78 / 85
崩壊前夜
擦れ違う心と噛み合わない体
しおりを挟む
なっちゃんに連れて行かれた先は人通りの少ない学生寮、その裏だった。
普通ならばまず人が来ないようなそこに向かおうとするなっちゃん。
流石に嫌な予感がして、「なっちゃん」と引き返そうとしたときだった。
「…………京」
名前を、呼ばれる。
耳障りのいい、低めの声。
「ま、こちゃん」
声の主を振り返るよりも先に、口が、その名前を呼んでいた。
壁を背に立っていたマコちゃんは、俺の姿を見るとすぐに歩み寄ってきた。
本当だったら、嬉しかっただろう。
どうしてここに、と胸の奥がぎゅーっとなって、飛んで喜ぶかもしれない。
けれど、俺は、昨日既にマコちゃんと会っていた。
夢現な記憶の中、それも、最悪な形でだ。
「……っ、ど……して……」
「…………委員長、言われた通りこいつは連れてきたんで。……また用が終わる頃に呼んで下さい」
そう、なっちゃんはそれだけ言ってどっかに行く。
その場に残された俺とマコちゃんの間には、なんとも言えない空気が流れた。
……本当はすっごく嬉しいはずなのに、会えた喜びよりも昨日のことを言及されるのが怖かった。
「マコちゃん……」
「悪かったな……連絡もなしに急に来て。それを、言いたかったんだ。…………俺は、お前の都合を考えていなかった」
驚かせようと思ったんだ、実は。
なんて、他の奴らには見せないようないたずらっ子のような笑顔。
笑顔なのに、マコちゃんの寂しさとかそういうのを感じてしまって、俺は笑えなかった。
「違う、嬉しかったよ……すごいびっくりしたし……俺も、会いたかった…………本当だよ?」
「……そうだったのか?」
「…………俺がただ…………っ」
ただ、だめだっただけで。
マコちゃんは何一つ悪くない。
そう、マコちゃんを早く安心させたいと思うのに、言葉が続かない。
余計な記憶までフラッシュバックし、動悸が早くなる。
……………ユッキー。
あいつの顔を、声を思い出すだけで、言葉にできないどす黒いものが腹の中に込み上げてくるのがわかった。
「……っ、俺が…………」
「京」
「……ッ!」
マコちゃんに手を掴まれ、ぎょっとする。
いつの間にかに手が震えていたらしい。
「…………熱いな、まだ具合悪いのか?……酷い顔になってる」
「……ま、こちゃん…………」
「必要以上に自分を攻めるな。…お前に悪いことなんて何もないだろう。全部俺が勝手にやったことなんだから」
ああ、この人は。
俺がほしい言葉を全部くれる。
違う、そうじゃないんだ。
俺が、あんたがせっかく会いに来てくれたのに別れたあと何をしていたと思う?
それを知っても、マコちゃんは同じ言葉を投げかけてくれるのだろうか。そんなわけがない。
俺だったら、そんなやつに優しくできない。
だからこそ余計、マコちゃんの優しさが辛かった。
「……っ、おい、大丈夫か?泣くほど辛いのか?」
「っ、ちが……これは……っマコちゃんが…………優しいから…………っ」
「…………俺が優しかったら泣くのか?」
「……ッ、ふ……ぅ……」
情けない、とか、こんな顔、見せたくない、とか。
そんなわけわからん感情がぶわーって一気に溢れ出して、制御できない。
ボロボロと溢れてくる涙に、マコちゃんは最初こそ驚いた顔したがすぐに仕方ないなという顔になる。
「っ、マコちゃん、見ないで……今、俺すげーダサいから…………」
「……ああ、そうだな、すごい顔になってるぞ」
「…………っなら、見ないで……」
そう言い終わるよりも先にマコちゃんに頬を優しく撫でられる。
目尻の涙を拭うその親指がくすぐったくて、「マコちゃん」とその手を掴んだとき、そっと抱き締められた。
