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吠えない犬は牙を剥く
01(渋谷視点)
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“渋谷君ってなんか思ってたよりイメージと違うよね。”
付き合った子は皆そう口々にする。
その度になんで俺がお前のイメージに合わせなきゃいけないんだと思ったが、俺はなにも言わなかった。
そう言ったやつは皆離れていくし、わざわざ言っても無駄だとわかっていたから。――例外を除いて。
それでも俺から離れていかなかったやつがいる。
一人目は蕪木佳夫とかいう一年。
こいつは恭次とどっちが落とせるかと賭けたときに落とした新入生だ。
女みたいな顔をしているくせに今まで付き合った女の誰よりも厄介な性格をしたチビだ。
こいつは頭が可笑しい。冷たくすればするほど付け上がり、犬のように擦り寄ってくる。所謂マゾヒストだ。だからいっぱいいっぱい優しくして無理矢理引き離した。
そしてもう一人、御厨要人。……ああ、こいつは恋人でもないからまた違うのかもしれない。
こいつの場合は「渋谷君はイメージ崩さないようにしてね」と強制してくるぐらいだ。
そして俺はそんな御厨要人が大嫌いだ。
寧ろ、顔も見たくない。やつもそう思っているのだろう。
仕方なく君を側においてあげているんだというあのすかした態度が気に食わなかった。
そして何より、素直にやつの言うことを聞いている自分が嫌いで嫌いで嫌いでたまらなかった。
――放課後。
HR終了のチャイムが鳴るのを聞きながら、俺は日課のようにとある教室へ向かう。
前は自分の足から向かっていたが、今は違う。足取りが重い。
「慶太、慶太っ」
教室の前の廊下を歩いていると、不意に明るい声が聞こえてきた。
……来た。
「おー榛葉、相変わらず無駄に元気だな!」
だるい顔面の筋肉を無理矢理動かし笑みを浮かべた俺はバタバタと駆け寄ってくる榛葉郁に笑いかける。
その背後にはいつものように佇む御厨要人。目が合って御厨はにこりと柔和な笑みを浮かべた。
「渋谷君、今日は早いね」
お前が早く来いって言ったんだろやうが。
そう言い返しそうになるのをぐっと堪え「HRが早く終わったんだよ」と答えれば御厨は「へえ」とだけ答える。やつは俺が教室に入っていないことを知っている。だから嘘だと気付いているだろうが敢えて深く突っ込まないのは榛葉郁の前だからか。
「今日な、要人が授業でクッキーを作ったんだ。珍しく上手くできてたから慶太も食べろよ」
「珍しくは余計だよ、郁君」
笑う御厨と榛葉。
またこいつ余計な難題吹っ掛けやがって。
予期もしなかった榛葉のいらぬ気遣いに背筋に嫌な汗が滲む。
俺の分なんか残さず全部平らげてやれよ。御厨はそれを望んでるんだよ。この能天気馬鹿が。
鼓動が加速に、コメカミがひくつく。
榛葉郁に悪気がないのは重々理解していた。していたが、無知は罪だ。
御厨要人が榛葉のために裏でしでかすくらい執心していることに全く気付いていないから、俺にこんなこと出来るんだ。
榛葉郁。こいつも嫌いだ。
こいつが俺になついているせいで俺は御厨要人に目を付けられ、今日という日まで友人ごっこをやらされなきゃなくなる。
そそくさと取り出し、こちらへと差し出してくる榛葉に俺はなんだかもう生きた心地がしなかった。
少しでも榛葉の癪に障るような真似をしたら殺される。渋々それを受け取った俺は御厨を見た。
「いいのか? 御厨」
「いいよ、渋谷君のために作ったんだから」
尋ねれば微笑み返す御厨。
嘘付け。全部榛葉郁のためのくせに。思ってないこと口にすんじゃねえよ。くそ。イライラする。
それを必死に隠しながら俺は御厨が作ったらしいクッキーだかなんだかを取り出した。もしかして毒とか入ってないだろうな。なんて思いながら恐る恐る一口。
「どうかな?」
「……美味しい」
というか、普通だ。
咥内に広がるその素朴な甘さに頬が緩む。
こいつ、料理出来んのかよ。思いながら御厨に目を向ければ、ちょうど視線が絡み合う。
