【完結】G.o.D 完結篇 ~ノロイの星に カミは集う~

風見星治

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第2章 日常の終わり 大乱の始まり

38話 英雄の帰還 ~ 地球へ 其の3

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 訓練施設を後にした伊佐凪竜一は第5番艦の転移用のゲートの入り口に立っていた。この入り口の先には中央に向け傾斜するドーム状の空間が広がっており、最も低い中央部分に生成される門があらゆる場所を繋ぐ。伊佐凪竜一が入り口横の認証装置に手をかざすと入口は音も無く開いた。

「お疲れ様ー」
 
「おう、今日もご苦労さん」

 ドーム状の空間の中央へと移動した伊佐凪竜一の後ろから呑気な声が聞こえてきた。彼が後ろを振り向けばそこにはスーツ姿のクシナダと関宗太郎の姿。両者共に笑顔で迎えてはいるが、関宗太郎のビシッと決まったスーツ姿がいきなり視界に入れば何処かの犯罪組織の幹部が威圧していると勘違いする程度の貫録を備えている。

 またその雰囲気は隣に居るクシナダも同様であり、若さの残るあどけない少女然とした顔が見せる笑みには緊張の色が僅かに滲んでいる。黒のスーツを着こなす少女はかなりの若さでスサノヲへと抜擢された経歴が裏付ける通り、見た目からは想像できない程の貫禄があり、また相応以上の場数を潜っている事から、今回の任務の重要性をよく理解している……と思っていたのだが、彼女は伊佐凪竜一の顔を見るやそれまでの雰囲気を一変、満面の笑みで彼に手を振った。その表情や仕草はどことなく恋人と言った雰囲気さえ感じる程に甘ったるい空気を感じる。

「すみません、これから忙しくなるだろうって考えたらどうしても今の内にって……」

 一方、2人の姿を見た伊佐凪竜一は申し訳なさそうに口を開いた。今日この日、彼は神魔戦役以後では初めて地球へと帰還する。その口調が示す通り、今回の件は今まで彼が一度として口にしなかった我儘が発端だ。

「別に気にしなくて良い。今もって記憶は曖昧だろうが、君には我儘を言うだけの権利があるんだよ」

「そうそう、誰も恩人の墓参りを止める権利ないって。そうはいっても根回しはキッチリしたんだけどネ」
 
「地球を救った英雄が帰還するとなりゃあ慌ただしくなるだろうしな。本来なら、今の地球には必要なんだろうがなぁ」

 故にこの2人を含む大勢の関係者がその為に調整を行った。関宗太郎は所要のついでに、クシナダは伊佐凪竜一の護衛の為に、サクヤの面々は日毎に悪化する彼の精神面への配慮から、それ以上に何より恩人の為にそれぞれが英雄の帰還を全力で補佐した。
 
 また、ソレが決して嫌々ではないことは厳つい顔つきとは真逆に伊佐凪竜一と談笑する関宗太郎に暗い雰囲気が見る影もない事実からも明らか。しかし、朗らかな雰囲気で話していた関宗太郎は言葉の最後に含みを残した言い方をすると、全てを語らずに口をつぐんでしまった。理由を知るクシナダもまた努めて平静を装っているがその顔色は重い。

「何かあったんですか?」

 事情を全く知らない伊佐凪竜一は屈託なく質問した。彼はこの場で唯一、地球の現状を知らないから当然のごとく質問を投げかける。が、関宗太郎は"何でも無い"とか"いろいろ問題が重なって疲れてるのさ"等と適当に濁してその流れを有耶無耶にしてしまった。

 地球の現状はこの2名の反応でも窺える通り決して良い状況では無かった。半年前まで地球を支え続けてきた清雅は崩壊してしまい、同時に清雅の守護神である機神"ツクヨミ"も自らの過ちを悔いつつ地球の管理から身を引いた。今まで当然として存在した者、物、モノが一気に消え失せてしまえばどうなるかは明白。

 便利で満ち足りた生活は突如として終わり、不便で何もかもが足りない生活を余儀なくされれば必然的に不満は募り、そしてそれを誰かに当たり散らすようになるのは必然だった。かつての地球がどの様な状況であったかは、私も情報を入手しているからよく理解している。

 ソレを寄越した男は私が監視する旗艦アマテラスを散々に扱き下ろしてくれたが、しかし地球もそれほど変わらない事実を目の当たりにした私はあの戦いが無事に終わった時……久方ぶりにあった同胞に対し、自らの胸にも突き刺さる諸刃の刃である事を承知で"悲惨な現状はそちらも同じでは無いか"と言い返した。

