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近いようで遠い関係性、幼馴染。六日目。
正しいコミュニケーション※
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翌朝。
隣から聞こえてくるイビキと、全身を締め付けられるような息苦しさに飛び起きる。そして、目の前にあった宋都のアホ面に二度ぎょっとした。
……ああそうだ、俺、宋都のベッドで眠ったんだ。
無駄に強い力で抱きしめてくるやつの腕の中から抜け出し、ずるずるとベッドから這いずり出た俺はそのまま床に転がり落ちる。
「う゛……っ! くそ……」
なんで朝っぱらこんな目に、と泣きそうになる俺。というか、今何時なんだ。
目覚めは最悪だったが、たっぷり寝た気はする。
部屋の時計を確認した俺はハッとした。このままでは遅刻しかねない時間だ。
慌てて部屋を出て一階へと降りれば、廊下で丁度仕事へと向かうところのオバサンと鉢合わせになった。
「あ……っ、ども……」
「珍しいわね、遠君が寝坊だなんて。遠君は具合は大丈夫?」
「はい……って、俺は?」
「久し振りに燕斗が体調崩してね、一応薬飲んで寝かせてるけど……」
「燕斗がっ?!」
思わず声が裏返った。
だって、燕斗が体調不良なんて初めて聞いた。というか、あの双子は小さい頃から体が丈夫だったから余計。
「心配しなくても大丈夫よ。珍しいことでもないから、あの子も一人の方が楽だろうし」
笑うオバサンに、俺は何も言えなかった。
それから冷蔵庫にご飯用意してあるから好きに食べていいよ、というの俺に伝えたオバサンはそのまま仕事へと向かった。
後半、オバサンの話していた内容は頭に入ってこなかった。
――燕斗が体調不良。
それが珍しいことでもない?
疎遠に間に体が弱くなったのか、聞きたいことはあったが引き止めることもできなかった。
一人残された俺はスマホを見る。もう今から慌てて走って学校へ行ったところで間に合わないだろう。
諦めた俺は、ぐるぐると考えながらリビングへと向かった。
静まり返った部屋の中、テレビを付ければ朝のニュースが流れている。その内容も右耳から左耳へと抜けていくばかりだ。
冷蔵庫を開けば、三人分の朝飯が用意されていた。その一人分のプレートを手に取り、俺はそのままレンジへと持っていく。
燕斗が体調不良。
昨日夜遅かったみたいだった。それに、その前には俺を探すために寒い中を彷徨いていたようだったし。
……そんなの、体崩したって仕方ない。
そう思いながらも、どうしたって頭の中に浮かぶのは幼いときの燕斗の顔だった。
俺が体調崩したとき、ぐずる俺の側にずっと付き添っては手を握っててくれた燕斗の顔。
「…………」
別に、オバサンだって言ってた。一人の方が楽だって。
俺だってそう思う。あいつは一人でもなんでも器用にこなすやつだって。
「…………」
どうやら朝飯の加熱が終わったようだ。レンジの音がリビング内に響き渡った。
……なんでこんなにあいつのことを考えてるんだ。
きゅるるとお腹が鳴る。
ベッドからも降りれなくて、全身が熱で干上がっては飲み物も取りに行けないときのことを思い出した。このまま死ぬのではないか、と思った俺の部屋にやってきた燕斗が匙でスポドリを飲ませてくれたときのこと。
俺って、大分善良な人間なのかもしれない。
なんて思いながら、俺はレンジから取り出した皿をそのまま適当なトレーに乗せた。それから、恐らく燕斗用に買われたゼリー飲料とスポドリを乗せて俺はリビングを後にする。
――慈光家、二階。
諸々を乗せたお陰で重たくなったトレーをなんとか落とさないように気をつけつつ階段を登り、燕斗の部屋の前までやってきた。
が、いいが、そこで俺は止まっていた。
なんて声をかけるべきか。いや、別に普通に「飯、持ってきたけど」でいいんじゃないか。
でも、燕斗に頼まれたわけでもないし。
悩んだ末、ええい、と半ばヤケクソになりながら俺は扉をノックする。
「なあ、……あの、飯、持ってきたけど……食べれそうか?」
扉に向かって恐る恐る声をかける。けれど、扉の向こうから返事がくることはなかった。
もしかして寝てる可能性もある。けど扉の前に置いておくのも危ないし、せめて部屋に運んでおくか。
嫌がるだろうか、とも思ったが、あいつはそうしていたことを思い出した。俺たちの間に扉の有無なんてあって無いようなものだということも。
そっとドアノブを掴み、扉を開いたとき。ベッド上、燕斗が起き上がったのもほぼ同時だった。
一瞬、宋都と部屋を間違えたのではないのかと思った。普段の燕斗とはかけ離れた、眉間に深く皺を刻んだ燕斗はこちらを見る。いや、この場合は睨んでると言った方が適してるだろう。
「……入っていいって言った覚えはないけど」
「返事が返ってこなかったからだよ。……飯、置きに来ただけだから」
すぐ出ていく、と付け足した声が少し震えてしまった。
燕斗にこんな目で睨まれたことも、出て行けと言わんばかりの態度で接されることも初めてだった。すぐになんで俺はここに来たんだ、と後悔したが、言ってしまった手前役割は果たさなければならない。
燕斗の視線が刺さるのを感じながら、俺はそろそろとそのテーブルの上にトレーを置いた。
具合、悪いと言っていたが……。
ちらりと燕斗を見る。燕斗は俺の顔も見たくないとでも言うかのようにそっぽ向いていた。けれど、その肌にうっすらと汗が滲んでるのを見た。
――熱があるのか。
「燕斗、熱があるのか?」
「……美甘には関係ないだろ」
「薬は……飲んだんだったな。……着替え、なんか体拭くものとかは……」
「いらない。……それより、さっさと出て行ってくれないか」
口調は変わらないが、声音から滲み出るのは拒絶そのものだ。なんだよそれ、と思ったが、不思議とそんな燕斗に対して怒りは湧いてこない。
それよりも、本当に大丈夫なのかという心配の方が大きかったのだ。
俺に背を向けたまま、再びベッドへと寝そべる燕斗にそっと近付く。そのままその無防備な首筋に手を伸ばせば、びっくりしたような顔をして燕斗がこちらを見た。
燕斗の反応にも驚いたが、それよりも俺はその体温の高さにも驚いた。
普段の低体温気味の燕斗からすれば、高熱もいいところだ。俺は慌てて燕斗の部屋にあった体温計を持ってくる。
専ら俺専用でもあったそれだが、まさか燕斗に使う日がくるなんて。
「燕斗、ちゃんと計れよ」
「……いい。解熱剤も飲んだ」
「病院は?」
「いいって言ってるだろ」
そうベッドに乗り上げ、燕斗の体に触れようとしたときだ。思いの外大きな燕斗の声にビックリして、俺は手にしていた体温計をベッドの上に落とした。
自分でもそんなに怒鳴るつもりはなかったのか、少しだけ目を丸くしていた燕斗だったがすぐにその顔も背けられる。そして深く息を吐き、「いいから出て行って」ともう一度低く吐き捨てるのだ。
「……飯、置いてるから。飲み物も、欲しいものあったら……メッセージでもいいから送れよ」
そこまで言われて居座ることができるほど、俺は強くない。それでも必死に動揺を隠し、俺はそのまま燕斗の部屋を出た。
扉を背にしたまま、その場で座り込む。
余計なことをしてる自覚はあったし、自分でも理解し難い。けれど、一人でいるときの心細さと、今までそれを紛らわしてくれた燕斗が同じ立場になってると思うと、体が勝手に余計なことをしてくれたのだ。
メッセージで送れってなんだよ。俺、まさか学校休んで燕斗の看病でもする気か?あんなに嫌がられたのに?
