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友達の作り方
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エピソード1【友達の作り方】
郁君に友達が出来た。
名前は渋谷慶太(しぶやけいた)。
明るくて気さくなムードメーカーみたいな人で、この間食堂で席が近くなったのを切っ掛けに郁君と話すようになったのだ。それから最近では休み時間になる度わざわざうちのクラスに遊びに来るようにもなった。因みに渋谷君のクラスは離れている。
同じクラスに友達がいないのだろうか、なんて思ったりもしたが、廊下で擦れ違う度に色んな人に声を掛けられていたので全くいないわけではないようだ。
それでも、渋谷君が郁君と仲良くしてくれるのは嬉しい。郁君も郁君で渋谷君と話すのを楽しみにしているし、渋谷君は僕と違って話も上手いし話題もたくさんある。郁君が嬉しそうにしているだけで僕も嬉しかった。
――嬉しかったが、渋谷君に対し思うところがないと言えば嘘になる。
「榛葉(しんば)、しーんば、もう帰んの? 一緒飯食ってこーぜ」
全ての授業が終わり、郁君と教室を出たときだった。
廊下で待っていたらしい渋谷君は言いながら郁君に早速絡んでくる。
そして、思い出したようにこちらに目を向けた渋谷君は「もちろん、御厨(みくりや)もな」とそう無邪気に微笑んだ。
今まで好意を持って郁君に近付いてきた人はたくさんいたが、その中でも渋谷君は珍しいタイプだった。
大抵の人たちは郁君の側に常に張り付いている僕をあしらおうとするが、渋谷君は寧ろ積極的に僕を取り込もうとしてくる。だからこそ、僕もあしらうにあしらえないのが現状だ。
「……ああ、そうだね」
「そういや食堂の新メニュー見たか? いかにも榛葉が好きそうなやつだったぞ」
「俺が?」
「そうそう、甘いやつ好きだったよな、榛葉」
「よく覚えてるな……」
他愛ない会話を交わしながら、渋谷君と郁君は先をどんどん歩いていく。
そんな二人から一歩引いたところから僕は後を追いかけた。
郁君にはたくさんのいい友人を作って楽しい毎日を過ごしてもらいたいが、渋谷君は見るからにそういうタイプではない。
明るく染めた髪にある程度着崩した制服。女受けがよさそうな顔に張り付けたような軽薄な笑顔。
渋谷君のようなタイプの人間は人付き合いに慣れてる分取り繕うのにも長けている。それだけに、なにを考えているのか読めない。
過保護だと言われればそこまでかもしれないが、郁君には渋谷君のようなチャラチャラとしたタイプではなく真面目そうな子と仲良くしてもらいたい。
でも、すっかり渋谷君に懐いている郁君を見てると言うに言い出しにくい。
別に一概に渋谷君を悪者と決め付けているわけではないが、誰だって黒い部分はあるはずだ。それを存在しないかのように取り繕う人間ほど信用できない。
僕個人としては渋谷君は嫌いではないが、郁君の保護者としてはあまり郁君に近付けたくない。気に入らない。
でも郁君は渋谷君といると嬉しそうで、渋谷君がただ純粋に郁君と仲良くしたくて話し掛けてくれている場合を考えると、被害妄想染みた一方的な決め付けで二人を無理矢理離すことはできなかった。
確固たる証拠がほしかった。
郁君の友人として安心して任せられるという証拠が。それさえあれば、僕も安心することはできた。
僕自身、僕みたいなやつにも声をかけてくれる渋谷君をこれ以上疑いたくなかった。
だから、僕は一週間渋谷君の身辺調査をすることを決意した。
基本、授業のときと消灯時間以外は渋谷君は郁君と行動しているので監視するのは楽だった。
だが、別に渋谷君の上っ面を見ていたいわけではない。
僕は渋谷君のクラスに自作した盗聴器を仕掛けた。
そしてその夜、調査を初めてから一日も経たない内に渋谷君のボロが出た。
深夜一時。
