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第5章 聞こえるほど近く、触れないほど遠い
141話 光芒一閃 其の3
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「では参りましょうか。アルゲース、足止め感謝します」
「一々感謝するな、ステロペース。じゃあ俺は別件があるので失礼させて貰う」
サルタヒコはぶっきらぼうに言い捨てると足早にその場を後にした。一体何がどうなっている?2人で戦うのではなかったのか?武器をしまい背中を向ける男の背中を追うルミナとタケルの視線はそう物語る。
私も同感だ。敵は一体何を考えてこんな真似をしているのかサッパリ分からない。ルミナを亡き者にしたかったから戦いを仕掛け、守護者をあらゆる制限から解放するコード・ケラウロスを使い彼女の行動を制限したのではないのか?ならば一体何を目的にしているのだ。より確実な勝利、ルミナの殺害が目的ならばサルタヒコが引き上げるのは余りにも道理から外れている。
「この茶番はお前の個人的な事情か?」
「さて、想像にお任せしますよ」
ルミナの問いに対する黒雷を操縦するステロペースと呼ばれた男の返答には抑揚が一切ない。が、そうであるが故に淡々と冷徹に目的を遂行する意志を感じる。ただ、ソレが何か全く分からないのが堪らなく癪に障る。
「お前もザルヴァートルだな?」
「知る意味などありませんよ。では参ります」
黒雷は何の躊躇いも無くルミナ目掛け巨大な刃を振り下ろした。
――ドンッ
周囲を震わせる振動と音が響いた。が、ルミナは既にその場所におらず、手近な木に身を隠していた。話をしたいと言い出したかと思えば唐突に殺意に塗れた一撃を見舞う。何方が男の本命かと、そう問われたら恐らく話の方ではないだろうか。
ルミナの言葉通り、恐らくこの男もザルヴァートル一族出身、しかも異端である可能性は高い。知り合いの話という体裁の割には妙に具体的だった事が引っ掛かるし、そう仮定すればサルタヒコ……いや、アルゲースが戦線離脱したのも頷ける。だが、ならばどうしてザルヴァートルとは無縁の人生を送っていたルミナに関心を持ったのだろうか。
「答えろッ!!どうして黒雷に搭乗しているッ、お前も守護者なのか!!」
「さて、どうでしょうね」
「あの男はオオゲツの配下だった。もし貴様も守護者ならばオオゲツ……いやタナトスも守護者側と言う事になる。つまり、半年前に始まる一件を手引きしたのは守護者、あるイは姫の意向になるッ。どうイう事だ、説明しろッ!!」
「素直に喋るとお思いですか?」
「革命でも起こすつもりかッ!!神による支配を崩して自らに都合の良い……まさか姫が狙われるのはッ!!」
「お答えしかねます。これでも仕事は真面目で口は堅いと評判でしてね。ソレに話したとて信用するのですか?」
日本の諺に"暖簾に腕押し"という言葉があるとそうだ。この状況は正しくその諺通り、幾ら質問を重ねても相手は何一つ語らない。この男は一貫して無感情と思えるほどに抑揚のない丁寧な口調で本音をはぐらかし続ける。
だが、何を問いかけてものらりくらりと交わすその一方、正確な攻撃で2人を狙撃し、反撃を最小限の動きで交わす。桁違いの操縦性能は男が話した通りザルヴァートル一族に生まれる異常な能力の賜物だと判断するには十分。
しかし男の強さはそれだけでは無い。銃口が狙う先だ。ステロペースの攻撃の射線の終端には常に灯りがついた建物があった。人質。あの男は射線上にルミナかタケルと人質が並んだ瞬間のみ攻撃を行う。
残酷に、冷酷に、冷徹に、勝利の為に何らの躊躇いもなく人質を利用する。故に2人共に回避する事が出来ない。守るべき市民からどれだけ罵られようが、蔑まれようが攻撃を真正面から受け止める以外の選択肢が無い。しかし、それは敵に強要された選択肢だ。
男はそうやって意図して攻撃を防御させ、ほんの僅かに崩れた瞬間を見計い更に追撃を仕掛ける。今もそうだ。持っていた巨大な剣を水平に薙ぎ払い、ルミナを大きく弾き飛ばした。彼女が全力を出していればあの程度の斬撃など容易く弾くか斬り払うか、あるいは破壊している筈だが現実は真逆の結果。