「…………わかった、なら、俺は見なかったことにする。だから」
好きなだけ泣いてもいいぞ、と暗に言われたような気がした。
ぽんぽんと、赤子でもあやすかのように優しく背中を撫でられ、さっきの緊張が嘘みたいに全身が緩んでいくのがわかった。
……暖かい。
マコちゃんの心臓の音が聞こえてくる。
あんなに触れられるのが嫌だったのに、マコちゃんの手が、声が、心音が、嘘みたいに体に馴染んでいくのだ。
「……マコちゃんは、ずるい」
「…あぁ、そうかもしれないな」
「…………風紀委員長のくせに」
「それとこれとは……関係ないだろう」
「………ん、そうかも」
こうして抱き締められると、触れたところからとくんとくんって心臓の音が響いて、なんだか本当に繋がったみたいな錯覚に陥る。
俺の震えが止まるまで、マコちゃんは俺を抱き締めてくれた。
時折頭を撫でて髪を掬うくらいで、あとは、ただ優しく俺を宥めてくれるのだ。
それ以上のことは何もしない。
涙はいつの間にかに止まっていた。
「もう、大丈夫なのか?」
「…………ん、大丈夫。マコちゃんの顔が見れたからね」
「……本当か?」
「…………本当だよ」
「…だったらいいが、無理はするなよ。千夏にも伝えておく、お前が具合悪そうならすぐに保健室へと連れて行けってな」
「…………絶対なっちゃん嫌がりそー」
『なんで俺が』と不機嫌な顔していうなっちゃんが頭に浮かぶ。
「……それにしても、京、随分と千夏と仲良くなったみたいだな」
「仲良くって……そお?寧ろ、なっちゃん俺のこと絶対うざがってると思うんだけどなー」
「そうか?…電話口でも思ったが、あいつは嫌いなやつほど何も言わないタイプだからな。……それだけお前のことを心配してるっていう証拠だ」
「…………ふーん?」
どことなく嬉しそうなマコちゃんに、なーんか腑に落ちない俺。
こういうのって、普通嬉しいもんなのかな。
「……マコちゃんはさぁ、俺となっちゃんが仲良くなったとして……その、ヤキモチとか妬かないわけ?」
「っ、な、何を言い出すかと思えば…………」
「マコちゃんはヤキモチ焼きだと思ってたんだけどなぁ」
「…………あのなぁ………………」
呆れ果てるマコちゃんだが、返す言葉が見つからないらしい。
うーーんと考え込むような仕草で言葉を探し、そして紛らすように咳払いを一つ。
「第一、あいつはそういうやつじゃない。…………確かに、妬かないといえば嘘になるけどもだ」
「へーーー」
「……おい、やめろその目」
「…………でもそうだね。なっちゃんはお人好しっぽいし、口煩いけど……なんか、最初の頃のマコちゃんに似てる」
「…………………………そうか」
「…………あ、もしかして今ちょっと妬いた?マコちゃんの嫉妬ポイント謎だわー」
「……悪かったな、器の小さな男で」
「……へへ、でもそういうマコちゃんも好きだよ」
マコちゃんといると不思議だ。さっきまであんなにバッキバキに固まっていた表情筋が勝手に緩むのだ。
マコちゃんの目がこちらを向く。
少しだけ、むっとしたような顔。
目と目がぶつかり合って、ほんの一瞬、時間が停まったような気がした。
あ、と思ったときには遅かった。
視界が陰る。マコちゃんの顔が近付いて、無意識に息が停まった。
加速する鼓動。俺はそれを受け止めようとしたときだった。
脳裏に、ヒズミ、そしてユッキーとのキスが蘇る。
…………それは、反射的なものだった。
俺は、マコちゃんの唇が触れるよりも先に、マコちゃんの胸を押し返した。
瞬間、空気が凍る。
「…………っ、京…………」
驚いたような顔をするマコちゃんと、それ以上に驚いたのは……俺自身だった。
…………俺、今……何した?
