているのだが、単体でも熊を狩ってしまうと言われている、村の近くにあるマルタ大森林に棲む最強種に属するかなり大型の狼で、下手な魔物や魔獣よりも遥に強い。 その辺のただの村人程度では相手になんかなるはずもない、ある種の天災にも似た存在である。
普段は森の中で猪や熊なんかを狩りながら群単位で思いの外ひっそりと暮らしており、滅多なことでも無い限りは森の外に出て来ることはない為、これまでは半ば伝説か御伽噺の中の存在のようなものとして危機意識の外にあったのだが、しかし、そんなとんでもない獣が実在し、ましてやそれが実際に村の中に現れてしまっては、騒ぎにならないはずが無い。
その日、カルナ村は蜂の巣を突っついたかのような大混乱に見舞われた。
『あれは凄かったわよねー』
カルナ村を治めているナルザック領の領軍から派遣されている村の警備兵たちは、最早半分泣きながら剣や槍を手にして遠巻きに狼を包囲しようとしていたが、相手は「あの」マルタ狼である。
軽装とは言え、鉄の鎧を着込んだ大人の男が二人一度に宙を舞わされ、兵たちが唖然としている間にあっさりと包囲を食い破られて、結局は碌な抵抗も出来ぬまま、狼に悠然と村の中を散策する自由を許してしまうこととなった。
偶然か、それとも匂いか何かで知ることが出来た故なのかはわからないが、マルタ狼が向かった先にあったのは、特に多くの子供と年寄りが非難のために集められていた村の倉庫の一つだった。
それはきっと、狼からしてみれば肉のぎっしりと詰まった餌箱のようなものであったに違いない。
未来の餌に思いを馳せて、涎を垂らしながらゆっくりと倉庫に近づいていくマルタ狼と、諦念に塗り潰された瞳でそれを遠巻きに、しかし目を逸らすことが出来ずに見つめる村人たち。
しかしその時、餌箱を前にして舌なめずりをしていた彼━━彼女だったのかもしれないが━━の前にふらりと割って入った者がいた。
カルナ村に住む農家の夫婦の一人娘。 リーナちゃんである。
リーナちゃんは、まるで散歩をするかのような軽い足取りでマルタ狼に近づいて行くと、呆気にとられて止めることも助けることも出来ず、ただ見ることしか出来なくなっていた周囲の人間と、ついでにマルタ狼の視界から、やはりいつかの夜のように何の前触れも音も無く消え去った。
そして、皆が気付いたときにはマルタ狼の背中に腰掛けていた。
その姿は、どう見ても馬か驢馬にでも横乗りしているただの少女のようでしかなかったと言う。 彼女のそこそこに肉付きの良いお尻の下で沈黙を続けている生物が、おとなしく人に従順な草食動物などではなく、どう見たところで凶悪な肉食獣でしかないという、ただの一点を除いては。
マルタ狼も含め、その場の誰一人として、彼女の一連の動きを目で捉えることが出来たものはいなかった。
ありのまま今起
『それはもういいわ』
ぐぬぅ……
実に軽やかな動作でリーナちゃんがマルタ狼の背中から下りると、狼は人間の大人よりも優に二回りは大きいその巨体を大地に横たえた。
後にこれを解体した者の話によれば、首筋に真上から垂直に突き立てられた包丁が頚椎を綺麗に寸断していたそうだ。
これは人から人への伝聞の末でしかないなのだが、絶命したマルタ狼を見下ろしながら、その時、リーナちゃんは只々つまらなそうに溜息を吐いていたという。
どう言った理由からだったのかは知らないが、いつの頃からか、リーナちゃんの所業に関する事柄はマルタ村での禁忌の一つとなってしまっていて、それを表立って口にする者もおらず、彼女の日常には以降も然したる変化は見られなかった。
ただし、以前はリーナちゃんを嫁にと狙っていた若い衆が結構な数存在していたはずだったのだが、マルタ狼の一件以来、誰かが彼女にアタックしたという話を、俺は一度たりとも耳にした記憶が無い。
唯の一人の例外を除いては。
『なんというビフォアアフター』
あの娘は普通の明るい村娘さんだった筈なんだけどなぁ……
『筈なのにねぇ……』
つまり、その唯一人の例外こそがハンスだったのである。
あいつは性懲りも無くリーナちゃんに告白をし続け、負け続け、振られ続けて怪我を貰いながらもひたすら身体を鍛え続け、そしてある日、一人で森に入って行ったかと思ったら、その三日後に大きな熊を引き摺って帰ってきた。
