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第7章 平穏は遥か遠く
265話 明らかになる目的 其の4
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「どうかされましたか?」
イスルギの変化に気付いた医者が不思議そうな顔で覗き込もうが彼は何らの反応も返さずただ無精髭をさすり続け、それはタガミとクシナダが同じ行動を取ろうが変わらず。微動だにせず、ただ何かを思案する仕草は何時までも続くかに思えたが……
「オイ、誰でも良いがココ十数年の間に本星で小規模の都市が壊滅する様な事件か事故か災害が起きた記憶、有るか?」
相変わらず顔も仕草も変えないまま、不意にそう零した。誰もが面食らう。一惑星の事故を事細かに覚えるなど余程優秀な人間であっても困難を極め、ましてや仕事に忙殺されるスサノヲにそんな余裕は無い。ソレが仕事に関係するならばまだしも、だ。
「あぁ……えーと。いや、あったかオイ?」
「私は、ちょっと覚えてないわ。余程規模が大きくて救助とかに駆り出されたら話は別だけど」
「そうか。ワシも昔の記憶を穿り返しておるんだがさっぱり思い出せなくてなァ」
当然、タガミもクシナダも困惑する。さながら洪水の如く流れる無数の情報の中から特定の事故の記憶を思い出せと言われても不可能に近い。2人の回答は当然、無言。
「どうした、先生よ?何かあったか?」
誰も語らず頭を抱える中、イスルギの声が木霊した。声の先、椅子に腰を下ろす医者の男は周囲に浮かぶディスプレイも、映し出される守護者達の状態にもまるで関心ないと言った様子で何かを考えている。先程と立場は逆転、無反応を貫く姿勢に彼は堪らず顔を覗き込む。が、やはり反応はなく、口は固く結ばれたまま。そのまま暫し時間は流れたが……
「守護者の方、総代補佐の年齢は?」
思い出したかの様に、医者が守護者に尋ねた。
「……フタゴミカボシ換算で、24だ」
「あぁ、そうですか」
「何々?」
「もしかして心当たりあったりしちゃうのかい?」
試案の末に尋ねた意味不明なやり取りに何かを期待するタガミとクシナダが興味津々の反応に男は"1件だけ"と返した。途端、2人の顔が破顔した。が、医者はこう前置きした。但し、と。
「但し?ナニ?」
「別の惑星です」
医者が語り終える頃には興味津々だったクシナダの表情は落胆一色に染まっていた。
「なーんだぁ、びっくりさせないでよ」
「オイオイオイ、なら無関係だろ?」
正にぬか喜び。圧倒的優勢の最中に起きたオレステスの凶行は守護者達が築いた盤石の体制に少なからぬ亀裂を入れた。事実、こうして元守護者達から情報を引き出せているのだ。だからこそ気になっている。どうしてあの場で同士討ちをしたのか。
私には感じないが、クシナダは直感的に感じ取っている。あの件がとても大きな何かに繋がっていると、そう直感している……のだけど、医者が語ったのは明らかにオレステスとは別件。フタゴミカボシではない別の惑星の事件と聞いたクシナダの落胆は一入で、大きな溜め息と共に椅子に体重を預けた。ギシ、と椅子が軋む音に落胆を含む吐息が混じる。
「ともかく話を聞いて下さい」
医者はそんなクシナダを慰めつつ……
「彼の話が真実だとして、そのオレステスと言う男が幼少時に経験した故郷を失う程度の何かが起きた言う情報と彼の年齢から大凡18年から10年前までに絞ったんですが、小規模都市が全滅するレベルの案件は連合全体でその1件だけです。こう見えても記憶力は確かでして、間違いありません」
ゆっくりと彼女を上げた医者はそう断言した。彼がこの手の情報を知っているのはある意味で当然。小規模都市が壊滅するレベルの事故、事件発生すれば旗艦の医療機関にも伝わり、必要ならば出動もするからだ。また、その際のデータは連合全体で共有管理され、同様の事態が起きた際の参考にされる。
「先生よ。その事故ってもしかしてアレか、レイディアントで起きたヤツ?」
イスルギが口にしたのは連合に準同盟という形で加入する惑星の1つ。文明レベル、取り分け兵器関連の技術が高いのだが、長らく続いた戦争により人口が激減、情勢と治安の悪化を起因とする国力低下の連鎖から抜け出せないという悲惨な惑星だ。