真っ白になる頭の中、それを理解した瞬間血の気が引いた。
「今のは……違………っ」
マコちゃんを拒否したわけじゃない。
そう言いたいのに、言葉が上手く出なくて。
少しだけ驚いた顔をしたマコちゃんは、俺から手を離した。そして、微笑む。
「……悪かった、無遠慮だったな」
傷付いた、顔。そのくせ俺を気遣う優しい声。
胸が、心臓が痛いほど軋む。
違う、違うのに。真っ白になった頭では上手く言葉を吐き出せない。
「ま、こちゃ……」
「委員長」
辛うじて出した声はどこからともなく響いてきた不遜な声に掻き消される。
ハッとし、振り返ればそこにはなっちゃんがいた。
「委員長、そろそろ人目が多くなります。……戻らないと見つかったらメンドーっすよ」
「…………あぁ、そうだな。千夏、京を頼んだ」
「っ、待って、マコちゃんっ」
マコちゃんが帰ってしまう。
咄嗟にマコちゃんの腕を掴んで引き止めれば、振り返ったマコちゃんにくしゃくしゃと髪を撫でられた。
「……京、お前の顔が見れてよかった。……またな」
「…………ッ!」
マコちゃんの手はすぐに離れた。
今度は止める暇もなく、マコちゃんが離れていく。
慌てて追いかけようとするが、なっちゃんに止められた。
「…………なっちゃん……っ」
「あんた、生徒会なら委員長の状況知ってんだろ。……あんま長居すると見つかった時が厄介なんだよ。…どーせいつもベタベタしてんだから少しくらい我慢しろ」
なっちゃんの言い分は理解できた。できたからこそ余計、歯痒かった。
あのときのショック受けたようなマコちゃんの表情が頭から離れない。
……マコちゃん。後から電話しよう。
そう思うのに、上手く弁明できる自信がなかった。
一瞬でもマコちゃんを怖いと思ってしまった自分が嫌で嫌で嫌で、俺は、やり場のない自己嫌悪にただマコちゃんを見送ることすらできなかった。
普通ならばまず人が来ないようなそこに向かおうとするなっちゃん。
流石に嫌な予感がして、「なっちゃん」と引き返そうとしたときだった。
「…………京」
名前を、呼ばれる。
耳障りのいい、低めの声。
「ま、こちゃん」
声の主を振り返るよりも先に、口が、その名前を呼んでいた。
壁を背に立っていたマコちゃんは、俺の姿を見るとすぐに歩み寄ってきた。
本当だったら、嬉しかっただろう。
どうしてここに、と胸の奥がぎゅーっとなって、飛んで喜ぶかもしれない。
けれど、俺は、昨日既にマコちゃんと会っていた。
夢現な記憶の中、それも、最悪な形でだ。
「……っ、ど……して……」
「…………委員長、言われた通りこいつは連れてきたんで。……また用が終わる頃に呼んで下さい」
そう、なっちゃんはそれだけ言ってどっかに行く。
その場に残された俺とマコちゃんの間には、なんとも言えない空気が流れた。
……本当はすっごく嬉しいはずなのに、会えた喜びよりも昨日のことを言及されるのが怖かった。
「マコちゃん……」
「悪かったな……連絡もなしに急に来て。それを、言いたかったんだ。…………俺は、お前の都合を考えていなかった」
驚かせようと思ったんだ、実は。
なんて、他の奴らには見せないようないたずらっ子のような笑顔。
笑顔なのに、マコちゃんの寂しさとかそういうのを感じてしまって、俺は笑えなかった。
「違う、嬉しかったよ……すごいびっくりしたし……俺も、会いたかった…………本当だよ?」
「……そうだったのか?」
「…………俺がただ…………っ」
ただ、だめだっただけで。
マコちゃんは何一つ悪くない。
そう、マコちゃんを早く安心させたいと思うのに、言葉が続かない。
余計な記憶までフラッシュバックし、動悸が早くなる。
……………ユッキー。
あいつの顔を、声を思い出すだけで、言葉にできないどす黒いものが腹の中に込み上げてくるのがわかった。
「……っ、俺が…………」
「京」
「……ッ!」
マコちゃんに手を掴まれ、ぎょっとする。
いつの間にかに手が震えていたらしい。
「…………熱いな、まだ具合悪いのか?……酷い顔になってる」
「……ま、こちゃん…………」
「必要以上に自分を攻めるな。…お前に悪いことなんて何もないだろう。全部俺が勝手にやったことなんだから」
ああ、この人は。
俺がほしい言葉を全部くれる。
違う、そうじゃないんだ。
俺が、あんたがせっかく会いに来てくれたのに別れたあと何をしていたと思う?