すやすやとベッドで眠る郁君を起こさないよう灯りを小さくした僕は、勉強机に置いたノートPCと向かい合う。
そしてイヤホンを耳に嵌め、盗聴器が拾った音声を再生させた。
『慶太、あいつまた二組通いかよ』
『ここ最近いっつもいねーよな』
『二組っつったらあれじゃん、榛葉ちゃん? だっけ?』
『そーそー、ナイトウたちと賭けてるんだってよ。榛葉落とせるかどーかだとか』
『まじかよ! 確かにすげーかわいいけどさ、超難関じゃなかったっけあいつ』
『男子校で難関も糞もねーだろ。あいつら本当馬鹿だよな』
『とかいいつつ興味あるんだろ、このむっつり』
『ちげーよ、可愛くったって男だろ? 流石にそこまで餓えてねーよ』
『こいつこの前試合んとき○○高のやつにアド聞かれたんだって』
『は? 俺初めて聞いたんだけど、なんで俺呼ばなかったんだよ!』
『うっせえ! お前が応援だるいってボイコットしたんだろうが!』
『で、どう思う?』
『なにが』
『だから、慶太だよ慶太。榛葉姫のこと落とせると思う?』
『無理だろ。いくら可愛いっつったって榛葉ってそういう噂聞かねえし、そっちの気ないんじゃね?』
『いやでもさ、最近結構慶太と榛葉、一緒にいんの見るよな。』
『慶太だろ? あいつならいけんだろ。上っ面だけはいいしな』
『性格クソ最悪だけどな』
『ははっ確かに。つーか渋谷とナイトウっていったら前にも似たようなことやってなかったっけ』
『ああ、カブラキカオだろ?』
『俺美少年ならあっちのが好きだったなあ』
『あれ結局どうなったわけ?』
『カオ? カオのやつなら確か慶太だったろ、勝ったの』
『暫く付き合ってたとか言ってなかったっけ』
『え? もう別れたんじゃねえの? この前カオが一組のやつと廊下でヤッてんの見たんだけど』
『一組? 三組のでけーやつだろ』
『俺も見たけどさ、今結構色んなやつとヤリまくってるんだって』
『うっわヤリ……カオってそういうタイプじゃなかっただろ、なんかショックだわ』
『さあ? 慶太にヤリ捨てられてやさぐれてんだろ』
『あー有り得る。前のやつもそうだったろ、確か』
『うわ、まじで? えぐいなあいつらまじ』
『お前は一生相手にされねーから安心しろ』
『うっせ、馬鹿』
以上、本日休み時間渋谷君のクラスの中で交わされた会話だ。
複数人の声や雑音、笑い声が混じり所々聞き取りにくい部分も合ったが僕にとっては充分なものだった。
別に渋谷君に失望なんてしない。そもそも最初から希望なんて持っていないわけだから。
本来ならばここは郁君の友人として渋谷君の評判の悪さを嘆くべきなのだろうが、どうしてだろうか。無意識に頬の筋肉が緩み、笑みが浮かぶ。
――よかった。
――これで気兼ねなく渋谷君を潰せる。
腹の奥から吹き上げるこのどろりとした感情こそが僕の本音なのだろう。自分で思わず笑いが止まらなかった。
そのまま盗聴器の記録を再生し続けていると他にも渋谷君の話は色々出てきた。その度郁君の名前も出てきて、やはり二人は結構噂になっているようだ。
郁君が注目を浴びるのはいつものことなのであまり気に留めていなかったのだが、まさか裏でこんな風なやり取りが行われているとは思ってもいなかった。
――完全に僕の失態だ。渋谷君ばかりに気を取られ、郁君が賭けに使われていることを気に付かなかったなんて。
基本、郁君の周りを平和にすることだけで精一杯だったため醜聞や噂まで手が回らなかったが、これからは気を付けた方がいいかもしれない。
渋谷君と賭けをして楽しんでいるナイトウという生徒も気になったが、生憎僕の記憶にはない。
……とにかく、今は見えている厄介の種を摘む方が先だ。
小さく息を吐き、背もたれに寄りかかった僕は不愉快な音声を止めた。
いい噂のない人間を郁君の傍に置いておくわけにはいかない。
真面目で誠実な郁君までそういう風に見られるかもしれないという可能性、そんなことなるとは思っていないが少なからず渋谷君から郁君が悪い影響を受けるかもしれないという可能性。