またしても全身に大怪我を負っていたのだが、傷の手当もしないまま、たった一人で大熊を引き摺ってリーナちゃんの家の前まで行くと、衆人環視の中で「リーナちゃあああぁぁぁん!! 嫁になってくれえええぇぇぇl!! 絶対いつかお前よりも強くなってみせるからあああぁぁぁ!!」という大告白をぶちかまし、そのまま出血多量でぶっ倒れて見物人たちの手で家まで運ばれて現在に至る。
『良い感じにまとまったような話に聞こえるけれど、ハンスはまだリーナちゃんより強くなっていないのよね』
あ…… そこに突っ込んじゃいますか。
一生無理なんじゃないかなぁ。 あくまでリーナちゃんが絆されちゃった結果であって、ハンスの粘り勝ちみたいなものなんじゃないかと。
『あぁ…… やっぱり?』
まあ、そんなあれこれを感慨深く思い出したりしながら惜しみ惜しまれつつ、俺はカルナ村を後にした。
二人への結婚祝いも置いてきたことだし、まずはさっさと厄介事を片付けてしまうとしましょうか。
『お手数おかけしますね~。 今回は本当にお遣いみたいな簡単なものだけど、距離がちょっと離れてるから旅程の管理はしっかりね? 貴方の足でも気をつけて』
了解了解ー。
◆ ◆ ◆ ◆
リーナをご両親の待つ家までしっかりと送り届けてからハンスが自宅へと戻ると、最近ガタつきが激しくなっている年季の入ったテーブルの上に、一通の手紙が置いてあることに気がついた。
彼女の帰る家が未だに此処ではないことを歯痒く思ってはいるのだが、結婚式が終わるまでは実家で暮らすと言って聞かないのだからしょうがない。 自分が産まれた頃には既に家にあったと言う付き合いの長いこのテーブルも、名残惜しくはあるが彼女がやって来るまでには新しいものを用意しよう。 そんなことを考えながら、ハンスは手紙を手に取った。
「あんにゃろう、一体いつのまに忍び込んだんだ?」
こんなことをする人間は、ハンスの知る内では一人しか思い浮かばない。
出会ったばかりの頃は自分よりも背が高く、妙に落ち着いていて大人びて見えていたから、二年ばかり前に正式に親の畑を継いで実家で頑張っている実兄とのそれに近い付き合い方をしていたが、気付けば自分の方が背は高くなっていて、関係もいつの間にか一緒に馬鹿をやる友人に。
そして、ともすれば親友とでも言うべきものになっていた、あの男の事だ。
しかし正直なところ、ハンスにはそのアルフと言う男の事が解りかねるし計りかねてもいた。
その見た目こそ十人並でしかなかったが、人当たりは良いし、何をさせてもそこそこ上手い具合に状況を動かしてくれる頼れる人物だった。
確かに一緒に酒を飲んで笑って、確かに一緒に村長への愚痴を言い合って、確かに一緒に馬鹿な事をして、その結果、何度かお互いに血の気が引くような思いをしたこともあるのだが、そこには常に奇妙なずれのようなものが付き纏っていたように思えてならない。
友人か? と問われれば迷わず首肯するだろう。
親友か? と問われても恐らくそうだ。 否、絶対にそうだ。
しかし、何故だか何処かのある一線において、自分とは決定的に違うもののような、相容れないものであるような、あまりにも感覚的で表現しようのない、酷く漠然とした不安のようなものを感じさせる人物。 それがハンスにとってのアルフという名の青年だった。
全ての感情をひっくるめて結論を述べるならば、「それでも、あいつは悪い奴じゃあないし友達だ」で済む話ではあった。
だが、ハンスにとってはそれだけで十分だった。
いっそ悪人であってくれたって構いやしなかったのだ。
ただただ馬鹿なことをやったり言ったりしながら笑いあって酒を飲んで、ずっと付き合っていける友人であってさえいてくれれば。
本当にそれだけで十分だった。
手紙を開いてみると、少々癖があるように思えたが、随分とこなれた感のある字で長々と綴られた文章が目に入る。
「読み書きが出来て得はあっても損は無い」という先代の村長の気紛れな提案により、カルナ村の住人は男女を問わずハンスの四つ上の世代から、小さな頃に最低限ではあるが読み書きを教えられることになっているので、普段の生活でそれほど文字に慣れ親しんでいるわけではないが、無論、ハンスもそれなりに読めるし書ける。
本文の九行目と十行目あたりで一度手紙を破きたくなったハンスだったが、ぐっと堪えて最後まで読み進めていくと、手紙を握り締めて再び家を飛び出した。
