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エピローグ
406話 墓参り 其の3
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「総帥の墓碑はまっすぐ進んだ先、突き当りを左に曲がった端です」
「ありがとう」
「では、我々は入り口でお待ちしております。何かありましたら遠慮なく連絡ください」
首都から車で約1時間ほど離れた片田舎。その一角にそびえる山間の森林に目的の場所はあった。ルミナがどうしても来たかった場所。一族が、祖母が眠る墓所。車を降り、伊佐凪竜一を伴うルミナの背をマリンとアクアは見送った。
「随分と口が軽いようですね?」
鳥の囀りと吹き抜ける風、木の葉が揺れる音が響く静寂にアクアの窘める声が混じる。
「いやいや、君ほどではないよ」
「あら。では2人して、という訳ね」
それとなく反論するマリンに、アクアは悪びれる様子もない。ルミナが伊佐凪竜一を伴いアゼルに極秘来訪するという情報を流したのは他ならぬこの2人だった。
「2人と接点を持つと思わせるだけでも他に対し十二分なアドバンテージになる。だがそれよりも、この星が旗艦や他とは違ってずっと味方だったと知ればもしやと思ったのだが」
「えぇ。タナトスの影響もあるでしょうけど、やはり今は説得しても無駄でしょうね。気持ちが変わるような何か、例えば伊佐凪竜一が説得するとか、彼の為という理由なら」
「だな。彼女には是非とも総帥に、と考えていたのだが。そもそも僕が暫定の総帥に就いたのも君が蹴ったからだし。だけど、ねぇ」
「納得しない者の方が多いでしょうね。功績、能力、血筋その他諸々を総合したら私達の誰も勝てやしないんだけど」
ルミナを新たな総帥に据えたい、それが2人の思惑。意図的に情報を外部に流した理由も外堀を埋める1つ。しかし、マリンとアクアが理解した。彼女の決意は固い。そして、伊佐凪竜一絡みでなければ動きそうにない。
「となれば、暫くはこのままでいいか。寧ろ、旗艦に居て貰った方が良いだろうし」
「正確には……と、その前に一旦引き上げましょうか」
「おいおい。この後は会食もあるし、宿泊先にまで直接案内したいのだけどなぁ。最高級ホテルの最上階だぞ。各惑星の代表クラスでなければ宿泊できない……」
「いいから帰りますよ。後はセラフと軍に案内させればそれで充分です」
「なんで。ってあぁ、そう言う。僕とした事が、しかし君は随分と気が回るねぇ。では後は若い2人に任せて、僕等はお暇させて貰おうか」
墓所の奥に仲睦まじく消え行く2人の様子に何かを察したマリンは妹に同調、セラフと軍に連絡後、踵を返した。が、その足が直ぐに止まる。彼の端末に何者かから連絡が入った。通信の向こう側に映るのはスーツ姿の女。
「随分とお早いようですが、考えは決まりましたか?」
両者の反応は対局的。アクアは呆然自失とする一方、マリンはにこやかな笑みを向けた。
「はい。提案、受けようかと思います。ただ……」
「ただ?」
「出来ればこの場所から離れたくはないのと、戦闘訓練は引き続き継続したい。以上の条件を受け入れて頂けるならば」
「勿論、その程度ならば構いませんよ。かく言う私も実は格闘技を嗜んでおりましてね。失礼、では契約成立と言う事で宜しいか?」
「あの、本当に良いのですか?私の経歴は知っているでしょう?」
映像に映る女の顔が僅かに曇った。また、アクアの顔も同じく。常識的に考えれば有り得ないと、遠く離れた2人の女の思考が一致する。
「過去の罪。確かに相当以上に重いのは承知しておりますが、しかし贖罪の意志がおありだ。その意志と貴女の能力を私達一族は高く評価しています」
「裏切る心配はしておられないのですか?」
「実は旗艦にいて貰おうと言う提案、貴女がしなければ此方から行う予定でした。その場所ならばおいそれと不穏な行動もとらないでしょうし、何より意中の男性もいますからね」
「あらぬ噂を真に受けるなんて、ザルヴァートル一族の頂点ともあろう方がなさる事ではないでしょう?」
「こう見えても私は女性の視線には敏感なつもりですが、しかし断固として違うとおっしゃるならば勘違いと言う事にしておきましょう。では諸々は日を改めて連絡させて頂きますよ、白川水希」