「そう、ならよかったよ」
そして、御厨は安心したように微笑んだ。
優しい笑顔。不覚にも、一瞬「あれ、こいついいやつかも」だなんて馬鹿げた思考が働いた。
俺の馬鹿が。こいつは榛葉郁のためならなんでもする気違い野郎だ。菓子一つで揺るぐんじゃねえよ。慌てて視線を外し、気を紛らすようにもう一口かじる。
……口ン中が甘い。
◆ ◆ ◆
御厨要人に縛られたあの日から人前で服を脱ぐことがなくなった。そして鏡を見なくなった。
全身に残った焼けた痕と燃やされた陰毛。
そんなもの他人に見られたくなかったし見たくもなかった。
それでもやはり風呂に入るとき、嫌でも曇りガラスに映った自分の体に目がいってしまう。
全身の至るところについた赤い焦げ痕。
御厨要人はこれをキスマークみたいだと笑った。
冗談じゃない。脳裏を過るあのときの御厨に怒りを覚え、気分が悪くなったので俺はそそくさを風呂をあとにした。
こんなみっともない体のせいでここ最近まともにセックスをしていない。する時間もなくなった。
全部全部全部、あいつのせいだ。
風呂から上がり、そそくさと服に着替えようとしていると不意に自室の扉が開く。
どうやら同室のやつが帰ってきたらしい。慌てて下着を穿いたが遅かった。
「なんだ、今頃風呂かよ」
ルームメイトの内藤恭次は俺の姿を見るなりにやりと嫌な笑みを浮かべた。利発そうな顔には似合わない品のない笑み。
服を手に取り、咄嗟にそれに腕を通す。
「ん? お前、それ……」
ああ、クソ、まじで今日はついていない。
服の下の赤い痕に気付いたようだ。
目を丸くし人の全身を舐めるように見てくる恭次に全身に冷や汗が滲んだ。
……誰にも見られたくなかったのに。
「なんだお前すっげー付けられてんじゃん。ここ最近付き合い悪いと思ったらヤることはしっかりヤってんのかよ」
いつもと変わらない軽薄な態度。
どうやら恭次はただのキスマークと勘違いしたようだ。一先ず安堵する。
「関係ねーだろ、こっち見んじゃねえよ」
そう近付いてくる恭次を振り払えば、恭次は「おお、機嫌悪いな」と楽しそうに笑う。
そして、閃いたようにぱっと顔を明るくした。
「相手当ててやろうか? 榛葉郁だろ!」
……こいつは本当お気楽でいいな。
自信満々に指を突き付けてくる恭次を睨み、俺はそれを払った。
相手が榛葉郁ならまだ俺もここまで参らない。
いや、榛葉郁とつるむせいで御厨要人に目を付けられるとわかってる今なら榛葉郁に近付きもしなかっただろう。
現に、俺はそう御厨要人と約束したことがあった。
「いいなぁ、俺も榛葉とヤりてえ。あいつあんま遊んでないんだろ? 体ちっせえし締まり良さそうだよな、なあ今度俺にも貸せよ」
人の気も知らずベラベラと下品なことを口にする恭次に軽い殺意を覚えた。
本当、下半身馬鹿は毎日が楽しそうで羨ましい。
榛葉郁なら勝手に手を出せばいい。そしてお前も俺と同じ目に遭えばいいんだ。まあ、無理だろうけどな。
御厨要人が内藤恭次に敵うはずがない。悔しいけど、俺は殴り合いで恭次に勝ったことなんて一度もない。
染めたこともないような黒い髪にいいとこの坊っちゃんみたいな上品な顔をした恭次だが身長はあるし鍛え上げ引き締まった体は無駄はない。ああ、誉めすぎた。しかしまあ、やつは色々勿体ないやつだった。損してる。真面目にやったら良いところまでいけるだろうに。
まあ、そういう腐れたところが気に入ってつるみ始めたのだが。
そこまで考えて、俺はふと一つの可能性が頭に過った。
こいつなら御厨要人の制止を振り払って榛葉郁に手を出すことが出来るかもしれない。
頭に昇っていた血が下がり、全身が冷えきるのがわかった。
そうだ、恭次に榛葉郁に手を出させて、突っ掛かってきた御厨要人をボコらせたらいい。
そうしたら、俺も解放される。あいつのご機嫌取りなんかする必要もなくなる。
ああ、なんで最初から恭次を当てにしなかったのだろうか。一番の馬鹿は俺かもしれない。
次々に脳裏に浮かぶシチュエーションに口元が緩み、興奮した。
「なあ、恭次」
「あ?」
「お前、榛葉と仲良くなりたいんだろ?」