「えぇ。流石にご存知でしたか」
「あぁ、寧ろワシ等の世代には忘れられんからな」
「どんな事故だったんです?」
僅か前まで見せていた落胆は何処へやら、気を持ち直したクシナダがイスルギに食いついた。
「ソイツがな……当時の姫君が婚姻の儀を無事に終え各地を外遊していた時に起きた……不幸な出来事とでもいうべきか」
「不幸?話を聞いててもイマイチ要領を得ねぇなぁ」
「しかし、あの言い出しっぺが言うのもなんですが、その話が本当だとするとオレステスは出身を偽ってるって事になりませんか?」
何の気なしに医者は呟き、直後に"違いますよね"と、打ち消した。彼が即座に気付いた通り、守護者という極めて重要な職に就くに当たり出身惑星を偽る事などあり得ない。
「確かに。幾ら有能でも問答無用で落とされるから普通は隠さないよねぇ、普通はネ」
「あぁ。偽るって事ァ、何か隠したい事があるって言ってるようなモンだ」
一見すれば無関係に見える事象は、しかし少しずつオレステスの本質へと近づく。守護者への特段に厳しい条件は付けられていない。なろうと思えば誰にでもなれる、広く門戸を開く事で幅広く且つ優秀な人材を確保するのが守護者のやり方は、極めて優秀且つ特殊な生まれの人材に惜しみない時間と労力と資材を注ぎ込み集中的に育成する旗艦アマテラスのやり方とは真っ向から対立する。
が、限度はある。反社会的勢力との繋がりがある人材は勿論、軽重に寄らず犯歴のある人物も守護者への門戸を潜れない。出身を偽る行為は経歴詐称、立派な犯罪だ。
「こんな状況だと逆に怪しいよな。って事で2人して納得してねぇで俺達にも教えてくれよ」
「あぁ、すみません。今から16年ほど前にレイディアントで大規模な疫病が発生しまして」
「ウム。しかもそのタイミングが丁度、当代姫君の外遊中に重なった。口さがない連中は姫君を狙ったテロだの何だのと騒ぎ立てたが、結局原因は分からずじまいじゃ。なぁ先生?」
「はい。集積された情報によれば、突如発生した疫病の元凶となったウィルスは完全に根絶された、レイディアント保健機関が根絶宣言を出したモノだったのですが、結局しぶとく生き残っていたと結論されました。とは言っても事が事だけに当然バイオテロも視野に入れた捜査が行わたのですが、イスルギさんの言う通りに原因はやはり不明。しかし当時の連合はその口さがない噂に心を痛めた姫君の精神状況を鑑み、相当以上の補填をレイディアントに支払ったそうです」
「そうじゃ。その金額も桁違いでな、逆にテロの疑いを強めてしまったとワシ等も不思議に思ったもんだ。アマテラスオオカミも異を唱えたそうだが、しかし当時の姫の意志は固くてな。頑として意見を変えなかったらしい。さて、長くなりそうだから一旦切り上げよう。守護者の兄ちゃん。次はワシの質問に答えて貰おうか。率直に聞く、幸運の星とは一体なんだ?」
クシナダの質問を気に掛けつつも、イスルギは全ての核心であろう質問をぶつけた。4人の視線が一斉に守護者に向かう。
一応ではあるが彼等もフォルトゥナ=デウス・マキナに継承された幸運の星の正体についてはある程度予測を立てている。幸か不幸かこの騒動に巻き込まれたアックス=G・ノーストと言う男がもたらした情報は果たして正しいのか。
「まさか、知らない何て言わないわよね?」
「俺達スサノヲにすら秘匿されるってんだから相当以上の切り札の筈だろ?だろ?」
「全ての問題はその幸運の星という力だと考えておる。連合を束ね、安寧を維持し続ける謎の力、先ずはその正体を知らねばな。で、どうなんだ?知っているのか知らないのか?」
3人は全員が仲良く守護者に圧を掛けた。体調が良くないとか、非人道的とか、そんな事など微塵も頭に無い。長かった。漸く、話の核心へと至ることが出来ると、3人共に固唾を飲む。
「知っている……が……俺達も信じられんのだ。もし、もし姫の力が総代の説明通りならば……」
「その能力を全て使えば未来に起こり得る事象を正確に予測し得るって言うウチの神様と同じ力って情報しか知らないんだけど、そんなに出鱈目なの?」
「あぁ、姫の力は……確率と事象の操作……お前達の神である、アマテラスオオカミですら……神さえ匙を投げたその力は……要約すれば"姫が望めばなんでも叶うし変えられる"だ」