「お待ちしております」
無味乾燥、淡々としたやり取りは速やかに終わりを告げた。連絡を寄越した白川水希は必要な事だけを確認すると、それ以上の会話は不要とばかりに通信を一方的に切断した。だがそんなにべもない対応を受けたにも関わらず、マリンは満面の笑みを浮かべる。
「随分と性急に事を運びますね?いい加減な理由では無いと思いますが、はっきりお聞きしたいですね?」
何時までもにやけている兄にアクアが冷や水を浴びせると、マリンは失敬とばかりに何時もの精悍な顔つきへと戻した。
が、思う以上の成果に口の端から笑みが零れ続ける。妹はそんな兄の顔に軽く溜息を吐いた。マリン=ザルヴァートル。妙齢でありながらも独身を貫く男は所謂恋多き男であり、今までも幾人の女性と浮名を流してきた。
しかしそうは言っても一族の教義を色濃く受け継いでおり、自らに相応しいと思う相手でなければ食指さえ動かさない。条件は単純明快、一族に相応しい高い能力を持つか否か。逆説的に、どれだけ魅力的な容姿であろうとも能力が無ければ歯牙にもかけない。彼との逢瀬を望みながら、能力を理由に袖にされた女性の数は少なくない。
アクアは、そんなだらしないのかそうでないのか未だ測りかねる兄の意志を確認したかったようだ。白川水希は控えめに見てもマリンを動かすには十二分。能力は勿論、容姿についてもだ。
心配、という訳ではない。自身の考え同じだったとしても直接確認せねば気が済まない。認識齟齬を無くす為、例えどれだけ言い辛くとも互いの意見をはっきりと伝える教義に則り、アクアは兄に詰め寄る。
「あれ程の逸材、他の誰かに取られては一族の名折れだよ」
「それは理解していますけど、でもそれだけ?絶対に違うでしょ?」
「まぁ、ね。彼女は否定したが、その程度は承知の上さ。随分と強かだが、我が一族に相応しい強さだよ」
「やっぱり伊佐凪竜一との接点ですか。とは言え、その関係性があったとしてもこのタイミングでの勧誘はないでしょ?」
「普通ならばね。地球最大の企業"清雅"ナンバー2として神魔戦役に参加した贖罪の為、旗艦アマテラスに移送されて以降もその辣腕で元清雅社員達を纏め上げ、特兵研との橋渡しを行いながら幾つもの兵装の小型化を推し進める。並レベルの人材では付いて行けない環境の変化に即応する能力。その根源にあるのは彼の存在と判断した僕の見立てに間違いはない。彼女は彼を忘れられないよ。例え、彼が忘れたとしてもね」
「でもそんな人材、よく簡単に旗艦が手放したわね?」
「関宗太郎と言う地球の政治家の働きかけが大きかったようだ。その彼にも是非一族に加わって欲しかったのだが、残念ながら袖にされたよ」
「ふぅん。ねぇ、旗艦も同じ事を考えてるんじゃない?」
「だろうね。旗艦は一刻も早い復興の為に財団との強固な信頼関係を、僕達は銀河系外への足がかりに旗艦との関係を強化したい。何が待つか分からない外宇宙に出向する為には、邪神を打ち破った英雄の強さと胆力は必要不可欠だ」
「ええ、でもその前に」
「勿論、忘れてはいないよ。原初人類達との戦いと、その後に襲来する次の絶望に対応出来なければ宇宙は滅びる。だというのに何れ来るなんて濁した表現をするに、創造主や女王ですら"その時が何時か測りかねている"のだろう。多分、時間の流れが違う。何せ100億という膨大な時間を経て尚、姿を見せていないんだ。他の可能性もあるだろうけど、何れにせよ猶予を黙って見ている訳にもいくまい。一族の教義を遍く宇宙に。だがその前に旗艦の復興を完璧に終わらせる」
「えぇ。それが結果として一番早いでしょうから。英雄達と行動を共にすれば遠い夢ではなくなるでしょう。では、復興準備を急がせますか。後……分かってると思いますけど、こんな状況で彼女に手ェ出したら本気で怒りますからね?」
「ちょ、そこは安心してくれよぉ。少なくとも今はそんな腑抜けた真似をしていい状況では無い位は僕も理解しているよ。君のステキなお兄様だよ?もっと信頼してくれよ?」
「呆れるわ。だったらさっさと身を固めてよね」
「ハハハ。それはまぁ追々と言う事で。だが選択は間違えないよ、一族悲願の為にもね」