郁君にとってマイナスになるような可能性を見なかったことにするわけにはいかなかった。
郁君に友達が出来た。
名前は渋谷慶太(しぶやけいた)。
明るくて気さくなムードメーカーみたいな人で、この間食堂で席が近くなったのを切っ掛けに郁君と話すようになったのだ。それから最近では休み時間になる度わざわざうちのクラスに遊びに来るようにもなった。因みに渋谷君のクラスは離れている。
同じクラスに友達がいないのだろうか、なんて思ったりもしたが、廊下で擦れ違う度に色んな人に声を掛けられていたので全くいないわけではないようだ。
それでも、渋谷君が郁君と仲良くしてくれるのは嬉しい。郁君も郁君で渋谷君と話すのを楽しみにしているし、渋谷君は僕と違って話も上手いし話題もたくさんある。郁君が嬉しそうにしているだけで僕も嬉しかった。
――嬉しかったが、渋谷君に対し思うところがないと言えば嘘になる。
「榛葉(しんば)、しーんば、もう帰んの? 一緒飯食ってこーぜ」
全ての授業が終わり、郁君と教室を出たときだった。
廊下で待っていたらしい渋谷君は言いながら郁君に早速絡んでくる。
そして、思い出したようにこちらに目を向けた渋谷君は「もちろん、御厨(みくりや)もな」とそう無邪気に微笑んだ。
今まで好意を持って郁君に近付いてきた人はたくさんいたが、その中でも渋谷君は珍しいタイプだった。
大抵の人たちは郁君の側に常に張り付いている僕をあしらおうとするが、渋谷君は寧ろ積極的に僕を取り込もうとしてくる。だからこそ、僕もあしらうにあしらえないのが現状だ。
「……ああ、そうだね」
「そういや食堂の新メニュー見たか? いかにも榛葉が好きそうなやつだったぞ」
「俺が?」
「そうそう、甘いやつ好きだったよな、榛葉」
「よく覚えてるな……」
他愛ない会話を交わしながら、渋谷君と郁君は先をどんどん歩いていく。
そんな二人から一歩引いたところから僕は後を追いかけた。
郁君にはたくさんのいい友人を作って楽しい毎日を過ごしてもらいたいが、渋谷君は見るからにそういうタイプではない。
明るく染めた髪にある程度着崩した制服。女受けがよさそうな顔に張り付けたような軽薄な笑顔。
渋谷君のようなタイプの人間は人付き合いに慣れてる分取り繕うのにも長けている。それだけに、なにを考えているのか読めない。
過保護だと言われればそこまでかもしれないが、郁君には渋谷君のようなチャラチャラとしたタイプではなく真面目そうな子と仲良くしてもらいたい。
でも、すっかり渋谷君に懐いている郁君を見てると言うに言い出しにくい。
別に一概に渋谷君を悪者と決め付けているわけではないが、誰だって黒い部分はあるはずだ。それを存在しないかのように取り繕う人間ほど信用できない。
僕個人としては渋谷君は嫌いではないが、郁君の保護者としてはあまり郁君に近付けたくない。気に入らない。
でも郁君は渋谷君といると嬉しそうで、渋谷君がただ純粋に郁君と仲良くしたくて話し掛けてくれている場合を考えると、被害妄想染みた一方的な決め付けで二人を無理矢理離すことはできなかった。
確固たる証拠がほしかった。
郁君の友人として安心して任せられるという証拠が。それさえあれば、僕も安心することはできた。
僕自身、僕みたいなやつにも声をかけてくれる渋谷君をこれ以上疑いたくなかった。
だから、僕は一週間渋谷君の身辺調査をすることを決意した。
基本、授業のときと消灯時間以外は渋谷君は郁君と行動しているので監視するのは楽だった。
だが、別に渋谷君の上っ面を見ていたいわけではない。
僕は渋谷君のクラスに自作した盗聴器を仕掛けた。
そしてその夜、調査を初めてから一日も経たない内に渋谷君のボロが出た。
深夜一時。
すやすやとベッドで眠る郁君を起こさないよう灯りを小さくした僕は、勉強机に置いたノートPCと向かい合う。
そしてイヤホンを耳に嵌め、盗聴器が拾った音声を再生させた。