……正気の沙汰とは思えない。
スマホを取り出し、燕斗からのメッセージが一通もきていないことを確認しては自嘲していたとき、ぽこんと通知音が響く。……サダからだ。
どうやら昨日の今日で遅刻かましてる俺を心配してくれたようだ、通知欄に『どうした?』というメッセージが表示されては余計気分が落ち込んだ。
……サダ。サダ、そりゃ心配だよな。通話に付き合わせたのは俺だったし。
けれど、すぐに返信する気分ではなかった。『燕斗が体調崩したから看病します』なんて素直に送れないし、寝過ごしたという体で後から返信するか。
ちくりと胸の奥が痛んだが、変にサダを心配させたくない。……言い訳だ。
「……んだよ、燕斗のやつ……」
そこまでかよ、と段々ムカついてきたが、再び扉を開けるような気分にはならなかった。
……ま、食事届けたしもういいか。
開き直り、どうしようかと迷った末にリビングへと降りようとしたときだ。
隣の扉が開き、宋都が顔を出す。
「なんだぁ? うるせーな」
「宋都」
「何一人で騒いでんだよ。」
「ひ、一人でじゃない。……燕斗だよ」
なんとなく声が低くなってしまい、これではなんだか拗ねた子供みたいだ。
「あいつがどうした?」とこちらへとやってきた宋都はお構いなしに人に肩を組んでくる。宋都の重みによろめきそうになるが、肩へと回されるその腕を振り払う元気は今の俺にはない。
無言で宋都を見上げれば、宋都は「なんだよ」と人の鼻の頭を摘んでくる。やめろよ、と慌ててその手を払った。
このまま燕斗の部屋の前で騒いでたら燕斗にまた言われそうだ。俺は宋都の腕を掴み、「こっち」とそのままリビングへと一緒に降りた。
――慈光家一階、リビング。
点きっぱなしだったテレビはニュースから朝の情報番組へと変わっていた。
俺と宋都はソファーに並んで座る。
「なんだよ、腹減ったのか?」
「違う。……その、燕斗が熱出したって……」
「……あー」
「なんだよ、あーって。知ってたのか?」
「いや知らねえけど、納得」
そう、こちらへと目を向けてくる宋都の顔はニヤついている。
「馬鹿だな、お前わざわざあいつの様子見に行ったのか?」
「そう、だけど……」
「んで、まさか追い返されたのか?」
図星を刺され、思わず言葉に詰まる。
そんな俺を見て、宋都は「まじか」と笑った。
「馬鹿だなお前、あいつが一番そういうの嫌がるって分かんだろ」
「だ、だけど……熱出たんなら……心配するだろ」
「心配なぁ」
「しないのかよ、宋都は」
「おい、キモいこと言わせんなよ。別に俺らは仲良しこよしで売ってねえから」
じゃあなにで売り出してんだよ、というツッコミはさておきだ。宋都が軽薄野郎だとは知ってたし、燕斗もドライなことも知ってる。
けど、なんかこう、胸にモヤモヤが引っかかってる。俺だけなのか、この違和感は。
「……燕斗が体崩してんの、初めて見た」
「まあ、あいつ一々表に出さないしな」
「オバサンが『よくあること』って言ってたけど、そうなのか?」
「………………」
「なんでそこで黙るんだよ」
「いーや、別に? 俺も考えてんだよ、あいつが怒らねえギリギリのライン」
「なんだよそれ」
「口止めされてるから」
宋都の言葉に、思わず俺は宋都の顔を見た。
相変わらずニヤついた顔だが、茶化してるような雰囲気はないからこそ余計少し躊躇う。
あいつが隠しがってるのなら別に知る必要はない。俺だって、二人とはこれ以上関わりたくない。はずなのに。
俺にとって生きてきて十年近くこの二人と一緒にいた。それが俺の全てでもあったが、二人にとってはそうではなかったとしたら?
今まで見てきたもの、感じてきた二人との思い出が途端に偽物のように思えてしまった。
何故俺は疎外感を感じてるのか。
「……どうして、口止め」
「そりゃ、お前に知られたくないからだろ」
「なんでだよ」
聞き返せば、宋都はぶはっと噴き出した。肩を揺らして口を手で覆う。
「なに笑ってんだよ」
「お前がそんな風に鈍感アホなのも、燕斗のせいだからな。仕方ねえよな」
「誰が鈍感アホ……」
「お前だよ、美甘」
また俺のこと馬鹿にしやがって。
聞いてるのに教えてくれない宋都にムカついたが、言い返す言葉が見つからないのが悔しくて、代わりにぎゅっと膝を抱える。
「なんだよ、いつも二人で分かったフリばっかしやがって……俺を笑って……」
「今度は拗ねやがった」
「俺は、お前らに隠し事したことは……あったかもしれないけど、全部バレてた」
「そりゃ、美甘は嘘が下手くそすぎんだからな」
「お前らもバレろよ、フェアじゃないだろ」
こんなことを言いたいはずではなかった。はずなのに、なんだか言ってる内に感情的になってしまった。
悲しいのか、俺は。自分で無茶苦茶なこと言ってるとは思ったが止められず、そのまま手元のクッションを膝に抱え込もうとしたときだ。伸びてきた宋都の手に、クッションを取り上げられた。そして、気付けば鼻先に宋都の顔があった。
「……っ、か、返せよ」
「つーかこれ、俺んだし」
「う……」
「美甘お前、寂しいのか?」
そんな訳ない。はずなのに。宋都の言葉をすぐ否定することが出来なかった。声が出ず、ただ宋都を見つめることしかできなかった。
「さっ、寂しいわけ……ないだろ、俺だってもう高校生だし、そもそもお前らと高校離れてもやって行けてたんだし……」
言いながら、何故自分がこんなに焦っているのかも分からなくなっていた。嘘は言ってないのに、早くこの話題を逸したくて仕方ない。
けれど、底意地の悪い顔のまま宋都は取り上げたクッションをそのままぽいっと床へと捨てる。捨てるなよ。
「へえ~、じゃあ寂しがり屋はあいつだけってことか」
「え……っ、……燕斗が……?」
「やべ、余計なこと言ったかも」
「燕斗が寂しがり屋なわけ……」
『美甘』
『もう少し、このままでいいか?』
「……ない、だろ」
言い掛けて、余計なことまで思い出してしまった。
今思えば、あのときも燕斗は様子がおかしかった。あの燕斗が弱音を吐くなんてと驚いたが、あれがもしただの弱音でなければ。
今まで俺に見せてこなかった面を、初めて見せようとしてくれたものだったとしたら。
考えれば考えるほど、胸の奥のもやもやが大きくなる。ってか、なんで俺に対して強がってきたんだよ。今までも、具合悪いときだった頼ってくれてもよかったんじゃないか。
「……」
「何萎れてんだよ」
「……萎れてない」
「寂しくねえんだろ」
「寂しくはない、けど……」
「あーもう、ぐちゃぐちゃ面倒臭えな」
なんでお前が急に怒るんだよ、と言いかけた矢先、いきなり着ていたスラックスを脱がされかけ、ぎょっとした。
「な、なに……っ?! おい、宋都……っ!」
「お前もあいつもクソ面倒臭えな、取り敢えず余計なこと考えんのやめろ」
「く、口で言えっ! そ、それは……っ!」
「口で言ってもグチグチネチネチしてるお前の腹まで響かねえだろ」
「だから、ヤんぞ」もっと他に言い方あるだろ、なんて突っ込む暇もなかった。リビングのソファーの上で徐に下着ごと剥ぎ取られ、叫びそうになったところを宋都につい先程まで身に着けてた下着を口にねじ込まれる。
ほのかに己の温もり諸々が残ったそれに青褪め、こいつ、と睨んだとき、目の前に勢いよく現れる性器にぎょっとした。
「もごっ、もごごっ!」
「燕斗も燕斗だよなぁ、やりたいことすりゃいいのに……っ、余計なことグチグチ言いやがって、バカみてえ」
「ん゛ぐ……っ!」
慌てて口の中のものを吐き出そうとしたところを両手首をあっさりと捕らえられ、頭上に固定された。そしてがら空きになった腿を掴まれ、そのまま人の腿に性器を擦り付けてくる宋都。
やめろバカ、何考えてんだと必死に腰を捩って抜け出そうとするが、力めば力むほど締め付けてしまい、腿の間の隙間をぬるぬると先走りを塗りたくるように滑る宋都の性器に下半身が熱くなる。
「っ、ふー……っ、ぅ……っ」
「美甘、いい加減に認めろよ。お前は俺らのこと大好きで、俺らがいねーと物足りないんだって」
「ん、う……っ!」
「お前の大好きなサダは、ここの面倒までは見てくれねえんだろ? 予言しといてやる、お前、他の奴らで満足できねえよ」
「む゛ぐ、むぅー……っ!」
今、ここでサダの名前を出すな。というか、お前がサダって呼ぶな。
そう言いかけた矢先、睾丸ごと竿同士をこすり合わせるようにびっちりと重ねられた瞬間、唾液が滲む。
気持ちよくなどない、不快感しかないのに。大きさが一回り二回りも違う宋都のモノで押し潰された下半身。意識してもないのに肛門が疼き出すのを感じて青褪めた。