仲が良いのか悪いのかイマイチ判然としない兄妹だったが、腹の底を確認し合い、互いに納得すると車へと乗り込み、入口を警護していた軍の一部を伴い引き上げていった。
「ありがとう」
「では、我々は入り口でお待ちしております。何かありましたら遠慮なく連絡ください」
首都から車で約1時間ほど離れた片田舎。その一角にそびえる山間の森林に目的の場所はあった。ルミナがどうしても来たかった場所。一族が、祖母が眠る墓所。車を降り、伊佐凪竜一を伴うルミナの背をマリンとアクアは見送った。
「随分と口が軽いようですね?」
鳥の囀りと吹き抜ける風、木の葉が揺れる音が響く静寂にアクアの窘める声が混じる。
「いやいや、君ほどではないよ」
「あら。では2人して、という訳ね」
それとなく反論するマリンに、アクアは悪びれる様子もない。ルミナが伊佐凪竜一を伴いアゼルに極秘来訪するという情報を流したのは他ならぬこの2人だった。
「2人と接点を持つと思わせるだけでも他に対し十二分なアドバンテージになる。だがそれよりも、この星が旗艦や他とは違ってずっと味方だったと知ればもしやと思ったのだが」
「えぇ。タナトスの影響もあるでしょうけど、やはり今は説得しても無駄でしょうね。気持ちが変わるような何か、例えば伊佐凪竜一が説得するとか、彼の為という理由なら」
「だな。彼女には是非とも総帥に、と考えていたのだが。そもそも僕が暫定の総帥に就いたのも君が蹴ったからだし。だけど、ねぇ」
「納得しない者の方が多いでしょうね。功績、能力、血筋その他諸々を総合したら私達の誰も勝てやしないんだけど」
ルミナを新たな総帥に据えたい、それが2人の思惑。意図的に情報を外部に流した理由も外堀を埋める1つ。しかし、マリンとアクアが理解した。彼女の決意は固い。そして、伊佐凪竜一絡みでなければ動きそうにない。
「となれば、暫くはこのままでいいか。寧ろ、旗艦に居て貰った方が良いだろうし」
「正確には……と、その前に一旦引き上げましょうか」
「おいおい。この後は会食もあるし、宿泊先にまで直接案内したいのだけどなぁ。最高級ホテルの最上階だぞ。各惑星の代表クラスでなければ宿泊できない……」
「いいから帰りますよ。後はセラフと軍に案内させればそれで充分です」
「なんで。ってあぁ、そう言う。僕とした事が、しかし君は随分と気が回るねぇ。では後は若い2人に任せて、僕等はお暇させて貰おうか」
墓所の奥に仲睦まじく消え行く2人の様子に何かを察したマリンは妹に同調、セラフと軍に連絡後、踵を返した。が、その足が直ぐに止まる。彼の端末に何者かから連絡が入った。通信の向こう側に映るのはスーツ姿の女。
「随分とお早いようですが、考えは決まりましたか?」
両者の反応は対局的。アクアは呆然自失とする一方、マリンはにこやかな笑みを向けた。
「はい。提案、受けようかと思います。ただ……」
「ただ?」
「出来ればこの場所から離れたくはないのと、戦闘訓練は引き続き継続したい。以上の条件を受け入れて頂けるならば」
「勿論、その程度ならば構いませんよ。かく言う私も実は格闘技を嗜んでおりましてね。失礼、では契約成立と言う事で宜しいか?」
「あの、本当に良いのですか?私の経歴は知っているでしょう?」
映像に映る女の顔が僅かに曇った。また、アクアの顔も同じく。常識的に考えれば有り得ないと、遠く離れた2人の女の思考が一致する。
「過去の罪。確かに相当以上に重いのは承知しておりますが、しかし贖罪の意志がおありだ。その意志と貴女の能力を私達一族は高く評価しています」
「裏切る心配はしておられないのですか?」
「実は旗艦にいて貰おうと言う提案、貴女がしなければ此方から行う予定でした。その場所ならばおいそれと不穏な行動もとらないでしょうし、何より意中の男性もいますからね」
「あらぬ噂を真に受けるなんて、ザルヴァートル一族の頂点ともあろう方がなさる事ではないでしょう?」
「こう見えても私は女性の視線には敏感なつもりですが、しかし断固として違うとおっしゃるならば勘違いと言う事にしておきましょう。では諸々は日を改めて連絡させて頂きますよ、白川水希」
「お待ちしております」
無味乾燥、淡々としたやり取りは速やかに終わりを告げた。連絡を寄越した白川水希は必要な事だけを確認すると、それ以上の会話は不要とばかりに通信を一方的に切断した。だがそんなにべもない対応を受けたにも関わらず、マリンは満面の笑みを浮かべる。