 かつての地球には清雅と言う超巨大企業とソレを支配する神話の神"ツクヨミ"を憎む者が吐いて捨てる程に存在した。誰もが表向きは清雅への恭順を誓い口に出さなかったものの、しかし裏に回れば好き放題に罵ったそうだ(彼らもまさかそんな陰口すら筒抜けだとは知らなかっただろうが)。

 だが彼らは幸せだっただろう、自らの不幸を転嫁する相手がいたのだから。一個人の不満に一々反応しては時間も資産も足りないという理由に加え、ツクヨミ自らも反論に対し消極的な対応を指示した結果、不満は際限なく増幅していき誰もが制御不能に陥っていた。確かに清雅の支配は苦痛だっただろうし憎む理由が存在する者もいる。

 だがそれでも圧倒的大多数が楽だから、不満を言えばスッキリするから、自らの境遇を顧みるのは苦痛だから等々、各々が悲惨な程軽薄な理由でただ清雅を憎んだ。

 しかしその清雅が突如として崩壊した。そして人々は知った、清雅が作り維持してきたモノに自分達が支えられてきた事実を知った。支えを失った人々は自らの身を自らで支えなければならなくなった、しかし今まで散々楽をして来た者にそんな高尚な真似は出来ない。

 ならばどうするか。答えは簡単で人々は次の標的を探し攻撃し始めるか、あるいは次に寄り掛かるべき存在を求め彷徨い始めた。自らを省みる事が出来ない人は、何時までも変化が訪れない現状に容易く疲れ果てた末に且つてと同じように寄る辺を求め、同時にそんな現状に満足する日々を取り戻してしまった。

「情けない」

 私が溜息と共に漏らした本音は関宗太郎やクシナダも一度は口にしたであろう事は想像に難くないのだが、本人達を見てみれば先程までの重苦しい雰囲気など何処へやら、伊佐凪竜一を交えて談笑している。私の考えすぎかもしれない……いや、寧ろそうであってほしいと願った。この先に待つ戦いに有能は一人でも多い方が良い。個人的、彼等が無能で有っては困る。

「さぁて、ではそろそろか」
 
「そうですね。聞こえますか?クシナダです。第5番艦から地球へ転移するので門の生成をお願いします」
 
『はい、承知しました。ではどうぞごゆっくり。あ、お土産良いですか?』
 
「良い訳ないでしょアンタ……これでも一応仕事なんだからさぁ」

 "お土産"、その単語を聞いたクシナダは大層呆れながらディスプレイに映ったオペレーターを見つめる。でも、私は知っている。お前もデートみたいだ何だと浮かれていたよなぁ?
 
「俺は、別にいいけど?」

 彼がそう返事するのも分かっていたよ。彼は妙に他人に甘く、人間関係を円滑に回せるならば多少の面倒事は躊躇いなく背負いこむ。生来の性格なのか、社会で揉まれる内に身に着けた処世術かは知らないが、こんな時にまで余計な仕事を背負いこまなくてもいいだろうにと、私は彼の人の好さに苦笑した。

「ナギ君は甘いッ、そうやって甘やかしたら駄目って何時もオネーサン言ってるでしょ!!」

 が、彼が納得しても護衛のクシナダは納得しない。付き合いは短いながらも彼の性格を良く理解する彼女がそう言いながら詰め寄ると……

「は、はい。聞いた覚えはないけど……後、年下でしたよね?」

 伊佐凪竜一はクシナダの勢いに押され、しどろもどろになり……

『えー、ココのところ張り詰めっ放しだったから皆楽しみにしてたんですけどぉ……』

 お土産がパーになったオペレーターはがっくりと肩を落とす。こんな光景、数カ月も前ならば見ることが出来なかった。それは今が平和な証でもある。少々浮かれすぎている気もするが、でも今はこれで良い。変に塞ぎ込んだり暗い話題ばかりになって伊佐凪竜一が落ち着かないという事態に陥るよりはずっといい。

「あー、そう言うならば俺達とは別口で1人地球に転移する手筈になっている奴がいるから、ソイツに頼んでおこう」
 
『ありがとうございます。では改めて……開門開始、正常展開まで後120カウント』
 
『転移者名はスサノヲ第13部隊所属、伊佐凪竜一。|(※伊佐凪竜一とルミナの為に新設された部隊。現在所属しているのは伊佐凪竜一とルミナ=AZ1、それに加え彼と同じ部隊に居た方が管理しやすいと言う理由でタガミ、タケルを含めた計4名)同じく第3部隊長、クシナダ。旗艦暫定政権相談役、関宗太郎。以上3名』
 