「ふ、ぅ……っ」
「テメェの友達はチンポこうやって扱いてくんねえだろ、お前の大好きなケツ穴ほじってくれんのか?」
「む゛~~……っ!」
「ははっ、だよなぁ? ……美甘、お前も面倒臭いのは嫌いだろ? もっと分かりやすくいこうぜ」
にゅるにゅると宋都の先走りで濡れ、滑り出す性器を指で弾かれた瞬間、下半身がぶるりと跳ね上がる。
宋都の言葉は勝手だ。俺のこと知ったようなことばっか言って、好き勝手言って。
「っふ、ぅ゛……ッ!!」
股から性器が引き抜かれたと思った瞬間、そのままでろでろに濡れた性器が今度は口を開いていた肛門に押し当てられる。
やけに重みのある性器でべちべちと何度も肛門を叩かれ、それだけで下半身が跳ね上がりそうになるのを見て宋都はニヤニヤと笑うのだ。
「は、これだけでケツの穴パクついてんだから、もういい加減に認めろよ」
「む゛、ぅ」
「お前は男なしじゃ生きてけねえって」
んなわけないだろ、現にここ数年は生きていけた。そう言いたいのに、肛門の上をぬるぬると滑ってはなかなか中に入ってこない性器に意識が向いてしまう。
カリや裏筋の凹凸を肛門で感じるだけで、直接中へとなかなかやって来ない刺激にもどかしさは募るばかりだ。
呼吸の度に獣にも似た呻き声が漏れる。そんな俺を見て宋都は俺の口から下着を抜き取った。
「……っぷは、……っ、さ、んと……っ」
「挿れてほしいって言えよ、美甘」
「……ッ、……」
「俺のチンポじゃねえとやだって、可愛い声で言ってみろ」
リビング。情報番組特有の長閑なBGMをバックに、最もそれに相応しくない宋都の声が響いた。
そして何よりも恐ろしいことに、「言えるわけないだろ」と真っ先に言うべきところで言葉が出なかった。己の股の間、別の生き物みたいに膨張した宋都のブツから目を反らせないまま俺は思考停止したのだ。
「い、わない……っ!」
「ああ? こんなにケツ穴ヒクつかせて、なあに強がってんだよ」
「そっそんなこと、な……いぃ゛……ッ!」
「言え、オラ。いーえ、美甘」
「い、言わない゛……っ、ぅ゛~~……っ!」
ずりゅ、とわざと尻の穴にカリ引っかかるように這わせ、挟ませてこようとする宋都。
やめろ!と足をバタつかせ、必死に宋都の下から抜け出そうとすれば、舌打ちした宋都に尻を叩かれる。
「ひぅ゛っ!」
「今日のお前は往生際が悪ぃな、それとも煽ってんのか?」
「ゃ゛、た、叩かないで……っ」
「叩かれたくねえなら大人しくしろ」
「ぅ゛う゛……~~」
「変な声で鳴くな」
肛門にぴったりと押し付けられた亀頭に背筋が震えた。なんだよ、またこの流れじゃないか。ハマってんのはお前だろ、宋都。
そう言ってやりたいのに、宋都にケツを揉まれる内に訳が分からなくなってくる。
指で左右に広げられた肛門に、そのまま亀頭が頭を埋め込んでくる感覚だけがやけにリアルだった。
「はー……っ、ぁ、……んん……ッ! ゅ、いってない、まだ……っ、いいってぇ……ッ!」
「……もー無理、遅え、時間切れ」
「んな゛ぁ……ッ! んん……っ、ゃ、抜い……っ!」
珍しくゆっくりと挿入してくると思いきや、「抜かねえ」と背後で宋都が口にした瞬間、そのまま奥までねじ込まれる性器に堪らず叫びそうになった。
俺の反応を予見してか、俺の口を塞いだまま宋都は俺を羽交い締めしたまま腰を打ち付けてくる。
「っ、んっ、んん゛~~ッ!」
「……っ、は、美甘……っ、やっぱお前のケツん中いいわ、あったけえ」
「っ、れ゛じぐな゛……っ、ぁ゛……ッんぐ……っ! ぁ゛っ、や……っ!」
「喘ぎ声は色気がねえけど、俺ので慣れていけよ。そしたら彼氏萎えさせずに済むだろ?」
「っ、ゃッ、う、」
逃げようとすればする度に宋都の筋肉質な腕はガッチリと俺を引き戻し、そのまま奥をこじ開けるみたいに何度も何度も突き上げられ、その度に頭が真っ白になる。
声だって出したくない。つか俺が聞きたくない。のにだ、宋都のチンポで奥を穿られる度、中が捲れそうになるくらい擦られる度に訳わからないくらい体が熱くなって、油断したら喉から声が勝手に出てしまうのだ。
「ゃ、っ、ぁ……っ、や゛ぁ゛~~っ!」
「やじゃねえだろ?」
「っ、ふッ、ぅ゛……っ! ぁっ、う゛!」
捲れる。筋肉の働きなんて無視して出入りする宋都のブツに俺はただされるがままになるしかなかった。肌を打ち、骨伝いに伝わってくる震動。
羽交い締めついでに服の上から乳首を摘まれ、堪らず仰け反る。
「やっ、さ、んと……っ、ん、む……っ!」
どさくさに紛れて顔を覗き込んでくる宋都に唇に噛みつかれた。びくっと震える体を抱き込まれたまま、胸と体内、両方を宋都に嬲られる。
濡れた舌に口を開けろと催促され、従うしかない。絡めろと言わんばかりに咥内へと伸びる舌に、既にいっぱいいっぱいだった俺は応えるしかなかった。
「っ、ふ、……っ、ぅ……っ! ん、む……っ!」
「……っはー……っ、美甘、気持ちいいか?」
「っ、ぎもぢ、よぐない゛ぃ……っ!」
「嘘吐け、んなにパンパンにしてなに言ってんだ」
「う゛ひっ!」
空いた手に睾丸を揉まれ、恐怖のあまり縮み込む。それなのに、亀頭で前立腺押し上げられるとすぐに快感に変換されてしまうのだから人体というのは理解できない。
「ぁ゛うっ、ゃ、いや、だ……っ、やめよ、も……っ、こんなの……ッ!」
「気持ちいいって言え、美甘……っ、俺とセックスすんのが良いってその口で」
「ん゛ぅ……っ!」
「は……っ、雑魚のくせに強がりやがって」
「っ、ゃ、んむ……っ!」
またキスされて、今度は乱暴に舌を絡め取られ、唾液を飲まされる。止まるどころか激しさを増すピストンに体ごと潰されてしまいそうになりながら藻掻いたときだった。
ポケットの中、しまっていたスマホが震え出したのだ。
「……っ、!」
「…………あ?」
その震動は宋都にまで伝わっていたらしい。人のケツにチンポハメたまま動きを停めた宋都は、躊躇なく俺のポケットを弄り始めるのだ。
そして。
「なっ、やめ、返して……っ!」
「――お、彼氏君じゃん」
そう、画面に表示されたサダの名前にさっと青ざめる。
ろくなことを考えていない顔をした宋都に、俺はとてつもなく嫌な予感しか覚えなかった。
「さ、んと……っ、か、返し――」
そう、必死に背後の宋都へと手を伸ばそうとしたときだ。ひょいと俺の手を避けた宋都は、そのまま当たり前のように電話に出やがった。
「――ッ!」
「よぉサダ~、今美甘はお取り込み中だ。後でかけ直させてやるよ」
こいつ、まじか。
青ざめる俺を他所に、端末片手に「んじゃな」と端末の向こうにいるサダに声をかければ、そのまま一方的に通話を切るのだ。
「っ、なに゛ッ、ばかっ、宋都の馬鹿……っ!」
「うるせえ、寧ろ優しいだろうが。音信不通の美甘君のがあいつ心配すんだろ……っ、なあ?」
「ぅ゛、ひぎゅ……ッ!」
勝手な言い分を口にしながらケツを叩いてくる宋都に涙が滲む。クソ、馬鹿宋都。ごめんサダ、宋都のせいで絶対に心配してるに違いない。
「……っ、それよか、自分の心配しろ」
「っは、ぁ……っ、ゃ、も、やだ……っ、早く抜いて……っ!」
「じゃあしっかりケツ振れよ、美甘」
「しっかりここで俺の締めんのも忘れんなよ」と、ただでさえミチミチに広がった肛門を指で更に広げられそうになる。
何故、こんなことになってるのか。
俺は頭の中でサダへの謝罪文を考えようとするが、それも宋都に邪魔をされ有耶無耶になってしまった。
「っふー……っ、ぅ、ひ、……っ! ぃっ、さ、んと……っ、宋都……っ!」
「は……っ、声、我慢すんの忘れたのかよ。燕斗のやつに聞かれてもいいのか?」
「……っ! ん、む……っ、ぅん゛ん……っ!」
こんなことに慣れたくないのに、初めてのときよりも宋都の性器の動きを感じる余裕が出てきてしまう自分が嫌だった。
ソファーの上、藻掻く俺を押し潰すように腰を打ち付けた宋都はそのまま俺の体を抱き締めてくる。そして、奥深くで大きく脈打つ性器に全身が震えた。
声をあげる隙もなかった。宋都に顎を掴まれ、唇を塞がれたまま腹の奥、たっぷりと注がれる精液に下腹部がガクガクと震える。
「ぁ゛ーー~~……っ、っすげえ気持ちいいわ、やっぱ……っ」
「……っ、は……っ、ぁ……っ」
「あー、ったく、お前なにソファー汚してんだよ」
射精した記憶もなかった。ソファー座面の上、ぬとりとしたその汚れが自分の出したものだなんて。拭かなきゃ、と震える指先で、テーブルの上のティッシュを取ろうとしたときだ。