なら、紹介してやるよ。
総俺は恭次に笑いかけた。
エピソード3【吠えない犬は牙を剥く】END
付き合った子は皆そう口々にする。
その度になんで俺がお前のイメージに合わせなきゃいけないんだと思ったが、俺はなにも言わなかった。
そう言ったやつは皆離れていくし、わざわざ言っても無駄だとわかっていたから。――例外を除いて。
それでも俺から離れていかなかったやつがいる。
一人目は蕪木佳夫とかいう一年。
こいつは恭次とどっちが落とせるかと賭けたときに落とした新入生だ。
女みたいな顔をしているくせに今まで付き合った女の誰よりも厄介な性格をしたチビだ。
こいつは頭が可笑しい。冷たくすればするほど付け上がり、犬のように擦り寄ってくる。所謂マゾヒストだ。だからいっぱいいっぱい優しくして無理矢理引き離した。
そしてもう一人、御厨要人。……ああ、こいつは恋人でもないからまた違うのかもしれない。
こいつの場合は「渋谷君はイメージ崩さないようにしてね」と強制してくるぐらいだ。
そして俺はそんな御厨要人が大嫌いだ。
寧ろ、顔も見たくない。やつもそう思っているのだろう。
仕方なく君を側においてあげているんだというあのすかした態度が気に食わなかった。
そして何より、素直にやつの言うことを聞いている自分が嫌いで嫌いで嫌いでたまらなかった。
――放課後。
HR終了のチャイムが鳴るのを聞きながら、俺は日課のようにとある教室へ向かう。
前は自分の足から向かっていたが、今は違う。足取りが重い。
「慶太、慶太っ」
教室の前の廊下を歩いていると、不意に明るい声が聞こえてきた。
……来た。
「おー榛葉、相変わらず無駄に元気だな!」
だるい顔面の筋肉を無理矢理動かし笑みを浮かべた俺はバタバタと駆け寄ってくる榛葉郁に笑いかける。
その背後にはいつものように佇む御厨要人。目が合って御厨はにこりと柔和な笑みを浮かべた。
「渋谷君、今日は早いね」
お前が早く来いって言ったんだろやうが。
そう言い返しそうになるのをぐっと堪え「HRが早く終わったんだよ」と答えれば御厨は「へえ」とだけ答える。やつは俺が教室に入っていないことを知っている。だから嘘だと気付いているだろうが敢えて深く突っ込まないのは榛葉郁の前だからか。
「今日な、要人が授業でクッキーを作ったんだ。珍しく上手くできてたから慶太も食べろよ」
「珍しくは余計だよ、郁君」
笑う御厨と榛葉。
またこいつ余計な難題吹っ掛けやがって。
予期もしなかった榛葉のいらぬ気遣いに背筋に嫌な汗が滲む。
俺の分なんか残さず全部平らげてやれよ。御厨はそれを望んでるんだよ。この能天気馬鹿が。
鼓動が加速に、コメカミがひくつく。
榛葉郁に悪気がないのは重々理解していた。していたが、無知は罪だ。
御厨要人が榛葉のために裏でしでかすくらい執心していることに全く気付いていないから、俺にこんなこと出来るんだ。
榛葉郁。こいつも嫌いだ。
こいつが俺になついているせいで俺は御厨要人に目を付けられ、今日という日まで友人ごっこをやらされなきゃなくなる。
そそくさと取り出し、こちらへと差し出してくる榛葉に俺はなんだかもう生きた心地がしなかった。
少しでも榛葉の癪に障るような真似をしたら殺される。渋々それを受け取った俺は御厨を見た。
「いいのか? 御厨」
「いいよ、渋谷君のために作ったんだから」
尋ねれば微笑み返す御厨。
嘘付け。全部榛葉郁のためのくせに。思ってないこと口にすんじゃねえよ。くそ。イライラする。
それを必死に隠しながら俺は御厨が作ったらしいクッキーだかなんだかを取り出した。もしかして毒とか入ってないだろうな。なんて思いながら恐る恐る一口。
「どうかな?」
「……美味しい」
というか、普通だ。
咥内に広がるその素朴な甘さに頬が緩む。
こいつ、料理出来んのかよ。思いながら御厨に目を向ければ、ちょうど視線が絡み合う。
「そう、ならよかったよ」
そして、御厨は安心したように微笑んだ。
優しい笑顔。不覚にも、一瞬「あれ、こいついいやつかも」だなんて馬鹿げた思考が働いた。