「随分と性急に事を運びますね?いい加減な理由では無いと思いますが、はっきりお聞きしたいですね?」
何時までもにやけている兄にアクアが冷や水を浴びせると、マリンは失敬とばかりに何時もの精悍な顔つきへと戻した。
が、思う以上の成果に口の端から笑みが零れ続ける。妹はそんな兄の顔に軽く溜息を吐いた。マリン=ザルヴァートル。妙齢でありながらも独身を貫く男は所謂恋多き男であり、今までも幾人の女性と浮名を流してきた。
しかしそうは言っても一族の教義を色濃く受け継いでおり、自らに相応しいと思う相手でなければ食指さえ動かさない。条件は単純明快、一族に相応しい高い能力を持つか否か。逆説的に、どれだけ魅力的な容姿であろうとも能力が無ければ歯牙にもかけない。彼との逢瀬を望みながら、能力を理由に袖にされた女性の数は少なくない。
アクアは、そんなだらしないのかそうでないのか未だ測りかねる兄の意志を確認したかったようだ。白川水希は控えめに見てもマリンを動かすには十二分。能力は勿論、容姿についてもだ。
心配、という訳ではない。自身の考え同じだったとしても直接確認せねば気が済まない。認識齟齬を無くす為、例えどれだけ言い辛くとも互いの意見をはっきりと伝える教義に則り、アクアは兄に詰め寄る。
「あれ程の逸材、他の誰かに取られては一族の名折れだよ」
「それは理解していますけど、でもそれだけ?絶対に違うでしょ?」
「まぁ、ね。彼女は否定したが、その程度は承知の上さ。随分と強かだが、我が一族に相応しい強さだよ」
「やっぱり伊佐凪竜一との接点ですか。とは言え、その関係性があったとしてもこのタイミングでの勧誘はないでしょ?」
「普通ならばね。地球最大の企業"清雅"ナンバー2として神魔戦役に参加した贖罪の為、旗艦アマテラスに移送されて以降もその辣腕で元清雅社員達を纏め上げ、特兵研との橋渡しを行いながら幾つもの兵装の小型化を推し進める。並レベルの人材では付いて行けない環境の変化に即応する能力。その根源にあるのは彼の存在と判断した僕の見立てに間違いはない。彼女は彼を忘れられないよ。例え、彼が忘れたとしてもね」
「でもそんな人材、よく簡単に旗艦が手放したわね?」
「関宗太郎と言う地球の政治家の働きかけが大きかったようだ。その彼にも是非一族に加わって欲しかったのだが、残念ながら袖にされたよ」
「ふぅん。ねぇ、旗艦も同じ事を考えてるんじゃない?」
「だろうね。旗艦は一刻も早い復興の為に財団との強固な信頼関係を、僕達は銀河系外への足がかりに旗艦との関係を強化したい。何が待つか分からない外宇宙に出向する為には、邪神を打ち破った英雄の強さと胆力は必要不可欠だ」
「ええ、でもその前に」
「勿論、忘れてはいないよ。原初人類達との戦いと、その後に襲来する次の絶望に対応出来なければ宇宙は滅びる。だというのに何れ来るなんて濁した表現をするに、創造主や女王ですら"その時が何時か測りかねている"のだろう。多分、時間の流れが違う。何せ100億という膨大な時間を経て尚、姿を見せていないんだ。他の可能性もあるだろうけど、何れにせよ猶予を黙って見ている訳にもいくまい。一族の教義を遍く宇宙に。だがその前に旗艦の復興を完璧に終わらせる」
「えぇ。それが結果として一番早いでしょうから。英雄達と行動を共にすれば遠い夢ではなくなるでしょう。では、復興準備を急がせますか。後……分かってると思いますけど、こんな状況で彼女に手ェ出したら本気で怒りますからね?」
「ちょ、そこは安心してくれよぉ。少なくとも今はそんな腑抜けた真似をしていい状況では無い位は僕も理解しているよ。君のステキなお兄様だよ?もっと信頼してくれよ?」
「呆れるわ。だったらさっさと身を固めてよね」
「ハハハ。それはまぁ追々と言う事で。だが選択は間違えないよ、一族悲願の為にもね」
仲が良いのか悪いのかイマイチ判然としない兄妹だったが、腹の底を確認し合い、互いに納得すると車へと乗り込み、入口を警護していた軍の一部を伴い引き上げていった。
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