俺の腰を掴んだまま、精液で満たされたそこに向かって再び腰を動かし出す宋都に飛び上がりそうになる。
「っ、ま゛っ、ぁ……っ、さんと……っ!」
「なんだよ、美甘」
「ま゛っ、へ、むり、ゃ、いま」
「お前だって物足りねえだろ」
んなわけない!と叫ぶよりも先に、突き当りを押し上げてくる宋都の性器に堪らずぴんと背筋が伸びる。「っ、ぉ゛」と喉の奥から溢れる声に、宋都が笑った。
「っ、ここ、ごつごつされんの好きかぁ? ナカまで痙攣してんぞ、美甘」
「ぃ゛、ゃ゛あ゛ぁ゛……っ、ぬ゛いで……っ!」
「やだね」
「ぃ゛ぎゅっ!」
先程までは慣らされていたのだと分かった。精液で濡れ、ぐずぐずに解された肛門の中、出入りする宋都の性器はあまりにも俺には耐えられるものではなかった。最早宋都に捕まえられたまま、オナホかなにかのようにひたすら打ち付けられる性器を受け入れることしかできない
「ぉ、っ、んひ、ぎ……っ! っぉ゛、待っで、はげじ……ぃ゛……~~ッ!」
「っはー……っ、ほら、美甘逃げんなよ」
「ゃ゛っ、も゛、ゃだ、いやだっ、がえる゛……っ!」
「どこに帰んだよ」
どちゅ、と臍の裏側、前立腺を潰すように腰を動かす宋都に頭の中が白飛びする。色鮮やかな光が明滅し、緩急をつけ、持続的に与えられ続ける快感に脳細胞がどんどん死んで馬鹿になっていく気がしてならない。
ガクガクと震える腰、足を絡め取られ、そのまま覆いかぶさってくるように奥を重点的に突かれまくれば声を上げることもできなかった。
「ひゅ、……っか、は……ッ!」
「お前んちはここでいいだろ、もう」
「ぃ゛っ、ゃ゛……だ……ぁ……っ」
「苗字慈光に変えろ、なんなら結婚でもするか? 俺と燕斗、好きな方選べよ」
ふざけんな、思ってもないことをべらべら言いやがって。
言いながら耳の穴に舌突っ込んでくる宋都に怒りが沸いたが、ムカつくのにそれ以上に『結婚』という言葉に下半身がきゅっと反応してしまう。そして、宋都もそれに気付いたのだろう。厭らしい笑みを浮かべたまま、「可愛いやつ」と俺の耳朶を甘く噛むのだ。
「喜んでんじゃねえよ、期待したか? それとも花嫁願望でもあんのかよ、お前」
「ぢがっ、ちが、そんなんじゃ、な……っ」
「燕斗のやつに言ってみろ、あいつ喜んで真に受けるぞ……っ、は……っ、また締まった」
「っ、ぅ゛、ちが、うっ」
違うのに、体が勝手に反応してしまう。
こいつらと一緒にいたくなんてないし、離れ離れになって清清してたんだ、俺は。
それなのに、宋都に甘い言葉かけられて喜ぶなんて、そんなわけないのに。
「美甘」
「ちが、ぅ……~~っ!」
「恥ずかしがんなよ、美甘」
そのまま頬へとキスをされ、頭を抱き込むように更に耳元で名前を呼ばれれば、下半身が恐ろしいほど熱くなるのだ。
抱き締められて動けない状態で囁かれながら犯されるの、気持ちいい。んなわけ、ない。ないのに。馬鹿か俺。しっかりしろ。
「っ、ぃ゛っ、いく、っ、さんと、ゃ゛、止まって、ぃぐ、いくから……っ!」
「おお、イけイけ」
「ゃ゛、また、そふぁ、汚しちゃう……っ!」
「……っ、ああ、汚せよ、お前のでマーキングしてやれ。バレちまったら俺も一緒に怒られてやるよ」
――馬鹿宋都。
そう声をあげる暇もなく、ぶる、と震える性器の先っぽから噴き出す熱に頭が真っ白になった。声を上げることもできないまま、ただ口を開けたまま閉じることもできない俺を見下ろしたまま、宋都は笑う。そして「まだ休むなよ」と俺の頭を掴み、更にピストンを早めるのだ。
ああ、革のソファーでよかった。
そんなことを思いながら、俺は射精の余韻に浸る間もなく今度は射精を伴わない絶頂を迎えることとなったのだ。
「……っ、は、ひゅ……っ」
「おーい、生きてるか?」
目の前、手を振ってくる宋都に俺はまともに受け答えすることもできなかった。
ごぷ、と音を立てて引き抜かれる性器とともに、腹の中に溜まっていた精液が溢れる。それを人のケツの穴に塗りたくりながら、再びゆるく尻に挟めたまま腰を動かしてくる宋都に俺は鳴くことしかできなかった。
「やだ、も……っ、じない゛……っ」
「……まじ、歯止め効かなくなるな。勃起が収まんねえ」
「えんと、えんと起きちゃう……っ」
「俺の部屋がいいって? 俺の部屋のがあいつの部屋まで聞こえんぞ」
しないという選択肢はないのか。
散々揉みくちゃにされたお陰でよれたシャツ越し、両胸の乳首を柔らかく揉まれれば声が溢れる。腰が勝手に揺れてしまうのだ。
もうしたくないのに、あろうことか条件反射で熱が集まりだす下半身。それを見て宋都は「なんだ、やる気じゃねえか」なんて言い出すのだ。
「ちがう、も゛、しない゛……っ! ぃ、や、宋都……っ!」
「わかったわかった、突っ込まねえから。体力使わないやつならいいだろ」
なにがわかっただ、こいつ。何一つ分かってないじゃないか。「さんとっ」と声を荒げたとき、ついさっき宋都に取り上げられたはずの端末がテーブルの上で震え出した。
「しつけえな」と舌打ちをした宋都は、そのまま端末を手にした。待って、と宋都を止めるよりも先に、再び宋都が通話に出る方が早かった。
「んだよ、今お取り込み中なんですけど」
「……っ!」
すぐ背後、電話に出ながらも片手間に人の乳首を捏ね繰回す宋都に口を塞ぐ。
またサダからなのだろうか。話してる内容までは聞こえないが、サダの声が微かに聞こえた。
「あ? 美甘? 美甘は元気だよ。……なに? 声聞きてえって?」
「……っ! ……っ、……!」
「別に構わねえけど。……美甘、声聞かせろってよ」
「……ッ!」
ふざけんな、馬鹿宋都。こっちに端末を近付けるな。
そう慌てて逃げようとしたとき、「おいこら、美甘」と乳首を引っ張られ、背筋が震えた。声が溢れそうになるのをなんとか唇を噛んで堪えたが、息まで殺すことはできなかった。
頭を横に振り、やめてくれと懇願する俺に宋都は更に底意地の悪い顔をしたのだ。
「美甘、声くらい聞かせてやったらどうよ」
「……っ、ふ、く……っ、ぅ……っ!」
「ほら、さっきみたいに名前呼んだらどうだ? 『サダ~』って」
ふざけんなそれ俺の真似のつもりなのか。
完全に小馬鹿にしたような猫なで声でまたしてもサダを呼ぶ宋都に頭にきたが、その怒りも乳首への刺激によって掻き消される。
抓られたと思えば、今度は優しく先っぽを引っかかれ、喉の奥がぶるりと震えた。
「……っ、ふ、……っ」
「美甘、サダが心配してんぞ」
「……っ、さ、だ……っ」
乳輪の周りをくるくると優しく指先で撫でられ、指の腹が掠めるだけで乳首の先端が痛いほど腫れ上がる。さっきみたいに強く引っ張ってもらいたい、などと思ってるわけではない。それなのに、直接触れてこない宋都に焦らされその場で足をばたつかせた。
「っ、さだ、大丈夫……っ、だ、いじょお……ぶ……っ、ん、ぅら……っ、から……っ」
早く電話切ってくれ、と宋都の腕にしがみつけば、目の前で腹立つニヤけ面をした宋都は「はいはい」と言わんばかりに目を細める。そして。
「――っ、く、んんぅ……っ!」
硬く尖ったそこをすり、と指が薄皮を掠めた瞬間、大きく体が震えた。
「……っ、く……っ、ふぅ……っ、ふ、うう……っ!」
「じゃあそういうことだからサダ、邪魔すんじゃねえぞ~。今日は美甘はお休みだってセンセによろしくなぁ?」
端末越し、サダの声が聞こえたような気がした。けれどそれもすぐ聞こえなくなる。人の携帯を床へと放った宋都はそのまま俺の唇を塞ぎ、赤く腫れ上がったそこを両手で扱き始める。
「ん~……っ! ぅ、ん、っ、ゃ、めろ、やめろ……っ! そこ、ゃ……っ!」
「『や』じゃねえだろ、さっきから早く触ってくださいって面してたやつが何言っても説得力ねえっての。ほら、乳首シコってやるからちゃんと服掴んでろ」
「っは、ゃ、いやだ……っ、ぁ……っひ、……ぅ、う゛~~……っ!」
「足ピンしてんのウケる。まじで好きだよな、お前これ。優しくしてやったときより感度よくなんのなんだよ」
「っ、ひ、ん……っ、ふー……っ! ぅ……っ!」
頭と胸、熱すぎてわけわかんねえ。
ぢりぢりと脳の奥を焼かれるような刺激に耐えきれず、宋都の腕の中、大きく体が震えた。びくっびくっ、と痙攣する胸を撫で、ぴんと指で乳首を弾かれた瞬間、頭の中で光が弾けた。
「きゅ、ふ……ッ!」
ずるりと倒れそうになった先。カーペットの上、放られた端末の画面にサダの通話画面が表示されてることに気付く。
いや、まさか。待て。……まじで?