『伊佐凪竜一の洗浄手順は最終段階まで強制承認。クシナダ、関宗太郎の洗浄は完了。全て転移管理部門検疫課より承認済みです』

 雑談に花を咲かせつつもオペレーター達は恙なく手順をこなし、やがて部屋の中央に灰色の光が少しずつ灯り始める。もう直ぐ彼は旗艦ココを発ち、短い間を地球で過ごす。地球で彼を専ら護衛するのは隣にいるクシナダだけであり……まぁ、確かにデートと浮かれるのも致し方ないシチュエーションだ。

「洗浄って何?」
 
「あぁ、そういやナギ君って初めてだっけ?」
 
「今日はやけに早く起こされて服やらなにやら色々と検査されたけど、何か関係あるの?」
 
「私達も同じよン。最もナギ君よりも手順が多いから解放されたのはほんの少し前だけどね」
 
「まぁ色々と気に掛けないといけない事があるって事さ。ソイツは地球と変わらん、要は空港でやる検疫と同じだな」

 手持無沙汰となった時間に3人は会話に花を咲かせるが、切っ掛けとなったのは地球から旗艦アマテラスに運ばれてから医療機関とスサノヲが所有する訓練施設を往復する日々を送る彼が初めて見聞きする文化についてだ。

 死亡状態で地球から運び込まれて以降、彼はずっと旗艦と特訓施設が入った第2から第5番艦を往復する日々を送っており、外部への旅行は疎か地球に戻った事さえなかったし、今まで許可もされなかった。つまり彼は旗艦から各惑星へと旅立つ最に行われる手順を全く知らない。
 
 理由は言わずもがな治療と護衛、そして特訓の為。次の戦いがいつ始まるか不明である以上、伊佐凪竜一という人間に強くなってもらうのはほぼ必須事項との総意を受けた彼がスサノヲ真っ青の特訓漬けの日々を送る羽目になるのは致し方の無い話だが、それでは精神面に良くない影響を及ぼすと判断した各部門が話し合い、約半年ぶりの帰還が認められたのは今から一月ほど前の話になる。

 久方振りに心休まる時が訪れるのだから気が逸るのも仕方ない話であるから、例え英雄であっても手順は遵守するべきなんて杓子定規な判断は下されず、彼1人だけは特例中の特例でもって本来必須となる手順を強制的にクリア扱い(尻拭いは別部門がキッチリと行う)されたと言うのがオペレーターの会話の詳細だ。

『3、2、1。開門、旗艦側の開門は正常に完了しました。それではお土産よろしくお願いしまーす』
 
「はぁ、今日はそう言う用件じゃないってのに」
 
「まぁそう言わないでくれや、目と鼻の先に異文化があるんだ。誰だって興味出るさ、当然地球側もな」
 
「でも地球と旗艦は……」
 
「まぁソイツは仕方がねぇよ。全く価値観が違うどころか半年前には極一部とは言えドンパチしちまってるんだ。止まっただけでも十分儲けモンさ」
 
「ですね」

 転移用のゲートの前で行われていた3人とオペレーターの何とも気の抜けた会話はドーム状の空間に響き渡っていたが、しかし灰色の光が生成される頃に終わりを告げた。

『出口側の安全、確保済みです。門も安定しています。ではどうぞ、お気をつけて』

 オペレーターの声に導かれるように3人はドーム中央に開かれた灰色の門の中へと消えていった。伊佐凪竜一は青白戦役の最中に亡くなった恩人の墓参りに、クシナダはその護衛に、関宗太郎は地球で起きた問題解決の為に急遽呼び戻される形で、それぞれが灰色の門を通り地球へと転移した。やがて灰色の光が消え、ドーム状の空間に静寂が訪れた。

 先程までの喧騒は何処へやらとばかりに静かになったその空間を見た私は、灰色の光の中に消えていった伊佐凪竜一の背中を思い出し……何故か言い知れぬ不安に襲われた。どうしてそう思ったのか、何故不安を感じたのかは全く分からなかったのだが、合理性が全く無く訪れたその言い知れぬ予感は間違いでは無いという奇妙な確信があった。

 当分会えない様な、あるいはもう2度と会えないような、そんな奇妙な不安感は何時までも私の胸に残り続けた。神魔戦役と名付けられた戦いは終わったが、しかしその戦いの残り火は今でも双方に燻ったまま残っている。もしかしたらそれが大きな火となり再び地球と旗艦アマテラスを覆い尽くすのだろうか、それとも別の何かが起こるのだろうか。
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