それを知っても、マコちゃんは同じ言葉を投げかけてくれるのだろうか。そんなわけがない。
俺だったら、そんなやつに優しくできない。
だからこそ余計、マコちゃんの優しさが辛かった。
「……っ、おい、大丈夫か?泣くほど辛いのか?」
「っ、ちが……これは……っマコちゃんが…………優しいから…………っ」
「…………俺が優しかったら泣くのか?」
「……ッ、ふ……ぅ……」
情けない、とか、こんな顔、見せたくない、とか。
そんなわけわからん感情がぶわーって一気に溢れ出して、制御できない。
ボロボロと溢れてくる涙に、マコちゃんは最初こそ驚いた顔したがすぐに仕方ないなという顔になる。
「っ、マコちゃん、見ないで……今、俺すげーダサいから…………」
「……ああ、そうだな、すごい顔になってるぞ」
「…………っなら、見ないで……」
そう言い終わるよりも先にマコちゃんに頬を優しく撫でられる。
目尻の涙を拭うその親指がくすぐったくて、「マコちゃん」とその手を掴んだとき、そっと抱き締められた。
「…………わかった、なら、俺は見なかったことにする。だから」
好きなだけ泣いてもいいぞ、と暗に言われたような気がした。
ぽんぽんと、赤子でもあやすかのように優しく背中を撫でられ、さっきの緊張が嘘みたいに全身が緩んでいくのがわかった。
……暖かい。
マコちゃんの心臓の音が聞こえてくる。
あんなに触れられるのが嫌だったのに、マコちゃんの手が、声が、心音が、嘘みたいに体に馴染んでいくのだ。
「……マコちゃんは、ずるい」
「…あぁ、そうかもしれないな」
「…………風紀委員長のくせに」
「それとこれとは……関係ないだろう」
「………ん、そうかも」
こうして抱き締められると、触れたところからとくんとくんって心臓の音が響いて、なんだか本当に繋がったみたいな錯覚に陥る。
俺の震えが止まるまで、マコちゃんは俺を抱き締めてくれた。
時折頭を撫でて髪を掬うくらいで、あとは、ただ優しく俺を宥めてくれるのだ。
それ以上のことは何もしない。
涙はいつの間にかに止まっていた。
「もう、大丈夫なのか?」
「…………ん、大丈夫。マコちゃんの顔が見れたからね」
「……本当か?」
「…………本当だよ」
「…だったらいいが、無理はするなよ。千夏にも伝えておく、お前が具合悪そうならすぐに保健室へと連れて行けってな」
「…………絶対なっちゃん嫌がりそー」
『なんで俺が』と不機嫌な顔していうなっちゃんが頭に浮かぶ。
「……それにしても、京、随分と千夏と仲良くなったみたいだな」
「仲良くって……そお?寧ろ、なっちゃん俺のこと絶対うざがってると思うんだけどなー」
「そうか?…電話口でも思ったが、あいつは嫌いなやつほど何も言わないタイプだからな。……それだけお前のことを心配してるっていう証拠だ」
「…………ふーん?」
どことなく嬉しそうなマコちゃんに、なーんか腑に落ちない俺。
こういうのって、普通嬉しいもんなのかな。
「……マコちゃんはさぁ、俺となっちゃんが仲良くなったとして……その、ヤキモチとか妬かないわけ?」
「っ、な、何を言い出すかと思えば…………」
「マコちゃんはヤキモチ焼きだと思ってたんだけどなぁ」
「…………あのなぁ………………」
呆れ果てるマコちゃんだが、返す言葉が見つからないらしい。
うーーんと考え込むような仕草で言葉を探し、そして紛らすように咳払いを一つ。
「第一、あいつはそういうやつじゃない。…………確かに、妬かないといえば嘘になるけどもだ」
「へーーー」
「……おい、やめろその目」
「…………でもそうだね。なっちゃんはお人好しっぽいし、口煩いけど……なんか、最初の頃のマコちゃんに似てる」
「…………………………そうか」
「…………あ、もしかして今ちょっと妬いた?マコちゃんの嫉妬ポイント謎だわー」
「……悪かったな、器の小さな男で」
「……へへ、でもそういうマコちゃんも好きだよ」
マコちゃんといると不思議だ。さっきまであんなにバッキバキに固まっていた表情筋が勝手に緩むのだ。
マコちゃんの目がこちらを向く。
少しだけ、むっとしたような顔。
目と目がぶつかり合って、ほんの一瞬、時間が停まったような気がした。
あ、と思ったときには遅かった。
視界が陰る。マコちゃんの顔が近付いて、無意識に息が停まった。
加速する鼓動。俺はそれを受け止めようとしたときだった。
脳裏に、ヒズミ、そしてユッキーとのキスが蘇る。
…………それは、反射的なものだった。
俺は、マコちゃんの唇が触れるよりも先に、マコちゃんの胸を押し返した。
瞬間、空気が凍る。
「…………っ、京…………」
驚いたような顔をするマコちゃんと、それ以上に驚いたのは……俺自身だった。
…………俺、今……何した?