ステロペースは油断しない。深追いも、無理な追撃もしない。淡々と体力と精神力を削る事を徹底する。しかし、もう一つ致命的な問題がある。彼女が全力を出せばその居所が完全にバレて……と、ソコまで考えた私はミハシラから始まった一連の流れの違和感に漸く気付いた。
誰も来ていない。彼女の味方であるスサノヲも、それ以上に彼女を目の敵にする守護者達の誰一人として姿を見せていない事に気付いた。
幾ら唐突に始まったとは言え、黒雷にはハイドリによる短距離転移機能が備わっており、また初動が遅れたと仮定しても各所に設置された転移装置は正常に稼働している。幾ら何でもそろそろ誰かが姿を見せる筈。が、現実には敵も味方も誰一人として姿を見せない。
これは一体どういう事だ、と考えるが可能性は1つしか思い浮かばない。守護者はともかく、スサノヲとヤタガラスの行動が制限されているのではないか。私は映像を食い入るように見つめながら、同時に複数の監視映像を切り替えながら原因を探る。
「いい加減答えろッ!!あの男がコードを発令したのに何故未だに誰一人としてこの場に来ないんだ!!」
「ハハ、しつこいですね。ですが、答えないと言っているでしょう?」
「ならばソコから引き摺りだして直接聞きだすッ!!」
「困った方だ。その口調は女性らしく無いと忠告しておきましょう。おっと、黴臭いなんて言わないでくださいよ。コレ、善意ですからね。そんなザマではアナタが焦がれる伊佐凪竜一に嫌われてしまうかも知れませんよ?」
ステロペースは何時まで経っても自らのペースを崩すことは無く、何時まで経っても質問に回答しない。男の言葉通りに仕事は真面目なのか、それともこうやって相手の調子を崩す戦法に長けているのか、しかし何方にせよ戦況は男の掌の上。
ステロペースは戦場をどんどんと移動し始めている。人の少ない広大な公園区域を離れ、少しずつ人の多い場所へと誘導している。私が少し目を離した隙に2人は公園区域から引き摺りだされ、居住区域を網目の様に走る幹線道路上にまで移動していた。
居住区域を戦場にされるという事実は2人が回避できない状況が増え続けるという事実でもあり、どう転んでも状況が2人の有利に傾くことは無い事を意味する。
2人の様子に異常は見られない。流石と言ったところか、傷らしい傷は負っていない。が、ルミナの様子を見れば苦悶に満ちた表情に肩で息をしている。一向に好転しない状況に精神力を削り取られ続けた結果、肉体にまで悪影響が出ているようだ。
且つて、私達の主はこう語った。"この宇宙には5つの力がある。強い力、弱い力、電磁気力、重力。そして最も強い力……人が発する力、意志と名付けられた力がこの宇宙の根幹である"と。
私は恐る恐るルミナを見た。映像に映し出された彼女はこんな状況でさえ諦めていないとばかりに武器を構えている。が、その強い意志を秘めた目は幾分か曇り弱っている様に見えた。
如何に彼女が人外染みた力を内包しているとはいえ、その精神は只の人間。酷だったのだ。如何に意志が強い力を秘めていようとも、何でもかんでも覆せる訳ではない。守護者の敷いた奸計によりルミナはどんどんと追い詰められ、そして何時か死に至る。
私の脳裏にそんな無残な光景が浮かべば、果敢に戦う彼女を正視する事などとても出来ない……と、そんな悲惨な思考の渦に捕らわれた私の視界を真っ赤な光が覆った。
――ドォン
直後に何かが爆発するような音が聞こえ、続いて衝撃が監視カメラを揺さぶる。映像を見ればルミナと黒雷の丁度中間地点から黒い煙が濛々と上がっており、更に周辺が抉れていた。
何が起こったのか。炎が起こるならば燃焼する何かが必要だが、今いる場所にそんな代物はないし、もっと単純に爆発だとしても周囲に爆発しそうな物体もなかった。何が原因なのかと必死で凝視する私の視界に映るのは、何かに驚き見当違いな方向を眺めるルミナとタケルの姿。
「コレは一体……?」
黒雷は私と同じく困惑混じりの疑問符を投げかけると、次にルミナとタケルが見つめる一点へと頭部を向けた。その場所は黒雷が立つ幹線道路中央にほど近いビルの屋上。いや、ソコに蠢く人影だ。