その言葉に、全員が唖然とした。
イスルギの変化に気付いた医者が不思議そうな顔で覗き込もうが彼は何らの反応も返さずただ無精髭をさすり続け、それはタガミとクシナダが同じ行動を取ろうが変わらず。微動だにせず、ただ何かを思案する仕草は何時までも続くかに思えたが……
「オイ、誰でも良いがココ十数年の間に本星で小規模の都市が壊滅する様な事件か事故か災害が起きた記憶、有るか?」
相変わらず顔も仕草も変えないまま、不意にそう零した。誰もが面食らう。一惑星の事故を事細かに覚えるなど余程優秀な人間であっても困難を極め、ましてや仕事に忙殺されるスサノヲにそんな余裕は無い。ソレが仕事に関係するならばまだしも、だ。
「あぁ……えーと。いや、あったかオイ?」
「私は、ちょっと覚えてないわ。余程規模が大きくて救助とかに駆り出されたら話は別だけど」
「そうか。ワシも昔の記憶を穿り返しておるんだがさっぱり思い出せなくてなァ」
当然、タガミもクシナダも困惑する。さながら洪水の如く流れる無数の情報の中から特定の事故の記憶を思い出せと言われても不可能に近い。2人の回答は当然、無言。
「どうした、先生よ?何かあったか?」
誰も語らず頭を抱える中、イスルギの声が木霊した。声の先、椅子に腰を下ろす医者の男は周囲に浮かぶディスプレイも、映し出される守護者達の状態にもまるで関心ないと言った様子で何かを考えている。先程と立場は逆転、無反応を貫く姿勢に彼は堪らず顔を覗き込む。が、やはり反応はなく、口は固く結ばれたまま。そのまま暫し時間は流れたが……
「守護者の方、総代補佐の年齢は?」
思い出したかの様に、医者が守護者に尋ねた。
「……フタゴミカボシ換算で、24だ」
「あぁ、そうですか」
「何々?」
「もしかして心当たりあったりしちゃうのかい?」
試案の末に尋ねた意味不明なやり取りに何かを期待するタガミとクシナダが興味津々の反応に男は"1件だけ"と返した。途端、2人の顔が破顔した。が、医者はこう前置きした。但し、と。
「但し?ナニ?」
「別の惑星です」
医者が語り終える頃には興味津々だったクシナダの表情は落胆一色に染まっていた。
「なーんだぁ、びっくりさせないでよ」
「オイオイオイ、なら無関係だろ?」
正にぬか喜び。圧倒的優勢の最中に起きたオレステスの凶行は守護者達が築いた盤石の体制に少なからぬ亀裂を入れた。事実、こうして元守護者達から情報を引き出せているのだ。だからこそ気になっている。どうしてあの場で同士討ちをしたのか。
私には感じないが、クシナダは直感的に感じ取っている。あの件がとても大きな何かに繋がっていると、そう直感している……のだけど、医者が語ったのは明らかにオレステスとは別件。フタゴミカボシではない別の惑星の事件と聞いたクシナダの落胆は一入で、大きな溜め息と共に椅子に体重を預けた。ギシ、と椅子が軋む音に落胆を含む吐息が混じる。
「ともかく話を聞いて下さい」
医者はそんなクシナダを慰めつつ……
「彼の話が真実だとして、そのオレステスと言う男が幼少時に経験した故郷を失う程度の何かが起きた言う情報と彼の年齢から大凡18年から10年前までに絞ったんですが、小規模都市が全滅するレベルの案件は連合全体でその1件だけです。こう見えても記憶力は確かでして、間違いありません」
ゆっくりと彼女を上げた医者はそう断言した。彼がこの手の情報を知っているのはある意味で当然。小規模都市が壊滅するレベルの事故、事件発生すれば旗艦の医療機関にも伝わり、必要ならば出動もするからだ。また、その際のデータは連合全体で共有管理され、同様の事態が起きた際の参考にされる。
「先生よ。その事故ってもしかしてアレか、レイディアントで起きたヤツ?」
イスルギが口にしたのは連合に準同盟という形で加入する惑星の1つ。文明レベル、取り分け兵器関連の技術が高いのだが、長らく続いた戦争により人口が激減、情勢と治安の悪化を起因とする国力低下の連鎖から抜け出せないという悲惨な惑星だ。
「えぇ。流石にご存知でしたか」
「あぁ、寧ろワシ等の世代には忘れられんからな」
「どんな事故だったんです?」
僅か前まで見せていた落胆は何処へやら、気を持ち直したクシナダがイスルギに食いついた。