「やべ、切り忘れてたわ」
そう舌を出して笑う宋都の顔見て気が遠くなる。
それからのことはよく覚えてない。慌てて通話を切れさせようと端末へと手を伸ばしたが、それを掴まれ、そのまま再び背後から抱き竦められる。
「サダ、よかったな。ちゃんと録音してオカズにしとけよ、抜けんだろ美甘の声は」
「……っ、ぁ、やめろ、っ、ば、か……っ! サダ、切って、たのむ゛っ、ぅ゛……っ!」
「せっかくだからサービスしてやれよ、美甘」
「ぃ゛……っ、ゃ゛、め……ッ、ぇ゛……っ! ぐ、……っ、ひ……ッ!」
精液諸々でぐちゃぐちゃになったケツの穴に指をねじ込まれ、前立腺を押され、無理矢理声をあげさせられる。
空になった睾丸からはもうなにも出ない。俺は現実を現実だと受け入れることができなかった。腹の中から、上から前立腺を圧迫され、可哀想だからとついで扱いでチンポ扱かれ、何度イッたのかもわからなくなった頃。
鼻水と涙でべろべろに汚れながらも俺は端末へと這い寄る。なんとか手にした端末は電源が切れていた。
笑いすらも出てこない。
次第に意識が遠退いていく。
次に目を覚ましたときにはこれが夢であるのを期待するしかなかった。
隣から聞こえてくるイビキと、全身を締め付けられるような息苦しさに飛び起きる。そして、目の前にあった宋都のアホ面に二度ぎょっとした。
……ああそうだ、俺、宋都のベッドで眠ったんだ。
無駄に強い力で抱きしめてくるやつの腕の中から抜け出し、ずるずるとベッドから這いずり出た俺はそのまま床に転がり落ちる。
「う゛……っ! くそ……」
なんで朝っぱらこんな目に、と泣きそうになる俺。というか、今何時なんだ。
目覚めは最悪だったが、たっぷり寝た気はする。
部屋の時計を確認した俺はハッとした。このままでは遅刻しかねない時間だ。
慌てて部屋を出て一階へと降りれば、廊下で丁度仕事へと向かうところのオバサンと鉢合わせになった。
「あ……っ、ども……」
「珍しいわね、遠君が寝坊だなんて。遠君は具合は大丈夫?」
「はい……って、俺は?」
「久し振りに燕斗が体調崩してね、一応薬飲んで寝かせてるけど……」
「燕斗がっ?!」
思わず声が裏返った。
だって、燕斗が体調不良なんて初めて聞いた。というか、あの双子は小さい頃から体が丈夫だったから余計。
「心配しなくても大丈夫よ。珍しいことでもないから、あの子も一人の方が楽だろうし」
笑うオバサンに、俺は何も言えなかった。
それから冷蔵庫にご飯用意してあるから好きに食べていいよ、というの俺に伝えたオバサンはそのまま仕事へと向かった。
後半、オバサンの話していた内容は頭に入ってこなかった。
――燕斗が体調不良。
それが珍しいことでもない?
疎遠に間に体が弱くなったのか、聞きたいことはあったが引き止めることもできなかった。
一人残された俺はスマホを見る。もう今から慌てて走って学校へ行ったところで間に合わないだろう。
諦めた俺は、ぐるぐると考えながらリビングへと向かった。
静まり返った部屋の中、テレビを付ければ朝のニュースが流れている。その内容も右耳から左耳へと抜けていくばかりだ。
冷蔵庫を開けば、三人分の朝飯が用意されていた。その一人分のプレートを手に取り、俺はそのままレンジへと持っていく。
燕斗が体調不良。
昨日夜遅かったみたいだった。それに、その前には俺を探すために寒い中を彷徨いていたようだったし。
……そんなの、体崩したって仕方ない。
そう思いながらも、どうしたって頭の中に浮かぶのは幼いときの燕斗の顔だった。
俺が体調崩したとき、ぐずる俺の側にずっと付き添っては手を握っててくれた燕斗の顔。
「…………」
別に、オバサンだって言ってた。一人の方が楽だって。
俺だってそう思う。あいつは一人でもなんでも器用にこなすやつだって。
「…………」
どうやら朝飯の加熱が終わったようだ。レンジの音がリビング内に響き渡った。
……なんでこんなにあいつのことを考えてるんだ。
きゅるるとお腹が鳴る。
ベッドからも降りれなくて、全身が熱で干上がっては飲み物も取りに行けないときのことを思い出した。このまま死ぬのではないか、と思った俺の部屋にやってきた燕斗が匙でスポドリを飲ませてくれたときのこと。
俺って、大分善良な人間なのかもしれない。
なんて思いながら、俺はレンジから取り出した皿をそのまま適当なトレーに乗せた。それから、恐らく燕斗用に買われたゼリー飲料とスポドリを乗せて俺はリビングを後にする。
――慈光家、二階。
諸々を乗せたお陰で重たくなったトレーをなんとか落とさないように気をつけつつ階段を登り、燕斗の部屋の前までやってきた。
が、いいが、そこで俺は止まっていた。
なんて声をかけるべきか。いや、別に普通に「飯、持ってきたけど」でいいんじゃないか。
でも、燕斗に頼まれたわけでもないし。
悩んだ末、ええい、と半ばヤケクソになりながら俺は扉をノックする。
「なあ、……あの、飯、持ってきたけど……食べれそうか?」
扉に向かって恐る恐る声をかける。けれど、扉の向こうから返事がくることはなかった。
もしかして寝てる可能性もある。けど扉の前に置いておくのも危ないし、せめて部屋に運んでおくか。
嫌がるだろうか、とも思ったが、あいつはそうしていたことを思い出した。俺たちの間に扉の有無なんてあって無いようなものだということも。
そっとドアノブを掴み、扉を開いたとき。ベッド上、燕斗が起き上がったのもほぼ同時だった。
一瞬、宋都と部屋を間違えたのではないのかと思った。普段の燕斗とはかけ離れた、眉間に深く皺を刻んだ燕斗はこちらを見る。いや、この場合は睨んでると言った方が適してるだろう。
「……入っていいって言った覚えはないけど」
「返事が返ってこなかったからだよ。……飯、置きに来ただけだから」
すぐ出ていく、と付け足した声が少し震えてしまった。
燕斗にこんな目で睨まれたことも、出て行けと言わんばかりの態度で接されることも初めてだった。すぐになんで俺はここに来たんだ、と後悔したが、言ってしまった手前役割は果たさなければならない。
燕斗の視線が刺さるのを感じながら、俺はそろそろとそのテーブルの上にトレーを置いた。
具合、悪いと言っていたが……。
ちらりと燕斗を見る。燕斗は俺の顔も見たくないとでも言うかのようにそっぽ向いていた。けれど、その肌にうっすらと汗が滲んでるのを見た。
――熱があるのか。
「燕斗、熱があるのか?」
「……美甘には関係ないだろ」
「薬は……飲んだんだったな。……着替え、なんか体拭くものとかは……」
「いらない。……それより、さっさと出て行ってくれないか」
口調は変わらないが、声音から滲み出るのは拒絶そのものだ。なんだよそれ、と思ったが、不思議とそんな燕斗に対して怒りは湧いてこない。
それよりも、本当に大丈夫なのかという心配の方が大きかったのだ。
俺に背を向けたまま、再びベッドへと寝そべる燕斗にそっと近付く。そのままその無防備な首筋に手を伸ばせば、びっくりしたような顔をして燕斗がこちらを見た。
燕斗の反応にも驚いたが、それよりも俺はその体温の高さにも驚いた。
普段の低体温気味の燕斗からすれば、高熱もいいところだ。俺は慌てて燕斗の部屋にあった体温計を持ってくる。
専ら俺専用でもあったそれだが、まさか燕斗に使う日がくるなんて。
「燕斗、ちゃんと計れよ」
「……いい。解熱剤も飲んだ」
「病院は?」
「いいって言ってるだろ」
そうベッドに乗り上げ、燕斗の体に触れようとしたときだ。思いの外大きな燕斗の声にビックリして、俺は手にしていた体温計をベッドの上に落とした。
自分でもそんなに怒鳴るつもりはなかったのか、少しだけ目を丸くしていた燕斗だったがすぐにその顔も背けられる。そして深く息を吐き、「いいから出て行って」ともう一度低く吐き捨てるのだ。
「……飯、置いてるから。飲み物も、欲しいものあったら……メッセージでもいいから送れよ」
そこまで言われて居座ることができるほど、俺は強くない。それでも必死に動揺を隠し、俺はそのまま燕斗の部屋を出た。
扉を背にしたまま、その場で座り込む。
余計なことをしてる自覚はあったし、自分でも理解し難い。けれど、一人でいるときの心細さと、今までそれを紛らわしてくれた燕斗が同じ立場になってると思うと、体が勝手に余計なことをしてくれたのだ。
メッセージで送れってなんだよ。俺、まさか学校休んで燕斗の看病でもする気か?あんなに嫌がられたのに?