誰かがいる。敵か、味方か……ルミナ、タケル、そしてステロペース。戦いの手を止めた三者の視線は自然と正体不明の人影に釘付けとなった。
「一々感謝するな、ステロペース。じゃあ俺は別件があるので失礼させて貰う」
サルタヒコはぶっきらぼうに言い捨てると足早にその場を後にした。一体何がどうなっている?2人で戦うのではなかったのか?武器をしまい背中を向ける男の背中を追うルミナとタケルの視線はそう物語る。
私も同感だ。敵は一体何を考えてこんな真似をしているのかサッパリ分からない。ルミナを亡き者にしたかったから戦いを仕掛け、守護者をあらゆる制限から解放するコード・ケラウロスを使い彼女の行動を制限したのではないのか?ならば一体何を目的にしているのだ。より確実な勝利、ルミナの殺害が目的ならばサルタヒコが引き上げるのは余りにも道理から外れている。
「この茶番はお前の個人的な事情か?」
「さて、想像にお任せしますよ」
ルミナの問いに対する黒雷を操縦するステロペースと呼ばれた男の返答には抑揚が一切ない。が、そうであるが故に淡々と冷徹に目的を遂行する意志を感じる。ただ、ソレが何か全く分からないのが堪らなく癪に障る。
「お前もザルヴァートルだな?」
「知る意味などありませんよ。では参ります」
黒雷は何の躊躇いも無くルミナ目掛け巨大な刃を振り下ろした。
――ドンッ
周囲を震わせる振動と音が響いた。が、ルミナは既にその場所におらず、手近な木に身を隠していた。話をしたいと言い出したかと思えば唐突に殺意に塗れた一撃を見舞う。何方が男の本命かと、そう問われたら恐らく話の方ではないだろうか。
ルミナの言葉通り、恐らくこの男もザルヴァートル一族出身、しかも異端である可能性は高い。知り合いの話という体裁の割には妙に具体的だった事が引っ掛かるし、そう仮定すればサルタヒコ……いや、アルゲースが戦線離脱したのも頷ける。だが、ならばどうしてザルヴァートルとは無縁の人生を送っていたルミナに関心を持ったのだろうか。
「答えろッ!!どうして黒雷に搭乗しているッ、お前も守護者なのか!!」
「さて、どうでしょうね」
「あの男はオオゲツの配下だった。もし貴様も守護者ならばオオゲツ……いやタナトスも守護者側と言う事になる。つまり、半年前に始まる一件を手引きしたのは守護者、あるイは姫の意向になるッ。どうイう事だ、説明しろッ!!」
「素直に喋るとお思いですか?」
「革命でも起こすつもりかッ!!神による支配を崩して自らに都合の良い……まさか姫が狙われるのはッ!!」
「お答えしかねます。これでも仕事は真面目で口は堅いと評判でしてね。ソレに話したとて信用するのですか?」
日本の諺に"暖簾に腕押し"という言葉があるとそうだ。この状況は正しくその諺通り、幾ら質問を重ねても相手は何一つ語らない。この男は一貫して無感情と思えるほどに抑揚のない丁寧な口調で本音をはぐらかし続ける。
だが、何を問いかけてものらりくらりと交わすその一方、正確な攻撃で2人を狙撃し、反撃を最小限の動きで交わす。桁違いの操縦性能は男が話した通りザルヴァートル一族に生まれる異常な能力の賜物だと判断するには十分。
しかし男の強さはそれだけでは無い。銃口が狙う先だ。ステロペースの攻撃の射線の終端には常に灯りがついた建物があった。人質。あの男は射線上にルミナかタケルと人質が並んだ瞬間のみ攻撃を行う。
残酷に、冷酷に、冷徹に、勝利の為に何らの躊躇いもなく人質を利用する。故に2人共に回避する事が出来ない。守るべき市民からどれだけ罵られようが、蔑まれようが攻撃を真正面から受け止める以外の選択肢が無い。しかし、それは敵に強要された選択肢だ。
男はそうやって意図して攻撃を防御させ、ほんの僅かに崩れた瞬間を見計い更に追撃を仕掛ける。今もそうだ。持っていた巨大な剣を水平に薙ぎ払い、ルミナを大きく弾き飛ばした。彼女が全力を出していればあの程度の斬撃など容易く弾くか斬り払うか、あるいは破壊している筈だが現実は真逆の結果。
ステロペースは油断しない。深追いも、無理な追撃もしない。淡々と体力と精神力を削る事を徹底する。しかし、もう一つ致命的な問題がある。彼女が全力を出せばその居所が完全にバレて……と、ソコまで考えた私はミハシラから始まった一連の流れの違和感に漸く気付いた。