「ソイツがな……当時の姫君が婚姻の儀を無事に終え各地を外遊していた時に起きた……不幸な出来事とでもいうべきか」
「不幸?話を聞いててもイマイチ要領を得ねぇなぁ」
「しかし、あの言い出しっぺが言うのもなんですが、その話が本当だとするとオレステスは出身を偽ってるって事になりませんか?」
何の気なしに医者は呟き、直後に"違いますよね"と、打ち消した。彼が即座に気付いた通り、守護者という極めて重要な職に就くに当たり出身惑星を偽る事などあり得ない。
「確かに。幾ら有能でも問答無用で落とされるから普通は隠さないよねぇ、普通はネ」
「あぁ。偽るって事ァ、何か隠したい事があるって言ってるようなモンだ」
一見すれば無関係に見える事象は、しかし少しずつオレステスの本質へと近づく。守護者への特段に厳しい条件は付けられていない。なろうと思えば誰にでもなれる、広く門戸を開く事で幅広く且つ優秀な人材を確保するのが守護者のやり方は、極めて優秀且つ特殊な生まれの人材に惜しみない時間と労力と資材を注ぎ込み集中的に育成する旗艦アマテラスのやり方とは真っ向から対立する。
が、限度はある。反社会的勢力との繋がりがある人材は勿論、軽重に寄らず犯歴のある人物も守護者への門戸を潜れない。出身を偽る行為は経歴詐称、立派な犯罪だ。
「こんな状況だと逆に怪しいよな。って事で2人して納得してねぇで俺達にも教えてくれよ」
「あぁ、すみません。今から16年ほど前にレイディアントで大規模な疫病が発生しまして」
「ウム。しかもそのタイミングが丁度、当代姫君の外遊中に重なった。口さがない連中は姫君を狙ったテロだの何だのと騒ぎ立てたが、結局原因は分からずじまいじゃ。なぁ先生?」
「はい。集積された情報によれば、突如発生した疫病の元凶となったウィルスは完全に根絶された、レイディアント保健機関が根絶宣言を出したモノだったのですが、結局しぶとく生き残っていたと結論されました。とは言っても事が事だけに当然バイオテロも視野に入れた捜査が行わたのですが、イスルギさんの言う通りに原因はやはり不明。しかし当時の連合はその口さがない噂に心を痛めた姫君の精神状況を鑑み、相当以上の補填をレイディアントに支払ったそうです」
「そうじゃ。その金額も桁違いでな、逆にテロの疑いを強めてしまったとワシ等も不思議に思ったもんだ。アマテラスオオカミも異を唱えたそうだが、しかし当時の姫の意志は固くてな。頑として意見を変えなかったらしい。さて、長くなりそうだから一旦切り上げよう。守護者の兄ちゃん。次はワシの質問に答えて貰おうか。率直に聞く、幸運の星とは一体なんだ?」
クシナダの質問を気に掛けつつも、イスルギは全ての核心であろう質問をぶつけた。4人の視線が一斉に守護者に向かう。
一応ではあるが彼等もフォルトゥナ=デウス・マキナに継承された幸運の星の正体についてはある程度予測を立てている。幸か不幸かこの騒動に巻き込まれたアックス=G・ノーストと言う男がもたらした情報は果たして正しいのか。
「まさか、知らない何て言わないわよね?」
「俺達スサノヲにすら秘匿されるってんだから相当以上の切り札の筈だろ?だろ?」
「全ての問題はその幸運の星という力だと考えておる。連合を束ね、安寧を維持し続ける謎の力、先ずはその正体を知らねばな。で、どうなんだ?知っているのか知らないのか?」
3人は全員が仲良く守護者に圧を掛けた。体調が良くないとか、非人道的とか、そんな事など微塵も頭に無い。長かった。漸く、話の核心へと至ることが出来ると、3人共に固唾を飲む。
「知っている……が……俺達も信じられんのだ。もし、もし姫の力が総代の説明通りならば……」
「その能力を全て使えば未来に起こり得る事象を正確に予測し得るって言うウチの神様と同じ力って情報しか知らないんだけど、そんなに出鱈目なの?」
「あぁ、姫の力は……確率と事象の操作……お前達の神である、アマテラスオオカミですら……神さえ匙を投げたその力は……要約すれば"姫が望めばなんでも叶うし変えられる"だ」
その言葉に、全員が唖然とした。
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