俺の馬鹿が。こいつは榛葉郁のためならなんでもする気違い野郎だ。菓子一つで揺るぐんじゃねえよ。慌てて視線を外し、気を紛らすようにもう一口かじる。
……口ン中が甘い。
◆ ◆ ◆
御厨要人に縛られたあの日から人前で服を脱ぐことがなくなった。そして鏡を見なくなった。
全身に残った焼けた痕と燃やされた陰毛。
そんなもの他人に見られたくなかったし見たくもなかった。
それでもやはり風呂に入るとき、嫌でも曇りガラスに映った自分の体に目がいってしまう。
全身の至るところについた赤い焦げ痕。
御厨要人はこれをキスマークみたいだと笑った。
冗談じゃない。脳裏を過るあのときの御厨に怒りを覚え、気分が悪くなったので俺はそそくさを風呂をあとにした。
こんなみっともない体のせいでここ最近まともにセックスをしていない。する時間もなくなった。
全部全部全部、あいつのせいだ。
風呂から上がり、そそくさと服に着替えようとしていると不意に自室の扉が開く。
どうやら同室のやつが帰ってきたらしい。慌てて下着を穿いたが遅かった。
「なんだ、今頃風呂かよ」
ルームメイトの内藤恭次は俺の姿を見るなりにやりと嫌な笑みを浮かべた。利発そうな顔には似合わない品のない笑み。
服を手に取り、咄嗟にそれに腕を通す。
「ん? お前、それ……」
ああ、クソ、まじで今日はついていない。
服の下の赤い痕に気付いたようだ。
目を丸くし人の全身を舐めるように見てくる恭次に全身に冷や汗が滲んだ。
……誰にも見られたくなかったのに。
「なんだお前すっげー付けられてんじゃん。ここ最近付き合い悪いと思ったらヤることはしっかりヤってんのかよ」
いつもと変わらない軽薄な態度。
どうやら恭次はただのキスマークと勘違いしたようだ。一先ず安堵する。
「関係ねーだろ、こっち見んじゃねえよ」
そう近付いてくる恭次を振り払えば、恭次は「おお、機嫌悪いな」と楽しそうに笑う。
そして、閃いたようにぱっと顔を明るくした。
「相手当ててやろうか? 榛葉郁だろ!」
……こいつは本当お気楽でいいな。
自信満々に指を突き付けてくる恭次を睨み、俺はそれを払った。
相手が榛葉郁ならまだ俺もここまで参らない。
いや、榛葉郁とつるむせいで御厨要人に目を付けられるとわかってる今なら榛葉郁に近付きもしなかっただろう。
現に、俺はそう御厨要人と約束したことがあった。
「いいなぁ、俺も榛葉とヤりてえ。あいつあんま遊んでないんだろ? 体ちっせえし締まり良さそうだよな、なあ今度俺にも貸せよ」
人の気も知らずベラベラと下品なことを口にする恭次に軽い殺意を覚えた。
本当、下半身馬鹿は毎日が楽しそうで羨ましい。
榛葉郁なら勝手に手を出せばいい。そしてお前も俺と同じ目に遭えばいいんだ。まあ、無理だろうけどな。
御厨要人が内藤恭次に敵うはずがない。悔しいけど、俺は殴り合いで恭次に勝ったことなんて一度もない。
染めたこともないような黒い髪にいいとこの坊っちゃんみたいな上品な顔をした恭次だが身長はあるし鍛え上げ引き締まった体は無駄はない。ああ、誉めすぎた。しかしまあ、やつは色々勿体ないやつだった。損してる。真面目にやったら良いところまでいけるだろうに。
まあ、そういう腐れたところが気に入ってつるみ始めたのだが。
そこまで考えて、俺はふと一つの可能性が頭に過った。
こいつなら御厨要人の制止を振り払って榛葉郁に手を出すことが出来るかもしれない。
頭に昇っていた血が下がり、全身が冷えきるのがわかった。
そうだ、恭次に榛葉郁に手を出させて、突っ掛かってきた御厨要人をボコらせたらいい。
そうしたら、俺も解放される。あいつのご機嫌取りなんかする必要もなくなる。
ああ、なんで最初から恭次を当てにしなかったのだろうか。一番の馬鹿は俺かもしれない。
次々に脳裏に浮かぶシチュエーションに口元が緩み、興奮した。
「なあ、恭次」
「あ?」
「お前、榛葉と仲良くなりたいんだろ?」
なら、紹介してやるよ。
総俺は恭次に笑いかけた。
エピソード3【吠えない犬は牙を剥く】END
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