……正気の沙汰とは思えない。
スマホを取り出し、燕斗からのメッセージが一通もきていないことを確認しては自嘲していたとき、ぽこんと通知音が響く。……サダからだ。
どうやら昨日の今日で遅刻かましてる俺を心配してくれたようだ、通知欄に『どうした?』というメッセージが表示されては余計気分が落ち込んだ。
……サダ。サダ、そりゃ心配だよな。通話に付き合わせたのは俺だったし。
けれど、すぐに返信する気分ではなかった。『燕斗が体調崩したから看病します』なんて素直に送れないし、寝過ごしたという体で後から返信するか。
ちくりと胸の奥が痛んだが、変にサダを心配させたくない。……言い訳だ。
「……んだよ、燕斗のやつ……」
そこまでかよ、と段々ムカついてきたが、再び扉を開けるような気分にはならなかった。
……ま、食事届けたしもういいか。
開き直り、どうしようかと迷った末にリビングへと降りようとしたときだ。
隣の扉が開き、宋都が顔を出す。
「なんだぁ? うるせーな」
「宋都」
「何一人で騒いでんだよ。」
「ひ、一人でじゃない。……燕斗だよ」
なんとなく声が低くなってしまい、これではなんだか拗ねた子供みたいだ。
「あいつがどうした?」とこちらへとやってきた宋都はお構いなしに人に肩を組んでくる。宋都の重みによろめきそうになるが、肩へと回されるその腕を振り払う元気は今の俺にはない。
無言で宋都を見上げれば、宋都は「なんだよ」と人の鼻の頭を摘んでくる。やめろよ、と慌ててその手を払った。
このまま燕斗の部屋の前で騒いでたら燕斗にまた言われそうだ。俺は宋都の腕を掴み、「こっち」とそのままリビングへと一緒に降りた。
――慈光家一階、リビング。
点きっぱなしだったテレビはニュースから朝の情報番組へと変わっていた。
俺と宋都はソファーに並んで座る。
「なんだよ、腹減ったのか?」
「違う。……その、燕斗が熱出したって……」
「……あー」
「なんだよ、あーって。知ってたのか?」
「いや知らねえけど、納得」
そう、こちらへと目を向けてくる宋都の顔はニヤついている。
「馬鹿だな、お前わざわざあいつの様子見に行ったのか?」
「そう、だけど……」
「んで、まさか追い返されたのか?」
図星を刺され、思わず言葉に詰まる。
そんな俺を見て、宋都は「まじか」と笑った。
「馬鹿だなお前、あいつが一番そういうの嫌がるって分かんだろ」
「だ、だけど……熱出たんなら……心配するだろ」
「心配なぁ」
「しないのかよ、宋都は」
「おい、キモいこと言わせんなよ。別に俺らは仲良しこよしで売ってねえから」
じゃあなにで売り出してんだよ、というツッコミはさておきだ。宋都が軽薄野郎だとは知ってたし、燕斗もドライなことも知ってる。
けど、なんかこう、胸にモヤモヤが引っかかってる。俺だけなのか、この違和感は。
「……燕斗が体崩してんの、初めて見た」
「まあ、あいつ一々表に出さないしな」
「オバサンが『よくあること』って言ってたけど、そうなのか?」
「………………」
「なんでそこで黙るんだよ」
「いーや、別に? 俺も考えてんだよ、あいつが怒らねえギリギリのライン」
「なんだよそれ」
「口止めされてるから」
宋都の言葉に、思わず俺は宋都の顔を見た。
相変わらずニヤついた顔だが、茶化してるような雰囲気はないからこそ余計少し躊躇う。
あいつが隠しがってるのなら別に知る必要はない。俺だって、二人とはこれ以上関わりたくない。はずなのに。
俺にとって生きてきて十年近くこの二人と一緒にいた。それが俺の全てでもあったが、二人にとってはそうではなかったとしたら?
今まで見てきたもの、感じてきた二人との思い出が途端に偽物のように思えてしまった。
何故俺は疎外感を感じてるのか。
「……どうして、口止め」
「そりゃ、お前に知られたくないからだろ」
「なんでだよ」
聞き返せば、宋都はぶはっと噴き出した。肩を揺らして口を手で覆う。
「なに笑ってんだよ」
「お前がそんな風に鈍感アホなのも、燕斗のせいだからな。仕方ねえよな」
「誰が鈍感アホ……」
「お前だよ、美甘」
また俺のこと馬鹿にしやがって。
聞いてるのに教えてくれない宋都にムカついたが、言い返す言葉が見つからないのが悔しくて、代わりにぎゅっと膝を抱える。
「なんだよ、いつも二人で分かったフリばっかしやがって……俺を笑って……」
「今度は拗ねやがった」
「俺は、お前らに隠し事したことは……あったかもしれないけど、全部バレてた」
「そりゃ、美甘は嘘が下手くそすぎんだからな」
「お前らもバレろよ、フェアじゃないだろ」
こんなことを言いたいはずではなかった。はずなのに、なんだか言ってる内に感情的になってしまった。
悲しいのか、俺は。自分で無茶苦茶なこと言ってるとは思ったが止められず、そのまま手元のクッションを膝に抱え込もうとしたときだ。伸びてきた宋都の手に、クッションを取り上げられた。そして、気付けば鼻先に宋都の顔があった。
「……っ、か、返せよ」
「つーかこれ、俺んだし」
「う……」
「美甘お前、寂しいのか?」
そんな訳ない。はずなのに。宋都の言葉をすぐ否定することが出来なかった。声が出ず、ただ宋都を見つめることしかできなかった。
「さっ、寂しいわけ……ないだろ、俺だってもう高校生だし、そもそもお前らと高校離れてもやって行けてたんだし……」
言いながら、何故自分がこんなに焦っているのかも分からなくなっていた。嘘は言ってないのに、早くこの話題を逸したくて仕方ない。
けれど、底意地の悪い顔のまま宋都は取り上げたクッションをそのままぽいっと床へと捨てる。捨てるなよ。
「へえ~、じゃあ寂しがり屋はあいつだけってことか」
「え……っ、……燕斗が……?」
「やべ、余計なこと言ったかも」
「燕斗が寂しがり屋なわけ……」
『美甘』
『もう少し、このままでいいか?』
「……ない、だろ」
言い掛けて、余計なことまで思い出してしまった。
今思えば、あのときも燕斗は様子がおかしかった。あの燕斗が弱音を吐くなんてと驚いたが、あれがもしただの弱音でなければ。
今まで俺に見せてこなかった面を、初めて見せようとしてくれたものだったとしたら。
考えれば考えるほど、胸の奥のもやもやが大きくなる。ってか、なんで俺に対して強がってきたんだよ。今までも、具合悪いときだった頼ってくれてもよかったんじゃないか。
「……」
「何萎れてんだよ」
「……萎れてない」
「寂しくねえんだろ」
「寂しくはない、けど……」
「あーもう、ぐちゃぐちゃ面倒臭えな」
なんでお前が急に怒るんだよ、と言いかけた矢先、いきなり着ていたスラックスを脱がされかけ、ぎょっとした。
「な、なに……っ?! おい、宋都……っ!」
「お前もあいつもクソ面倒臭えな、取り敢えず余計なこと考えんのやめろ」
「く、口で言えっ! そ、それは……っ!」
「口で言ってもグチグチネチネチしてるお前の腹まで響かねえだろ」
「だから、ヤんぞ」もっと他に言い方あるだろ、なんて突っ込む暇もなかった。リビングのソファーの上で徐に下着ごと剥ぎ取られ、叫びそうになったところを宋都につい先程まで身に着けてた下着を口にねじ込まれる。
ほのかに己の温もり諸々が残ったそれに青褪め、こいつ、と睨んだとき、目の前に勢いよく現れる性器にぎょっとした。
「もごっ、もごごっ!」
「燕斗も燕斗だよなぁ、やりたいことすりゃいいのに……っ、余計なことグチグチ言いやがって、バカみてえ」
「ん゛ぐ……っ!」
慌てて口の中のものを吐き出そうとしたところを両手首をあっさりと捕らえられ、頭上に固定された。そしてがら空きになった腿を掴まれ、そのまま人の腿に性器を擦り付けてくる宋都。
やめろバカ、何考えてんだと必死に腰を捩って抜け出そうとするが、力めば力むほど締め付けてしまい、腿の間の隙間をぬるぬると先走りを塗りたくるように滑る宋都の性器に下半身が熱くなる。
「っ、ふー……っ、ぅ……っ」
「美甘、いい加減に認めろよ。お前は俺らのこと大好きで、俺らがいねーと物足りないんだって」
「ん、う……っ!」
「お前の大好きなサダは、ここの面倒までは見てくれねえんだろ? 予言しといてやる、お前、他の奴らで満足できねえよ」
「む゛ぐ、むぅー……っ!」
今、ここでサダの名前を出すな。というか、お前がサダって呼ぶな。
そう言いかけた矢先、睾丸ごと竿同士をこすり合わせるようにびっちりと重ねられた瞬間、唾液が滲む。
気持ちよくなどない、不快感しかないのに。大きさが一回り二回りも違う宋都のモノで押し潰された下半身。意識してもないのに肛門が疼き出すのを感じて青褪めた。
「ふ、ぅ……っ」
「テメェの友達はチンポこうやって扱いてくんねえだろ、お前の大好きなケツ穴ほじってくれんのか?」
「む゛~~……っ!」
「ははっ、だよなぁ? ……美甘、お前も面倒臭いのは嫌いだろ? もっと分かりやすくいこうぜ」
にゅるにゅると宋都の先走りで濡れ、滑り出す性器を指で弾かれた瞬間、下半身がぶるりと跳ね上がる。