誰も来ていない。彼女の味方であるスサノヲも、それ以上に彼女を目の敵にする守護者達の誰一人として姿を見せていない事に気付いた。
幾ら唐突に始まったとは言え、黒雷にはハイドリによる短距離転移機能が備わっており、また初動が遅れたと仮定しても各所に設置された転移装置は正常に稼働している。幾ら何でもそろそろ誰かが姿を見せる筈。が、現実には敵も味方も誰一人として姿を見せない。
これは一体どういう事だ、と考えるが可能性は1つしか思い浮かばない。守護者はともかく、スサノヲとヤタガラスの行動が制限されているのではないか。私は映像を食い入るように見つめながら、同時に複数の監視映像を切り替えながら原因を探る。
「いい加減答えろッ!!あの男がコードを発令したのに何故未だに誰一人としてこの場に来ないんだ!!」
「ハハ、しつこいですね。ですが、答えないと言っているでしょう?」
「ならばソコから引き摺りだして直接聞きだすッ!!」
「困った方だ。その口調は女性らしく無いと忠告しておきましょう。おっと、黴臭いなんて言わないでくださいよ。コレ、善意ですからね。そんなザマではアナタが焦がれる伊佐凪竜一に嫌われてしまうかも知れませんよ?」
ステロペースは何時まで経っても自らのペースを崩すことは無く、何時まで経っても質問に回答しない。男の言葉通りに仕事は真面目なのか、それともこうやって相手の調子を崩す戦法に長けているのか、しかし何方にせよ戦況は男の掌の上。
ステロペースは戦場をどんどんと移動し始めている。人の少ない広大な公園区域を離れ、少しずつ人の多い場所へと誘導している。私が少し目を離した隙に2人は公園区域から引き摺りだされ、居住区域を網目の様に走る幹線道路上にまで移動していた。
居住区域を戦場にされるという事実は2人が回避できない状況が増え続けるという事実でもあり、どう転んでも状況が2人の有利に傾くことは無い事を意味する。
2人の様子に異常は見られない。流石と言ったところか、傷らしい傷は負っていない。が、ルミナの様子を見れば苦悶に満ちた表情に肩で息をしている。一向に好転しない状況に精神力を削り取られ続けた結果、肉体にまで悪影響が出ているようだ。
且つて、私達の主はこう語った。"この宇宙には5つの力がある。強い力、弱い力、電磁気力、重力。そして最も強い力……人が発する力、意志と名付けられた力がこの宇宙の根幹である"と。
私は恐る恐るルミナを見た。映像に映し出された彼女はこんな状況でさえ諦めていないとばかりに武器を構えている。が、その強い意志を秘めた目は幾分か曇り弱っている様に見えた。
如何に彼女が人外染みた力を内包しているとはいえ、その精神は只の人間。酷だったのだ。如何に意志が強い力を秘めていようとも、何でもかんでも覆せる訳ではない。守護者の敷いた奸計によりルミナはどんどんと追い詰められ、そして何時か死に至る。
私の脳裏にそんな無残な光景が浮かべば、果敢に戦う彼女を正視する事などとても出来ない……と、そんな悲惨な思考の渦に捕らわれた私の視界を真っ赤な光が覆った。
――ドォン
直後に何かが爆発するような音が聞こえ、続いて衝撃が監視カメラを揺さぶる。映像を見ればルミナと黒雷の丁度中間地点から黒い煙が濛々と上がっており、更に周辺が抉れていた。
何が起こったのか。炎が起こるならば燃焼する何かが必要だが、今いる場所にそんな代物はないし、もっと単純に爆発だとしても周囲に爆発しそうな物体もなかった。何が原因なのかと必死で凝視する私の視界に映るのは、何かに驚き見当違いな方向を眺めるルミナとタケルの姿。
「コレは一体……?」
黒雷は私と同じく困惑混じりの疑問符を投げかけると、次にルミナとタケルが見つめる一点へと頭部を向けた。その場所は黒雷が立つ幹線道路中央にほど近いビルの屋上。いや、ソコに蠢く人影だ。
誰かがいる。敵か、味方か……ルミナ、タケル、そしてステロペース。戦いの手を止めた三者の視線は自然と正体不明の人影に釘付けとなった。
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