真っ白になる頭の中、それを理解した瞬間血の気が引いた。
「今のは……違………っ」
マコちゃんを拒否したわけじゃない。
そう言いたいのに、言葉が上手く出なくて。
少しだけ驚いた顔をしたマコちゃんは、俺から手を離した。そして、微笑む。
「……悪かった、無遠慮だったな」
傷付いた、顔。そのくせ俺を気遣う優しい声。
胸が、心臓が痛いほど軋む。
違う、違うのに。真っ白になった頭では上手く言葉を吐き出せない。
「ま、こちゃ……」
「委員長」
辛うじて出した声はどこからともなく響いてきた不遜な声に掻き消される。
ハッとし、振り返ればそこにはなっちゃんがいた。
「委員長、そろそろ人目が多くなります。……戻らないと見つかったらメンドーっすよ」
「…………あぁ、そうだな。千夏、京を頼んだ」
「っ、待って、マコちゃんっ」
マコちゃんが帰ってしまう。
咄嗟にマコちゃんの腕を掴んで引き止めれば、振り返ったマコちゃんにくしゃくしゃと髪を撫でられた。
「……京、お前の顔が見れてよかった。……またな」
「…………ッ!」
マコちゃんの手はすぐに離れた。
今度は止める暇もなく、マコちゃんが離れていく。
慌てて追いかけようとするが、なっちゃんに止められた。
「…………なっちゃん……っ」
「あんた、生徒会なら委員長の状況知ってんだろ。……あんま長居すると見つかった時が厄介なんだよ。…どーせいつもベタベタしてんだから少しくらい我慢しろ」
なっちゃんの言い分は理解できた。できたからこそ余計、歯痒かった。
あのときのショック受けたようなマコちゃんの表情が頭から離れない。
……マコちゃん。後から電話しよう。
そう思うのに、上手く弁明できる自信がなかった。
一瞬でもマコちゃんを怖いと思ってしまった自分が嫌で嫌で嫌で、俺は、やり場のない自己嫌悪にただマコちゃんを見送ることすらできなかった。
12
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
天国地獄闇鍋番外編集
田原摩耶
BL
自創作BL小説『天国か地獄』の番外編短編集になります。
ネタバレ、if、地雷、ジャンルごちゃ混ぜになってるので本編読んだ方向けです。
本編よりも平和でわちゃわちゃしてちゃんとラブしてたりしてなかったりします。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…
親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』
強制補習ヘドニズム
田原摩耶
BL
『立派な魔道士になるまで、或いは肉体が死ぬまで出られないRPGの世界』に閉じ込められられた魔法学園落ちこぼれ問題児四人組が非戦闘型AI佐藤とともにレベリングしたり友情育んだり成長したりたまに負けて死にかけたりするクール平凡総受けBL(大体スケベ)
孤独な蝶は仮面を被る
緋影 ナヅキ
BL
とある街の山の中に建っている、小中高一貫である全寮制男子校、華織学園(かしきのがくえん)─通称:“王道学園”。
全学園生徒の憧れの的である生徒会役員は、全員容姿や頭脳が飛び抜けて良く、運動力や芸術力等の他の能力にも優れていた。また、とても個性豊かであったが、役員仲は比較的良好だった。
さて、そんな生徒会役員のうちの1人である、会計の水無月真琴。
彼は己の本質を隠しながらも、他のメンバーと各々仕事をこなし、極々平穏に、楽しく日々を過ごしていた。
あの日、例の不思議な転入生が来るまでは…
ーーーーーーーーー
作者は執筆初心者なので、おかしくなったりするかもしれませんが、温かく見守って(?)くれると嬉しいです。
学生のため、ストック残量状況によっては土曜更新が出来ないことがあるかもしれません。ご了承下さい。
所々シリアス&コメディ(?)風味有り
*表紙は、我が妹である あくす(Twitter名) に描いてもらった真琴です。かわいい
*多少内容を修正しました。2023/07/05
*お気に入り数200突破!!有難う御座います!2023/08/25
*エブリスタでも投稿し始めました。アルファポリス先行です。2023/03/20
ちょろぽよくんはお友達が欲しい
日月ゆの
BL
ふわふわ栗毛色の髪にどんぐりお目々に小さいお鼻と小さいお口。
おまけに性格は皆が心配になるほどぽよぽよしている。
詩音くん。
「えっ?僕とお友達になってくれるのぉ?」
「えへっ!うれしいっ!」
『黒もじゃアフロに瓶底メガネ』と明らかなアンチ系転入生と隣の席になったちょろぽよくんのお友達いっぱいつくりたい高校生活はどうなる?!
「いや……、俺はちょろくねぇよ?ケツの穴なんか掘らせる訳ないだろ。こんなくそガキ共によ!」
表紙はPicrewの「こあくまめーかー😈2nd」で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる