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同床異夢
02※
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俺は確かに馬鹿だ。頭は良くないし、勉強だって好きじゃない。
俺より勉強嫌いだと思ってた栄都にテストの点数を抜かれていたときは泣いたし、不貞腐れてペンも全部投げた。
栄都の言う通り、俺は馬鹿だったと思う。
「美甘はそのままでいいよ」と俺を抱きしめた燕斗の甘い言葉に唆され、大した努力もせず、その結果これだ。
こいつらの都合のいい玩具になっている自覚もあったはずなのに――潰される。身も心も全部押し潰され、栄都を受け止めるだけの肉にされる。
そのくせ、こいつは俺の名前を呼ぶのだ。美甘、と。馬鹿で愚図で一人では何も出来ない俺を捕まえ、笑うのだ。昔と変わらない嗜虐的な笑顔で。
「ったく、馬鹿のくせに脳味噌使って考えてんじゃねえよ。他の男に媚び売りやがって、白けんだろうが。……おい、聞いてんのか?」
「っ、ぁ、く、ぅ、んん……っ!」
「なあ美甘、サダのチンポはここまで届くのか? お前、結腸ぶち抜かれんの好きだもんな? クセになったらもの足りなくなんぞ。そんで、サダのふつーでやさし~~くっそ生温ィセックスであっせえとこばっか擦られて終わんの。前立腺も、『美甘が苦しんで可哀想だから』って膀胱ごと亀頭で殴ってくんねえだろ、絶対。お前それ耐えられんの?」
「っ、ぅ、あ、っ、や、ぁ……っ!」
「……無理だな」
「速攻別れて、チンポでけー男漁るフットワークもコミュ力もねえし出会う勇気も持ってねえお前は絶対俺らんとこ帰ってくんだろ、なあ」精子と血の匂いが充満した部屋の中、栄都のものが腹を出入りする度に脳味噌ごと掻き乱される。
それでも、ここで呑まれては駄目だ。ここで折れたらずっと俺は変われない。
こいつが嫌なのは、こいつらが嫌がってることがなんなのか分かった。ああ、もう充分ってくらい。
「かっ、かえ、んない……っ! そ、んな、そんなこと……ぉ゛、ぐ……っ!」
「あるんだよ、美甘」
「ふ、ぅ゛……っ!」
腰を浮かされ、そのまま乱暴に膀胱を内側から押し上げられた瞬間、震える性器から色のない熱がソファーに向かって噴き出す。一瞬漏らしたのかと青ざめたが、そうではない。ガクガクと痙攣する腰を掴まれたまま、小さく呻いた栄都は構わずピストンを繰り返した。
「ぁ゛、あ……っ、あぁ……っ!」
「オラ、休んでんじゃねえよ」
「い゛、ひう゛……っ! ぁ、う、ぐ……っ!」
項を噛まれる。そのまま高く腰を掴まれたまま内臓を押し上げられたとき、隙間なく根本までねじ込まれた栄都のものがドクンと大きく脈打つのを感じた。
早く、早く終わってくれ。
回る視界の中、腹の中で暴れる性器の先端から噴き出す熱に意識が遠くなっていく。
「はっ、ぁ……あ、あぁ……っ!」
体を支える力など最早残されていなかった。栄都の性器が引き抜かれると同時に溜まっていた精液が勢いよく溢れ、それを止めることもできないまま俺はそのままソファーに倒れ込んだ。
余韻が抜けないまま、びく、びく、と痙攣する全身。そんな俺を抱き寄せ、栄都は涙やらなんやらでどろどろになっていた俺にキスをした。
「はー……っ、美甘……」
「……っ、ふ、ぅ……っ」
触れるだけの軽いキス。遠のく意識の中、乱れた前髪の奥、栄都の顔がぼやけて見えた。
ここで気を失ったらだめだ。そう思うのに、抗える気力すらない。
「……今更まともに恋愛できると思うなよ」
最後、栄都が吐き出した言葉は呪詛のように俺の意識の底に深く沈んでいった。
俺より勉強嫌いだと思ってた栄都にテストの点数を抜かれていたときは泣いたし、不貞腐れてペンも全部投げた。
栄都の言う通り、俺は馬鹿だったと思う。
「美甘はそのままでいいよ」と俺を抱きしめた燕斗の甘い言葉に唆され、大した努力もせず、その結果これだ。
こいつらの都合のいい玩具になっている自覚もあったはずなのに――潰される。身も心も全部押し潰され、栄都を受け止めるだけの肉にされる。
そのくせ、こいつは俺の名前を呼ぶのだ。美甘、と。馬鹿で愚図で一人では何も出来ない俺を捕まえ、笑うのだ。昔と変わらない嗜虐的な笑顔で。
「ったく、馬鹿のくせに脳味噌使って考えてんじゃねえよ。他の男に媚び売りやがって、白けんだろうが。……おい、聞いてんのか?」
「っ、ぁ、く、ぅ、んん……っ!」
「なあ美甘、サダのチンポはここまで届くのか? お前、結腸ぶち抜かれんの好きだもんな? クセになったらもの足りなくなんぞ。そんで、サダのふつーでやさし~~くっそ生温ィセックスであっせえとこばっか擦られて終わんの。前立腺も、『美甘が苦しんで可哀想だから』って膀胱ごと亀頭で殴ってくんねえだろ、絶対。お前それ耐えられんの?」
「っ、ぅ、あ、っ、や、ぁ……っ!」
「……無理だな」
「速攻別れて、チンポでけー男漁るフットワークもコミュ力もねえし出会う勇気も持ってねえお前は絶対俺らんとこ帰ってくんだろ、なあ」精子と血の匂いが充満した部屋の中、栄都のものが腹を出入りする度に脳味噌ごと掻き乱される。
それでも、ここで呑まれては駄目だ。ここで折れたらずっと俺は変われない。
こいつが嫌なのは、こいつらが嫌がってることがなんなのか分かった。ああ、もう充分ってくらい。
「かっ、かえ、んない……っ! そ、んな、そんなこと……ぉ゛、ぐ……っ!」
「あるんだよ、美甘」
「ふ、ぅ゛……っ!」
腰を浮かされ、そのまま乱暴に膀胱を内側から押し上げられた瞬間、震える性器から色のない熱がソファーに向かって噴き出す。一瞬漏らしたのかと青ざめたが、そうではない。ガクガクと痙攣する腰を掴まれたまま、小さく呻いた栄都は構わずピストンを繰り返した。
「ぁ゛、あ……っ、あぁ……っ!」
「オラ、休んでんじゃねえよ」
「い゛、ひう゛……っ! ぁ、う、ぐ……っ!」
項を噛まれる。そのまま高く腰を掴まれたまま内臓を押し上げられたとき、隙間なく根本までねじ込まれた栄都のものがドクンと大きく脈打つのを感じた。
早く、早く終わってくれ。
回る視界の中、腹の中で暴れる性器の先端から噴き出す熱に意識が遠くなっていく。
「はっ、ぁ……あ、あぁ……っ!」
体を支える力など最早残されていなかった。栄都の性器が引き抜かれると同時に溜まっていた精液が勢いよく溢れ、それを止めることもできないまま俺はそのままソファーに倒れ込んだ。
余韻が抜けないまま、びく、びく、と痙攣する全身。そんな俺を抱き寄せ、栄都は涙やらなんやらでどろどろになっていた俺にキスをした。
「はー……っ、美甘……」
「……っ、ふ、ぅ……っ」
触れるだけの軽いキス。遠のく意識の中、乱れた前髪の奥、栄都の顔がぼやけて見えた。
ここで気を失ったらだめだ。そう思うのに、抗える気力すらない。
「……今更まともに恋愛できると思うなよ」
最後、栄都が吐き出した言葉は呪詛のように俺の意識の底に深く沈んでいった。
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