『慶太、あいつまた二組通いかよ』
『ここ最近いっつもいねーよな』
『二組っつったらあれじゃん、榛葉ちゃん? だっけ?』
『そーそー、ナイトウたちと賭けてるんだってよ。榛葉落とせるかどーかだとか』
『まじかよ! 確かにすげーかわいいけどさ、超難関じゃなかったっけあいつ』
『男子校で難関も糞もねーだろ。あいつら本当馬鹿だよな』
『とかいいつつ興味あるんだろ、このむっつり』
『ちげーよ、可愛くったって男だろ? 流石にそこまで餓えてねーよ』
『こいつこの前試合んとき○○高のやつにアド聞かれたんだって』
『は? 俺初めて聞いたんだけど、なんで俺呼ばなかったんだよ!』
『うっせえ! お前が応援だるいってボイコットしたんだろうが!』
『で、どう思う?』
『なにが』
『だから、慶太だよ慶太。榛葉姫のこと落とせると思う?』
『無理だろ。いくら可愛いっつったって榛葉ってそういう噂聞かねえし、そっちの気ないんじゃね?』
『いやでもさ、最近結構慶太と榛葉、一緒にいんの見るよな。』
『慶太だろ? あいつならいけんだろ。上っ面だけはいいしな』
『性格クソ最悪だけどな』
『ははっ確かに。つーか渋谷とナイトウっていったら前にも似たようなことやってなかったっけ』
『ああ、カブラキカオだろ?』
『俺美少年ならあっちのが好きだったなあ』
『あれ結局どうなったわけ?』
『カオ? カオのやつなら確か慶太だったろ、勝ったの』
『暫く付き合ってたとか言ってなかったっけ』
『え? もう別れたんじゃねえの? この前カオが一組のやつと廊下でヤッてんの見たんだけど』
『一組? 三組のでけーやつだろ』
『俺も見たけどさ、今結構色んなやつとヤリまくってるんだって』
『うっわヤリ……カオってそういうタイプじゃなかっただろ、なんかショックだわ』
『さあ? 慶太にヤリ捨てられてやさぐれてんだろ』
『あー有り得る。前のやつもそうだったろ、確か』
『うわ、まじで? えぐいなあいつらまじ』
『お前は一生相手にされねーから安心しろ』
『うっせ、馬鹿』
以上、本日休み時間渋谷君のクラスの中で交わされた会話だ。
複数人の声や雑音、笑い声が混じり所々聞き取りにくい部分も合ったが僕にとっては充分なものだった。
別に渋谷君に失望なんてしない。そもそも最初から希望なんて持っていないわけだから。
本来ならばここは郁君の友人として渋谷君の評判の悪さを嘆くべきなのだろうが、どうしてだろうか。無意識に頬の筋肉が緩み、笑みが浮かぶ。
――よかった。
――これで気兼ねなく渋谷君を潰せる。
腹の奥から吹き上げるこのどろりとした感情こそが僕の本音なのだろう。自分で思わず笑いが止まらなかった。
そのまま盗聴器の記録を再生し続けていると他にも渋谷君の話は色々出てきた。その度郁君の名前も出てきて、やはり二人は結構噂になっているようだ。
郁君が注目を浴びるのはいつものことなのであまり気に留めていなかったのだが、まさか裏でこんな風なやり取りが行われているとは思ってもいなかった。
――完全に僕の失態だ。渋谷君ばかりに気を取られ、郁君が賭けに使われていることを気に付かなかったなんて。
基本、郁君の周りを平和にすることだけで精一杯だったため醜聞や噂まで手が回らなかったが、これからは気を付けた方がいいかもしれない。
渋谷君と賭けをして楽しんでいるナイトウという生徒も気になったが、生憎僕の記憶にはない。
……とにかく、今は見えている厄介の種を摘む方が先だ。
小さく息を吐き、背もたれに寄りかかった僕は不愉快な音声を止めた。
いい噂のない人間を郁君の傍に置いておくわけにはいかない。
真面目で誠実な郁君までそういう風に見られるかもしれないという可能性、そんなことなるとは思っていないが少なからず渋谷君から郁君が悪い影響を受けるかもしれないという可能性。
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