宋都の言葉は勝手だ。俺のこと知ったようなことばっか言って、好き勝手言って。
「っふ、ぅ゛……ッ!!」
股から性器が引き抜かれたと思った瞬間、そのままでろでろに濡れた性器が今度は口を開いていた肛門に押し当てられる。
やけに重みのある性器でべちべちと何度も肛門を叩かれ、それだけで下半身が跳ね上がりそうになるのを見て宋都はニヤニヤと笑うのだ。
「は、これだけでケツの穴パクついてんだから、もういい加減に認めろよ」
「む゛、ぅ」
「お前は男なしじゃ生きてけねえって」
んなわけないだろ、現にここ数年は生きていけた。そう言いたいのに、肛門の上をぬるぬると滑ってはなかなか中に入ってこない性器に意識が向いてしまう。
カリや裏筋の凹凸を肛門で感じるだけで、直接中へとなかなかやって来ない刺激にもどかしさは募るばかりだ。
呼吸の度に獣にも似た呻き声が漏れる。そんな俺を見て宋都は俺の口から下着を抜き取った。
「……っぷは、……っ、さ、んと……っ」
「挿れてほしいって言えよ、美甘」
「……ッ、……」
「俺のチンポじゃねえとやだって、可愛い声で言ってみろ」
リビング。情報番組特有の長閑なBGMをバックに、最もそれに相応しくない宋都の声が響いた。
そして何よりも恐ろしいことに、「言えるわけないだろ」と真っ先に言うべきところで言葉が出なかった。己の股の間、別の生き物みたいに膨張した宋都のブツから目を反らせないまま俺は思考停止したのだ。
「い、わない……っ!」
「ああ? こんなにケツ穴ヒクつかせて、なあに強がってんだよ」
「そっそんなこと、な……いぃ゛……ッ!」
「言え、オラ。いーえ、美甘」
「い、言わない゛……っ、ぅ゛~~……っ!」
ずりゅ、とわざと尻の穴にカリ引っかかるように這わせ、挟ませてこようとする宋都。
やめろ!と足をバタつかせ、必死に宋都の下から抜け出そうとすれば、舌打ちした宋都に尻を叩かれる。
「ひぅ゛っ!」
「今日のお前は往生際が悪ぃな、それとも煽ってんのか?」
「ゃ゛、た、叩かないで……っ」
「叩かれたくねえなら大人しくしろ」
「ぅ゛う゛……~~」
「変な声で鳴くな」
肛門にぴったりと押し付けられた亀頭に背筋が震えた。なんだよ、またこの流れじゃないか。ハマってんのはお前だろ、宋都。
そう言ってやりたいのに、宋都にケツを揉まれる内に訳が分からなくなってくる。
指で左右に広げられた肛門に、そのまま亀頭が頭を埋め込んでくる感覚だけがやけにリアルだった。
「はー……っ、ぁ、……んん……ッ! ゅ、いってない、まだ……っ、いいってぇ……ッ!」
「……もー無理、遅え、時間切れ」
「んな゛ぁ……ッ! んん……っ、ゃ、抜い……っ!」
珍しくゆっくりと挿入してくると思いきや、「抜かねえ」と背後で宋都が口にした瞬間、そのまま奥までねじ込まれる性器に堪らず叫びそうになった。
俺の反応を予見してか、俺の口を塞いだまま宋都は俺を羽交い締めしたまま腰を打ち付けてくる。
「っ、んっ、んん゛~~ッ!」
「……っ、は、美甘……っ、やっぱお前のケツん中いいわ、あったけえ」
「っ、れ゛じぐな゛……っ、ぁ゛……ッんぐ……っ! ぁ゛っ、や……っ!」
「喘ぎ声は色気がねえけど、俺ので慣れていけよ。そしたら彼氏萎えさせずに済むだろ?」
「っ、ゃッ、う、」
逃げようとすればする度に宋都の筋肉質な腕はガッチリと俺を引き戻し、そのまま奥をこじ開けるみたいに何度も何度も突き上げられ、その度に頭が真っ白になる。
声だって出したくない。つか俺が聞きたくない。のにだ、宋都のチンポで奥を穿られる度、中が捲れそうになるくらい擦られる度に訳わからないくらい体が熱くなって、油断したら喉から声が勝手に出てしまうのだ。
「ゃ、っ、ぁ……っ、や゛ぁ゛~~っ!」
「やじゃねえだろ?」
「っ、ふッ、ぅ゛……っ! ぁっ、う゛!」
捲れる。筋肉の働きなんて無視して出入りする宋都のブツに俺はただされるがままになるしかなかった。肌を打ち、骨伝いに伝わってくる震動。
羽交い締めついでに服の上から乳首を摘まれ、堪らず仰け反る。
「やっ、さ、んと……っ、ん、む……っ!」
どさくさに紛れて顔を覗き込んでくる宋都に唇に噛みつかれた。びくっと震える体を抱き込まれたまま、胸と体内、両方を宋都に嬲られる。
濡れた舌に口を開けろと催促され、従うしかない。絡めろと言わんばかりに咥内へと伸びる舌に、既にいっぱいいっぱいだった俺は応えるしかなかった。
「っ、ふ、……っ、ぅ……っ! ん、む……っ!」
「……っはー……っ、美甘、気持ちいいか?」
「っ、ぎもぢ、よぐない゛ぃ……っ!」
「嘘吐け、んなにパンパンにしてなに言ってんだ」
「う゛ひっ!」
空いた手に睾丸を揉まれ、恐怖のあまり縮み込む。それなのに、亀頭で前立腺押し上げられるとすぐに快感に変換されてしまうのだから人体というのは理解できない。
「ぁ゛うっ、ゃ、いや、だ……っ、やめよ、も……っ、こんなの……ッ!」
「気持ちいいって言え、美甘……っ、俺とセックスすんのが良いってその口で」
「ん゛ぅ……っ!」
「は……っ、雑魚のくせに強がりやがって」
「っ、ゃ、んむ……っ!」
またキスされて、今度は乱暴に舌を絡め取られ、唾液を飲まされる。止まるどころか激しさを増すピストンに体ごと潰されてしまいそうになりながら藻掻いたときだった。
ポケットの中、しまっていたスマホが震え出したのだ。
「……っ、!」
「…………あ?」
その震動は宋都にまで伝わっていたらしい。人のケツにチンポハメたまま動きを停めた宋都は、躊躇なく俺のポケットを弄り始めるのだ。
そして。
「なっ、やめ、返して……っ!」
「――お、彼氏君じゃん」
そう、画面に表示されたサダの名前にさっと青ざめる。
ろくなことを考えていない顔をした宋都に、俺はとてつもなく嫌な予感しか覚えなかった。
「さ、んと……っ、か、返し――」
そう、必死に背後の宋都へと手を伸ばそうとしたときだ。ひょいと俺の手を避けた宋都は、そのまま当たり前のように電話に出やがった。
「――ッ!」
「よぉサダ~、今美甘はお取り込み中だ。後でかけ直させてやるよ」
こいつ、まじか。
青ざめる俺を他所に、端末片手に「んじゃな」と端末の向こうにいるサダに声をかければ、そのまま一方的に通話を切るのだ。
「っ、なに゛ッ、ばかっ、宋都の馬鹿……っ!」
「うるせえ、寧ろ優しいだろうが。音信不通の美甘君のがあいつ心配すんだろ……っ、なあ?」
「ぅ゛、ひぎゅ……ッ!」
勝手な言い分を口にしながらケツを叩いてくる宋都に涙が滲む。クソ、馬鹿宋都。ごめんサダ、宋都のせいで絶対に心配してるに違いない。
「……っ、それよか、自分の心配しろ」
「っは、ぁ……っ、ゃ、も、やだ……っ、早く抜いて……っ!」
「じゃあしっかりケツ振れよ、美甘」
「しっかりここで俺の締めんのも忘れんなよ」と、ただでさえミチミチに広がった肛門を指で更に広げられそうになる。
何故、こんなことになってるのか。
俺は頭の中でサダへの謝罪文を考えようとするが、それも宋都に邪魔をされ有耶無耶になってしまった。
「っふー……っ、ぅ、ひ、……っ! ぃっ、さ、んと……っ、宋都……っ!」
「は……っ、声、我慢すんの忘れたのかよ。燕斗のやつに聞かれてもいいのか?」
「……っ! ん、む……っ、ぅん゛ん……っ!」
こんなことに慣れたくないのに、初めてのときよりも宋都の性器の動きを感じる余裕が出てきてしまう自分が嫌だった。
ソファーの上、藻掻く俺を押し潰すように腰を打ち付けた宋都はそのまま俺の体を抱き締めてくる。そして、奥深くで大きく脈打つ性器に全身が震えた。
声をあげる隙もなかった。宋都に顎を掴まれ、唇を塞がれたまま腹の奥、たっぷりと注がれる精液に下腹部がガクガクと震える。
「ぁ゛ーー~~……っ、っすげえ気持ちいいわ、やっぱ……っ」
「……っ、は……っ、ぁ……っ」
「あー、ったく、お前なにソファー汚してんだよ」
射精した記憶もなかった。ソファー座面の上、ぬとりとしたその汚れが自分の出したものだなんて。拭かなきゃ、と震える指先で、テーブルの上のティッシュを取ろうとしたときだ。
俺の腰を掴んだまま、精液で満たされたそこに向かって再び腰を動かし出す宋都に飛び上がりそうになる。
「っ、ま゛っ、ぁ……っ、さんと……っ!」
「なんだよ、美甘」
「ま゛っ、へ、むり、ゃ、いま」
「お前だって物足りねえだろ」
んなわけない!と叫ぶよりも先に、突き当りを押し上げてくる宋都の性器に堪らずぴんと背筋が伸びる。「っ、ぉ゛」と喉の奥から溢れる声に、宋都が笑った。
「っ、ここ、ごつごつされんの好きかぁ? ナカまで痙攣してんぞ、美甘」
「ぃ゛、ゃ゛あ゛ぁ゛……っ、ぬ゛いで……っ!」
「やだね」
「ぃ゛ぎゅっ!」
先程までは慣らされていたのだと分かった。精液で濡れ、ぐずぐずに解された肛門の中、出入りする宋都の性器はあまりにも俺には耐えられるものではなかった。最早宋都に捕まえられたまま、オナホかなにかのようにひたすら打ち付けられる性器を受け入れることしかできない