「追伸が長えよ!!」との叫び声を上げながら。
親愛なるハンスとリーナへ
二人の結婚式を見られなかったのは本当に残念だったけれど、
いつかまた会えることを祈りながら手紙を書いておこうと思う。
まあ、なんと言うか、二人に今更俺が言うべきことなんて
特に無いんじゃないかとは思うんだが、
リーナちゃんには一つだけ憶えておいて欲しいことがある。
ハンスの奴は本当の本当に馬鹿野郎だってことだ。
あ…… あと結構気が多い。 おっと、二つになってしまった。
でもまあ、だからこそリーナちゃんがしっかり手綱を握ってさえいれば、
きっと大概の事は上手くいくだろうと思う。
結婚おめでとう。
だからどうか二人とも末永く幸せに。
追伸
マルタの森の中の俺の秘密の実験畑に二人への結婚祝いを残しておいた。
二人なら特に問題無く森の中に入ることが出来るとは思うが、
目印と判りやすい道筋を付けておいたので、それに従って進んでみてくれ。
村の北西の森に面した柵の中に、一つだけ小さく赤い印が付けてある柵がある。
そこから真っ直ぐ北に向かって森に入ると、目印と道が見えてくるはずだ。
危ない獣を避けるために少しばかり遠回りの道になってはいるが、
辿っていけばボロ小屋と小さな畑がある場所まで楽に着ける。
畑に植えてあるのは全部果物だ。
上手いこと二人の式の日にあわせて食べごろになるように作れたから、
生っているものは全部が結婚祝いだと思って受け取ってくれ。
ただし来年以降にも実を付けるかは保障できないので、
残念だが今年だけのものと思っておいたほうが良いだろうと思う。
食べるなり売るなり好きにしてくれて構わないが、
美味く出来ていると思うので、どれも一度は食べてみてくれると嬉しい。
生っている果物の中で林檎はわかると思うが、
他のものは見たことが無いかもしれないから、少し説明しておく。
まず、長細い緑色の実が房になっている木が見えるだろう。
指が沢山ある手のような見た目のそれだ。
それはそのままだとあまり美味しくはない。
料理に使えると聞いたことはあるが、俺は使い方を知らないので、
リンゴと一緒にもいでおいてから、半分ぐらいの重さのリンゴと一緒に
ボロ小屋の手前にある箱に入れてしっかり蓋を閉めて、そうだな……
二~三日ぐらい待ってみてくれ。
全体が黄色くなったら食べごろだ。周りは結構分厚い皮だが簡単に剥ける。
ちょっと他には見当たらない感じの面白い果物なので感想が訊きたかったが、
まあ、それは仕方ないと諦めよう。
リンゴと同じような感じで木に生っている尻のような形の薄赤い実は
皮ごとそのまま食べることが出来る。 しかし妙な形だよなー。
毛が生えていたりして少し変な感じがするかも知れないが害は無い。
湧き水や川の水なんかで冷やして食べるのがおすすめだ。
ただし、酷く柔らかくて弱い実だから、
ちょっと強く掴んだりするだけで傷んでしまうから気をつけろ。
棒に絡まって生えてるやつは、粒が随分大きく思えるだろうが苺だ。
今はまだ白っぽいかもしれないが、何日かすれば真っ赤になる。
甘みが強いからジャムにするよりもそのまま食べたほうが美味いと思う。
最後に、
畑に転がってる人の頭ぐらいの大きさの薄緑色の丸いやつはとっておきだ。
皮が厚くて剥けないから大き目の包丁か鉈なんかで四つぐらいに割って
スプーンでくり貫きながら食べることをおすすめする。
豪快に齧り付くのも良いが、顔がべたべたになるから自己責任で。
阿呆みたいに甘いから腰を抜かすが良い。 フハハハハ!!
「おもしろい形だけど凄く良い香りで甘くて美味しい。 リンゴもこんなに甘くて瑞々しくて…… こんなの食べたことないよ。 森の中にこんな畑を作ってただなんて全然知らなかった…… アルフさん凄いなぁ」
「美味え…… 甘えなぁ…… 美味えよアルフ。 一体いつの間にこんなもん作ってたんだかわかりゃしねえけど、ありがとう。 ありがとうな」
「……うん。 うん。 いつか、また会えると良いね」
「ああ…… いつか。 いつかまたな……」
『先生、オチが欲しいです』
「急にどうしたんですか? 女神様」
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