「ぉ、っ、んひ、ぎ……っ! っぉ゛、待っで、はげじ……ぃ゛……~~ッ!」
「っはー……っ、ほら、美甘逃げんなよ」
「ゃ゛っ、も゛、ゃだ、いやだっ、がえる゛……っ!」
「どこに帰んだよ」
どちゅ、と臍の裏側、前立腺を潰すように腰を動かす宋都に頭の中が白飛びする。色鮮やかな光が明滅し、緩急をつけ、持続的に与えられ続ける快感に脳細胞がどんどん死んで馬鹿になっていく気がしてならない。
ガクガクと震える腰、足を絡め取られ、そのまま覆いかぶさってくるように奥を重点的に突かれまくれば声を上げることもできなかった。
「ひゅ、……っか、は……ッ!」
「お前んちはここでいいだろ、もう」
「ぃ゛っ、ゃ゛……だ……ぁ……っ」
「苗字慈光に変えろ、なんなら結婚でもするか? 俺と燕斗、好きな方選べよ」
ふざけんな、思ってもないことをべらべら言いやがって。
言いながら耳の穴に舌突っ込んでくる宋都に怒りが沸いたが、ムカつくのにそれ以上に『結婚』という言葉に下半身がきゅっと反応してしまう。そして、宋都もそれに気付いたのだろう。厭らしい笑みを浮かべたまま、「可愛いやつ」と俺の耳朶を甘く噛むのだ。
「喜んでんじゃねえよ、期待したか? それとも花嫁願望でもあんのかよ、お前」
「ぢがっ、ちが、そんなんじゃ、な……っ」
「燕斗のやつに言ってみろ、あいつ喜んで真に受けるぞ……っ、は……っ、また締まった」
「っ、ぅ゛、ちが、うっ」
違うのに、体が勝手に反応してしまう。
こいつらと一緒にいたくなんてないし、離れ離れになって清清してたんだ、俺は。
それなのに、宋都に甘い言葉かけられて喜ぶなんて、そんなわけないのに。
「美甘」
「ちが、ぅ……~~っ!」
「恥ずかしがんなよ、美甘」
そのまま頬へとキスをされ、頭を抱き込むように更に耳元で名前を呼ばれれば、下半身が恐ろしいほど熱くなるのだ。
抱き締められて動けない状態で囁かれながら犯されるの、気持ちいい。んなわけ、ない。ないのに。馬鹿か俺。しっかりしろ。
「っ、ぃ゛っ、いく、っ、さんと、ゃ゛、止まって、ぃぐ、いくから……っ!」
「おお、イけイけ」
「ゃ゛、また、そふぁ、汚しちゃう……っ!」
「……っ、ああ、汚せよ、お前のでマーキングしてやれ。バレちまったら俺も一緒に怒られてやるよ」
――馬鹿宋都。
そう声をあげる暇もなく、ぶる、と震える性器の先っぽから噴き出す熱に頭が真っ白になった。声を上げることもできないまま、ただ口を開けたまま閉じることもできない俺を見下ろしたまま、宋都は笑う。そして「まだ休むなよ」と俺の頭を掴み、更にピストンを早めるのだ。
ああ、革のソファーでよかった。
そんなことを思いながら、俺は射精の余韻に浸る間もなく今度は射精を伴わない絶頂を迎えることとなったのだ。
「……っ、は、ひゅ……っ」
「おーい、生きてるか?」
目の前、手を振ってくる宋都に俺はまともに受け答えすることもできなかった。
ごぷ、と音を立てて引き抜かれる性器とともに、腹の中に溜まっていた精液が溢れる。それを人のケツの穴に塗りたくりながら、再びゆるく尻に挟めたまま腰を動かしてくる宋都に俺は鳴くことしかできなかった。
「やだ、も……っ、じない゛……っ」
「……まじ、歯止め効かなくなるな。勃起が収まんねえ」
「えんと、えんと起きちゃう……っ」
「俺の部屋がいいって? 俺の部屋のがあいつの部屋まで聞こえんぞ」
しないという選択肢はないのか。
散々揉みくちゃにされたお陰でよれたシャツ越し、両胸の乳首を柔らかく揉まれれば声が溢れる。腰が勝手に揺れてしまうのだ。
もうしたくないのに、あろうことか条件反射で熱が集まりだす下半身。それを見て宋都は「なんだ、やる気じゃねえか」なんて言い出すのだ。
「ちがう、も゛、しない゛……っ! ぃ、や、宋都……っ!」
「わかったわかった、突っ込まねえから。体力使わないやつならいいだろ」
なにがわかっただ、こいつ。何一つ分かってないじゃないか。「さんとっ」と声を荒げたとき、ついさっき宋都に取り上げられたはずの端末がテーブルの上で震え出した。
「しつけえな」と舌打ちをした宋都は、そのまま端末を手にした。待って、と宋都を止めるよりも先に、再び宋都が通話に出る方が早かった。
「んだよ、今お取り込み中なんですけど」
「……っ!」
すぐ背後、電話に出ながらも片手間に人の乳首を捏ね繰回す宋都に口を塞ぐ。
またサダからなのだろうか。話してる内容までは聞こえないが、サダの声が微かに聞こえた。
「あ? 美甘? 美甘は元気だよ。……なに? 声聞きてえって?」
「……っ! ……っ、……!」
「別に構わねえけど。……美甘、声聞かせろってよ」
「……ッ!」
ふざけんな、馬鹿宋都。こっちに端末を近付けるな。
そう慌てて逃げようとしたとき、「おいこら、美甘」と乳首を引っ張られ、背筋が震えた。声が溢れそうになるのをなんとか唇を噛んで堪えたが、息まで殺すことはできなかった。
頭を横に振り、やめてくれと懇願する俺に宋都は更に底意地の悪い顔をしたのだ。
「美甘、声くらい聞かせてやったらどうよ」
「……っ、ふ、く……っ、ぅ……っ!」
「ほら、さっきみたいに名前呼んだらどうだ? 『サダ~』って」
ふざけんなそれ俺の真似のつもりなのか。
完全に小馬鹿にしたような猫なで声でまたしてもサダを呼ぶ宋都に頭にきたが、その怒りも乳首への刺激によって掻き消される。
抓られたと思えば、今度は優しく先っぽを引っかかれ、喉の奥がぶるりと震えた。
「……っ、ふ、……っ」
「美甘、サダが心配してんぞ」
「……っ、さ、だ……っ」
乳輪の周りをくるくると優しく指先で撫でられ、指の腹が掠めるだけで乳首の先端が痛いほど腫れ上がる。さっきみたいに強く引っ張ってもらいたい、などと思ってるわけではない。それなのに、直接触れてこない宋都に焦らされその場で足をばたつかせた。
「っ、さだ、大丈夫……っ、だ、いじょお……ぶ……っ、ん、ぅら……っ、から……っ」
早く電話切ってくれ、と宋都の腕にしがみつけば、目の前で腹立つニヤけ面をした宋都は「はいはい」と言わんばかりに目を細める。そして。
「――っ、く、んんぅ……っ!」
硬く尖ったそこをすり、と指が薄皮を掠めた瞬間、大きく体が震えた。
「……っ、く……っ、ふぅ……っ、ふ、うう……っ!」
「じゃあそういうことだからサダ、邪魔すんじゃねえぞ~。今日は美甘はお休みだってセンセによろしくなぁ?」
端末越し、サダの声が聞こえたような気がした。けれどそれもすぐ聞こえなくなる。人の携帯を床へと放った宋都はそのまま俺の唇を塞ぎ、赤く腫れ上がったそこを両手で扱き始める。
「ん~……っ! ぅ、ん、っ、ゃ、めろ、やめろ……っ! そこ、ゃ……っ!」
「『や』じゃねえだろ、さっきから早く触ってくださいって面してたやつが何言っても説得力ねえっての。ほら、乳首シコってやるからちゃんと服掴んでろ」
「っは、ゃ、いやだ……っ、ぁ……っひ、……ぅ、う゛~~……っ!」
「足ピンしてんのウケる。まじで好きだよな、お前これ。優しくしてやったときより感度よくなんのなんだよ」
「っ、ひ、ん……っ、ふー……っ! ぅ……っ!」
頭と胸、熱すぎてわけわかんねえ。
ぢりぢりと脳の奥を焼かれるような刺激に耐えきれず、宋都の腕の中、大きく体が震えた。びくっびくっ、と痙攣する胸を撫で、ぴんと指で乳首を弾かれた瞬間、頭の中で光が弾けた。
「きゅ、ふ……ッ!」
ずるりと倒れそうになった先。カーペットの上、放られた端末の画面にサダの通話画面が表示されてることに気付く。
いや、まさか。待て。……まじで?
「やべ、切り忘れてたわ」
そう舌を出して笑う宋都の顔見て気が遠くなる。
それからのことはよく覚えてない。慌てて通話を切れさせようと端末へと手を伸ばしたが、それを掴まれ、そのまま再び背後から抱き竦められる。
「サダ、よかったな。ちゃんと録音してオカズにしとけよ、抜けんだろ美甘の声は」
「……っ、ぁ、やめろ、っ、ば、か……っ! サダ、切って、たのむ゛っ、ぅ゛……っ!」
「せっかくだからサービスしてやれよ、美甘」
「ぃ゛……っ、ゃ゛、め……ッ、ぇ゛……っ! ぐ、……っ、ひ……ッ!」
精液諸々でぐちゃぐちゃになったケツの穴に指をねじ込まれ、前立腺を押され、無理矢理声をあげさせられる。
空になった睾丸からはもうなにも出ない。俺は現実を現実だと受け入れることができなかった。腹の中から、上から前立腺を圧迫され、可哀想だからとついで扱いでチンポ扱かれ、何度イッたのかもわからなくなった頃。
鼻水と涙でべろべろに汚れながらも俺は端末へと這い寄る。なんとか手にした端末は電源が切れていた。
笑いすらも出てこない。
次第に意識が遠退いていく。
次に目を覚ましたときにはこれが夢であるのを期待するしかなかった。
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